とある死後の風紀委員   作:エヌミ観測手

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第17話通じ合う想いと生じる混沌

かなでが生徒会会長に復帰してから数日後、黒子とかなでと音無の3人は焼却炉前で

最初に卒業させる戦線メンバーを誰にするのかを話し合っていた。

 

かなで「まずはどうするの?」

 

音無「色々考えたんだけど、まずはユイがいいと思うんだ。」

 

黒子「何故ユイさんから?」

 

かなで「ユイって誰?」

 

焼却炉に掃除で一杯になったゴミ箱のゴミを捨てるかなではユイの事がわからず音無に質問し

傍で缶コーヒーを飲みながら黒子が最初のメンバーをユイにした理由を音無に尋ねる。

 

音無「まずはかなでの質問に答える、ゲリラライブのときにボーカルしてた奴だよ。」

 

かなで「ああ、あの時の・・・。」

 

音無「次は黒子に答える番だな、ほらあいつっていつも明るくて日向や大山に絡んだり

   バンドのボーカルになって好き勝手やってるから思い残しはないと思う。」

 

黒子「確かにいつも自分のやりたい事をやっていて楽しそうですわ。」

 

音無「そう思うだろ、ほんの少し背中を押してやればここから卒業できるはずだ。」

 

かなで「2人がそう思うなら私はそれでいいわ。」

 

黒子「ではユイさんで決まりですわね。」

 

音無「よし、じゃあこの3人で早・・・。」

 

黒子「ちょっとお待ちくださいまし。」

 

音無「黒子、一体何なんだよ・・・?」

 

と音無が「この3人で早速行動開始だ」と言おうとしたのを黒子が遮り、出鼻を挫かれた音無が

不満そうに黒子に視線を向ける。

 

黒子「言いかけてたのを止めて申し訳ありませんが、わたくしはユイさんを卒業させる

   手伝いはできませんわ。」

 

音無「はあ?何言ってんだ、こないだお前協力するって言ったじゃないか?」

 

黒子「話を最後までお聞きください。」

 

と黒子が保健室で言っていた事と違う事を言い出したので戸惑う音無を黒子が制止し続きを話す。

 

黒子「わたくしは別行動を取りますわ、ユイさんだけでなく他にも卒業させられそうな方

   が2人居りますのでそちらを担当しようと思いますの。」

 

音無「同時進行で行くのか?1人ずつ卒業させるほうがいいと思うんだが・・・。」

 

黒子「確かにユイさんの後に他の人・・・と1人ずつ卒業させたほうが負担は小さいでしょうが

   あまり効率的ではありませんしそれに3人でユイさんを卒業させようと一緒に行動すれば

   ゆりさんに気づかれる可能性もありますわ。」

 

と黒子は音無の案を理解しながらも見つかる危険性を指摘して別行動を取る様に提案する。

 

音無「俺達のやっている事がバレたらまずいからな、目立たないようしておいた方

   が賢明か・・・よしわかった黒子、その2人の事は頼んだ!」

 

黒子「お任せください、音無さん達もユイさんの事をお願いしますわ!」

 

音無「これで方針は決まったな、かなでそういやこの前頼んだあれは?」

 

かなで「ええ、時間は掛かったけどできてるわ、ハンドソニックバージョン5・・・。」

ハンドソニックを展開させるかなで、直後に腕に展開された物は以前の短剣のような

形状ではなく2本の爪が伸びた禍々しいフォルムだった。

 

黒子「音無さん一体これは・・・?」

 

音無「ああ、戦線の敵らしく邪悪さをアピールしてあいつらの天使への警戒心を

   維持させようと思ってかなでにAngel Playerで作ってもらったんだよ。」

 

かなで「一応あなたに言われたようにしてみたんだけど・・・。」

 

音無「ああ、これでいいよ!すげぇ嫌な感じだ!!!」

 

黒子「嫌な感じを褒めるというのは・・・。」

 

かなで「これでいいのかしら?」

 

音無「それでいいよ、あと羽を生やせないかな?」

 

かなで「羽を生やしてどうするの?」

 

黒子「音無さんも自分の欲求に正直ですわね・・・。」

 

音無「黒子、何か誤解してるけど俺の趣味じゃないからな!!!」

 

かなで「まあ、羽の事は考えておくわ。」

 

邪悪さをアピールさせるとかうまい事を言って、単にかなでにコスプレさせたいだけ

じゃないかと呆れる黒子、音無は頑なに否定してるが語るに落ちると言った具合で

自分で完全に認めてしまった、一方のかなでは2人のやり取りを全く気にしていない。

 

音無「気を取り直して、早速行動開始だ!!!」とかなでを伴って音無はその場を離れる。

 

