とある死後の風紀委員   作:エヌミ観測手

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私はとある科学の超電磁砲アニメ二期しか見てないので、ウィキぺディアや二次創作作品を
見てお話を作りますので、原作と違う部分や矛盾点もあるかと思いますので
その点はご容赦ください。


第13話蘇る記憶

直井と戦線の戦闘の数日後。

黒子は自販機の前で悩んでいた、このときの彼女の服装は生徒会役員見習いのときの一般生徒の

制服ではなくクラスSSSのセーラー服を着用していたが、

黒子{クラスSSSの制服を処分したのは失敗でしたわ・・・。}

そう、生徒会に協力するためこれまでの長袖セーラー服を生徒会に渡し、変わりに一般生徒の

制服を受け取ったため、クラスSSSの制服がなくなってしまったのだ・・・。

途方にくれる黒子だったが、そこへガルデモのひさ子が陽動部隊のメンバーが着なくなった

制服をいくつか持ってきてくれたのでサイズが合う制服を選んだ結果半袖になってしまった。

黒子{そういえば椎名さんも半袖でしたわね、涼しいですし着やすいからでしょうか?}

黒子{今はそんな事考えてる場合ではありませんわね、わたくしはどうやって戦線に

戻ればいいのでしょう・・・。}

着る制服は些細な問題だが、こればかりは頭の痛い問題だ 1度裏切ってしまった以上

どの面下げて戻るべきなのか、仮に戻れたとしても風当たりは悪くなるだろうし

なによりすんなり受け入れてくれるのだろうか・・・。

黒子「はぁ、気分転換にコーヒーでも飲みますか。」

自販機に千円札を入れボタンを押す黒子だったが。

黒子「あれ?押したはずなのに商品が出てきませんわね

ちゃんと押せてなかったのでしょうか?」

再度ボタンを押す黒子、ようやく商品が出てきたらしくガコン、ガコンと音がした。

黒子「あら!?2回落ちる音がしましたわ、ということは・・・。」

KEYコーヒーが2本出てきてしまう、それも無糖が。

黒子「さすがに2本とも同じ味なのは・・・。」

音無「飽きちゃうよな、1本もらってもいいか?」

と後ろから音無の声が聞こえたので振り返る。

黒子「音無さん・・・。」

音無「黒子、それもらってもいいか?」

と気まずそうな黒子に音無は気さくに話しかけ、黒子からコーヒーを受け取る。

黒子「・・・。」

音無「・・・。」

無言でコーヒーを飲む2人、そこで黒子が音無に切り出す。

黒子「音無さん戦線を裏切ってしまい、申し訳ありませんでした・・・。」

音無「俺は気にしてないからいいよ、きっとゆりたちだってわかってくれるさ。」

黒子「そうだといいのですが・・・。」

音無「お前、あの時直井を裏切って戦線のやつらを助けようとしたから

あの場にいたんだろう、それも撃たれた状態で。」

黒子「わたくし途中で催眠術が偶然解けましたの、それで銃声のする方向へ向かいましたわ。」

黒子「すると、あの惨状でしたので戦線の方たちに加勢しようと思いましたが、あっという間に

倒されてしまいましたの・・・。」

音無「そっか、でもあいつらを助けようとしたんだからそこは胸を張っていいだろ。」

黒子「裏切り者なのに?」

音無「あいつらが嫌で裏切ったんなら、そんな連中見捨てればいいじゃないか、

けどお前はそれをしなかった。」

音無「ここまで言えば、俺が何を言いたいかわかるよな?」

黒子「そんなのは虫のいい話ですわ・・・。」

音無の言いたい事はわかるが、いやでも認めたくなかった。

自分は酷い事をしてしまった、簡単に許してくれるのは申し訳ない。

黒子の考えを察して、音無も口を閉じる。

日向「もうグダグダやってないで戻ってこいよ、黒子。」

とそこへ日向が現れる。

黒子「日向さん・・・。」

日向「いつまでも引きずってたんじゃ始まらないぜ。」

音無「そうだぞ、日向の言うとおりだ。」

黒子「・・・、本当にいいんですの?」

音無「ああ、お前がいないとさびしいからな。」

日向「黒子、俺にはお前が必要だ、マジでな。」

黒子「わかりましたわ、もう迷いませんわ、黒子はクラスSSSのメンバーとしてこれからも

一緒に頑張っていきますの!!!」

日向「いい返事だ。」

音無「そうこなくちゃな。」

黒子「改めてよろしくお願いしますわ。」

こうして黒子は戦線に復帰した。

 

