魔法先生ネギま! 白面ノ皇帝(ハクメンノオウ)   作:ZERO(ゼロ)

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No.07:騒がしき日々のRestart

「往生せいや、このクソジジイがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「ふぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 

此処は麻帆良学園の学園長室。

扉が開いた瞬間、学園長の顔に飛び蹴りを叩き込んだ人物が居た。

まあ説明する必要は無いだろうがそれは勿論サイである。

 

「テメェ、このクソジジイ!! 一体どういう事だよ、あぁ!?」

 

「な、なななな、何じゃお主はいきなり!?

一応わし学園長じゃよ!? 此処じゃ偉いんじゃよ!? その学園長に登校初日から飛び蹴りって、そりゃあんまりじゃろうが!?」

 

ぶっ倒れた学園長の首元を持って思いっきり振るサイ。

一方学園長はサイの飛び蹴りが思いっきりクリーンヒットした筈なのに傷一つ無い。

流石は関東の魔法使い達を取り纏める『関東魔法教会』の理事長にして『麻帆良学園』の学園長なだけの事はある。

何故こんなにサイがぶち切れているのかは前話の最後で叫んでいた通りだ。

 

「五月蝿ぇ、何が学園長だテメェコラァ!? 何が悲しゅうて女しか通ってねぇ学校に俺が通わなきゃなんねぇんだよ!?

はっ!? さてはテメェ、最初からそこに叩き込む心算だったな!?」

 

「お、お主がしっかりと聞かんのが悪いんじゃろうが!!

そもそもわしは最初から、男児が通う学校だなどと言ってはおらんわい!!

それを自分で勝手に勘違いしたのじゃから、怨むならわしよりも自分自身を怨むのが筋じゃ!!

人の話を聞かんと勝手に決めてしまった自業自得じゃ自業自得!!」

 

学園長の言葉にどんどんテンションが上がりエスカレートしていくサイ。

学園長の後頭部に残って居る僅かな髪の毛を思いっきり鷲掴みにすると、引き千切るかの如き勢いで振り回す。

サイにとっては相手が偉い人物だろうが何だろうが関係ないのだ。

 

「何だとこのくたばり損ないの老い耄れがぁぁぁ!!

老い先短い命の炎とその数少ねぇ髪の毛、今すぐ此処で消してやんぞコラァァァァ!!!」

 

「フォォォォォ!? こ、腰がぁぁぁぁぁ!!!?

止せ、やめい!? か、髪の毛は、髪の毛だけは勘弁しとくれぇぇぇぇぇぇ!!!?

みぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!?」

 

サイに馬乗りにされ、数少ない髪の毛やら眉毛やらを引っ張られて悲痛な叫び声をあげる学園長。

このままでは風前の灯であった数少ない髪も、全てが抜け落ちてしまうであろう。

そんな学園長に救いの手を差し伸べた人物が居た。

 

「何をやっているんだサイ? ジジイの殺されるかのような声が外まで響いているぞ?

ああ、いや、あれはニワトリが首を切られる前の叫び声か……クククク♪」

 

いつの間にか学園町室にはエヴァンジェリンとその後ろに茶々丸。

さらにサイは見た事の無い、スーツを着た眼鏡の少年がおろおろしながら慌てていた。

 

「が、ががが、学園長先生~~~~~!?

こ、こここ、こらぁぁぁ!! だ、誰ですかあなた!? 学園長先生を離してください~~~~!!」

 

「あんっ!? って、何だキティと茶々丸か―――後、誰だテメェ? 何でこんな所にガキが居んだコラ」

 

確実に心臓の悪い人なら簡単に殺せるような目付きで声をかけてきた人物を睨むサイ。

だがそこに居たのが自分の知り合いであると解った瞬間、その目付きは普通に戻る。

自分の外見は棚に上げてエヴァンジェリンと一緒に居た眼鏡の少年を餓鬼扱いしていたが。

 

「が、ガキって、貴方もボクと同じか少し年上ぐらいじゃないですか!?」

 

“ガキ”と言われた事が気に入らなかったのか怒って反論する眼鏡の少年。

それを後ろで見ていたエヴァンジェリンは何故か笑い顔である。

 

「何だよキティ、何がおかしいんだよ?」

 

「ククク……いや、女子校に編入されると解っただけでその状態なのだからなぁ。

此処に居るのが“お前の入るクラスの教育実習とは言え先生”だと知ったらどのような態度を取るかと思うと、な」

 

―――“クラスの先生?”

