遅れての投稿、土日にはまた上げたいです
「でぇぇぇぇやぁ!!」
「うっ、ぐおっ」
ハンマーの軌道をズラしてスレスレの位置での回避
爆風と砂塵、抗う術などなくゴロゴロと転がる……クソッタレ
「スフィア展開、一斉放射!!」
「させん!」
およそ十数個のスフィアが全て硬い盾によって防がれる。ここから斬りかかればやられるのは目に見えている……だからこそ、確実に撤退を………
「鋼の劔!!」
「グアッ!?」
設置型の魔法によって後方へと飛ぶ、今ので受けたダメージは150、ギリギリのところで回避が出来た
残りは……120、100切ったら行動不能、撃墜って意味だからな……軽いのでも一瞬で終わる
撤退が出来なかった為に再び二人と向き合う、相変わらず体にあっていないハンマーを構えるヴィータと拳を向けるザフィー
それぞれのライフは全く減っていない、こっちから攻撃を仕掛けていないので当たり前と言えば当たり前なんだが
「せめて、ザフィーを引はがせれば何とかなるかもしれねぇけど」
それでもこのライフ差はキツイか?
どうしてザフィーなのかと言うとヴィータは俺にとって相性がいいから、ガチで
単純な理由なのだがあいつはパワー型、一撃に全てを込めるタイプ……その代わりと言っては何だが俺にとってはシグナムやフェイトより断然ノロい
ヴィータが一発打ち込んで来る間に俺は二発打ち込める、それにハンマーの軌道をズラす技術力もあるので一方的な試合展開に持ち込める可能性も高い
まっ、その代わりと言っては何だが防御が紙同然の俺では一撃食らっただけで大ダメージなんだろうが
「さて、どうする……」
正直このまま粘っても結果は見えている。
残ったライフ全て使っての特攻か、でも戦況が分からない今、前衛が抜けるのは痛手となるか……
「っ、ザフィーラ!!」
「分かっている」
満身創痍の所にピンク色の鎖が目の前を飛び交う
それと共に少しづつ軽くなる体……ふぅ
「そっちから来てくれるなんてな……なんというか、地獄に仏とはまさにこの事」
「後ろはシャマルさんがいるので大丈夫です。そう簡単にケントさんを落とさせません!!」
隣にフリードはいないがその姿はいつも以上に頼り甲斐がある
まあそれでも……
「そう簡単に捕まる様な奴らじゃないからな」
「サポートは任せて下さい、いけますか?」
おう、と答えて前に出る
ライフは少々回復したとはいえ210という数字、一撃食らえば終わりというのは変わりないのだがキャロが出来るのは回復だけじゃない
「ヤバい時はヤバい時でしっかりと引けよ、勝てる確証があるわけでもないんだから」
「分かりました」
それぞれが構える。キャロが来たとはいえ劣勢な事になんの変化もない
ま、それでも一人と二人は違うんだよ
「スピードの強化頼む!!」
「はい!!」
「行くぞザフィーラ!!先ずはキャロから狙うぞ!!」
「ああ!!」
キャロの詠唱と共に一気に体を前に押し出す
ヴィータが目を見開いているのが分かる……外から援護してもらうって始めてだな、自分でも速くなったのを感じる
「はぁっ」
「うっ!!」
下から振り上げたディランダルをアイゼンによって受け止められる
そのまま押し込めるなんて思わない……だからこそ……蹴り!!
紙一重で後退されて躱され、追撃の為にスフィアを展開、前方へ向けての一斉掃射
さっかきまで満身創痍だった状態が嘘のように動く、スフィアがザフィーラによって迎撃される。ヴィータがアイゼンを構え直す
残り少ないライフ、守ろうとすれば防御の上からでも落とされる
それでも真っ向から打ち合えば負ける。躱せばザフィーによる追撃は目に見えてる
だからこそ
「ホント、こういうブースター的なのはご都合主義みたいでスゲーわ」
キャロの補助によって蛇口を一気に広げ、一気に決めにかかる
転移によりヴィータの背後へ、使用後の一瞬の硬直の隙に相手がこちらを振り返る
先程の様な助走もない、この距離ならこっちの刃が早い
ザフィーとは距離がある、彼女を一撃で落として引けば……状況は一変する
速さだけに魔力を使う、いわば人間砲弾、刀身に魔力を集めるよりも速さを極める事で威力を上げる
一瞬の攻防、その直前
なんかピンクとか白とかオレンジとか金色の馬鹿みたいな魔力に飲み込まれたのは無かった事にしてほしい
「あれだよな、収束×4とか馬鹿なのか?今までの作戦とか攻防とかなんだったの?結局アレで全員戦闘不能ってなに?」
「じゃあ一時間後に第二戦ね~」
聞けよ
あれからちょっとばかし気を失って気がついて周りを見渡してみれば瓦礫となった元ビル群になんか抉れてる地面
試合は結果的に最期のブレイカー×4で全員戦闘不能だとかなんだとか……実戦では全員死んでるとか考えるとエゲツない
あと一時間後に次とか言ってるが一時間じゃ俺の魔力戻らないぞ?最後にブーストかけたわけだし
なのはだってブラスター1ぐらいは使ったわけだから身体的にしんどいだろ
「ん?全然平気だよ?」
それは多分貴方が異常なだけです
それはそうと大切な事だが砲撃でバリアジャケットがビリビリになってあーだこーだは無かったぞ、いや、意識あったら見れたかもしれないけど意識なかったから、あとフェイトは結果的にソニック使ってたらしく見れなくて残念とか全然思ってないから、思ってないからな!!
