IS-突き進め!変態紳士-   作:「旗戦士」

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試験期間のためずいぶん更新に間が空きました。
ごめりんこ☆


変態紳士、真面目になる

<IS学園、一年一組教室>

 

午前中の授業を経て今回初めてとなるお昼ご飯を迎えた俺は、食堂でぼっち飯をするわけにもいかないので一夏を探すことにした。

 

席を立ち上がろうとした瞬間、一夏も俺を探していたのか、こちらの顔を見つけると元気そうに手を挙げる。

こういうことを異性にも惜しげなくやってんだからそりゃモテるはずである。

今すぐ俺の爆熱ゴッドフィンガーで爆散させてやりたい。

 

 

「彰久、飯食いに行こうぜ。もう一人知り合い来るけど」

「い、嫌よ! そうやってあたしと他の女を会わせようっていう魂胆なんでしょう!? 」

 

「お前は何を言っているんだ」

「ごめん、久々だったから」

 

意味不明な弁解の後、一夏の背後からやって来るポニテ美少女に真っ先に跪き、その子の手を握る。

あまりの速さに反応し切れなかったのか、少し驚いた様子であった。

 

 

「私は草薙彰久と申します。今日の貴女の昼食にご一緒しても宜しいでしょうか? 」

「あ、あぁ。私は篠ノ之箒だ。そんな跪いたりしないでくれ」

 

 

これぞ草薙彰久必殺の口説き文句。

ちなみに成功例は一度もない。

 

 

「……と、まぁ彰久はこんなんだがいい奴だ。よろしくしてやってくれ、箒」

「そ、そうだな。では早く行くぞ、席がなくなっては困るからな」

 

「えぇ、早速向かいましょう箒嬢! 」

 

 

「……なんで草薙はこんなハイテンションなんだ? 」

「俺に聞くなよ」

 

ノリノリでスキップしながら食堂へ向かった彰久を二人は追う事にした。

こんなんとは失礼だがポニテ少女に会えたのでそこは良しとしよう。

 

ぐふふふ……。

これで俺の「草薙彰久変態紳士ハーレム(ry」への道が一歩近づいたようだな……。

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<IS学園、食堂>

 

というわけで到着。

お昼時とあってか、食堂は大勢の生徒たちで賑わっている。

 

無論そこにいるのは全員女子なので、俺と一夏が入ると瞬く間に彼女らの視線が集中した。

この視線……濡れるッ!!!

 

 

「なんでお前は食堂のど真ん中でビクンビクンしてんだよ。変態かよ」

「照れるだろ、あんまり褒めんな」

「褒めてねーよ」

 

 

既に箒ちゃんの俺への視線が「ダメだこいつ」的な何かに変わっている事を俺は知っている。

だが諦めたらそこで試合終了なので俺はめげない。

 

「む、むう。中々混んでいるな」

「この俺にお任せあれ! 」

 

とりあえず席がなければどうしようもないので、一夏達が並んでいる間に座席を探すことにした。

俺の分も頼んでおいてくれるという一夏は流石と言わざるを得ない。

 

しばらくの間4人席を探していると、ちょうど空いたばかりなのか運良く水滴が付いているテーブル席を見つけることが出来た。

 

颯爽と彰久ダッシュ(ただの早歩き)でその席に近付くと、同じようにこの席を狙っていた別の生徒が俺と同時に席に座る。

 

 

「あら、あなたは……」

「せ、セシリア様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! この場で出会うなどまさに私と貴女は運命の赤い糸で結ばれていた!! 」

 

「きゃあっ!? い、いちいち手を取る必要などありませんわよ!? 」

「失礼、つい貴女が美しかったものですから」

 

「よ、よくそんな恥ずかしい台詞を惜しげもなく言えますわね……! 」

「ふふ、それが俺のウリだしな」

 

 

どうやらセシリア様もこの席を狙っていたらしく、すかさず手を取ると顔を赤くしながら俺への反論を述べた。

よし、攻略まであと少しだぞ彰久!

