今回は兄妹の会話のみ
次回からインターミドル、ケント視点の物語なのであまり期待はしないで下さい
「平和だよな~」
「平和だね~」
日光の暖かい日差しに当たりながらただゴロゴロするだけ
クロノから言われた依頼も少しずつ進めているし、デバイスも出来たから休んでもいいだろ、うん、やっぱり無職は最高だぜ
そんな感じで何に対してもヤル気が起こらない今日、誰にだってそんな日もある
「働けバカヤロー」
「お前もなバカヤロー」
隣には仕事があるのか無いのか分からないネリア、逃げ出して来たのか、それとも休みなのかどうかは定かではない
「むにゃ、こうしてる間にも、ヴィヴィオ達はトレーニングしてるんだろうね~」
「だな~」
よくやるぜ、ホント
こうやって時には休む事も大切なのに
「明日インターミドルだけど、お兄様は何かアドバイスとかしなくていいの~」
「いいのいいの、俺にそんな大層な事が出来ると思うか?」
そうやって日々努力している人間に俺みたいな生まれついてのチート野郎がゴチャゴチャ言うなんて身の程をわきまえろってんだ
にしても明日か~、ホント早かったな~
「ヴィヴィオ達は来年から、出場するのはアインハルトだけだしあいつにはザフィーがついてるからな、心配ねーだろ」
「ちなみにお兄様から見てアインハルトはどれくらいまで行けると思う?」
確かそんな事を原作でも言ってたよな、まぁ
「そもそも俺はインターミドルについて詳しく知らねぇし、アインハルトがどれだけ伸びたのかも分からないからな、どこまで行けるかなんて努力次第だよ」
「じゃあ私が出たらどうなる?」
ん、ネリアは今17歳だから出場出来るのか……多分
「わかんねぇけど大型砲撃OKなら地区予選は優勝出来るんじゃね?」
「わーい」
修理費が大変になると思うけど
その前にインターミドルは格闘技が主体になるからネリアみたいな形の魔導師は審査の時点で落とされるかもな
「それじゃあ出てみようかな~、優勝出来たら何してくれる?」
「もう申し込み終わってるぞ」
「大丈夫だよ、ちょっと主催者側とお話すれば」
ミッドの『お話』はOHANASIだ
ネリアとなのはのスタイルは似ているからそれはさせられない
「それに相談役からストップだ、君は仕事しなさい」
「お兄様に言われたくな~い」
無職万歳
「お兄様は明日から見に行くんでしょ?お姉様達は?」
「なのはは仕事らしいけどフェイトは来るらしいぞ、ザフィーラ関連でシグナムは来るけどはやては無理だってさ」
「へぇ、帰りにでもホテルに連れていったら?」
「誰をだよ」
なんでいきなりそんな話になる
「お兄様は少しぐらい大胆な方がいいよ~、自分に自信を持ってさ~」
「そんな事言って……じゃあネリアはどうなんだよ、もういい年なんだし好きな相手の一人ぐらいいるんじゃないのか?」
兄としての立場では微妙なところがあるが……学校でもあんなだったんだし私生活の中での告白だっていくらでもあるかもしれかい
そんな感じで聞いて見たのだが、予想以上に嫌な顔をされた
「逆に聞くけどお兄様は私に彼氏作ってほしいの?」
「いや、そんなわけじゃないけど」
ふぅ、と息をつかれる
なんか悪い事言ったか?
「私は誰かにお兄様とお姉様から貰ったこの体を汚されるなんてまっぴらごめんだね、私は二人の色に染まっているのが一番いいし、その中に別の色を混ぜる事は死んでもしたくない」
「貰ったって……俺等はそんな大層な事をした覚えはないぞ?」
別にネリアを束縛するつもりなんてさらさらないし
「お兄様がそう思っていてもネリアは違う、二人がいなかったら私っていう人間は生きていないんだし……私の体は二人の物、私は二人が大好きだからね」
「……ん、そっか」
反発しようとしたのだが最後ので何も言えなくなる
いや、ネリアが俺達を好いてくれているのは知っているのだがまさかここまでとは……
「あ、もしお兄様が女の子に飢えたら抱いていいんだよ~、スタイルには自信があるんだし」
「しね~よ」
冗談でもそれはない、確かにネリアは赤王のスタイルを物凄く受け継いでいるが妹を襲うほど飢える気なんてない
「いや、結構本気で別にいいんだよ?さっきも言ったようにお兄様の色をつけられるのなら問題無いんだし」
「いや、だからしないって」
ネリアの事だから本気で言ってそうで怖い
…………冗談だよな?