 

その後戦線本部に戻ってきた3人。

大山「あっ、黒子さんお帰り。」

と戻ってきた黒子を見て嬉しそうに大山が出迎える、足元には犬のぬいぐるみがいる。

黒子「ただいま戻りましたわ、大山さん。」

大山「戻ってきてくれて嬉しいよ、黒子さんもこれに触る?」

と犬のぬいぐるみを勧めてきたが黒子は断った、すると3人に近づいてくる人物がいた。

ユイ「ああ、ひなっち先輩ちょうどよかった新技かけていいっすか?」

日向「・・・。」

ユイ「その名も逆十字固め、ねぇおねがいしますよ~。」

とユイがとんでもない事をいいながら日向に近づいたが、日向は無視した。

ユイ「ちぇっ大山先輩で試そうっと・・・。」やがてユイはあきらめて去っていく。

黒子「相変わらずにぎやかですわね、ここは。」

音無「俺の言ったとおりだったろ、黒子が心配する事なんてないんだから。」

日向「そうだぜ、お前よりもすごい事したのに何食わぬ顔で平然としてるやつも

いるんだしさ。」と日向がソファに視線を向けるとそこには。

直井「それは僕の事を言ってるのか、貴様は。」

直井「僕は神なんだぞ。」

日向「はぁ、お前まだそんな事言ってるのか、音無に抱きついて大泣きしてたのによ。」

直井「誰が泣いてたって・・・。」

日向「うぉ!?」

直井「泣くのは貴様だ、さあ洗濯ばさみの有能さに気づ・・・。」

と直井が日向に催眠術を掛け始めたのを見て黒子が言った。

黒子「わたくしの不安は杞憂でしたわね、確かに音無さんの仰るとおりですわ・・・。」

音無「そうだろ・・・、さてそろそろあいつを止めないとな。」

日向がソファに縋り泣き出したところでソファに座りなおそうとしてる直井を音無は後ろから

掴んで注意してる、そんな光景を見ながら黒子はこう感じる。

黒子{一時の気の迷いで生徒会に入ってしまいましたが、このドタバタした騒がしい日常も

悪くはないですわね、もしも直井さんを止められなかったら取り返しのつかない事に

なってましたわ、それにしてもわたくしの弱みを突いてくるとは・・・。}

と黒子は直井を見てこう思う、他人が自分を利用するときは笑顔で近づいてきて

言葉巧みに丸め込み懐柔するのが常套手段である、直井もそれに倣い黒子に近づき

黒子を生徒会に抱きこんだ、それどころか直井が長年掛けて習得した催眠術を使わずに

黒子を自分の味方にしてしまった。

黒子{性格の悪い策略家ですわね・・・。}

と黒子が考えていると部屋の外から。

ゆり「音無君、黒子ちゃん、直井君ちょっと用があるから一緒に来て頂戴。」

とゆりに呼ばれ3人はゆりの後に続く。

 

 