今一瞬、意識が遠くなるような事を言われたような気がするが。

 

「ま……本気(マジ)で?」

 

その質問に救いがあるように視線を茶々丸の方へと向けるサイ。

だがそんな彼の思い虚しく茶々丸は静かに首を横に振る。

 

「はいサイさん、マスターの仰る通りです。

2-Aの三学期―――つまり三月までの間、教育実習生として英語を教えてくださる事になっている『ネギ・スプリングフィールド先生』です。

正確に言えば一昨日(サイとエヴァが本気でやりあった日)の昼から赴任したばかりですが」

 

茶々丸の言葉に肩を震わせるサイ。

エヴァンジェリンはそんな彼の様子を見ながら楽しそうにしている。

 

そして―――サイは二度目の爆発を起こした。

 

「こんのクソジジイがぁぁぁぁ!!

女ばっかりのクラスに編入するだけじゃ飽き足らず、教える奴がこんなガキだとぉぉぉ!!?

毟る、テメェの後生大事にしてるその数少ねぇ髪の毛、一本残らず毟り取ってやらぁぁぁ!!!!」

 

「ほ、ほぎゃああああああぁぁぁぁ!!?

や、止めい、止めとくれぇぇぇぇぇ!!!? 毟れる、根元から毟れてしまう!!!!?

こ、こりゃ、エヴァ!! そんな所で爆笑しとらんと止めてくれぇぇぇぇ!!? 後生じゃからぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

後ろで更に腹を抱えて笑っているエヴァ。

無表情のまま傍観している(と言っても、時たまシャッターを押すような音がする)茶々丸。

サイを止めようとしてオロオロしているネギ先生に、絶望的な叫び声を上げて髪を毟られそうになっている学園長、そして『本職の人』も顔負けな目付きのサイ。

まさに学園長室はカオス空間と成り果てていた。

 

そしてこの日―――

後に麻帆良に通う生徒達や先生達に『学園長室襲撃事件』の序章と冠される事件は、HR開始の鐘によって取り敢えずの収束を見たのであった。

勿論、この事件によって学園長の数少ない髪の毛が更に少なくなったのは言うまでもない。

 

 

 

 

「ちっ、あんのクソジジイがぁ!! つるっぱげにしてやっても飽き足らねぇぜ、全くよぉ」

 

戦利品である白髪の束(学園長の命)をゴミ箱に叩き付けながらブツブツ文句を言うサイ。

横にはまだ思い出して笑っているエヴァンジェリンと相も変わらず無表情の茶々丸、後ろには先程の乱闘騒ぎにびくびくしているネギが付いてくる。

 

「まあまあ、そう言うなサイ、あんだけやれば少しはジジイも懲りるだろう。

それにしてもジジイのあの悲痛な表情は今思い出しても笑えるな、久しぶりに思いっきり笑わせてもらったぞ♪」

 

「チッ、人事だと思いやがって、知ってたなら先に言えよ。

―――んで、さっきから何で後ろ歩いてるんだお前? 曲がりなりにも教師って奴なんだろ?

だったらお前が率先して案内するモンじゃねぇのか?」

 

ビクッと肩を震わせるネギ。

どうやら先程の事が余程恐ろしかったのだろう、それともほかに理由でもあるのだろうか?

思えば先程からしきりに何かを聞きたそうな表情をしていたが。

 

「す、すみません……も、もう直ぐクラスですから……ア、アハハ、ボクも一昨日から此処に着たので……」

 

そんな言葉に慌てて先を歩き出すネギ。

だがその足取りはどうもおぼつかない……やはり、先ほどの恐怖が関係しているのだろうか?

それは結局の所、ネギ本人にしか解らない事だろう。

 

「こ、此処が教室です……え、え~っと」

「サイだ、光明司斉……さっき学園長をボコった後に散々名乗ったじゃねぇか」

「あっ、ご、ごめんなさい!! じゃ、じゃあサイさん、ボクが呼んだら入って来てください」

 

するとエヴァンジェリン達は反対側のドアへと向かう。

 

「ん? 何だキティに茶々丸? お前等こっちから入らねぇのかよ?」

 

「私の席は一番後ろのドア側だからな……それに茶々丸も似たような場所だ、だから別にそっちから入る必要などない」

 

そう言うと手で挨拶のような事をして中に入っていく。

茶々丸も一度会釈をすると、エヴァンジェリンに続いて入っていった。

 

「じゃ、じゃあボク、先に入りますね」

 

ネギもそうサイに伝えると入り口を開けようとした。

しかしその中途半端に開いている扉を見てサイはある事に気付く。

 

「あぁ? んだありゃあ?