黒子「音無さん、立華さんお願いしますわね。」1人その場に残された黒子はKEYコーヒー

を飲み干し、空き缶を焼却炉隣の建物にある資源ごみ集積所のボックスに放り込んで

自分もテレポートで移動しようとしたが誰かに呼び止められた。

 

大山「あれ、黒子さんここで何しているの?」

 

黒子「大山さん御機嫌よう、この付近を散歩していただけですの。」

 

大山「ふ~ん、まあそうしたい時もあるよね~。」

 

呼び止めたのは大山だった、黒子はこの世界で2番目に出会ったのでそれなりに話もするなど

まあそれなりに親しかった・・・、しばらく雑談する2人だったが。

 

大山「そういえば黒子さんとここで初めて会ったんだよね、あの時は脅かしてごめんね・・・。」

 

黒子「いいえ、こちらこそ手荒な事を致しましたのであまり気になさらないでください。」

 

大山「そっかわかったよ。」

 

黒子「やはり死後の世界である以上死んだときと同じような状況で現れるものなんですね

   他の皆さんもそうやってこの世界に来たんでしょうか?」

 

大山「・・・黒子さんその話詳しく聞かせてくれるかな・・・。」

 

と終始明るいムードで話していた2人だったが黒子が死後の世界に現れた話をすると大山の

表情は一変、にこやかな表情から真剣みを帯びたような表情になって黒子は困惑したが

自分の過去について話し、自分が死んだときの状況を伝えた。

 

大山「なるほどね、やっぱり黒子さんは特別な存在なんだよ・・・。」

 

黒子「その言い方ですと能力が使えるからというわけではなさそうですわね?」

 

大山「僕は最古参の1人なんだけど、これまで戦線メンバーで過去に死んだときと同じ状況で

   この世界に現れたのは君が初めてなんだよ・・・。」

 

黒子「わたくしだけですの?」

 

大山「うん、知ってるメンバーで溺れた人と苛めで体育用具室のマットの下敷きになって

   死んだ人が居るんだけど2人とも皆と同じように地面に寝転んだ状態で現れたから・・・。」

 

黒子のように死後の世界に現れた人物が居ないので黒子を特別視する大山、黒子は疑問に思いながらも大山に別れを告げてその場を後にして、武器庫に向かった。

 

 

 

黒子「失礼いたしますの、今お時間頂いてもよろしいでしょうか?」

 

日下部「おう久しぶりだな黒子、この前は来て貰ったのにすまなかったな。」

 

黒子「わたくしも日下部さんがお疲れだったのに失礼いたしましたの・・・。」

 

武器庫で日下部に出迎えられた黒子はしばらくは他愛のない会話をした後、本題を切り出す。

 

黒子「突然ですが日下部さん、もしも美山さんがこの世界に来ていたとしたらどうしますの?」

 

日下部「いきなりどうしたんだ・・・。」

 

黒子「いえ何となくですから、そんな重く受け止めないでくださいまし。」

 

日下部「美山が来ていたとしたらか・・・。」

 

かつて日下部が好意を寄せていたが想いを伝えられずに離れ離れになった美山の事を話すと

明らかに日下部は動揺した、しかし黒子はそこから踏みこむ事はせず日下部にある頼み事をする。

 

黒子「それは置いておいて、お願いがあるのですがよろしいでしょうか?」

 

日下部「あ・・・何か作って欲しい物でもあるのか、それとも銃の改造が必要なのか?」

 

黒子「ええと双眼鏡を作って欲しいんですの、それと折角ですので

   日下部さんのお言葉に甘えてG36Cの改造もお願いしますわ。」

 

日下部「俺に任せなさい、双眼鏡は5分で作れるからその間G36Cに着ける光学サイトや

    ハンドガード下のアンダーレールに着けるフォアグリップとかをそこの机の上に

    置いてあるから好きなのを選んでおいてくれ。」

 

黒子が不意に話題を変えて日下部は不審に思いながらも製作依頼と銃の改造を聞き入れて

双眼鏡作りに入ったので黒子は言われたとおりカスタムパーツを選んだ、光学サイトは

ホログラフィックサイトを選びアンダーレールにはフラッシュライト付きのバーティカル

タイプのフォアグリップに決めたところで日下部の作業が終わったらしく黒子を呼んだ。

 

日下部「おい、双眼鏡は作り終わったから次はG36Cを貸してくれ。」

 

黒子「ありがとうございますの、少し用事があるので改造をお任せしてよろしいでしょうか

   後で取りに戻ってきますので・・・。」

 

日下部「わかった、急いで戻ってこなくても大丈夫だからな。」

 

黒子「ではお願いします、わたくしは一旦失礼いたしますの。」

 

そう言って黒子は武器庫からテレポートで立ち去った。

数分後テレポートで黒子が現れたのは学習棟の屋上だった

なぜ双眼鏡が必要だったのかというとその理由は・・・。

 