教員棟の空き教室、戦線本部のある建物の3階の部屋だ。

そこでゆりはこう切り出す。

ゆり「直井君、あなたの催眠術で音無君と黒子ちゃんの失われた記憶を戻してあげて。」

直井「僕に命令だと貴様何様のつもり・・・、あだっ!!!」

音無「この戦線のリーダーだお前の上司だよ、言う事聞けよって・・・。」

黒子「わたくしたちの記憶ですの?」

ゆり「そうよ、直井君の催眠術は本物よ、あなたたちの失われた記憶を取り戻せるはず。」

直井「なるほど、それは僕の手で・・・。」と直井が言いかけたところで音無が遮る。

音無「ちょっと待てよ、そんな事勝手に決めんなよ。」

黒子「音無さん?」

ゆり「どうして嫌がるの、まさか忘れたままでいたいの?」

音無「それは・・・。」

ゆりの突然の提案に戸惑い、記憶を取り戻す事を嫌がる音無は心の中でこう考えていた。

音無{もちろん思い出したい、けどこの不安は何だ、それは俺の記憶のせいでこの生活が

終わってしまうのではないかと、俺はこの世界でのみんなとの暮らしを気に入っていたんだ

もし過去を思い出したとしても俺は今まで通りみんなと

一緒に過ごしていけるのだろうか、でも思い出さないと、でも・・・。}

ゆり「音無君?」

音無「え、ああわかった・・・。」

考え事していた音無だったがゆりに声を掛けられ慌てて答える。

直井「音無さん、たとえどんな過去を見ても自分を見失わないで下さい、もしあなたが

どうなっても僕だけは味方ですから。」と音無に歩み寄り腕を掴んでくる直井に対して音無は。

音無「・・・。」ジトっとした目を向けるだけだった。

直井「何か言ってください。」

ゆり「あたしも味方だから安心しなさい。」

音無「ああ、頼もしいよ。」

黒子「わたくしも味方ですわ、お困りの際は微力ながらお力添えしますわ。」

音無「お前がいてくれたら百人力だ、そう自分を過小評価するなよ。」

直井「ええ、なにこの差、まあいいです、どうぞ僕の向かい側に2人並んで座ってください。」

ゆり「黒子ちゃんもいいわね?」

黒子「ええ、覚悟してましたわ。」

直井「では、2人同時に始めます・・・。」

そして音無と黒子の向かい側に座った直井の目が赤くなり催眠術が2人に掛けられる。

 

 

黒子は学園都市のお嬢様学校に通うレベル4の中学一年生であると同時に学園都市の

治安維持を担う学生で組織されたジャッジメントの一員だった。

黒子には尊敬してやまない同じ学校の先輩で寮のルームメイトのレベル5の超電磁砲こと

御坂美琴とジャッジメントの同僚で親友の初春飾利と初春の親友の佐天涙子

4人の親友がいた、特に先輩の美琴はおねぇさまと呼ぶほど慕っていた。

その黒子の日常は学園都市の治安を守り、自身の能力向上に励みつつも初春たちと

年頃の女らしく遊ぶなど忙しいながらも楽しい青春を送っていた。

しかし学園都市で送る日常は楽しい事ばかりではなく、能力者による犯罪や能力を持たない

無能力者による犯罪、幼い子供たちも実験道具として悪用する科学者たち、

危ない事も多かった、そのため事件に巻き込まれることも少なくなかった。

特にジャッジメントである黒子は多くのトラブルに見舞われたが、黒子は自身の能力や

美琴を始めとする友人の力を借りて何度も危機を乗り越えてきた。

特に初春とは自分の信じた正義を曲げない、1人ではなく他人の力も借りて事件を解決する

こと、そして初春と黒子の2人一緒で一人前になると約束した。

しかし黒子の尊敬する美琴の様子が8月10日頃からおかしくなり、心配する黒子だが

美琴は何も話さなかった、美琴の力になりたかった黒子は自身の無力さを感じる。

しかし8月中旬を過ぎた頃から何事も無かったかのように美琴は元気になった。

その後の残骸事件で美琴の抱える秘密の一端を垣間見た黒子はその事件で

改めて自身の力不足を感じ、美琴に自分は強くなるとの決意を告げた。

しばらくして10月18日にロシアと学園都市による第三次世界大戦が勃発した、

この際美琴は学園都市から失踪してしまい、黒子は安否を心配していたが

数日後に戻ってきた美琴は茫然自失になっていた。

黒子や美琴の友人たちが励ましたりしたが、一向に変わらずに傍目から

見たら美琴は廃人状態だった。

黒子はそのことに耐え切れずに寮を飛び出し、ジャッジメント177支部で寝泊りする生活を

始めてしまう、あんな状態になってしまうほどのトラブルに見舞われたのに自分には

相談すらしてくれなかった、そこで自分の無力さを痛感した黒子はこの時から何かに

とり憑かれたように強さを求め始める、その姿は周囲が見たら危うさを感じるほどだった。

事件の際に危ない行動を取ったり、必死に能力向上のため脇目を振らずに勉強するなど

まるで妄執に囚われてるようだった、しかしその結果自身の能力のレベルは

4から5に到達し、学園都市で8番目の超能力者が生まれることになる。

しかし、親友たちからは祝福されなかった、親友たちは強さを求め続ける黒子を

心配していたが、黒子が気にも留めないので次第に離れていってしまったからだ。

そして黒子は統括理事の1人が外部の人身売買組織とつながってるという情報を知り

1月29日学園都市の問題のひとつチャイルドエラーとの関連を調べるために

単身で敵のアジトへ乗り込むがそこで一旦意識が途絶えてしまう。

次に気づいたときは意識が朦朧としており、どうやら誰かの手により自分の体が運ばれて

いるようだった、しゃべる事が出来ず体も動かせなかった。

やがて狭い空間に自分が投げ込まれる衝撃を感じた、その時黒子は偶然にも空間内で

自分の腕時計を見る事ができた、腕時計は1月30日17時58分の日時を示していた。

その後自分の体が燃えだすのを感じ始め、そして意識が途絶えてしまう・・・。

 