あぁそう言う事か、扉を開けるとアレがああなって……何だか知らんが学校ってのは変な歓迎の仕方をするんだな」

 

小さく呟くとサイはネギの胸に腕を掛けて下がらせる。

 

「ひゃ、ひゃあ!? な、何ですかサイさん!?」

 

そのまま何も言わぬままサイは半開きになってる扉を横に乱暴に蹴り開けた。

 

「「「「「「「「えっ!?」」」」」」」」

 

クラスの中から上がる疑問のような驚愕のような声。

それに合わせて扉の上に挟まれていた黒板消しが下に落っこちる。

古典的なトラップをサイは(下からではなく上から)掴み取ってから後ろに投げ捨てた。

 

しかし進んで行く先には目立たないように縄が張られている。

その縄は上に繋がっており、そこには水の入ったバケツ、吸盤の付いた矢などがセットされていた。

どうやら二段構えのトラップのようで、サイの足はその縄に引っかかり上からバケツが落ちてきてずぶ濡れになる筈だったが。

 

「お~い、そこの窓を開けといた方が良いぞ」

 

しかしサイは暢気にそんな事を呟く。

言葉の意図が良く解らなかった為、誰も動こうとしない。

 

「茶々丸、開けてやれ」

「はい、マスター」

 

いや違う、この二人にはサイの意図は解っていた。

茶々丸は急いで窓際に向かうと、サイの目線の先にある窓を開いた。

 

―――その瞬間。

 

“ガコォォォォォン!!”

 

何か硬いものをぶつけた様な音が教室内に響く。

すると茶々丸の開けた窓から外のグラウンドに向かって何かが音を立てて飛び出し、落っこちたのだ。

 

「もう一丁!!」

 

サイの声と共に何かが空を切るような音が響く。

良く見ればそれは何と、向かって来ていた何本もの吸盤の矢をサイが空中回し蹴りで茶々丸の開けた窓から蹴りだしていたのだ。

と言う事は、自ずと先程の硬い何かをぶつけた音もどういう事かは理解出来ただろう。

着地しながらエヴァンジェリンと茶々丸の方に言葉を飛ばす。

 

「ナイス、キティに茶々丸!!」

 

会釈と手の動きだけで返す二人。

あまりの一瞬の事に、いつもは騒がしい筈のこのクラスが静かになった。

 

「やれやれ、実に面倒な歓迎の仕方だな。 俺は学校なんてモンに通った事ねぇけど、こう言うモンかね?」

 

そう言いながら着物のような上着の埃を払う。

更に首や腕を回した後、思い出したかのようにサイは言い放った。

 

「あぁ、忘れてた。

ようテメェら、極めて遺憾だが今日からこのクラスに編入する事になった光明司斉だ。

長いか短いかは知らねぇが、まあ暫くの間は宜しく頼むわ」

 

静寂に包まれる2-A。

このクラスはいつもバカ騒ぎが好きな為、このような静寂は極めて珍しい。

今の状況で鳩が豆鉄砲喰らった様な表情をしていないのは、エヴァンジェリンと茶々丸位だろう。

……と、静寂を破るように誰かが小さく声を上げた。

 

「………か………」

「……あん?」

 

いぶかしむ様に返答を返すサイ。

しかしその言い出しが導火線に火を点けたのか、一斉にクラスの者達が声を上げた。

 

『『『『『『か、カッコ良い~~~~~!!! (か、カワイイ~~~~~~~!!!)』』』』』』

「……五月っ蝿ぇなぁ」

 

怒号の如き声。

多くの者達が先程の呆然とした態度など忘れ、サイに対して眼を輝かせて見てくる。

てか、本当にサイはストレートな事しか言えない人物だ。

 

まあしかし、実際のサイの性格は別としても外見はそれなりに整っている。

しかも銀髪に着物のような服の上着からはみ出ている腕は、実に良く鍛えているのが解る程に引き締まっていた。

黙っていればこの少年はモテるであろうが。

 

「ハイハイハイハイ、質問!! しつも~~~~ん!!」

 

そんな声が周りからは聞えてくる。

内心『面倒臭ぇなぁ……』と思っていたサイだが、学校と言う所はこう言う場所なのだろうと納得した。

それに2~3程度の質問ならば問題ないとも思っていたのだろう。

 

最初は見るからに子供っぽくも元気そうな少女が尋ねる。

 

「何歳なの~~~~!?」

「……14だ。(そもそも一々年齢なんて数えちゃ居ねぇよ)」

 

首をかしげながら答えるサイ。

続いての質問は、そばかすの少女。

 

「何処から来たの!?」

「想像に任せる。(まさか魂獣界とも言えねぇしな)」

 

言った所で信じてなど貰えないだろうし、シャークティに迷惑が懸かる。

そんな事を考えていると、次の質問が飛ぶ……どうやら次は、眼鏡で黒髪の人物のようだ。

 

「ねえ、どうして男子なのに女子校にいるの?」

 

「あるホモサピエンス(人類)には決して見えないボケジジイに騙されて勝手に入れられただけだ。

文句があるならあの霊長類と妖怪を足して2で割ったような面のジジイに言ってくれ」

 

本当に言葉をオブラートに包まない人物である。

その言葉を聞いて後ろの方の席に居たエヴァンジェリンはまた腹を抱えて笑っていた。

すると次に質問を飛ばしたのは、マイクをサイに向ける“報道部”と言う腕章を付けた人物だ。

 

「はいはいはい、この新聞部の朝倉がバンバン質問しちゃうよ~~~!!! じゃあまず、出身地は何処?」

「だから想像に任せると言った筈だが」

「ではその髪の毛は地毛ですか?」

「悪いか?」

「ではでは次は……」

 

そんなこんなで朝倉と言う人物は何個も何個もサイに質問をぶつける。

いい加減イライラして来たサイだが一応律儀に答えていた。

そして次で遂に10個目の質問を言う。

 

「では重要な質問なのですが、彼女はいますか?

