IS-突き進め!変態紳士-   作:「旗戦士」

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やっと本編の更新です。
遅れて申し訳ありません。


変態紳士、祝う

<夕方、食堂>

 

 

 

 

 

 

「織斑くん、クラス代表就任おめでとー! 」

「ははは……ありがとな、みんな」

 

 

 

「おめでとう一夏! お祝いに一子相伝の俺の裸踊りを見せてやるぜ! 」

「き、気持ちだけで十分だ! 服を脱ぐな服を! 」

 

 

 

 

IS実習を終え、昼食をとったせいか眠くなった身体を叩き起こして5・6時間目の授業を乗り越えた俺達は、このように夕食の時間を使って一夏の就任祝いを催すことにした。

 

 

無論先輩や先生たちに迷惑をかける訳にもいかないので、装飾も少し控えめではあるものの、さすが織斑一夏の名は伊達ではないようで、1組の生徒全員はもちろん、2組の生徒からも来ている生徒もいるようである。

 

 

 

 

しかし純粋な気持ちな祝おうとしているのにも関わらず、それを止めるとは貴様殴られる覚悟はあるんだろうな……。

 

 

 

 

「もう、あっきーったらいきなり服脱いじゃ駄目だよ~。そこは裸踊りじゃなくてあんこう音頭でしょー? 」

 

「なん……だと……? 今のトレンドは裸踊りではなくあんこう音頭なのか……」

 

「いいえ、決してあんこう音頭などではありません! そこはキャプテンEOを踊るべきですわ! 」

 

 

「まずはお前ら踊ることから離れろ」

 

 

 

半裸になりかけていたところを本音ちゃんと一夏に止められ、なんと彼女が代わりに差し出したのは頭が魚のあんこうになっている茶色のタイツであった。

 

さすがにここで踊ると俺が社会的にも精神的にも抹殺されるのでやめておくが、正直西〇殿のキリッとした表情には俺のハートはよく持っていかれたものである。

 

 

あとセシリアなんでその年でキャプテンEO知ってんだよ、年齢偽ってんのかよ。

 

 

 

 

「一時はどうなるかと思ったけど、やっぱり時の人である織斑くんが代表で良かったね! 」

「そうだな少女よ。ガンダムが戦う場面を目に出来るとは心が滾る……! 」

 

「対抗戦の日が楽しいだよー! 」

「ISの操作もままならない素人に、クラス代表なぞ出来るわきゃねぇぇぇぇぇだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!! 」

 

 

 

「すいません、ガヤの面子が濃すぎるんですがどうしましょうか箒ちゃん」

「私に聞くな。正直手が出ない」

 

 

 

就任パーティーは色んな意味で盛り上がっているようで、当の本人は照れくさいのか辺りをキョロキョロ見回している。

 

そりゃそうだ、一夏の周りには2組や1組の知らない女子ばかりが座っており、2組の知り合いといったら鈴ちゃんぐらいしかいない。

正直ちょっと不安なんだろう。

 

 

 

 

 

「はいはーい、新聞部がちょっと通るねー。今日は学園で話題が持ち切りの織斑一夏くんと草薙彰久くんを取材させて貰いたくて来ました! インタビューするけどいいよね、答えは聞いてない! 」

 

「はっはっは、この草薙彰久の情報なぞ幾らでも教えて差し上げましょう! もちろんスリーサイズやマイサンの大きさまでなんでも答えますぞ! 」

 

「あ、別にそれはいいや」

 

「……」

 

 

 

なんだろう、最近俺への扱いが変わってきた気がする。

まるで中学時代を彷彿とさせる雰囲気だ、うわあ最悪。

 

 

人だかりの中をかいくぐってパーティーの中心へとやって来たその子はペンとメモ帳を手にしており、新聞部といってもかなり本格的なものなのだと想像させる。

 

こういう風に俺の素敵なジョークを一蹴する辺りとか。

 

 

 

 

「っと、自己紹介してなかったね。私は黛 薫子(まゆずみ かおるこ)。ここの新聞部の副部長だよ、よろしくー。あとこれ名刺、念のために持っといて」

 

「あ、ありがとうございます」

「ありがとうございます、黛先輩」

 