黒子{さて後2分で昼休み、相手に見つからないように探さないといけませんわね・・・。}

 

やがてチャイムが鳴り、1時間の昼休みに入り校舎からNPCたちがぞろぞろと出てきたので

黒子は双眼鏡で探し人を探す、ちなみに説明されなかったがこの双眼鏡は対物レンズ表面に

反射光を防ぐコーティングが施されておりレンズの反射光による位置の露呈は起こりえない。

 

黒子{!?いましたわ、日下部さんのお話と違い眼鏡は掛けてませんが特徴は一致しますの。}

 

お目当ての人物が見つかり黒子は早速テレポートでその人物の元へ移動する。

 

黒子「そちらの方お待ちくださいまし!」シュンッとその人物の眼前に現れる黒子。

 

NPC女子?「きゃああ!!!」突然現れた黒子に驚き悲鳴をあげて逃げようとする女子だったが

 

黒子「逃げないでくださいまし、美山沙織さんあなたにお話があるだけですわ。」

 

NPC女子?「何故!?私の名前を・・・。」

 

名前を当てられてNPC女子・・・改め美山沙織は逃げるのを諦めてその場に留まった

実はこのNPC女子こそ魂を持った人間なのにNPCの振りをしていた美山沙織だったのだ

黒子が最初に彼女と出会ったのはテスト妨害に参加させられそうになった時だ

その次は直井の催眠術で操られていた時、そして直井の催眠術で記憶を取り戻して

空き教室に戻るときにも遭遇している、これまでの事を考え黒子は彼女は人間だと断定していた

黒子は彼女の名前に関してはかまをかけたのだが運よく本人を見つけることが出来た。

 

 

美山「・・・それで私に何の用事なの?」

 

黒子「わたくしと一緒に来ていただけないでしょうか?」

 

美山「一体どこに連れて行・・・。」と美山が言い終わる前に黒子が美山の手を取り・・・

 

黒子「参りますわよ!!!」と強引にテレポートしてしまった。

 

 

 

シュンッと武器庫に黒子は美山と一緒に戻ってきた、日下部は戻ってきた気配に気づいたらしく

一旦手を止めて

 

日下部「ああ、黒子かずいぶん早かっ・・・。」と作業机から振り返った、そして黒子の隣

の美山を見るなり硬直してしまった。

 

美山「く・日下部君・・・。」

 

日下部「美山なのか・・・?」

 

とまるで信じられないといった様子で2人は対峙する。

 

美山「あの!ごめんなさい。」

 

日下部「ええと何で謝るんだよ?」

 

美山「私に関わったばかりにあなたのご両親やお友達を死なせてしまったから・・・。」

 

日下部「お前ここに来ていたのか、俺はギルドに入る前にお前がこの世界に来てないか

    学校中探したんだぞ。」

 

美山「あなたが私を探してるのは知っていたわ、だから隠れたの・・・。」

 

日下部「どうして!!!」

 

美山「私は自分のせいであなたとあなたの友達の人生を狂わせてしまったのよ、もう地獄に

   落ちるしかないと思った、でもこんな私にもちゃんと死後の世界が存在してくれた・・・

   そしてこの世界であなたを見かけたとき不謹慎だけど嬉しかったわ。」

 

日下部「だったら声を掛けてくれれば!!!」

 

美山「私にそんな資格あるわけないのよ!あなたのような人が私なんかを・・・。」

 

日下部「バカなこと言うな、俺は惚れた女と一緒に居たかっただけだ!!!」

 

美山「苛められても学校に来てたのは間違いだったわ、私が意地を張ったからあなたが・・・。」

 

日下部「お前は何も悪くない、悪いのは榊とその親父だ!!!」

 

美山「でも、元々私が居なければ・・・。」

 

と互いの思いをぶつけあう2人を前に完全に蚊帳の外の黒子は。

 

黒子{まるでわたくしがいない者みたいですわ・・・、でもお互い言い争っているものの

   表情は穏やかですわ、ずっと探し求めたものを見つけられたみたいに・・・。}

 

と2人のやり取りを暖かく見守っていたがこれ以上いるのは邪魔以外の何者でもないだろう

黒子はポケットからメモを出してこう書いた。

(わたくしはお邪魔なので席をはずしますわ、武器庫の外に居りますので終わりましたら

 隠し扉を開けてくださいな。)そしてメモを日下部の作業机に置いてテレポートで去った。

 

 

数分後廊下に居た黒子は武器庫の隠し扉が開いたので中に入ると日下部と美山

が微笑みながら黒子に話しかける。

 

日下部「黒子ありがとう、また沙織に会えるなんて夢にも思わなかったよ。」

 

黒子「お二方とも言いたい事は全部言えましたの?」

 

美山「うん、もう拓也の想いから逃げないでちゃんと向き合う事にしたわ。」

 