もし居ないのであれば、どのような人物がタイプですか? ズバリ教えて下さいよ~~~~」

 

何故かその質問をした時、一斉に辺りが静かになる。

笑っていて興味を持って居なさそうだったエヴァンジェリンも、その近くで佇んでいた茶々丸も何故か後ろの方で身を乗り出して言葉を聞こうと待っていた。

その質問の意図を良く考えた後、サイは意地が悪そうな表情を一瞬浮かべると朝倉に向かって言う。

 

「最初の質問はノーコメントだ。

代わりに次の質問は―――嫌ぇな人物がどう言うタイプかだったら教えてやるぜ」

 

「おお、それはそれは!?」

 

マイクを向けて目を輝かせる朝倉。

だが―――次にサイが言ったのは彼女が思いもよらない事だった。

 

「俺の嫌ぇなタイプは余計な事を根掘り葉掘り聞いてくるような奴さ。

特に人の人権を無視して勝手に土足で人の中に踏み込んで来るような下種が俺は一番大っ嫌ぇだ、これで質問の答えになったか?」

 

その言葉と共に朝倉のみに向かって放たれる鋭い殺気。

殺気を辺り関係なく撒き散らすのは素人にも簡単に出来る……だが一人にのみ送るというのは、余程な実力者でないと無理な事だ。

 

「あ、あぁ、ご、ゴメンゴメン。

ちょ、ちょ~っと、私調子に乗り過ぎてたかな……あは、あはははははは……」

 

それは実に珍しい光景だ。

本来、この朝倉と言う少女は中学生にしては大人顔負けの記者としての腕前を持つ。

しかし、時にやり過ぎたり、TPOを弁えなかったり、しつこ過ぎたりする事から別名『麻帆良のパパラッチ』などと言う名誉なんだか不名誉なんだか解らない渾名を持っている。

 

まさに言い換えるならすっぽんのように喰らい付いたら離さない人物の筈なのだが。

そんな事を知っている者達にとって、朝倉が簡単に引き下がったのが珍しいと感じた訳だ。

―――まあ、何名かは簡単に引き下がった理由に気が付いていたが。

 

「ククク……奴と会ってから数日だが、本当に退屈はせんな」

「……マスター?」

 

一人は言うまでもなくエヴァンジェリンだ。

まあ彼女の場合は生きてきた状況を垣間見れば当然の結果なのだが。

 

「……。(今のは殺気!? やはりあの男、危険だ)」

 

二人目は前にサイとエヴァンジェリンの死闘(サイ曰く喧嘩)を見ていた侍のような少女である刹那。

彼女にとって、自分が命を賭しても護りたい者が居るのだから殺気に反応するのは当然といえば当然だが。

 

「ほう……。(あの時、冷や汗を掻いたのは偶然ではない様だな)」

 

三人目は同じく二人の死闘を見ていた凄腕のスナイパーである真名。

刹那とは違い、どうやら純粋にサイに興味が湧いたようだ。

更に気付いているのか居ないのかサイに興味を持った者もちらほら。

 

「(ムムム……あの身のこなし、かなり出来るアル)」

 

一発で中国人じゃないかと解るこの少女の名は『古 菲(クー・フェイ)』。

小柄な外見だが麻帆良で開催される“ウルティマホラ”と呼ばれる格闘家No.1を決める大会で何度も優勝している生粋のバトルマニアである。

その性格はサイの戦友の一人と実に合いそうだ。

 

「(ほほう、外見とは違って中々面白そうな御仁でござるな)」

 

このどう聞いても外人が日本人を勘違いして、アニメか何かで日本語を勉強してしまったかのような昔の侍のような語り口の少女の名は『長瀬 楓(ながせ かえで)』。

まあその外見は真名と同じくどう見ても中学生には見えないが。

 

「(ウム? あの少年……フフフ、暫く様子を見てみるネ)」

 

先に紹介した古菲と同じようなアニメのキャラクターのような中国人を絶対に勘違いしてる喋り方をするこの人物の名は『超 鈴音(チャオ リンシェン)』と言う。

何故か不思議とそのサイを見る眼には何か他に思惑があるようにも見えたが。

 

「……………」

 