「……ま、いっか、お兄様なら飢える事はないだろうし、多分もう少しだろうからね」
「なにがだよ」
「なんでもな~い」
あと飢える事はないっていうけど俺は童貞だ、前世も現世も童貞だ
いや、そんな事言うつもりはないけど
「で、さっきの話だけどネリアも行こうかな、インターミドル、出場は流石にしないけどね?」
「仕事は?」
「お休みもらう~」
休みと言うよりか逃げて来るの方が正しいだろ
「ああ、それと、アインハルトちゃん……近い内にヴィヴィオが聖王に関連してる、というか多分もう気づいてるけど、どうするつもり?」
「さぁ、そう言う事はその時に決めるよ」
アインハルトがどういう風に出てくるかでも決まって来るしな
ま、上手くザフィーがやってくれて、アインハルトが使命やら何やらを忘れてくれるのが一番なんだけどな
「でもホント、変な因果だよね~、聖王の人間が今いる事なんて奇跡だし、覇王の直系が今に続いてるのも奇跡だし」
「だよな、覇王の意思、というか記憶がアインハルトに異常に強いっていうのもまた奇跡みたいなもんだよな」
覇王の直系って言っても普通はそんな昔の事どうでもいいもんな
正直言うと……余計な奇跡というか、ああいう女の子は普通に生きてくれれば一番いいのに
「ま、私達には関係のないことだしね、お兄様もめんどくさいなら手を引いちゃってもいいんだよ~」
「ん?ネリアって困ってる奴がいたらほっとけないタイプだったりはしないのか?」
「何を今更、さっきも言ったけど私は二人が一番、覇王やらベルカやらに興味はないね」
あっそ
結構ネリアは親しい間柄の人間じゃないと興味がないらしい
「そんな事言ったらお兄様もよく分からないよ、ちょっと前までは組手やら指導みたいなのをしてたのに今はぜーんぶザフィーラに任せっきりで」
「あいつにとってはそれが一番なんだよ、俺なんかが教導の真似事をするよりかよっぽど」
それは間違っていない
実際はやては家で道場もどきを開いている、同年代の子供も沢山いることだろうし、その中で人間性が自然と育つしな
ザフィーもその道のプロなんだし、レベルが違うよ
「ふ~ん、まぁネリアが口出す事じゃないしね、あっ、冷蔵庫にプリンあるけどお兄様も食べる?」
「おう、貰う」
よいしょっと言って立ち上がり、そのまま台所へ向かうネリア
あ~、でも今少し話してみて思ったのが……もうちょっとネリアを突き放した方がいいのかな~
いや、なんか依存しちまってる感じがする、ホントになんでもしそうで怖いんだが
「はい、二個しかなかったよ」
「いや、それぞれ一個で充分だろ……お前何個食べるつもりだったんだ?」
「ん?最低でもバケツ一杯くらいはほしいよ」
そ、そうか……あっ
「ネリア」
「ん~」
「プリン頂戴と言ったらくれるか?」
「嫌だよ、何で?」
修正、ちゃんと否定が出来て嬉しい
「もしかして間接キスがしたいとか?なに?さっきの会話で目覚めたの?」
「いやちげーし」
「いくら何でも早過ぎるよ、ネリアもネリアで心の準備と言うものが」
「いや、だからちげーし」
「初めてだけど優しくしてね」
「いや、だから違うって」
途中からニヤニヤしだしたので冗談だと言うのは分かるが……俺は目覚めてなんかいない!!
「ん~、おいしい、こういう庶民的な味の方がしっくりくるよ」
「いつも何食ってんだ?」
「プリンについては金箔が上に乗っけてあるやつ」
あ~、あれか、昔デザートに時々出されたな
「あれうまいじゃん」
「おいしいけど飽きた」
なるほど
「で、これはネリアが買って来たのか?」
「いや~、普通に冷蔵庫にあったのを覚えてただけだよ」
なのはのだったら後が怖い
「大丈夫だよ、ヴィヴィオのだから」
「全然大丈夫じゃねーんだけど、ったく、後で別のを買いに行くか」
どうせ暇だし
「働きなさ~い」
「働いたら負けだと思う」
この頃本気でそう感じてきた
「ああ、最後にネリア、明日別に来るのはいいけどその分の会議は今日中に終わらせとけよ?」
「まだネリアは帰るつもりはないのに最後って、すごく不吉なんですが」
「本家に連絡した」
「バカヤロー!!」
うわーんと泣く真似をしながら家を飛び出すネリア……あ、捕まった
はぁ、何に対してもヤル気が起こらないって言ってもこれじゃあホントに駄目人間になっちまうし、クロノの依頼でも進めますかねぇ
ネリアの寄せる好意は恋愛感情ではなく二人にしか興味がないということ
その次に来るのが友人、単純になのはやはやて、その他大勢
見知らぬ誰かや単なる知り合いは表では笑顔でも全く興味がありません
あ、それと次の更新は年明けになりそうです
紅白の水樹奈々さんが楽しみです。それでは、よいお年を