タイトル酷くて草不可避。
<IS学園、1年1組>
「……あはははは。なんだろう、ぼく今すごく死にたい」
盛大に噛んでさっそくクラスのみんなに爆笑された私不肖草薙彰久は、レ〇プ目で机に突っ伏しながらそう呟いた。
「だ、大丈夫? 草薙くん」
「あっはっは、ありがとう静寐ちゃん」
俺の隣にいた鷹月 静寐(たかつき しずね)ちゃんが心配そうに俺を覗き込む。
ショートヘアっていいよね。俺思わず結婚してくれって言っちゃいそうだったよ。
「おう、彰久。久しぶりだな」
「君は鈍感イケメンクソフラグ一級建築士の織斑一夏くんではありませんか……。お久しぶり」
「なんでそんなスラスラ俺への罵倒は言えるんだよ」
「俺だって不思議だわ」
そんな中、世界初の男性IS操縦者であり俺の中学時代の友人である"織斑一夏"が笑顔で話しかけてきた。
彼の面影は中学時代からあまり変わらないが、鈍感で尚且つイケメンなのは相変わらずである。
「まあ、元気そうでなによりだよ」
「この1か月日本の偉い人に縛られてたけどな。エロ同人みたいに」
つーか本当になんでこんな時だけスラスラ言えるのか不思議でしゃーない。
主人公補正? そんな補正クソ喰らえ。
「というより一夏、お前がIS動かした時は心底驚いたぞ。つーかなんなのお前? 藍越学園を間違えてIS学園の試験受けてIS動かすとか補正の塊じゃねーか! ドジっ子は女の子だけで充分なんだぞ! 」
「うるさいうるさい。周りにも聞こえてんぞ」
「ははは、なんでもありませんよお嬢様方」
俺の変態性はまだ露見されるべきではない。
その時が来たならば途端に表に出すが、それは女の子と仲良くなってからである。
「織斑×草薙……いけるわね」
というかクラスの女子の方々、俺と一夏の話す様子を見て「攻め」だの「受け」だのこそこそ話さないでね。
BLは対象外なの俺。男の娘はいけるけどな!
「少しよろしくて? 」
「ん? 」
「はい? 」
昔の話も兼ねて二人で談笑していると、間から高いトーンの女の子の声が聞こえてくる。
いち早く反応して見上げた先には、金髪縦ロールの碧眼美少女がそこにはいた。
(なっ、なんだこの美少女は! 縛って「くっ殺せ」とか言わせてえ! )
IS学園は操縦の腕を磨く他に整備士などのIS関連の人材のほとんどはここで育成され、その知識を学ぼうと世界各国の女の子がこの学園に集まっている。
このように欧米の人やアジア諸国の人がいるのも不思議ではないのだ。
「まあ! なんですのそのご返事! わたくしに話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるのではないかしら? 」
「失礼しましたマドモアゼル。この学園に転入してきたばかりなので、次は気をつけましょう。私は草薙彰久と申します。お名前を伺っても? 」
「え……あの、手を……。い、いいでしょう! 教えて差し上げますわ! わたくしの名前はセシリア・オルコット! イギリスの代表候補生にして入試首席のエリートです! 」
「セシリア・オルコット嬢と仰るのですね。あぁ、なんて麗しいお名前だ! 」
(高圧的なお嬢様キャラ来たぁぁぁぁぁ!! うっひょおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!! まさか生で見れるとはパーフェクトだ、IS学園! )
そのセシリアという女の子が話し終えた隙を突いて俺は颯爽と跪き、彼女の手を握る。
いきなり手を握られたのか言おうした台詞を取払い、セシリアは顔を赤くしながら改めて自己紹介を行った。
「あー……その、なんかラブコメの最中で悪いんだが、一つ聞いてもいいか? オルコットさん」
「ふふっ、下々も要求に応えるもの貴族の務めですわ。よろしくてよ? 」
(おのれバナーz……織斑一夏、貴様ぁ!! 俺とセシリア嬢の会話に武力介入するつもりかぁ!! 認めん、断じて認めんぞぉぉぉ!! )
そうは思いつつも今ここで口に出すと「草薙彰久のスーパーハーレム変態紳士化計画その2」が全て台無しになってしまう。
ちなみに"その1"は中学時代にやって盛大に失敗した。
「代表候補生……ってなに? 」
一夏の口から放たれた衝撃の一言にクラスのみんなはドリ〇ターズのように机から転げ落ちたり階段に躓いたりしてしまった。
みんなのノリの良さにも驚きだが、一夏のアホの子っぷりにも驚きである。
セシリア様に至っては唖然として青くなってんじゃねーか。
「し、信じられませんわ!? 日本の男性というのはみんなこれほど知識に乏しいものなのかしら!? 常識ですわよ、常識! 」
「一夏ェ……。流石に俺でも知ってるぞ……」