最後に無表情のままサイを見つめる少女が一人。

感情が一切合切表に出ていないので何を考えているのかは解らない。

この少女の名は『ザジ・レイニーデイ』……この変わり者の揃う2-Aの中でもとりわけ変わり者の一人である。

 

更に此処からはサイの顔を見て驚いた奴等が何人か。

 

「って、サイくん!? 何で此処に居んのよ!?」

 

「うん? あぁ、何だ美空か。 お前、此処似通ってたのか。

俺が此処に居る理由はまあ、妖怪ジジイに騙されてこのクラスに入る事になっただけだ」

 

勿論筆頭は美空である。

何故彼女がサイの事を知っているのか知らない者達はしきりに美空に質問を飛ばす。

そして此処でサイが麻帆良にある教会に居候している事が知らされたのだ。

 

残り後2人、サイの顔を見て驚いた者も居たのだが―――

 

「あ、あうううう……そ、それじゃあ、じゅ、授業を……(キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン)……あ、終わっちゃった……」

 

一生懸命授業をしようとしたネギ。

しかし無常にも授業終了の鐘が鳴り、この一時間はサイへの質問だけで終わってしまったのだった。

勿論、授業が終わったという事で質問をしようとする者達が。

 

「ね~ね~、サイく~ん!!」

 

しかしサイは呼ぶ声などなんのその。

 

「さて、腹減ったな……シャークティが持たせてくれた弁当もあるしどっかで食うか」

「おいサイ、ならば屋上に行くぞ。 あそこなら邪魔もなく静かに食えるからな……茶々丸、茶を頼むぞ」

「はい、マスター。 サイさんもお茶で宜しいですか?」

「いや、俺はコーヒーを買って来てるから要らねぇ」

 

そんな会話をしながらさっさとクラスから出て行くのであった。

 

 

 

 

場面は屋上へと移る。

弁当を食べ終わったサイは飲み終わったコーヒーの空き缶を灰皿代わりに煙草を吸いながら一息吐いていた。

年齢的には絶対吸えない年頃なのだが、まあ実年齢は多分少なくとも20歳以上と思われるで問題は無いだろう。

(ちなみにコレはエヴァから貰ったものである、彼女の場合は魔法で外見を変えれるので大手を振って買える)

 

「どうだサイ、お前のお眼鏡に適うような輩は居たか?」

 

こちらも食事が終わって茶々丸の淹れてくれた茶を飲んでいるエヴァンジェリン。

一口飲み終わった後に不意にそう口を開いた。

 

「名前が良く解んねぇが何人か興味深そうな視線を向けて来た奴が居た。

その中の一人は殺気まで向けて来てたが俺にゃ殺気向けられる理由がねぇけどな」

 

その言葉にエヴァンジェリンは大よその見当がつく。

サイの言う殺気を向けて来た人物とは愚直なまでに己を棄ててある人物を守ろうとしている少女だ。

他に感じた興味深そうな視線と言うのも大体がエヴァンジェリンが想像しているのと同じだろう。

 

「参考までに一応聞くが誰だ? 名前は解らんでも良い、席の場所さえ覚えていれば私が名を覚えているからな」

 

「まずは殺気送ってたのが前から二番目のドア側から二人目(刹那)。

興味深そうな眼で見てたのが確か前から二番目の窓側から二列目(楓)に、前から四番目の窓側の最初(真名)。

後は前から三番目の窓側から三人目(超)に、前から四番目のドア側から二番目(古)と……あぁ、確か前から五番目の窓側の最初(ザジ)も居たっけな。

それと変わった視線を送ってる奴も居たな……確か前から四列目の窓側から三番目(明日菜)とその隣(木乃香)だ」

 

淡々と、それで居てスラスラと席順を言うサイ。

しかし特徴を覚える方が楽だと言うのに、良く席の場所などほんの少しで覚えられたものだ。

実はサイ、記憶力は良い方なのである……ただ自分の興味のある事などにしかその記憶力は発揮しないが。

(つまり名前などは“覚えられない”のではなく唯単に“覚えない”だけ)

 

「成る程な、恐らくお前に殺気を送っていたのは出席番号15番の桜崎刹那だ。

あれでもジジイの孫のお守をしている女でな……まあ殺気を向けた位の事は察して許してやれ。

一応、その孫娘の親友だという事も昔ジジイから聞いた事もある」

 

「あぁ? あれでボディガードの心算か?