黒子「拓也?日下部さんの下の名前ですの?」

 

日下部「ああ俺の名前だ、黒子本当にありがとうな。」

 

美山「胸に抱えていた物がなくなるっていいわね・・・。」

 

武器庫の中で日下部と美山がそれぞれの思いをぶつけた結果、わだかまりがなくなって

想いが通じ合った、過去に囚われていた2人が未来に進もうという希望に満ち溢れている

そう感じた黒子は意を決して2人に・・・。

 

黒子「もう思い残す事がないのであれば、そろそろ前に進みだしてみてはいかがでしょうか?」

 

日下部「ここから消えるってことか・・・。」

 

美山「消える?この世界から消えるって成仏するってこと?」

 

日下部「ゆりっぺの話だと転生するらしいが・・・。」

 

美山「転生・・・、生まれ変わってもまた拓也に会えるのかしら・・・?」

 

この世界からの卒業を勧められるが悲しい過去から輝かしい未来へ旅立つ事に希望を持ちながらも

生まれ変わったらお互いを忘れてしまう恐怖からか消極的な2人に対し黒子は優しく背中を押す。

 

黒子「月並みな考えですが、愛し合った男女は離れ離れになってとしても想いが消える事

   はないとわたくしは思いますわ、例え記憶を失っても外見が変わったとしてもきっと

   魂が憶えていますの、きっとお2人は何度でも何度でもお互いを好きになりますわ。」

 

日下部「そうだな・・・沙織、俺は必ずお前を見つける。」

 

美山「ええ、私もあなたを探すわ・・・だから一緒に行きましょう。」

 

日下部「沙織愛している・・・。」

 

美山「私も拓也を愛してる・・・。」

 

その言葉の後拓也と沙織の顔が近づいたので黒子は顔を背ける、数秒後視線を戻すと

 

黒子「2人とも無事に去ったようですわね、どうかお2人の新しい人生が

   素晴らしい物でありますように・・・。」

 

日下部拓也と美山沙織は報われてこの世界から旅立ち、新たな人生に向かっていった。

そんな2人の来世が良いものでありますようにと黒子は祈る。

 

黒子{さてわたくしが思っていたよりも簡単に卒業させられましたので今度は音無さん達

   を手伝わなければなりませんがもしかして向こうも上手く行っていて、もうユイさんを

   卒業させているかもしれませんわね・・・。}

 

自分の役目が終わったので黒子は音無たちを手伝う為、武器庫を後にした。

どこに音無たちが居るのか分からないので、あちこち探し回る黒子は・・・。

 

音無「1,2,3カン、カン試合終了・・・。」

 

ユイ「やった、やったんだ私勝ったんだバンザーーーイ!!!」

 

黒子{あの2人は一体何をされてますの・・・・?}

 

男子寮近くの中庭の芝生部分でジャーマンスープレックスを掛けられてノックアウトされた

音無と飛び跳ねながら喜ぶユイの姿を見た黒子はどういう経緯でこんな事になったのか?

と首をひねるしかなかった・・・。

 

黒子{おや、どうやら移動するみたいですわね・・・。}

 

音無とユイは学習棟に向かって歩き出したので、このルートだと自販機に向かうと思われるので

黒子は偶然を装って合流しようと先回りした。

 

音無「あれ、黒子お前ここで何してんだ。」

 

ユイ「何か久しぶりに話しますね。」

 

黒子「音無さん、ユイさん御機嫌よう。」

 

ユイ「ありゃ、私財布を教室に忘れたみたいなんでちょっと取ってきまっす。」

 

予想通り自販機に二人が現れたので挨拶を交わした3人、ユイが忘れ物を取りにその場から

立ち去ったのでこの隙に音無と黒子はそれぞれの成果を話し合った。

 

音無「え・何お前は日下部達を短時間で卒業させたの!?」

 

黒子「え・ええ、わたくしも思ったよりもスムーズに進んだので、てっきり音無さんも

   とっくにユイさんを卒業させてたものと思っておりましたわ・・・。」

 

音無「2人を短時間でって、お前優秀すぎんだろう・・・。」

 

黒子「優秀って言い方はどうかと、ちなみにユイさんにはどんな心残りがありましたの?」

 

数時間のうちに2人の報われない魂を成仏させられた黒子に驚く音無は数時間たっても

成仏させられない事に不甲斐なさを感じながらも黒子にユイの過去を伝えた。

 

黒子「あんなに明るく元気に振舞っているユイさんにまさかそんな過去があったなんて・・・。」

 

音無「ああ、しかも叶えたいことが多いから大変だ・・・。」

 

黒子「2つは達成できてますから、残るはサッカーと野球ですわね。」

 

音無「野球はホームランを打ちたいみたいだ、次はサッカーをやろうと思ってた。」

 

