東方masquerade   作:リョウタロス

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第二十二幕 逆転

紀斗は永遠亭を探すため羅針盤座のゾディアーツであるピクシスゾディアーツに変身し迷いの竹林内をZと歩いていた

 

「本当に便利な能力ですね。まさかゾディアーツやドーパントにまでなれるとは」

「道具を使った奴だけだ。元が怪人のやつにはなれない」

「それでも十分ですよ。ドーパントとゾディアーツだけでも好きな個体になれるんですから」

「見つけた、ここが永遠亭か。くっ!?」

「どうしました?」

「いや、なんでもない」

(ここについた途端また頭痛がひどくなってきやがった。どうなってやがる)

 

紀斗は変身を解きZと永遠亭に入ろうとした

 

「おいおい、紀斗。帰ってくるのはいいが後ろのお客さんと大事な物を忘れるのは勘弁してもらいたいね」

 

紀斗たちが声のした方を向くとそこには腕を組んで壁によりかかるてゐがいた

 

「うさ耳の幼女?うっ、頭が!?」

「邪魔をしないでもらいたい。私達は八意さんに用があるんですよ」

「それではい、そうですかと通す馬鹿がどこにいるのさ。通りたきゃあたし達を倒してみな」

「そういうこと!」

 

竹林の影からいきなり影狼が飛び出してきてZに爪で襲いかかるがかわされてしまう

 

「危ないですね。いいでしょう、海堂君出番ですよ」

「…ああ」

 

紀斗は腕にライダーブレスを装着しそこにコーカサスオオカブトを模したカブティックゼクターを装着する

 

「変身」

 

『Change Beetle』

 

紀斗は金色のコーカサスオオカブトを模した仮面ライダー、仮面ライダーコーカサスに変身した

 

「やるしかないか」

「そうみたいだね」

 

「「変身!」」

 

てゐはインパラを模した仮面ライダーインペラーに影狼はカメレオンを模した仮面ライダーベルデに変身した(以下Iてゐ、V影狼)

 

 

「インペラーとベルデか。関係ないな、すぐに終わらせてやる」

 

「勝手に決めつけないでちょうだい!」

「まったくだよ!」

 

『HOLD VENT』 『SPIN VENT』

 

V影狼はヨーヨー型の武器のバイドワインダーを、Iてゐは二股の槍型のガゼルスタッブを装備し紀斗に攻撃しようとしたが

 

「クロックアップ!」

 

『CLOCK UP』

 

しかし紀斗は腰のスイッチを押しクロックアップを使った

 

「ふっ!ふっ!はっ!」

 

紀斗はIてゐとV影狼を殴り一箇所にまとめ腕のカブティックゼクターを180度回転させる

 

『RIDER BEAT』

 

音声が鳴り紀斗の右腕がタキオン粒子により強化される

 

「ライダービート」

 

紀斗は2人をまとめて殴り吹き飛ばした

 

『CLOCK OVER』

 

「ぐあっ!?」

「うわぁ!?」

 

クロックアップは切れ元の速さにもどる

 

「…早く行こう」

「ええ、そうですね。早く行きましょう、早く…ね」

 

紀斗は変身を解き永遠亭内に入り今回の1番のターゲットだと言われた永琳を探す

そしてそれはすぐに見つかった

 

永琳は輝夜と共に縁側座っていた、しかしその目は少し虚ろで目には泣き腫らした後もあった

 

「おお、見つけましたか。仕事が速いのは高ポイントですよ、海堂君」

Zはオピウークスゾディアーツの姿で庭の方から現れた

 

「!?紀斗…あんた達がこの部屋に来たってことはてゐ達はやられたのね。」

「ええ、そういうことです」

 

Zが答えた瞬間輝夜から尋常ではないレベルの殺気が溢れ出る

 

「私もね仲間がやられて黙っていられるほど人間出来ちゃいないのよ!」

輝夜が拳を振りかぶって紀斗を殴ろうとする

 

「紀斗ぉ!歯ぁ食いしばりなさい!!」

「させませんよ」

 

しかしZがその拳を受け止め輝夜を庭の方へ投げ飛ばした

 

「あなたには少し大人しくしてもらいますよ。」

 

Zの体から何十体もの蛇が伸び輝夜の体を縛る

 

「くっ!離しなさい!」

「いやですよ。海堂君!八意さんは不死者です!彼女の心を壊しなさい!」

 

「…スキルコピー【レギオンのアンダーワールド侵入能力】」

紀斗の手にレギオンの持っていた薙刀が握られ紀斗を見て呆然としている永琳に近づいていく

「紀…斗?紀斗なの?」

 

「永琳!逃げなさい!紀斗!永琳に手を出したら絶対に!絶対に許さないわよ!」

「無駄ですよ、八意さんはともかく今の海堂君は何を言っても何ひとつ思い出しませんよ」

「なんでそんなことがわかるのよ!」

「何故なら、今彼の人格、記憶は我々が元の人格と記憶をアンダーワールド、彼の心の奥に簡易版ですがムネモシュネを使い閉じ込めその代わりとしてうえこませた物ですからね。つまり今の彼は記憶も人格も偽物、彼の心の奥にいる本当の彼が解放されない限りは治りませんよ」

「ムネモシュネ!?そんな物まで使っていたなんて!」

 

「エキサイティング…今から、あんたの心を壊させてもらう」

 

紀斗は薙刀を持ったまま永琳に近づいていくが永琳は涙を流しながら両手を広げ紀斗に笑顔を見せる

「紀斗…早く戻ってきなさい。私はちゃんと待ってるから」

 

紀斗が薙刀を振り上げ永琳を斬りさこうとしたその時

 

(やめろぉぉぉぉぉ!!)