俺にゃあ私情と護衛の板挟みでどっちつかずになってる優柔不断な小娘にしか見えねぇが。

それに思慮も視野も狭そうだ、その内につまらねぇポカやらかすぞありゃ」

 

サイの言い様に笑うエヴァンジェリン。

何時の事だろうか、こんなにも自分が笑うようになったのは……んな風にも考えていた。

しかしこの少年の歯に布に着せぬ言い振りは間違っていないだろう。

 

「ククク、まあそう言うな。

さて次だが、興味深い視線を送っていた輩で最初に言った二人は恐らく出席番号18番の龍宮真名と20番の長瀬楓だろう。

その後の三人は出席番号12番の古菲に19番の超鈴音、それと31番のザジ・レイニーデイだ。

ザジ・レイニーデイは別として、残りの連中は武道四天王だか何だかと呼ばれてる実力者でな―――まあその内にお前の好きな喧嘩を吹っかけて来るだろうよ」

 

「へぇ、そりゃ良いな。

俺としちゃあ何時でも何処でも良いから楽しめる事を期待するぜ」

 

サイも結構なバトルマニアである。

いや、彼の場合は元々小競り合いの多かった魂獣界という世界で産まれて生きていたのだ。

強い者と戦うのを好むのは当然の事だろう、そして戦うという事の意味も危うさも彼は誰よりも良く知っている。

知っているからこそ、彼は口が悪くも誰かを護れるのだから。

 

「最後の二人は恐らく出席番号8番の神楽坂明日菜と13番の近衛木乃香だな。

信じられんかも知れんが一応言っておくと、近衛木乃香がジジイの孫娘だ」

 

「……本当(マジ)か?

やれやれ……この世界に来て何度も驚いたが、耄碌ジジイの孫娘には一番驚いたな。

てか、どっかから攫(かどわか)して来て星の技術で洗脳して孫娘だって思わせてるだけじゃねぇの?」

 

その言葉に更にエヴァンジェリンが笑い転げる。

学園町室で自分の命とも言える残り少ない髪の毛を抜かれて落ち込んでいる学園長が大きなクシャミをしたのは言うまでもない。

だが何故かは解らないが、もう一人の方の『神楽坂明日菜』には名も知らない筈なのに見覚えがあった。

 

「あの女、どっかで見た事があるような気がするな?

しかもあんなに大きくなかったような……『どうした、サイ?』……いや、何でもねぇ。

(昔どこかで会った事があるのか? 俺の戻らねぇ記憶と関係があるのか? まあ考えても答えが出ねぇなら、無理に思い出す事もねぇか)」

 

そう考え事をしながらある程度の情報を聞き終わる頃。

何時の間にか辺りは夕焼け模様に近付いていた……サイは巨大な柱時計に眼をやって呟く。

ちなみに授業を初日からサボっていたのは言うまでもあるまい。

 

「ありゃ、もう4時かよ―――何だか時間が経つのが早ぇなぁ……さて、と」

 

足のバネだけで立ち上がり、ズボンの埃を払うサイ。

ある程度の事は理解出来たのでそろそろ帰る心算か、それとも何処かに寄り道していく心算だろう。

 

「んじゃそろそろ俺は行くわ。

また明日な、キティに茶々丸……あっそうだ茶々丸、近い内に可愛い子ちゃん達の飯買って行くからな」

 

「ふむ、もう帰るのか? まあ良かろう、ではまたな。

―――っと、そうだ……おい茶々丸、確かクラスの連中から言伝を頼まれていたのではなかったか?」

 

別れの挨拶の際にふとあの騒がしいクラスの連中に言われた事を思い出したエヴァンジェリン。

サイの血によって『登校の呪い』は解けたので一々学校に通う必要など無いのだが……サイが通う事を学園長から聞かされてから悪くはないと思い始めていた。

―――尚、サイの言う『可愛い子ちゃん』と言うのは、茶々丸が餌をあげている野良猫達の事である。

 

「はい、マスター。

サイさん、実は先程聞いた事なのですがクラスで貴方の歓迎会をするそうです。

ですので5時位になったらお手数かと思いますが2-Aの教室にお越し頂いても宜しいでしょうか?」

 

するとサイは背を向けたまま手を振りながら言う。

 

「はいよ、了解……そんじゃあ、またな二人とも」

 

そしてそのまま、麻帆良学園の屋上から下に向かって飛び降りる。

普通の人間なら確実に自殺と同じだがサイにとってはこの程度の事など造作もない事なのだ。

サイは近くに生えている木に掴まると器用に滑り降り、そのままどこかへと去って行った。

 

 

 

 

さて、再び場面は変わり―――

屋上から飛び降りてからぶらぶらとそこら辺をうろついていたサイ。

するとその眼に、件(くだん)の子供先生が佇んで溜息を吐いている姿が見えた。

 

「ようチビガキ、こんな所で何やってんだお前? しかもジジ臭く溜息なんぞ吐いて」

「うわぁ!? って……あ、えっと、サイさん」

 

いきなり掛けられた声に驚いて飛び上がるネギ。

しかしそこに居たのがサイだと知ると朝の警戒する態度がまるで嘘のように話しかけてきた。

本来なら興味も持たないだろうが、何故かサイはこの少年をそのまま放って置けない。

 