黒子「ではわたくしもお手伝いしますわ・・・っとユイさんがお戻りになりましたわね。」

 

2人の元にユイが戻ってきて自販機で飲み物を買った後、ユイのサッカー5人抜きを行う為

音無はメンバーを集めに黒子はユイの着るユニホームやスパイクを用意する為に分かれた。

数十分後グラウンドではユイはユニホームを着てテンションが上がっていて、今か今かと相手

チームが現れるのを心待ちにしていた、黒子はホイッスルを持って審判として参加する、やがて

 

藤巻「おい、あそこに誰かいんぞ。」

 

日向「あれ、ユイじゃん、何してんだあいつ?」

 

と日向と音無と藤巻とTKと野田の5人が現れた、黒子はてっきり整列した後に試合が始まるかと

思い試合開始の合図をしようと準備してたが・・・。

 

ユイ「敵が来やがったな、キックオフ!!!」

 

黒子「え、いきなりキックオフですの!?」あっけにとられる黒子だがピィーーーと慌てて

ホイッスルを鳴らす。

 

音無「そうか、きっとあいつがあの手紙の主だ、あいつは普段不甲斐ない俺達に苛立ちを感じて

   こんな風に俺達を挑発してきたんだ、売られた喧嘩は買うしかない、ここで負けたら

   男の名が廃る、さあいくぞお前達ゴールを守るんだ!!!」

 

黒子{ちゃんと打ち合わせするべきでしたわ、こんなグダグダな状態から始まるなんて!!!}

 

事前に打ち合わせしていればこんな事にならずに試合開始に持ち込めたのにと黒子は嘆いた、

半ばやけくそにメンバー達に発破をかける音無、これは失敗したかと思っていたが・・・。

 

野田「よく分からないが、やってやる!!!」

 

藤巻「喧嘩売ったことを後悔させてやるぜ、おっしゃあああ!!!」

 

TK「OK BOYS LET'S ROLL!!!」

 

日向「俺がキーパーやるよ。」

 

音無「え・ああ頼む、俺達が必ずユイを止める!!!」

 

黒子{死んだ世界戦線はアホばかりだという事を改めて痛感させられますわね・・・。}

 

最悪の状態で始まったサッカー5人抜きだったが意外とアドリブで何とかなるものだった・・・。

 

ユイ「行くぞ手前ら!!!」

 

野田「ふ、ガキのドリブルなんざこの・・・グハッ!!!」

 

1人目の野田がユイに迫ったが、突如野田の顔面に何かが当たりそのまま抜かれる。

 

藤巻「野田お前何抜かれてんだって・・・どわぁ!!!」

 

2人目の藤巻も足に何かが当たって転んでしまいユイに抜かれる。

 

TK「COME・・・。」

 

音無「うわっと!!!、悪ぃ躓いちまった・・・。」

 

3人目と4人目のTKと音無は転んだ振りをした音無がTKにぶつかってユイに抜かれた・・・。

 

ユイ「よっしゃ、残るは手前1人だな、覚悟しろ!!!」

 

日向「みんな、情けねぇだろ・・・。」

 

ユイ「いくぞ、魔の消える必殺ギロチンシュート!!!」

 

日向「突っ込みどころ満載だ!!!」

 

5人目のキーパー日向にシュートを放つユイ、蹴られたボールは勢いよくゴールに向かっていくが

日向はボールの軌道を完全に読んで待ち構えていた、このまま止められてしまうかと思われたが

シュンッと音がした後日向の視界からボールは消えた。

 

日向「!?消えた、まさか・・・。」

 

黒子「ゴール、試合終了ですの。」ピィーと試合終了のホイッスルを鳴らして宣言する黒子。

 

ユイ「やったーーー、5人抜き達成できたーーー。」

 

消えたボールはゴールネットに完全に吸い込まれ見事に得点されていた。

 

日向「負けた・・・。」

 

藤巻「ユイ1人にだぞ・・・。」

 

TK「GAME SET・・・。」

 

日向「最悪だ、もう帰ろう・・・。」

 

藤巻「このこと内緒にしておこうな・・・。」

 

TK「YES・・・。」

 

しょんぼりと肩を落として日向たちは帰っていった。

 

黒子{まあ、能力を使いましたが上手くいったようなので結果オーライですわね。}

 

音無{かなで、スリングショットでの援護ありがとな。}

 

遠くでハンドソニックをスリングショット代わりに狙撃を行っていたかなでに音無は

合図を送ってお礼を言った。

これでユイのやりたかった事は残り1つとなった、この時もユイは飛び跳ねながら喜んでいた。

 

 

 

そして翌日、球技大会でも使われていた野球場に音無と黒子とユイの3人はいた。

 

音無「ちなみにホームランってどのくらいまで飛べばホームランなんだ?」

 

ユイ「もちろんフェンス越えの場外ホームランだよ~。」

 

