「はぁ~」
いつも通り蝉がうるさい中これもいつも通りベットに寝転がる
爆弾事件から数日………あれから犯人に関する情報は一切ない
爺や管理局も頑張ってくれているらしいのだが……もういい、どうせ見つからない
カリムともあれから会えていない、俺の立場もそうだし今が夏休み、というのも大きい
シスターシャッハから時々メールは来るんだけど……元気はないらしい
それでも大人の汚い事情に巻き込まれてはいない様だからよかった………
そして俺………
「外出禁止って………」
今まではSP有りならばそこそこ外出出来ていたのだが……今回の件で少なくとも『狙われている』というのが発覚した
なので犯人とそのグループが見つかるまでSPをつけても外出禁止………この長い夏休みをどうしろと?
隣にあったお菓子をボリボリと食べる
太る?大丈夫、問題無い
「む、美味いのこの菓子」
「当たり前だ、どうせこれも一つ一つが高級品なんだから」
ベットに寝転がりながらネットを開く
原作に関する事件が起きたら直ぐに確認できる様にネットは俺にとって必需品だ
「ふむ、インターネット中毒か?
最近の若いもんはだらしがないの~」
「ほっとけ、暇を潰せる唯一のアイテムなんだからよ」
ったく、うるせぇな………
俺が何しようと勝手だろ?
さっきからいらねぇこと話しかけてきやがっ……て?
「………………………。」
「…………………どうしたのじゃ?」
what?
「あんた……誰?」
「誰って……忘れたのかこの顔を、お主を転生させた神って何デバイス起動させとるんじゃ!?」
ああ………なんかすっげー懐かしくてすっげーウザい面した老いぼれが俺のベットで菓子食ってるよ
うわ~何?その「いるのが当然」っていうのやめてくんない?
「あんた確か……『転生先での干渉はしない』とか言ってなかったか?」
「バレたのじゃよ閻魔大王に!!
そんでもってきっちりとした謝罪をしてこいと言われたのじゃ!!」
へぇ……バレたんだ………
でも俺にはそんなの関係ねぇ……こんな苦労生活を俺に押し付けたこの老いぼれには一度痛い目にあってもらわないとなぁ?
「は、話を聞かんかバカモン!!
仮にも最高神の御前、ひれ伏さんか!!」
「俺無神論者だし、その偉大な神様に殺されたんだし」
「ふんっ!!人間一人程度の人生、別にいいじゃろう!!
それに新たな人生をテンプレチート付きで提供したのじゃ……お主は逆に感謝をってなに斬りつけてきとるんじゃ!?」
グダグダ怠い事ばかり話していたので一度斬りつけてみた、殺傷設定で
だって効かないだろ?『偉大な最高神様』なんだから
「そりゃ死にはせんが痛いものは痛い!!
お主、これ以上わしに何かしたらこの後の人生って斬りかかるなーー!!」
チッ、外したか……
ま、伊達に最高神語ってるわけじゃない……か……
さっきから俺の攻撃が誘導されてる……
「全く、今回は閻魔大王からの命令で謝りに来ただけじゃ、ったく、あの老いぼれ目が……長い説教しおって……」
「前から気になってたんだが……閻魔大王って最高神のお前よりも位が高いのか?」
「そんな訳なかろう!!
わしは神じゃぞ!!閻魔であるあいつより位が低いなど有り得る訳がない!!
そうじゃの………わしがお主で閻魔が爺……ならわかるかの?」
「なるほど納得」
怒る時は怒る部下って感じだな………
てか……
「いつばれたんだ、履歴的なものは消したんじゃなかったのか?」
「ばれたのはお主を転生させた直前からじゃよ………それからさっきまでずっと説教じゃ……」
「は?」
さっきまでずっと?
まてまて、バレたのが転生させた直前で説教が終わったのがさっき……つまりは……
「そう……神に寿命はないのじゃが体感時間は人間と同じよ……それなのに閻魔の奴……六年間も延々と説教しおって……」
「えっと……ご愁傷様……」
なんか怒る気失せた
だって六年間延々説教って……俺だったら自殺するよ?
うう……目の下にクマがあるって事は六年間寝てないのかな……やべっ、可哀想になってきた……
「それに六年間の間に溜まった仕事……毎日働いても消費するのに二倍はかかってしまう……」
「……がんば」
なんか同情しちまうよ……
「うう……今も閻魔がわしの事を覗いとるのじゃろう……
前世の事……本当にすまんなんだ……」
「こちらこそ……死んでしまってすみません」
これまでいるのかな?
殺した張本人に「死んですみません」って謝る人って……
「それで……前世のお詫びに一つ特典を増やせるのじゃが……どうする?」
「特典を……増やせる?」
なんというテンプレ的展開
これ以上特典もらったら明らかチートだろ、今でもかなりチートスペックなのに……なので……
「特典はいらね、ただ………」
「なんじゃ?」
さっきとは違って踏ん反りかえって返して来る最高神
この野郎、ちょっと自分が有利になったからって偉そうにしやがって……
はぁ……でも頼めるのはこいつしかいねぇし……
「その……この前の爆弾事件を『なかったこと』にしてくれねぇか?
もちろん俺以外から……最高神なんだからそれぐらい出来んだろ?」
「わしは過負荷ではないのじゃが……それぐらいなら出来るぞ、要するに爆弾事件が『なかった」 』事にすればいいのじゃな?
………本当にそれでよいのか?」
「ん、お願い」
はっきり言って俺にカリムを元気付けるイカした言葉なんて言えねぇし『内部に敵がいる』と言うことは俺だけが持っていればこちら側に大きなアドバンテージが出来る
事件が起きる前に調べればいいからな……どこぞの正義の味方が『過去は変えれない』とかほざいていたがそんなことはどうでもいい
それでカリムが泣かないで済むんだったら………使えるものはなんでも使わしてもらう……
「……青春じゃのう……」
「俺は前世からフェイト派だ、ただ近くにいてくれる人が離れてほしくないから……さっさと帰りやがれ駄神」
「駄神とはなんじゃ駄神とは!!
なら過去を少しだけ変えておくぞ、変わる前の過去を知っているのはお前だけになるはずじゃ、変わった後の世界ではプールを一日楽しんだ事になっておろう」
「助かる………」
最後に「すまなかったの」と捨て台詞を残して消えて行く最高神
それにしても………
「ご都合主義全開だな……」
素直に思った事を口に出してみた俺だった