東方masquerade   作:リョウタロス

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今回の話でこの番外章もこのミラーモンスター達の日常も最後です。もうすぐ俺の夏休みも終わりを迎えますが始まるまでになんとか1.5部も書きたいと思っています

それでは本編です、どうぞ!


番外幕その4 〜妖怪の山〜

妖怪の山 にとりの家のラボ 開発ドック

妖怪の山内部でかなり規模がある河童達専用の地下ドック、幻想郷で唯一の近未来的空間であるここでは今日も新たな開発や改造が行われている

 

「おーいゴジョウ!そこにあるスパナ取ってくれ」

「あいよ!」

 

今は鬼の戦艦を改造中でそれを甲とにとり、そして緑色の忍者服を纏い顔も目のところ以外は全て忍者服により覆われており唯一出ている目も御坂妹達のようなゴーグルを付けていて顔は全くわからない男、にとりのパートナーであるサガッパことゴジョウの3人でやっている(実質ほとんどやっているのは2人でゴジョウは補助だけだが)

 

「そういや甲の旦那、守矢の方からの依頼の品は出来たのかい?」

「ああ、確か新しい組手用木人型ロボだったな。あれならもう完成して後は受け取りを待つだけだぜ」

 

ピンポーン

『すいませーん、頼んでおいた物を受け取りに来ましたー』

そんな話をしていると来客用のインターホンが鳴り早苗が来たことを知らせる

 

「お、噂をすれば。悪いゴジョウ、そこに立てかけてある木でできた人型がさっき言った木人だ。そいつを早苗に渡してくれ。あともし早苗がそいつを重くて運べないようならこっちはいいから運んでやってくれ」

「りょーかいっと!」

 

甲は壁に立てかけてある木でできたポーズ人形のような物を指差しゴジョウはそれを肩に担ぐと水に潜るように床に潜りそのまま玄関まで一瞬で移動する

 

「はいはい、おまちどうさん。こいつが依頼の品だぜ」

 

バシュンという音と共に自動ドアが開かれゴジョウは早苗の前に担いでいた木人を立てる

 

「あ、ありがとうございます。すいません、もうこれで五体目なのに」

 

実は早苗がこの木人を頼むのはこれが初めてでは無く既に試作機を含めた4体の木人が早苗の修行の犠牲となっているのだ

 

「まあうちの2人もあんたの意見を聞いて改良しがいがあるなんて言ってっから問題ないよ。むしろドンドン来いって感じだね」

 

笑ってそんなことを言うゴジョウに早苗はあははと苦笑いで返す

 

「で、嬢ちゃんはまだ強くなるのに拘ってんのかい?あれからもう2年も経ってるってのによ」

 

いきなりゴジョウの雰囲気が真剣なものとなり早苗はゴジョウの問いに顔を俯かせる

 

「…はい、まだ今の私ではこうやって強くなろうとすることくらいしか気を紛らわすことができませんから」

「そうかい…まあ身体には気をつけなよ」

 

早苗の答えとその表情に今は何を言っても無駄と判断したゴジョウは早苗の心配することしかできない

 

「そういやこいつは運んで帰れるかい?普通の木人ならまだしもこいつは中身に金属をかなり使ってっから結構重いよ?」

「ん!ん〜!はあ、はあ、確かに前回の物より更に重くなってますね。私1人じゃ運ぶのは無理そうです。すいませんうちの神社まで運ぶの手伝ってくれませんか?」

「女の子の頼みを聞くのは紳士の嗜み、喜んでお受けするよ」

 

雰囲気を元に戻したゴジョウは執事のように一礼すると木人を再び肩に担ぐと早苗と並んで守矢神社まで歩を進めるのだった

 

天狗の里 文の家

 

「あややや〜!?締め切りが!?締め切りが迫ってくる〜!?」

「午前中をほぼ寝ていたからですよ。ほらあと数時間しかないのですからとっとと書いてください」

 

文の家では文が〆切間近の原稿を大急ぎで仕上げようとしていてその後ろで右目にモノクルをかけ銀髪にところどころ黒いメッシュが入った黒いスーツ姿の青年が片手に金色の懐中時計を持ちながら文に発破をかけている

 

「ならなんで起こしてくれなかったのよ〜!」

「その方が面白そゲフンゲフンいや、あまりにも気持ちよさそうに眠っていたもので」

「今面白そうって言おうとしたわよね!?昨日私明日〆切だから早く起こしてって言ったじゃないの!」

「あなたのその慌てふためいている姿が面白…面白いからに決まってるじゃないですか」

「最早訂正する気さえない!?」

「ほら、手が止まってますよ。早く手を動かしてください」

「ちくしょぉぉぉ!ローグあなた後で覚えときなさいよぉぉぉぉ!!」

 

このローグと呼ばれる青年は文のパートナーであるサイコローグであり今では記者と編集者という関係でもある。のだが如何せんローグがドがつくほどのSなせいですっかり文にいじられ癖がついてしまいついでにツッコミもレベルアップしていた

 

「文ー、今暇…じゃなさそうね」

「はたてですか!今忙しいからまた今度にしてください!」

 

そんなところへ同じ記者仲間のツインテールの少女、姫海棠 はたてが訪ねてくるがまったく相手にせずひたすら記事を書いている

 

「申し訳ありません、はたてさん。今先生は明日の記事を書くのに精一杯でして、緊急のご用で無ければまた後日にお願いできませんか?」

「あ、は、はい。わかりました///」

 

ローグははたての目の前まで行くとまるで助手のように丁寧に対応し男への耐性があまり無いはたては顔を赤くし文の家を後にした

 

「ほんと外面はいいわよねあんた」

「ええ、私の素行が悪いとあなたの評判まで悪くなってしまいますからね。それだと私が面白くありませんし、何より貴方を他の奴に傷つけられるのは気分が悪い」

「え、ちょっ何言ってんのよ///」

 

呆れた風に文が言うとローグは文のあごを持ちあげ文の目線を自分に合わせると薄く笑いながら文の顔を見つめる

 

「そんなことよりいいんですか?〆切まであと2時間切りましたよ」

「ハッ!?そ、そうよ早く仕上げないと!」

 

 

文はローグの声に我に返ると再び机に向かい記事を書く作業に戻る

 

(ふふふ、本当に…貴方の反応は面白い。いつまでも私を退屈させないでくださいよ?私の主人なら)

 

文の受難はまだまだ続くようである




ミラーモンスター達に聞く今の生活への不満は?

ゴジョウ「甲の旦那とにとりの姐さんの仲が中々進展しないことだな。甲の旦那も全然言い出せてないからこっちからしたらヤキモキしてしょうがないっての」

ローグ「そうですね。たまにこの天狗の里で文を下劣な視線で見るクズがいるんですよね。ボソッ文は私のものだというのに…。隠れて闇討ちでもしたいんですが何分この里は狭いですから難しくて」

これで本編含めたこの作品は一時終了です。しばらくはこの作品の台本書きのところなどを直していきそれが終わったら新作として1.5部を出そうと思っています

それでは1.5部もお楽しみに!

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