 

季節は夏、場所は病室

ベッドで横になっている少女の傍には少年がいた。

少年は音無、少女の名前は初音、彼女は音無の妹だ、初音が音無に話しかける。

初音「お兄ちゃん、学校楽しい?」

音無「楽しかねぇよ、行ってないから。」

初音「行ったら楽しいかもよ?」

音無「頭が良かったら楽しいかもな、俺バカだから成績悪いやつには居場所が無い所だ。」

初音「勉強は楽しくない?」

音無「楽しいわけないだろ、勉強だぞ。」

初音「友達は?お友達と遊ぶのは?」

音無「1人でテレビ見たり、ゲームしてるほうが楽しい、相手の趣味に強引に付き合わされたり

面白くもない冗談を笑ってやったり、疲れるだけだ。」

初音「そう、私は勉強楽しみだな、お友達を作るのも楽しみ・・・。」

と初音は寂しそうに上を眺めながら呟いた、それを見ていた音無は何かを思い出し

足元のリュックから紙袋を取り出し、初音に手渡す。

音無「ああそうだ、これ。」

紙袋を受け取った初音は中身を取り出した、少女マンガだった。

初音「わあ~、ありがとうお兄ちゃん。」と笑顔でお礼を言った。

場面は変わる。

軽トラ運転手「バカ野郎!!!」

走り去る軽トラに頭を下げる音無、彼は工事現場で誘導員として働いていた。

音無{俺は生きている意味がわからない、生きがいを知らない、他人に興味が持てない

誰とも関わらずに生きているのはその方が楽だからだ

最低限食っていけるバイトを惰性で続けるそんな暮らしで

十分だった、しかし俺は妹に会うのだけはやめなかった、なけなしの金で漫画雑誌を買う

いつも本屋で平積みになってるのを買っているから、同じ雑誌なのかもわからない

もしかしたら違う雑誌になっていて、話は続いていないのかもしれない、それでも。}

初音「ありがとう、お兄ちゃん。」と初音はいつも決まって笑顔で言う。

音無{結局何でも嬉しいようだった、妹は俺とは違う、生きる事に希望を持っているし

生きがいもきっと見つけられるだろう、なのにここ2年、入院生活を続けている・・・、

可哀想に代わってやれたらいいのに、生きる意味も何の希望も持たない俺と、その蓮杖の思い

で病室に足を運んだ。}

やがて季節は夏から冬に変わった、まだ工事現場での仕事は続いていた。

音無{夏もそうだが、冬のバイトはいっそう辛い、寒さで指先が裂けそうだ

それでも生きるために続けなければならない、生きる、何のために?