 

「ぐがっ!?あ、頭が!?ぐああぁぁぁぁ!?」

いきなり紀斗を凄まじい頭痛が襲い紀斗はその場で頭痛に悶え苦しむ

 

「!?いきなり何が!?」

 

『ピー!ピー!』

いきなりZの耳についている通信機が鳴る

『ピ!』

「なんですか、今こちらは忙しいんで『Z様!緊急事態です!海堂 紀斗の人格を捕縛しているムネモシュネの記縛の鎖が壊されそうです!』何!?馬鹿な、あれは我ら幹部の全力でもひびが入る程度の強度があるんだぞ!」

『しかし現状では今にも鎖は千切れそうです!』

「怪人達を出して取り押さえさせろ!海堂の人格を復活させるな!」

 

「あらあら、口調まで取り乱して随分焦ってるのね」

「うるさい!このままじわじわ絞めつけてやろうか!」

 

『FINAL VENT』

 

「!?ぐあっ!?」

 

Zはいきなり多様のレイヨウ型のミラーモンスターに襲われ輝夜の拘束が緩む

 

「うちの姫様を〜」

 

そしてさらにそこにIてゐが走ってきて

 

「離しなぁー!」

「ぐうっ!?」

 

強烈な飛び膝蹴りをZの顔面にお見舞いしZはその衝撃で宙を舞う

 

「まだ終わらないよ!」

 

『FINAL VENT』

 

そして輝夜の拘束が解け蹴られて空中に浮いてしまったZを後ろからV影狼が掴みバイオグリーザが舌を放しそこから空中回転して筋肉ドライbゲフンゲフン デスバニッシュを決めた

 

「がっ!?」

 

さらに永遠亭の他の部屋からB霊夢達とやられた筈のB魔理沙が出て来て倒れているZの首に自分達の得物を押し付け取り囲む

 

「スキマやテレポートの行き先はここだったのか。しかし何故貴様が生きている!霧雨 魔理沙!」

「へっ、あの時の私の装備を忘れたのか?」

「いくらカメレオンマントだといっても当たれば意味がないだろう!確かに当たっていた筈だ!」

「あの時紀斗のやつ、一瞬動きがブレてそれで狙いが外れたんだ。それで上がった砂煙が晴れる前にあたしは姿を消したってわけさ!運よくアリスにはその消える瞬間が見えてたしな」

「まったく、あの時私が気付いてなかったらバレて死んでたわよ」

「そういう小言は聞き飽きたぜ」

 

「とにかく今ここで殺られるのと質問に答えて帰されるの、どっちがいいかしら?」

(この状況では海堂の奪還は無理。仕方が無いか)

「ならば何も答えず帰るという選択肢をとらせてもらおう」

 

Zを黒いモヤは包みB霊夢達はそれぞれ斬ろうとしたがそこにはもうZの姿はなかった

 

「逃げたわね。紫、追跡出来てる?」

「駄目ね、この前紀斗を探した時と同じ感じよ。無理矢理変な方向にやられているような感じよ」

 

「で、この紀斗はどうやったら元に戻るんだ?」

「あいつはアンダーワールドにムネモシュネ、紀斗がこうなった原因の物があるって言ってたわ。その中に閉じ込められた紀斗の本当の人格を助けてムネモシュネを破壊すれば紀斗は助かる筈よ」

「でもアンダーワールドに行けるのは」

「私とパチュリーだけだな」

「私もエンゲージのリングは持ってないから」

「ま、とりあえずやることは決まったしさっさとやりましょ」

 

「魔理沙、パチュリー」

「「ん?」」

 

紀斗にエンゲージリングを付けようとしたB魔理沙とWパチュリーに永琳が声をかける

「絶対、絶対紀斗を救ってきて」

 

「へっ、当たり前だぜ!あいつのマッサージはまだ私は受けてないからな。戻ってきたらタダでやってもらうぜ!」

「いいわね、それ。私も最近肩がこることが多いから頼もうかしら。永琳、任せておいて。今は私達が最後の希望だから」

「それじゃいくぜ、パチュリー」

「ええ、とっととすませちゃいましょ」

 

B魔理沙とWパチュリーはそれぞれ紀斗の手にエンゲージのリングをはめる

 

『エンゲージ プリーズ』 『エンゲージ GO!』

 

倒れている紀斗の上に2種類の魔法陣が重なるように現れB魔理沙とWパチュリーはそれに飛び込み紀斗のアンダーワールドへと入っていった


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