IS-突き進め!変態紳士-   作:「旗戦士」

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タイトルが相変わらず酷いですが、今回はシャルルきゅんとラウラちゃんの本格参戦。
そして少し原作改変です。


変態紳士、(マイサンが)セカンドシフト

<休み時間、一年一組教室>

 

 

ホームルームを終えると案の定シャルルくんはクラスの女子から質問攻めを受け、その華奢な身体を机に横たわせていた。

 

ちょっとげっそりする彼に萌えつつ、俺はシャルルくんの元へと歩みを進める。

 

 

「よっ、シャルルくん! 大丈夫かい? 」

「うっ、うう……。き、君は……確か……」

 

「草薙彰久だよ。この前会ったばっかだよな? IS博覧会でさ」

「あぁ! あの時のヘンタイさんだね! 」

「間違ってはいないけどそれで呼ぶのは勘弁してくれ」

 

 

俺の事を思い出してくれたはいいが、"ヘンタイさん"なんて呼ばれるとは心外だ。

男の娘の手を取りエスコートする行動のどこが一体変態なんだろうか、そう言われるのは興奮するけど。

きっと今の時代がこの俺に追い付いてきてないだけなのだろう。

 

 

「まさかIS学園で再会するなんてね。僕の事はシャルルって呼んでよ」

「そ、そんな……! いきなり名前で呼んでくれなんてシャルルくんったら大胆~☆」

 

「……そ、そうだね。ごめん」

「目を逸らして肯定されるのが一番辛いんだけど」

 

 

 

以前もそうだったがシャルルくんには冗談が通じないみたいである。

出会って二回目で俺を見つめる視線がゴミを見るようなものになってるし。

まるで中学時代の悪夢が蘇ってくるようだ。

 

 

「まあ、そういう事なら俺も彰久って呼んでくれ。よろしくなシャルル」

「うん、よろしくね彰久」

 

「よお彰久。早速仲良くなってるみたいだな」

「ふっ、この俺のコミュ力にかかればシャルルくんもイチコロよ」

 

「とまあ、こんな奴だが仲良くしてやってくれ。俺は織斑一夏だ」

「てめえ一夏! こんな奴とは失礼な! 紳士に向かってなんて事言うんだ! 」

 

「あ、あははは……よろしくね」

 

 

俺とシャルルくんが握手を交わしているのを見かけたのかトイレから戻ってきた一夏が俺たちの間に割って入ってくる。

自然に俺を貶すこのフラグ建築士はまだ俺のことを紳士と認めていないらしい。

おのれ一夏……お前の部屋にある近親相姦モノのエロ本を千冬さんにバラしても良いのだぞ……。

 

 

「っと、もう1時間目か。早く席に着かないと千冬姉のアームロック食らう羽目になるぜ」

「そうだな織斑。全くお前はいつも懲りんようだ」

 

「がああああ」

「い、一夏ーっ!! 」

 

「そこは"それ以上いけない"だよ彰久! 」

「違うから! ツッコミ所そこじゃないから! 」

 

 

 

見事という一言に尽きるアームロックを決められ、机に伏す一夏。

その後俺とシャルルくんも容赦なくアームロックをかけられ、彼と同じような結末を辿った。

若干の快感を得た俺はきっと勝ち組のはずである。

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<3、4時間目、廊下>

 

 

 

「シャルル、こっちだ! 急げ! 」

「う、うん! 」

 

「次のIS実習まであと何分だ一夏!? 」

「えっと、あと6分! やべえ、またアームロックされる!! 」

 

 

時は進み3時間目の休み時間。

朝のホームルームで事前に言われたIS実習の授業が3,4時間目にあるので遅刻しないようにアリーナで待っていなければならない。

 

しかしなぜこんな逃げるように更衣室へ走っているのかというと、迫り来る女子の手から逃れる為である。

一夏、さっきのアームロックは余程痛かったんだな。

 

 

 

「だから言ったろ! 俺が独自に開発したスニーキングスーツ着て潜入ごっこした方がよっぽど早く到着したっつーの! 」

「いちいちボケる必要がどこにあるんだよ!? 余計目立つわ! 」

 

「ボケる気はないぞ! 本気と書いてマジだ! 」

「ネタが古い! 」

 

「こ、これが噂に聞く夫婦漫才……!? すごいよ二人とも! 」

「違う! 夫婦違う! 」

 

 

走りながらもツッコミを入れる一夏を見て、シャルルくんは目を輝かせる。

あぁ……かわいい……結婚したい……。

 

「いたわ! あそこよ! 」

「くっ、メタルギアでお馴染みのSEと共に見つかった! やばい! 」

 

 

なぜ解説口調なのかは置いておき、俺達は再び全速力で迫り来る魔の手から逃げた。

確かに男が珍しいのは分かるが、いくらなんでも授業に支障を来すレベルで迫られるのはキツイ。

時間があればいくらでもウェルカムなんだがね。

 

 