黒子「フェンスを越えますの!!!」

 

前日の失敗を踏まえ音無はあらかじめユイに確認しようと聞いたがとてつもない要望に黒子は

驚いて思わず大声を出してしまった。

 

ユイ「おっしゃあ、やってやんぞゴラァァァ!!!」

 

音無「よし投げるぞ。」

 

とりあえずユイはやる気満々なので音無はピッチャーマウンドからボールを投げる。

 

ユイ「おりゃっ!!!」

 

思いっきり振ってバットにキィンと当たったもののボールは地面に転がってしまった。

 

黒子「ユイさん、バットの中心に当てるように打ちますのよ。」

 

音無「次、いくぞ。」

 

ユイ「セイッ!!!」

 

黒子がアドバイスを送り2球目に挑むユイ、今度はちゃんとバットの中心に当たったが・・・。

 

音無「駄目だ、力が弱すぎて打球が伸びてない・・・。」

 

黒子「こればかりは練習するしかありませんわね・・・。」

 

ユイ「ええーーー、そっか簡単に出来るわけじゃないのか・・・。」

 

その後も音無がボールを投げて黒子がアドバイスしたり飲み物を買ってきたりユイのサポート

を行って、野球は夕方まで続けられた。

 

音無「もう暗くなってきたから今日はここまでにしよう・・・。」

 

黒子「ユイさん、わたくし達が道具を片づけますのでもうお帰りくださいな。」

 

ユイ「ええ、悪いですよー、じゃあ後でジュースでもおごりまッス。」

 

片づけを黒子たちが行うと申し出たのでユイは申し訳ないと思いながらも帰っていった。

あちこちに転がっているボールを拾いながら音無は黒子に話しかける。

 

音無「お前の能力で何とかならないかな?」

 

黒子「サッカーの時みたいなことでしたら、やれないことはないですが・・・。」

 

音無「試しにやってみてくれないか?」

 

黒子「まあ、構いませんが・・・。」

 

言われた黒子はバッターボックスに立ってバットを構える、音無はピッチャーマウンドに登り

 

音無「このボールを投げればいいんだよな!」

 

黒子「ええ、そのボールですわ!」

 

あらかじめ黒子が触れたボールを投げる音無、黒子はカキィン打った直後に能力使った。

シュンッと音と共に・・・。

 

音無「・・・これは余りにも不自然すぎるな・・・。」

 

黒子「わたくしの能力でボールを移動させられますが、あくまで一旦その場から消して

   未来位置に出現させる以上あんな風にしか出来ませんわね・・・。」

 

高く伸びた打球は一旦2人の視界から消えた後にフェンスを越えて出現した

これではインチキした事がバレバレだ、ここで黒子がため息混じりにこうぼやく。

 

黒子「・・・サッカーのゴールの時にユイさんに気づかれないように能力を使いましたが、

   さっきは本当に運よくその瞬間を見られずに済みましたのね、さすがに野球も運よく

   見られずに能力を使ってホームランを達成させるという前提で行うのは無謀なのかも

   しれませんわ・・・。」

 

音無「いや、たぶん違うと思うぞ俺が見た限りだとユイはシュートした後ボールの行方を

   ちゃんと目で追っていたから・・・。」

 

黒子「ええ、ユイさんは何故ボールが消えたのを疑問に思いませんでしたの!?」

 

先ほどのサッカーの時、黒子はこれじゃキーパーに止められると思い一か八かで能力を使ったが

ユイはその瞬間を見逃したので成功したと思っていた黒子は音無の指摘に驚いた。

 

音無「あいつ自分で魔の消える必殺ギロチンシュートって言ってたから

   ボールが消えるもんだと思ってたんじゃね?」

 

黒子「ご自分の放った消える必殺シュートだからボールが消えても不自然でないと・・・?」

 

音無「だってこの戦線の連中ってさ・・・。」

 

黒子「言わずもがなですわね・・・。」

 

戦線メンバーはアホばかりということを失念していた2人、ユイもアホだったのだ・・・。

そうして翌日もその翌日も2人はユイにホームランを打たせるべく奮闘していた。

 

ユイ「ちょっとすんません、先輩休憩にしませんか?」

 

音無「そうだな、ちょっと休むか。」

 

黒子「わたくしが飲み物を買ってきますわ。」

 

ユイ「じゃあこの前の約束どおり私が2人にオゴリまっす。」

 

この日もホームランを打つべくユイは張り切っていたが、疲れてきたので休憩を申し出た

音無と黒子も同意しみんなの為に黒子はユイから千円札を受け取り自販機へ向かった。

自販機に到着後自分の分も含めて飲み物を買って2人の所へ戻っていく

そして帰り道の野球場の外で

 

日向「・・・?」

 

黒子{あら、あれは日向さんですわ、あんな所で一体何をされてるんでしょう?}

 

