リリカルな世界で苦労します   作:アカルト

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もきゅもきゅ

 

「「もきゅもきゅ」」

 

「よく……食べるんだな………」

 

クロノが若干引き気味に渡してきたピザをなりふり構わず受け取る

隣では未来の俺がチーズバーガーに手を延ばしている……それ俺が欲しかったのに………

 

「「もきゅもきゅ」」

 

「くっ、こんな子鴉共に救われるとは……ぐうぅぅぅ」

 

「少し落ち着いて下さい王、どんな形であろうと、『ユーリ』が救われたことは事実なのですから………」

 

「わかっておる!!だか!!」

 

「なに~王様!!嫉妬してる?」

 

「うるさい雷刃(レヴィ)!!嫉妬だと!?そんなものを余がするとでも思っておるのか!?」

 

むっ、これは………ケンタッキーか?

六年、いや、前世でもそんなに食べなかったからホント久しぶりだな………

 

「「もきゅもきゅ」」

 

「うにゃ~、ボロボロだった~」

 

「もっと強くならないといけませんね………誰かを守る為にも」

 

「うう、やっぱりケントさんはチートだぁぁぁ!!」

 

「し、しっかりしてトーマ!!

元の時代に帰ったらまた頑張ろっ、ね?」

 

おお、ドーナッツじゃないか!?

いや~、コルテットでは一個数万円のよくわからんドーナッツしか食べてないからな~

うん、うまい

 

「「もきゅもきゅ」」

 

「あいつら何もんだ?あたし達が勝てなかったユーリを止めるなんざ」

 

「わからん、主はやてのお知り合いだと言うが………」

 

「魔力量もそんなに高くはないみたいだし……う~ん」

 

「………………(何故俺だけ狼なのだ)」

 

あ、コーラ

爺に飲みたいっていったら「こんなどす黒い飲料水など!!爺は信用できませぬ!!ケント様に何かあった場合、爺は……爺はぁぁぁぁ!!」とか言われて一度も飲めずなんだよな~

 

「「ごくごく」」

 

「にゃ~、どうしてあんなに食べれるんだろう」

 

「う~ん……疲れた……のかな?ユーリ強かったし……」

 

「私もあんなに食べるなんて知らんかったわ~、もっと高級なんしか食べへんと思っとったからな~」

 

さて、これじゃあわからないよな

今の俺たち、未来の俺と俺は目の前にズラリと並べられたジャンクフードの数々を食いあさっている

自分でも何故これだけの量が食べれるのかは疑問だ、確かに体はセイバースペックだが大食いではなかった………

考えられるのは……魔力を多量に消費したからか?

今まで魔力全開って事はなかったし……担任との模擬戦だって所詮『模擬戦』の範囲、ある程度魔力を消費したら即終了だ

あと俺の目の前にあるジャンクフード、本来のセイバーなら『丁寧な料理』が好きな筈なのだが……味覚は俺が基準となるらしい

てか彼女がいう『丁寧な料理』というのは食べ飽きた、前世が高校生でこの六年間そんな料理しか食べていなかった俺としてはジャンクフードが恋しい………

オルタになると逆になるのだろうか?

 

「おおユーリ!!どうだったのだ!!」

 

「はい、おかげさまで……みんなが、助けてくれたから………」

 

ユーリが誰かって?

誰って……UーDの事だが?

 

えっと……彼女が人間としていた時につけられていた名前が『ユーリ・エーベルヴァイン』

普通なら今ここにUーD、いや、ユーリがいるのは奇跡に近い

原作ではユーリの力の源となり、この事件の原因であるシステム『永遠結晶(エグザミア)』が誤作動を起こしたので、最後は闇王(ディアーチェ)が飽和攻撃、並びにシステムの上書きをした事によってユーリは救われた

 

だが今回、あの場に闇王

ディアーチェ

はいなかった………では何故?となるのだが……

 

包み隠さず率直に言おう、『運が良かった』

 

は?、また二次創作でよくあるテンプレかよ~、と思うかもしれないがこれにだって理由がある

 

最後の一撃を決める時に、俺は『黄金劇場』で強化された皇帝特権を全開にして《幸運》を上昇させた

どこぞの赤い弓兵が泣いて塞ぎ込んでしまうほどの《幸運》、ランクでも表せないEX以上

 

その幸運が彼女を救った……『絶対にない』事が『偶然出来るかも』になっただけだが………

まあ賭だ、自分でもなんであんな事をしたのか今でも疑問に思う……まあ終わり良ければ全てよし、でいいだろう

 

ちなみに、ユーリの助かった理由が

 

『永遠結晶(エグザミア)の暴走原因の核部分のみを完璧に破壊し、更に大魔力の剣撃によってシステムに異常が起こり、新たなデータが作り出された』らしい………

 

俺にはさっぱりだが技術部のマリー……だったか?

彼女が目を見開いて驚いていたのは覚えている、曰く『数値に表せない本当の奇跡』、まあ……要するに科学者として認めたくないんだな……

 

 

「えっと、ケントさん、少しよろしいかしら?」

 

「「はい?」」

 

「あ、いえ、この時代のケントさんに、コルテットのお爺さんが……」

 

「げっ!?爺の奴、もう見つけ出したのかよ!?」

 

未来の俺が唸り声を上げながらリンディさんの方に歩いて行く

ん~、説教かな?

てか未来の俺って遠距離転移してきたんだろ?それを逆算したのか?

 

(プニッ)

 

「…………おもちゃじゃないんですが……」

 

「えっ!?えーと……はやてがしてたからいいのかな〜て………」

 

そう言って目を逸らすのは金髪幼女

……将来に期待ってとこかな?俺ロリコンじゃねーし

てか友達がやってたら自分もしても良いと?ほっぺプニプニを………

まあ別にいいけど……この時代のはやてにされてなんか慣れた、ただ今食事中だからやめて

まあ………そろそろお腹一杯になりそうだけど………

 

 

 

まあそれからあれやこれやと時間が経ち……ゲームオリジナルのエミヤと切嗣……ゴホンゴホンッ、アミタとキリエから軽い説明を受ける

やはり『現地の人が未来の情報を知ってしまった場合は、現地に関わる記憶は出来る限り封鎖するように』するらしい……

 

まあ原作通りって言うわけか……知ることで未来が変わる事もある……だっけ?

 

てか未来の俺、コルテットのSPに連行される様にして帰って行ったが……良かったのか?記憶消せねーじゃん……

 

まあそれは置いといて……現在組みは『時間移動という出来事が存在した』という箇所だけを………未来組みと俺は記憶そのものを抹消してしまうらしい………

 

う~ん……でも消されるのは『今の出来事』だけだからGODに関する記憶は消されない……か……

それも消されてしまうと未来の俺が俺を見て『GODから来た』なんて予測出来なかっただろうし………

あとユーリとマテリアルズは原作通りオリジナルキャラがいる未来の世界に行くらしい……まぁ、これはよかったのかな?

 

はぁ……もう外の世界は終わりか(−_−#)

 

 

 

と言うわけで記憶の封鎖を受け、軽い挨拶をしてから空に飛ぶ

拍子抜けするぐらいな感覚で目を閉じる………あっ……

 

 

 

 

 

定期テストもうすぐじゃん……

 

 


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