「ふぅ……なんとか撒いたみたいだな」

「今日も作戦成功ってね。さあ、とっとと着替えないと遅刻してあの世行きだ」

「そうだな、っと」

 

 

男子の全速力にはさすがに追いつけなかったのか、更衣室に辿り着くともう既に誰も追ってくる気配はなかった。

転校初日はこの出来事に驚いたものである。

 

時間はもう授業が始まる数分前、急いで俺と一夏は制服を脱ぎだして手にしたISスーツを着始めた。

実際のところ俺はまだIS使用禁止命令が出ているので今日の実習は見学なのだが、真耶先生曰く見学の場合でもISスーツを着用しなければいけないらしい。

 

 

「うわあっ!? い、いきなり脱がないでよ!? 」

「え、いや、普通だぞ……? 早く着替えた方がいいって」

 

「わ、分かったから先行ってて! 僕トイレ行ってくるから! 」

「はいはい、遅刻したらアームロックからのキン肉バスターだぞー」

 

 

そんな俺達の様子を見ると、シャルルくんは頬を赤くしながら両手で顔を塞いだ。

反応が可愛すぎて思わず半裸で飛びつきそうになるが、敢えてここは抑えておこう。

 

しかし男が同性の裸体を見て恥ずかしがるなんて日本では珍しいことだ。

はっ……!! まさか……シャルルくんは……!?

 

 

「ホモ……だと……? 」

「何言ってんだお前」

 

「いや……もしホモでも俺は受け入れるよシャルルきゅん……」

「うわぁ」

 

 

一夏がドン引きしているようだが俺は気にも留めず、一人アリーナへと向かった。

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<第二アリーナ、IS実習>

 

 

 

「よし、全員いるな。これより2クラス合同のIS実習を行う。今回は専用機持ち含め、本格的な射撃訓練や格闘訓練といったカリキュラムだ。各自用意したISに並び、出現したドローンを狙ってくれ。専用機持ちはその支援や手助けに回ってほしい」

「はい! 」

 

 

そうして迎えたIS実習の時間、なんとか間に合った俺達は息を切らしながら1組の列に並ぶ。

相変わらずこの授業は女の子のISスーツがエロいので眼福だが、当の一夏は恥ずかしそうに俯いていた。

 

こんな柔肌を晒す機会など早々ないのに、全く一夏はアホである。

あ、今ちょっと真琴ちゃんのキャニオンが揺れた。

 

 

「それと草薙は見学だ、IS使用禁止令が出てるからな」

「了解です。代わりに女の子を見ていればいいんでしょう? 」

 

「くれぐれも変な事はするなよ」

「分かってますって。さあおいでマイハニー達! 僕が手取り足取り腰取り教えてあげるよー! 」

 

「よし貴様いい度胸だ」

「ぎゃああああ!! 出席簿でケツ叩くのは勘弁してくださぁぁぁぁい!! 」

 

 

 

様々な女の子のキャニオン(鈴ちゃんの場合は平原)を眺めていると既に授業は始まっており、配置された"打鉄"や"ラファール・リヴァイヴ"には1組と2組の女子が並び始めている。

 

専用機持ちは他の生徒のお手伝いやらをして欲しいとの事だったので、文字通り手取り足取り腰取りで教えようとした結果が出席簿ケツバットであった。

側で鈴ちゃんが爆笑してやがるな、あとであの貧乳揉んでやる。

 

 

 

「自動小銃を構える場合は右手で銃把、左手で被筒部の後端を握って構える。ほぼ全ての小銃においてこれが最も基本的な構え方だ。よし、そこのお前。武装展開してあのドローンを撃ってみてくれ」

「う、うん」

 

ふとラウラちゃんの方を見ると基礎的な銃の持ち方から他の生徒達にレクチャーしているようで、その姿はまるで軍に所属する教官のようであった。

 

そういえばIS博覧会の時にドイツの第三世代のISと共に試験稼動の映像が映されていたが、あの映像にいた銀髪の女の子とラウラちゃんは酷似している。

まさか本当に軍人上がりでこのIS学園にやって来たのだろうか。

 

 

「少し上に発砲してしまっているな。引き金を引く時に銃口を気持ち低めにしてみろ、改善されるはずだ。次、ここに来てくれ! 」

「ありがとう、ボーデヴィッヒさん! 」

「礼には及ばん」

 

 

ふむ、どうやら一夏以外の子とは普通に接するみたいだ。

それもそうか、あいつに関わる全ての人間を嫌ってしまうのは流石に孤立してしまうだろうしな。

 

 

「格闘訓練はあたしのところに来てねー! こっちよー! 」

「鈴、お願いしてもいいか? 」

 

「お、いいわよ箒。それじゃあの近接ブレード構えてるドローンに攻撃してみて」

「分かった」

 

 