黒子の視線の先で野球場の外に転がっていたボールを拾い野球場を眺める日向がいた

どうやら後ろの方に居る黒子には気づいてないようだ、そしてそのまま立ち去っていった。

 

黒子{・・・まさかわたくし達の計画に気づいたのでしょうか・・・?}

 

日向の事は気になるが、とりあえず差し入れを待っている2人の所へ黒子は戻っていった。

 

ユイ「えいっ、あれ・・・。」

 

音無「ああ、駄目だお前疲れて握力が落ちてきてるんだ。」

 

黒子「暗くなってボールも見えづらいですし今日はもうお開きにしましょう・・・。」

 

ユイ「ええーーー。」

 

今日もホームランは出ることなくユイはとぼとぼと帰っていった、黒子と音無は後片付けを始める

 

日向「お前ら、な~にやってんの?」

 

バッターボックスに立つ日向が片付けてる2人に声を掛ける。

 

黒子「日向さん?」

 

日向「よっ。」

 

音無「なあ、お前もやるか本気の野球を。」

 

黒子「日向さん、元野球部の実力をぜひ見せてくださいな。」

 

日向「フルスイングか、いいぜ昔取った杵柄だ、俺の実力見せてやんよ!」

 

音無が投球し日向は脇を閉めた状態で飛んできたボールをバットの芯に当てた、打球はカキィン

と心地よい音を響かせながら、ボールはみるみるフェンスを越えて完全に場外ホームランとなる

そしてその翌日・・・。

 

ユイ「えい・・・。」

 

音無「全然振れてないぞ、どうした。」

 

ユイ「とりゃ、あれ・・・。」

 

もうこの日だけでもどれだけボールを投げただろうか、バットを持つユイは明らかに疲労困憊だ

そして次に投げられたボールを打とうとしたユイはバットを振ったがその後地面に座り込んで

しまった、様子がおかしいので音無と黒子がユイに駆け寄った。

 

音無「大丈夫か、ユイ手を見せてみろ。」

 

黒子「?」

 

ユイ「嫌だ・・・。」

 

音無「見せろって・・・!!!」 

 

黒子「ああ、ユイさんあなた・・・。」

 

座り込んだユイの手を音無が確認すると絆創膏やテーピングが張ってあり手の豆がつぶれていた。

それを見た黒子と音無はユイに無理をさせすぎたと後悔した。

 

音無{無理もないか、この一週間ずっとだったもんな・・・。}

 

黒子{女の子の手とは思えないほど傷ついていますわ、痛々しい・・・。}

 

ユイ「所詮無理なんだよ、もういいやこの夢・・・。」

 

落ち込む黒子と音無をよそに立ち上がったユイはとんでもない事を言い始めた。

 

音無「諦めるなよ・・・。」

 

黒子「そうですわ、ちゃんと怪我を治した後にまた始めればいいではありませんか・・・。」

 

ユイ「2人とも色々ありがとうね、どうしてこんなに良くしてくれたの?」

 

音無「そりゃ、お前のやりたかった事だからだ。」

 

黒子「わたくし達に遠慮する必要はありませんわ、最後まで一緒に頑張りましょう。」

 

何とかユイのやりたかった場外ホームランの夢を諦めさせずに続けてもらおうと黒子と音無

は必死に思いとどまるように説得するがユイはそんな2人に向かって。

 

ユイ「ホームランなんて冗談みたいな夢だよ、ホームランが打てなくてもこんなに一杯

   体を動かせられたからもう十分だよ、毎日部活みたいで楽しかったな・・・。

   前に言ったよね先輩、私は体を動かせなかったからこの一週間はすっごく楽しかったんだ」

 

音無「じゃあもう全部叶ったのか?」

 

黒子{確かにもう潮時かもしれませんわね・・・。}

 

場外ホームランは打てなくてもこんなに体を動かせて楽しかったと話すユイは報われている

かもしれないと思いユイに問いかける音無、黒子も苦労したがこれなら卒業できると思ったが

 

ユイ「叶う、何が・・・?」

 

音無「その、体が動かせなかったときにしたかった事・・・。」

 

ユイ「ああ、もう一個あるよ。」

 

黒子{次こそが最後の願いでしょうね・・・。}

 

音無「それは何?」

 

音無と黒子はユイのもう1つの願いを叶えようと思い、よしやってやるぞと意気込んだが。

 

ユイ「結婚。」

 

音黒「「!!!」」

 

ユイの放った一言は2人の決意を打ち砕いてしまう。

 

ユイ「女の究極の幸せ、でも家事も働く事も出来ない、それどころか1人じゃ何もできない

   迷惑ばかり掛けるこんなお荷物、誰がもらってくれるかな、神様って酷いよね・・・

   私の幸せ全部奪っていったんだ・・・。」

 