「なんで教えてくんねーだよこの変態! 」
「変態じゃない! 紳士と呼べこの野郎! 」
この場で変態呼ばわりはマジで俺の学園生活の存亡掛かってるから止めてください。
お願いしますなんでもしますから。
一度更衣室覗こうとして通報されかけたんだってば。
MGS2の雷〇の格好してな。
「で、代表候補生って? 」
「国家代表IS操縦者のその候補生として選出される、"エリート"のことですわ。単語から想像して分かるでしょう? 」
「そう言われればそうだ……! 」
「そう、エリートなのですわ! 本来ならわたくしのような選ばれた人間とクラスを同じくするだけでも奇跡! 幸運なのよっ! その現実をもう少し理解して頂ける? 」
「フ〇ウ! 君は病気なんだ!! 」
「び、病気ぃ!? わたくしは至って健康ですわよ! 」
「ごめんなさい、つい似てたから」
大げさな素振りを見せながら一夏と会話するので(一方的)、ついZのフォ〇(劇場版)と間違えてしまった。
いやだって声似てるんだもの……。専用のISは黒くて大きいんだろうか。
「そ、そうか。それはラッキーだな」
「……馬鹿にしていますの? 」
「お前が幸運って言ったんじゃないかぁ……」
「だいたい、何も知らないくせによくこの学園に入れましたわね。男性でISを操縦出来ると聞きましたけど、期待外れですわ」
「あ、俺はIS操縦はあんま出来ませんけど夜の操縦なら得意中の得意です」
「黙れチェリーボーイ」
お前チェリーボーイなめんなよ。
凄いんだぞ、主に妄想力とか妄想力とか妄想力とかな。
某眼鏡が本体さんもチェリーボーイは汚れを知らないって言ってただろうに。
「よ、夜の操縦って……! 」
下ネタを聞いて顔を赤くしたのか、咳払いをして気を取り直すセシリア様。
あらかわいい。
「こ、こほん。まぁでも、わたくしは優秀ですからあなた方のような人間にも優しくしてあげますわ。 分からないことがあれば……まあ泣いて頼まれたら教えて差し上げてもよくってよ? なにせわたくし、入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから! 」
「あれ? 俺も倒したぞ、教官を」
「一応俺も、かな? いやあれは倒したことになるのか……」
そういやIS学園にスニーキングミッションして捕まった数日後、試験を一応受けたんだがその時の試験官がこのクラスの副担任、山田真耶先生であった。
いよいよ実習試験が開始して俺が接近したら、あの真耶先生のダブルビックキャニオンを偶然にも触ってしまったんで、先生が沸騰して気絶してしまったのである。
一応合格扱いにはなったんだが、その後千冬さんにこっぴどく出席簿で殴られた。
あの人絶対にSの素質あるわ。
「はあ!? 」
「倒したっていうか、いきなり突っ込んできたのを避けたら壁にぶつかって動かなくなったけど」
「わ、わたくしだけと聞きましたが……」
「あはは、それ女子だけってオチですな。たぶん」
もう真耶先生完璧じゃねーか。巨乳で美人で優しそうで眼鏡でドジっ子って俺なら迷わずギャルゲーで攻略するヒロインだぞそれ。
あとで印鑑と婚姻届持って行こう、そうしよう。
「あ、あなた方も教官を倒したって言うの!? 」
「お、落ち着けって! なあ? 」
「うわあ!!! セシリア様がご乱心だ!!!!! 誰か助けてくれぇぇぇぇぇ!!! 」
「お前はもっと落ち着け」
「こ、これが落ち着いていらr……! 」
セシリア様が更に一夏を言及しようとした瞬間、タイミング良く授業開始を知らせるチャイムが教室に鳴り響いた。
グッジョブチャイム、お前はいい仕事するぜ。
「話の続きはまた改めて! 宜しいですわね! 」
「お、おう……」
「また会いましょう、セシリアさまー! 」
まるで覚えていろよと言わんばかりにセシリア様は俺達の元から立ち去り、また自分の席で仏頂面を構えることになった。
「ふふふ……フラグが立ったな。俺に」
「いや、それはない」
全否定されつつも俺は一夏に別れを告げ、あの恐ろしい出席簿マサムネブレードで叩かれないように急いで席に着いた。
というわけで話が全然進まなくて死にたい変態紳士こと旗戦士です。
一応この作品ではつじつま合わせの為に時間軸をずらして投稿しています。
今回では本来なら"一夏が箒と接触した後にセシリアと会話"になってますが、本作では一夏が入学した数日後に彰久が転入するので"箒と接触したその数日後にセシリアと会話"となっています。
タグに原作改変と付け足しますが、もしご不満であれば書き直します。
分かりにくい描写で申し訳ありません。
12/04-修正加えました。