所変わって鈴ちゃんの方に視点を変えると、"打鉄"を纏って刀のような近接ブレードを手にした箒ちゃんが彼女の傍に立っていた。

指示通りに箒ちゃんが刀を構えると、一気にドローンとの距離を詰めて一刀の元斬り捨てる。

 

さすが剣道有段者、素人の剣捌きとは訳が違う。

あまりに鮮やかな太刀筋のせいか周りから拍手が起こっていた。

 

 

 

「すごいじゃない! 剣道やってるって聞いたけど、まさかここまでとは思わなかったわ! 後はISの基本操縦を完璧にすれば言うことなしよ! 」

「そ、そうか……。少し照れくさいな」

 

 

ちょっと顔を赤くする箒ちゃん、うむかわいい許嫁にしたい。

あんな娘に好意を寄せられている一夏はマジで一度爆破してやろうかと思うくらいだ。

 

 

「よし、全員一旦集合してくれ! 」

 

 

 

実習ももう少しで終わりそうな時間になり、千冬さんがアリーナにいる全員に集合を呼びかけた。

やはりブリュンヒルデの名が影響しているせいか即座に彼女の元へ集まってきている。

中身は結構残念な人だけどな……。

 

 

「これより、君たちにはIS戦闘の模擬戦を見学して貰いたい。操作を行なった後だと彼女らの操縦技術がいかに難しいか分かるからな。山田先生、宜しいですか? 」

「は、はい! 任せてください! 」

 

 

集合を呼びかけたのは模擬戦を実際に間近で見させる為らしく、俺達は一旦アリーナの観覧席に移動した。

模擬戦と言えど実際にISを使用して戦うのだ、何かあってからでは遅い。

 

既に真耶先生はISスーツに着替えており、そのダイナマイトボディを惜しげもなく見せつける。

思わず俺の零落白夜もセカンドシフトした。

 

 

 

「凰、オルコット、お前達にはこれから山田先生と戦って貰うぞ」

「前からその話は伺っていましたけど……」

 

「本当に2対1でいいんですか? 何かすごい罪悪感なんですけど……」

「構わん。山田先生はお前達よりかは遥かに強いからな」

 

 

 

千冬さんはアリーナの中にいる鈴ちゃん、セシリアにISの展開を呼びかける。

確かに真耶先生はドジっ子で何かやらかしそうだが、実際に"ラファール・リヴァイヴ"を纏った姿を見ると様になっているのだ。

もしかしたら真耶先生ってかなり強いんじゃ……。

 

 

 

そして千冬さんの一声によって模擬戦が始められる。

 

まずは鈴ちゃんが二本の"双天牙月"を展開して一気に真耶先生との距離を詰めるが、難なく避けられてアサルトライフルによる反撃を受ける。

その隙を縫うようにセシリアが"スターライトmk-Ⅲ"を発射するが、上体を屈めることによってその攻撃を肉薄した。

 

 

レーザー系統の武装は発射、正確性と共に優れるが銃口の向きがそのまま左右されるために一流の操縦者には避けられることが多い。

真耶先生が二人より高い操縦技術を持っている事は明らかであった。

 

 

「早速だがデュノア、山田先生が搭乗しているISの説明を頼む」

 

「はい。先生の使用するISは"ラファール・リヴァイヴ"です。汎用性が高く、世界で最も配備されているISのひとつです。その性能は独自に開発された第三世代機をも凌ぎ、一流の技術を持った人間が使えば正に鬼に金棒と言われています。また、拡張領域も多く自分のカスタマイズも可能ですね」

 

「その通りだ」

 

 

鈴ちゃんのウリは銃弾を見せない"衝撃砲"、だが完全にセシリアと真耶先生の位置が被っている為に撃つことが出来ない。

そういった位置へ持っていくことが既に難しいことなのだが、難なく真耶先生はそれをやって見せた。

彼女はセシリアと鈴ちゃんがぶつかる場所を予測し、真耶先生は武装のひとつである手榴弾を投げ込む。

 

案の定衝突した二人は手榴弾の爆破に巻き込まれ、2対1で真耶先生に敗北を喫したのだった。

 

 

 

「う、うぇぇ……。山田先生がこんなにもお強かったなんて……」

「あたし達の完敗ね……」

「あ、あはは……。大丈夫ですか二人とも? 」

 

 

くたびれて地に伏す二人に真耶先生は優しく手を差し伸べる。

いつもの優しい表情に戻り、その姿はまるで女神であった。

 

 

「この模擬戦と先程の訓練を行なって分かったと思うが、山田先生やオルコット達のように縦横無尽に飛び回りつつ攻撃を行うことは難しいことだ。以後、教員に敬意を払うと共に訓練に励んでくれ」

「はい! 」

 

 

 

 

 

 

千冬さんの言葉を合図に3,4時間目が終わるチャイムが鳴り、俺達は教室に戻っていく。

こうして、転校生の含んだIS実習は終わりを告げたのである。






というわけでヒロインズはこれで揃いました。
さて、問題はどちらかを攻略するかですがそれは次回までのお楽しみ。

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