 

小奇麗な名刺入れから俺と一夏は名刺を受け取り、それぞれ胸のポケットに名刺を仕舞うと、そのタイミングを見計らって黛先輩が颯爽とレコーダーを取り出し俺達に向けてきた。

 

 

すると入り口の方から見覚えのあるツインテールが走ってくるのが見え、俺はその人物をここに呼び寄せる。

 

 

 

「あ、すんません黛先輩、インタビューは少し待っててくれますか? 今部活帰りの知り合いが来たんで歓迎しとかないと」

 

「ああ、今来たツインテールの子? 確か2組の専用機持ちで転校してすぐにクラス代表の座を奪ったっていう……」

 

「そうそう。先に一夏とセシリアとかのインタビューしておいて下さい、んじゃちと失礼」

 

 

 

 

さすがに何の断りも入れずに退席するのは失礼だと感じたので、あらかじめ黛先輩に席を離れる旨を伝えておき、入り口付近にいる鈴ちゃんの元へと駆けていった。

 

一夏の方は突然俺が席を立ち上がったせいか驚いた表情を見せるが、俺の進む方向を見てすぐに察して黛先輩からのインタビューを始めている。

 

 

 

「よっ、鈴ちゃん。部活終わりかい? 」

「お、彰久じゃない。そうね、今部活が終わって夕ごはん食べに来たらこの有様よ。こんなに人が集まってるけど、一体何してるの? 」

 

「一夏のクラス代表就任記念パーティー、ってとこか。なんか2組の子もいるけどな」

「えぇっ!? 1組のクラス代表って一夏なの!? 聞いてないわよそんな話! 」

 

 

 

鈴ちゃんは食堂がいつもと違う様子に驚いているようで、誰か知り合いがいないか探しているところ俺を見つけてこちらに歩みを進めてきた。

 

現在の彼女の服装は部活の練習着のままであり、普段から活発な鈴ちゃんにはとても似合っている服装である。

 

このまま寮に連れ込んで個人撮影会と洒落込みたいものだが、完璧に薄い本的な展開と化すのでやめておく。

 

 

 

「まあ、今日決まったし。鈴ちゃんが武力介入した直後のホームルームにはもう決まってたな」

「あれについてはもう言及しないで……お願い……。アンタが中学時代に言ってた"黒歴史"って奴と同じ感じねこれ……」

 

「ふっ、ようやく理解したか鈴ちゃんよ。これが過去の罪を抱えて生きていくというものなのだよ」

「なんかカッコ良く言ってるけどアンタがやってたことって捕まっても文句言えないレベルだからね?"異議あり!"って言っても却下される感じよ」

 

 

 

 

 

確かに女子更衣室へ何度もスニーキングした覚えはあるが、あれは同級生の女子が思春期真っ只中の男子の前でエロエロなミニスカートなんて穿くのにも問題があると思う。

 

ホットパンツ辺りとかにしてくれればまだ自我を保つことが出来たものを……。

 

 

「まあ黒歴史云々は置いておこう。それより今新聞部の黛先輩っていう人が来てて、一夏とかにインタビューしてるんだ。どうやら専用機持ちには全員話を聞くみたいだよ」

 

「なるほど、それであたしんとこ来たってわけね。オーケー、そういう事なら早く行きましょ」

 

 

 

事情を話すと鈴ちゃんは二つ返事で快諾し、俺よりも先に黛先輩のところへと走っていく。

変わっていない、やはり彼女は背伸びをしていても頭で考えるより先に身体が動くところはずっとあのままであった。

 

そこが鈴ちゃんのいいところなのである。

 

 

 

 

再び一夏たちのところへ戻ると、そこで黛先輩が熱心にメモを纏めていた。

どうやらセシリアと一夏へのインタビューは終わったらしく、俺達を待っていたようである。

 

 

 

 

「遅れました、黛先輩。こちらが2組のクラス代表の凰鈴音です」

「おお、知り合いってその子のことだったのね。んじゃあ、早速インタビューを始めちゃおう」

 

 

 