考えちゃだめだ、考えるとバイトすら辞めちゃいそうだから、これだけは

続けないと、食うためにそして妹にプレゼントを買うために・・・。}

バイト終わりに公園のベンチに座り缶コーヒーを飲む音無。

音無{そうだ、クリスマスは医者に相談して少しでも外出出来ないか頼んでみよう

雪が積もると車椅子は使えないのかな、だったらあいつをおんぶすればいい

それで好きな店で好きなものを買ってやろう、いい店でケーキとかも食べさせたい

だったら、もっと稼がないとな。}

そう決めた音無は初音に尋ねる。

音無「クリスマスに出歩けるならどこへ出かけたい?」

初音「町の大通り。」

音無「あんなところでいいのか?」

初音「だってね、全部の樹に電気が点くんだよ、知ってる?」

音無「いや、クリスマスにあんなところ行かないし。」

初音「すっごく綺麗なんだって、去年からそうなってるって先生が言ってた。」

音無「へぇ~、じゃあそこへ行くか。」

初音「行けるの?」

音無「行けるように掛け合ってみる、もし駄目でも内緒で連れてってやるよ。」

初音「ホント?」

音無「ああ、ホント。」

初音「やった~、ありがとうお兄ちゃん。」

音無{これまでで一番大きなありがとうだった・・・。}

それから音無はバイトの掛け持ちを始め、家では寝るだけの生活が続いた。

今までとは違い目的があるから働けている気がした、貯金も増えてきたが

心配な事もあった、初音の容態が悪くなっていたのだ・・・。

クリスマス当日、当然医師からは外出許可は出なかったので音無は

面会時間が終わった後病室に忍び込み、初音を夜の街へ連れ出した。

音無「すげ~、おい見えてるかすごいぞ。」

初音「うんすごく綺麗・・・。」

音無「だな、すごく綺麗だ俺も見られて良かったよ、お前のおかげだな。」

音無「さて~これから楽しい時間は続くぞ、まずはプレゼントだ、何でも買ってやる

実は兄ちゃんこの日のためにすげぇ貯金してたんだ、何が欲しい?高いものでも買える

まずは店に入るか、宝石店でもいいぜ、普通にデパートとかに・・・。」

初音「お兄ちゃん、ありがとうね・・・。」

音無の会話の途中に初音が弱弱しい声でお礼を言う。

音無「ああ、買い物のあとにもいいことが待っているんだ、今度は夕飯だ

雑誌に載っていたレストラン予約してあるんだ、コースで決まった料理が・・・。」

その後音無は1人で歩き続け、しゃべり続けた。

音無「では行きます。」

親戚「本当にあの家で暮らすの、寂しいだけでしょ?」

音無「大丈夫です、慣れてますから・・・。」

初音が亡くなったため、親戚の家に身を寄せていた音無だったがそこを出て行くことにした。

そこにいても何の意味も無いからだった。

音無はちゃんと生きがいを持って生きてたのだ、しかもそれはすぐ傍にいた初音だった。

初音を失ってから気づいた音無だったが、もう遅かった。

初音に何もしてやれず、結局彼女は病院のベッドの上で

漫画雑誌を読む人生しか送れなかった・・・。

気づかない幸せ、満たされていた日々、それは終わってしまった。

音無にはもう何も残されていない・・・。

通りがかった病院で看護士と退院する少女の会話が聞こえてきた。

看護士「退院おめでとう。」

少女「ありがとうございました。」

それを見た音無は何かに目覚めたように勉強を始める、

もう一度生きがいを見つけられるかもしれないと、自分の生きる意味を見つけられるかもと

建設現場の作業員や倉庫内の作業員の仕事をこなしてゆき、学校での成績も上がっていった。

そして志望大学の受験のために電車に乗った音無は自身の受験票を確認していた。

名前の欄に音無結弦と書かれていた、ガタンッと一瞬電車が揺れたため不審に思い車内を

見渡す音無だったが、何事もないようなので視線を戻す、やがて電車はトンネルに入った

が突然急ブレーキを掛け始め、車両が揺れだした直後車両が横転し、車内で乗客たちは宙を

舞っていた、音無は手から離れ宙を舞っている受験票を掴もうとしたが掴めずにそこで

意識が途絶えてしまった・・・。

 

 

再び教員棟空き教室。

俯く黒子と音無にゆりが問いかける。

ゆり「2人とも思い出せた?」

音無「ああ・・・。」

黒子「はい・・・。」

ゆり「2人ともすばらしい人生ではなかったようね・・・。」

音無「しばらく1人にしてくれ・・・。」

黒子「わたくしも1人になりたいので席をはずしますわ・・・。」

シュンッと黒子がテレポートで去り、ゆりは直井の肩を叩き外へ出るよう促し部屋を出る。

音無{惰性で生きて、無気力だった俺は初音に自分の生きる理由を教えてもらって

見つけたのに夢半ばで死んだのか、何も成し遂げずに死んだのか・・・。

そんなのって無ぇよ、無ぇよ、死にきれねえよ・・・。}

音無「初音っ・・・。」泣きながら音無は初音の名を言う。

 

 

一方焼却炉前にテレポートした黒子はその場に突っ伏し声を押し殺し泣き始める。

黒子{初春、約束を破ってしまい申し訳ありませんの・・・、

わたくしバカでしたわ、お姉さまの力になろうと強さを求め、自分が弱いせいで

お姉さまはああなってしまったと勝手に思い込んで、あげくには偶然手にした情報で

犯人たちに1人で挑んで事件を解決しようとして死んでしまうなんて・・・。}

1人で解決しようとせず、他人の力を借りるべきだったのにそれをしなかった。

周囲は強さを求める黒子を心配してくれたのに耳を傾けようともしなかった。

結局黒子は初春との約束を破り、心配してくれた親友たちを蔑ろにしてしまった。

黒子「申し訳ありません、お姉さま、佐天さん、そしてう・初春ぅぅぅ!!!」

自己嫌悪感に苛まれる黒子は謝りながら親友たちの名前を叫んだ。

 

 

 




申し訳ありません、間違って作ってる途中のものを投稿してしまいました。
本当にすみません。

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