 

ついに現実でも女の子と付き合える日が来る……!

 

 

「どうせならお昼も一緒に食べないか? 俺たち丁度3人だし、座席的にもセシリア様含めてピッタリなんだよね」

 

「……貴方は決闘を申し込んだ相手と一緒に昼食を取りますの? 随分と呑気な方でいらっしゃいますこと」

 

「決闘つーか、今はクラス代表決定戦は関係ないでしょうに。どうしてそんなにセシリア様は頑なに俺や一夏を拒むんだい? 」

 

 

見たところセシリア様は一人だったので、座席的に4人席で一緒に食べようと提案した矢先、彼女が先程とはまったく違った神妙な顔つきになったのを俺は見逃さない。

 

「……貴方には話しても仕方のないことですわ。席は貴方がたにお譲りします、それでは」

「待って」

 

「なんですの? 何か文句でもおありかしら? 」

 

「もしクラス代表決定戦で俺がセシリア様に勝ったら、なぜ貴女がそんなに俺たちを拒む理由を聞かせて貰う。俺が負けたら貴女の奴隷になると言ったけど、それだけではフェアじゃないと思ってね」

 

その場を立ち去ろうとしたセシリア様を引き留め、クラス代表決定戦の際に俺は彼女に条件を持ち掛ける。

 

何も邪な理由があるわけでもなく、俺個人が本当に気になったのでこの条件を提案した。

ちなみにセシリア様の奴隷なら俺は大歓迎なんだけどね。

 

 

「……いいでしょう。貴方が勝てれば、の話ですけど」

「ありがとう。本当は一緒に食べたかったけど、君がそう言うんじゃ仕方ない。席はセシリア様に譲るよ、それじゃあ」

 

 

 

少し考え込む素振りを見せた後、彼女は再び高圧的な視線を俺に向けながらその条件を呑んだ。

答えが聞けて満足した俺は、一応彼女に別れを告げてこの場を立ち去る。

 

「ふっ、モテる男は辛いぜ」

 

まさに完璧。

これでセシリア様の目にはイケメンな草薙彰久(当社比)が映っていただろう。

 

 

「草薙、席は見つかったか? 」

「申し訳ありませぬ箒嬢、空いていたのですが他の生徒と被ってしまいまして譲ってしまいました」

 

「いや、こちらこそ済まないな。なら一緒に探そうか。それと私のことは箒でいい」

「マジで? じゃあ箒ちゃんって呼ぶわ」

 

「……急にラフになったなお前……」

「ふはは、それが俺のウリなのさ。さぁ、席を探そうではないか箒ちゃん! 」

 

 

再び席を探そうと周囲を見回していると、背後から和食の載ったプレートを持った箒ちゃんに声を掛けられた。

 

一夏は二人ぶん頼んでいてくれているので、多分時間がかかっているんだろう。

 

しかし彼女、「箒ちゃん」と呼ばれて満更でもなさそうだ。

これは第二のフラグの気配か……。

 

 

「む、そこが空きましたぞよ」

「ズェア!! 」

 

「おいハ〇メン自重しろ」

「すまん、つい」

 

 

数分後、再び座席が空いたのを確認した俺たちは真っ先にその席へと向かう。

どっちかって言うと俺ギルテ〇ギア派なんだ俺。

 

そんなわけで俺の分の昼食をまるでファミレスの店員みたいに持ってきた一夏を迎え、やっと昼飯にありつけた俺達。

 

「箒ちゃん、こめかみをかき上げならご飯食べるとかエロいね」

「それ普通ここで言う? 」

 




というわけでまったく進展がないかもしれません。
試験中なんで勘弁してくだせぇ。

あと箒ちゃんが初登場でしたがぶっちゃけかなり性格が改変しているかと。
ただのイケメンになってたし。

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