音無「そんなことない・・・。」

 

黒子「・・・。」

 

自分の境遇を自虐的に話して、こんな自分では結婚してくれる人はいないと諦めているユイ。

そんなユイに弱弱しい否定しか出来ない音無、黒子に至ってはまったく言葉が出てこない・・・。

 

ユイ「じゃあ音無先輩、私と結婚してくれますか・・・?」

 

黒子{ユイさんは本気ですわ・・・でも音無さんには・・・。}

 

音無「え、そ・それは・・・。」

 

???「俺がしてやんよ!!!」

 

3人「「「!!!」」」

 

プロポーズしたユイの思いを受け入れられず断ろうとしていた音無、黒子はユイの思いは本気

だと気づくがユイと同じ女である黒子にできる事はなかった、しかし誰かの声がその場に響いた

声の主は・・・。

 

日向「・・・。」

 

音無「日向・・・?」

 

黒子「日向さん・・・。」

 

声の主は日向だった、日向は真剣な表情で野球場に入ってきてユイに近づく。

 

日向「俺が結婚してやんよ、これが俺の本気だ!!!」

 

ユイ「そ・そんな先輩は本当の私を知らないもん・・・。」

 

日向「現実が、生きていたときのお前がどんなでも俺が結婚してやんよ、もしお前がどんな

   ハンデを抱えていても・・・。」

 

ユイ「ユイ歩けないよ、立てないよ・・・。」

 

日向「どんなハンデでもって言っただろう!!!」

 

ユイ「あっ・・・。」

 

日向「歩けなくても立てなくても、もし子供が産めなくてもそれでも俺はお前と結婚してやんよ

   ずっとずっと傍にいてやるよ・・・。」

 

情熱的で本気の日向の告白にユイは嬉しそうに目を閉じながら次の言葉を待つ。

 

日向「ここで出会ったお前はユイの偽者じゃない、ユイだ、ここ以外のどこで出会ったとしても

   俺は好きになっていたはずだ、また60億分の1の確率で出会えたらその時もお前が動けない

   体だとしても俺はお前と結婚してやんよ・・・。」

 

ユイ「出会えないよ、ユイ家で寝たきりだもん・・・。」

 

日向「俺、野球やってるからさ、ある日お前ん家の窓を打った球で割っちまうんだ、

   それを取りに行くとお前がいるんだ・・・それが出会い、話すると気が合ってさ

   いつしか通い始める、そして介護も始めるんだ、そういうのはどうだ・・・。」

 

黒子{日向さんをへたれだと思っておりましたが決めるときはビシッと決めますのね・・・。}

 

日向の告白と将来設計とも取れるユイとの生活を聞いて黒子は日向を見直した。

 

ユイ「うん・・・ねえその時はさ、私のことをいつも1人で頑張って介護してくれた私の

   お母さん楽にしてあげてね・・・。」

 

日向「任せろ・・・。」

 

ユイ「良かった・・・。」

 

そう言った後ユイが涙を流し、その涙の雫が地面に落ちた直後にユイが被っていた野球の

ヘルメットが地面に落ちる、ユイは自分を愛してくれる人を見つけて報われて消えていった。   

 

音無「良かったのか・・・?」

 

日向「良かったさ。」

 

黒子「日向さんこれからどうされますの?」

 

日向「俺も最後まで手伝うさ、まだまだ心配なやつらが残っているからな・・・。」

 

音無「そうか。」

 

黒子「よろしくお願いしますわ、日向さん。」

 

ユイを卒業させた後日向も音無たちの仲間に加わった、こうして2組の愛し合う者達を

旅立たせる事ができた音無たちは次の計画の為に動き始める、しかしそんな思いとは

裏腹に死後の世界に異変が起き始めているのを彼らは知る由もなかった・・・。

 

 

 

数日後ある校舎で

 

大山「うわあああ!!!」

 

野田「ええい!!!」

 

ジャキィンと何か煙のようなものが野田のハルバートによって斬られる。

 

大山「あわわわわわわ・・・。」

 

野田「俺は一体何を斬ったんだ・・・?」

 

大山の悲鳴が聞こえ駆けつけた野田は見知らぬ何かを斬って大山を助けたが、野田は自分が

何を倒したのかと動揺していた、大山はガクガクと震えている。

 

数十分後、戦線本部でゆりは信じられない報告を遊佐から受けていた。

 

ゆり「影?遊佐さんちゃんと説明してちょうだい。」

 

無線「影としか言いようがありません、もしも野田さんが駆けつけてなければ大山さんが

   危ないところでした・・・。」

 

ゆり「危ないって・・・何が?」

 

遊佐から聞いた影とは一体なんだったのかとゆりは頭を抱えるしかなかった。




矛盾点がないように作ってみました。
追伸誤字があったので修正しました・・・。

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