何故ならば眼差しが幼き日に唯一の親友と言っても過言ではなかった少年に似ていたからだ。

その人物を完全に思い出せないのが実に歯痒いのだが。

 

「んだよ、そんなに驚く事もねぇだろう? それにガキが深刻そうな面して溜息なんざ吐いてんじゃねぇよ。

知らねぇのか、溜息って奴を吐く度に幸せって奴は逃げてくんだぜ?」

 

そのまま何も言わずに横に勝手に座り込むサイ。

 

「ほれ、何があったか知らねぇし興味もねぇが言ってみろ。

その歳で悩み溜め込んでたらあっという間に耄碌ジジイみたいにハゲあがるぞ? 人に話す事でスッキリする事だってあらぁな」

 

―――昔、サイがそれこそ自分の出生に悩む事もなくなった頃に誓った約束。

『例え自分に出来る事は微々たる事でも、悩んでいる者がいたら支えになってやろう』と言う誓い。

それが忌み嫌われていた頃の自分にいつも一緒に居てくれた親友と交わした約束だった。

彼の態度に何かを感じたのか、ネギは語り始めた。

 

「ボク……日本に修行の為に来ました。

だけど何をやっても失敗ばっかりですし、頼りないし、本当にこのまま日本で修行してても良いのかなって思いまして」

 

まあ本来なら小学生位の年齢の人物に先生をやれなどと度台無理な話なのだ。

この少年、ネギ・スプリングフィールドが日本に学校の先生としてきた理由は、まさに言った通り『修行の為』だ。

 

実は魔法使いとは普通の世界で言う所の“義務教育課程”を七年間、魔法学校で過ごした後に卒業式の日に魔法使いの卵として修行する場を用意される。

それはその人物によって様々であり、占い師だの何だのと言った仕事をしながら己の実力と共に心も鍛えていくのだ。

しかし流石に修行とは言え、数えで10歳(満9歳)の酸いも甘いも苦いも知らないような小僧に『人を育てる』などと言う教員が務まる筈もない。

 

―――だが生真面目なネギ先生はその事で頭を悩ませているのだ。

 

「一つ聞かせろ」

 

サイの一言にネギはサイの方を向く。

するとその目は、実に真剣な10歳の少年に向けるような目ではない。

ネギは一瞬怯えの様な感情を抱くが、そんなネギにサイはお構いなく質問を飛ばした。

 

「お前は先生の仕事が嫌なのか?」

「えっ……い、いえ……嫌いじゃないです……」

 

か細い声だがそう返すネギ。

その様子を見たサイは、いつものふてぶてしそうな目付きに戻ると続きを語る。

 

「だったら何に迷う事があんだよ?」

「……えっ?」

 

予想外の言葉にネギはもう一度聞き返す。

サイはそんなネギに対してしっかりと目を見て言い始めた。

 

「えっ、じゃねぇよ阿呆が。

自分が今やってる事が嫌いじゃねぇなら何に迷う必要があんだ? 人生ってのはなぁ台本通りに行くような簡単なモンじゃねぇんだよ。

それこそ何時だって自問自答だの後悔だのの連続だ、その中から色んな選択を選んで傷ついたり苦しんだりして一歩一歩前に進んで行くんだろうが。

何年、何十年でもその事を繰り返して、その中で自分なりの答えってモンを見つけてくんだ……それを高々ちっと壁にぶち当たったからって甘えるんじゃねぇよ。

そんな半端な覚悟で教師を続けるんだったら最初から辞めちまえ」

 

彼の言葉は幼いネギにとっては辛辣な言葉だろう。

だがネギは文句も言わずにサイの言葉を聞いている―――その言葉に当て嵌まっているが故にだ。

 

「修行っつうのが何の事かは知らねぇ。

でもな、自分が少しでも今のこの教師って仕事が遣り甲斐があるとか楽しいとかって思うなら弱音吐いてる暇があったら努力しろ。

―――自分の事を変えようって努力もしない内から偉そうに寝言抜かすんじゃねぇよ」

 

高々10歳の子供にこれは言い過ぎではないだろうか。

しかしサイは口調とは裏腹に途中からネギを子ども扱いするような事は言っていない。

子ども扱いしないからこそ厳しい事を言っているのだろう、自分が憎まれ者になったとしても進むべき先を示してやっているのだ。

そしてその事は全部ではないにせよネギの心のどこかに深く響いていた。

 

「……そう、ですね。

ボク、間違ってました―――まだ始まったばかりなのに、それで上手く行くなんて虫が良過ぎますもんね。

ありがとうございます、サイさん……ボク、これから努力して少しでも良くなれるように頑張ります!!」

 

元気にそう言うネギ。

先程の悩んでいた姿がまるで嘘のようだ……サイの言葉にはやはり何か人を惹き付けるものがあるのだろう。

思えばいつものチンピラのような口の悪い態度も彼が作っているものなのかもしれない。

 