そう言うと先程一夏たちに向けていたボイスレコーダーを取り出し、俺達の方へと向けた。

手慣れている様子であり、さすがに少し変態紳士は緊張する。

 

 

 

 

「まず凰さんから。今2組は専用機持ちがクラス代表になって話題になっているけど、対抗戦に向けて意気込みをお願いします! 」

 

「そうですね。相手が専用機持ちである以上、油断はしません。クラス対抗戦は全力を尽くして戦いたいと思います」

 

「うーん、なんだかありきたりな返答ね。ちょっと捏造しとくわ」

 

「おい新聞部何してんだ」

 

 

 

いくら学生が作る新聞とはいえ捏造はヤバい気がする。

それこそ千冬さん辺りに出席簿で阿弥陀流大後光刃されそうだが……。

 

 

 

「いいのいいの。それより次は草薙くんね。もう一人の男性IS操縦者として、何か織斑くんに一言お願い! 」

 

「ISスーツはエロいからあんまり直視すると息子がb」

「チェストぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!! 」

 

「めるとッ!! 」

 

 

 

 

鋭い鈴ちゃんの蹴りに思わず変な声を上げ、その床に伏せる俺。

彼女の蹴りも中学時代と相変わらず凄まじい威力である。

 

 

 

「まーた下ネタばっか言ってアンタは! ほんっと中学の頃から変わんないんだから! 」

「ふっ、その鋭い蹴りも中学の頃から変わらないな鈴ちゃんよ。ちなみに今日は水色か」

 

「なっ、なに見てんのよアンターッ!? こ、この変態!! 」

 

 

「ふむふむ……凰さんの今日の下着は水色で、草薙くんは見かけによらず変態、と。今週の新聞に載せておくわね」

 

「いや載せる必要ねーよ!? 」

 

 

 

ここで俺が変態とバレてしまっては、「草薙彰久スーパーハーレム変態紳士計画その2」が一気に崩れ去ることを意味するのだ。

なんとしてもならない。

 

あと鈴ちゃん、俺の好みは縞パンなので是非そっちを今度から穿いてくれ。

 

 

 

 

 

そうしてインタビューされること10分、今週の新聞に専用機持ちだけでの写真を載せるというので、急遽他所へ行っていた一夏とセシリアを集合させることにした。

 

専用機持ちが4人も集まることなどそうそうないので、俺達の周りには先程よりも多い野次馬が増えている。

 

 

 

「よし、じゃあ4人はそこに並んで。写真撮るよー」

「なにぃ!? なら今すぐ紳士の正装である裸ネクタイに着替えなければ! 」

 

「彰久さん、スターライトmkⅢでお尻の穴をもう一つ開けて差し上げましょうか? 」

「すいませんこのままでお願いします」

 

 

 

気を取り直してもう一度、今度こそ写真を撮ろうと黛先輩が一眼レフを構えた。

 

 

 

「それじゃもう一度。54×23+21はー? 」

「1263!! 」

 

「おっ、正解」

「すげえな鈴! 」

 

 

 

なんでこんな複雑な問題を写真を撮る時に出すのかは分からないが、瞬時で答えられる鈴ちゃんも十分凄い。

 

撮り終わってから写真を見せてもらうと、そこにはこの場にいた全員が写っていた。

 

 

 

 

 

「お、全員入ってる。後で鑑賞用、保存用、夜のお供用、食べる用に焼き増ししておこう」

「むぅ、納得がいきませんけど……。まあ全員の方がにぎやかでいいですわね」

 

「専用機持ちだけにゃいい思いさせませんぜ! 」

「そうだそうだ~! こっちも男が欲しいんじゃ~! 」

 

 

確かにセシリアの言う通りだ、にぎやかなのは良いことである。

それにどの子も可愛いので眼福になるしな、これ以上の癒しは膝枕ぐらいしかないだろう。

 

 

 

 

 

こうして、一夏の就任パーティーは夜遅くまで続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、なぜか千冬さんも二日酔いになっていたとか。





というわけで原作改変です。
鈴ちゃんの参戦で一気にネタの幅が広がりました、鈴ちゃんかわいい。


P.S.鈴ちゃんの計算の答えが間違っていたので修正しました。
マジで恥ずかしい。

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