「おうよ、その意気だガキ」

 

その時、ふと時計を見るサイ。

茶々丸に言われた約束の時間まで後10分程の時刻となっていた。

 

「ありゃ、意外に話し込んじまってたか……キティや茶々丸の手前、遅れるのも拙いからなぁ」

 

伸びをした後に歩き出そうとするサイ……しかしその目線にある光景が映った。

それは見るからにお約束が起こりそうな、大量の本を手に抱えた少女が急な階段を降りようとしている姿だ。

 

「んっ? ありゃ確か……前から二列目のドア側から三番目に居たガキだな」

「あれは27番の宮崎のどかさん―――たくさん本を持っていて危ないなぁ」

 

あまり体力の無い人物なのだろう。

フラフラ、ヨロヨロとしながら階段を降りている―――と、まさにその時。

 

「あっ……?」

 

階段を一歩降りた際に足を滑らせるのどかと言う少女。

この状況では次がどうなるかなど想像する必要もあるまい。

 

「きゃああああああああ!!!」

 

そのまま階段の高い場所から落ちるのどか。

このまま下に落ちれば、大怪我は免れない―――急いでネギは一緒に持っていた長い杖を出す。

 

「バカ野郎、間に合わねぇよ!!」

 

いや、違う―――

思いっきり地を蹴ったサイが超スピードでのどかの落ちてくる場所へと回り込んだ。

その踏み込みの強さは、今まで二人が座っていた噴水の下の小さな階段に足跡を残して陥没させる程。

どれだけの力で踏み込んだか容易に解るというものだ……まるで身体が認識出来なくなる程のスピードで走り抜けたサイはのどかをキャッチして地に降り立つ。

この技術は此方の世界で“瞬動”と呼ばれるものに似ているのだが、それを此処に居る者達が知る由もなかった。

 

「ちっ、痛ってえなぁ。 気をつけろ、このウスノロ女……痛っ、足が折れるかと思ったぜ」

「だ、大丈夫ですかぁぁぁ、サイさん!!!」

 

杖を片手に急いでサイの近くに走ってくるネギ。

思いっきりな踏み込みの所為で足を挫いたらしいがサイは不敵に笑いながら言う。

 

「問題ねぇよ」

 

しかし、あれ程の超ダッシュをすれば身体のどこかに支障は出ただろう。

直ぐにネギは掌をサイに向けると、呟き始めた。

 

「サイさん、ちょっと待ってて下さい。

ボク、苦手ですけど今治癒魔法をかけますから……ラス・テル マ・スキル マギステル……」

 

「おい、ちょ……おま……待て……!!」

 

サイは一応、シャークティやら学園長やらから魔法使いと言う存在が秘匿されていると言う事を聞いていた。

だがネギはそんな事などお構いなく治癒魔法を人前で使ったのだ。

 

治癒魔法によって光り輝くサイの体―――足の痛みは淡く暖かい光によって瞬く間に消える。

 

「ふう、これで良しっと……大丈夫でしたか、サイさ……むぎゅ!?」

 

治癒を終わらせて一息吐いたネギはサイの安否を確認しようとする。

だがその瞬間、サイに両方の頬を摘まれて引っ張られた。

 

「おいコラ小僧、今のは“魔法”って奴だろ?

駄目だろうが、魔法は人前じゃ使っちゃ拙いんだろ……良く考えて行動しろ馬鹿野郎が」

 

「ひ、ひたひ、ひたひ!! ら、らひひょふふれふよはひはん!! ら、られもみてなはった―――」

(訳:い、痛い、痛い!! だ、大丈夫ですよサイさん!! 誰も見てなかった)

 

頬を引っ張られながら反論するネギ。

どうやらネギはサイが魔法使いに関連する方の人物だと思っているようだ。

しかし……運の悪い事に、ある人物のこの状況を見られてしまっていた。

 

「あ、あああああ、あんた……?

そ、それに転入生も……あんた達今、何を……?」

 

そこに居たのは2-Aのクラスメイト。

サイにとっては何故か見覚えのある、ネギにとっては今居候している場所に住んでいる少女。

 

神楽坂明日菜その人であった―――




第七話の再投稿を完了しました。
この物語は原作の一つがネギまだという事を考え、日常ではギャグもブッ込んでいます。
麻帆良のぬらりひょんこと学園長は随分とヒドい目に遭って貰う事になるですしょうが、まあお気にせず。

ちなみにサイ君は改めて言う必要もありませんが所謂『不良』です。
普通に煙草吸ったり、頻繁に授業をサボったりと結構チンピラキャラになりますが決める所は決めますのでご安心を。

更に今回サイに興味を持った女生徒。
彼女達の興味がこの先どのような方向に向いていくのかは次回以降をお楽しみにしてください。

では、これにて失礼。

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