「いや~、やっぱりこれ、ポロリ大量祭りだね」
あとなんか何人かがげっそりしてて馬鹿妹が妙にテンション高いのも気のせいだ
取り合えずまた一日中死戦を繰り返すのは身が持たないのでパスする。その間にカメラを取り出しいつでも録画が出来る状態に……うん、完璧
「取り合えず没収や」
奪われた
いや、俺は日頃の訓練の資料にするためにカメラを設置したわけであって
「後で戦闘データ分けたるわ」
…………ありがとうございます。
だってさ、あれだけ死に物狂いで頑張ったんだからさ、これくらいの見返りがあってもいいと思うんだ
「なんかケント君、珍しく己の欲望に忠実や」
この模擬戦に期待してしまう自分がいます
てかそういうはやては大丈夫なのか?
「リインが補助してくれるから大丈夫よ~、ネリアちゃんは食べたら魔力なんてどうって事ないっていってたしな」
どういう理屈だそれ
なのはに次は辞退することを伝えに行く、渋々ながらも了承してくれた
少し離れて試合の観戦をするためにスフィアを作ってそこら辺に散らばらせる。隣にメガーヌさん……うん
「えっと」
「お疲れ様でした。凄かったですね」
そりゃどうも、俺もよくあの体力で戦えたもんだ
「それにしたってあの剣捌き、並の練習では身につかない筈ですから」
「ん、ん……まあそうなんでしょうね」
その努力やらなんやらを俺は本当にしたことがあるのかはわからないんだけどね
「あ、一応先程の試合データ、撮ってるんですが見ます?」
「あ、はい、お願いします」
「色々と修正はさせていただきましたけど」
…………はい
「仕事が早いでしょ?」
ホント、お早いです
俺の代わりにガリューが参加し、彼の代わりに俺がスタートの合図をかける
やはりというかなんというか、さっきは確認出来なかったんだがアインハルトが生き生きしている……楽しいというか、全力って感じ
「彼女、凄く変わった形ですよね、管理局で働いてたので色々な武術は見て来たんですけど……」
「まあ彼女のは例外ですよ、早々お目にかかれるものじゃないですし」
ふと気になったのだが覇王流って他に出来る奴はいるのか?
てかそもそもアインハルトって誰に教えてもらったんだ?我流か?
そんなこんなでザフィーラに突っ込んで行く彼女……これってアレじゃね?新しい師弟関係みたいなのでも生まれたか?
なんかノーヴェが師匠になるのが無くなったかもしれない、いや、そこまでするつもりは無かったけど……それでもアインハルトにとっては同じベルカの実力者でもあるザフィーの方が合ってるんだよなぁ
「どうしたんですか、頭をかかえて」
「世の中は、こんな筈じゃ無かった事ばかりだ」
クロノの名台詞を拝借
「てかさっきの模擬戦、どんな流れだったんですか?終始状況が掴めて無かったんで」
「そうねぇ、一言で表せばずっと均衡してたわね、それでそれを崩す為にブレイカーを撃ったら四人同時だったって感じ?」
いや、疑問系で返されても
まあ妥当かな、俺はエリオを落としてたわけだし敵チームのザフィーはアインハルトを落としてた、人数的には丁度いい感じってわけか
「最終的には全員収束砲撃に巻き込まれて撃沈、全部相殺しきれずに爆発したからみんな巻き込まれちゃったの」
人間が出来る次元を越えてる感じもするがな
それよりも壊してしまった建物の損害とかは大丈夫なのか?
「それならお構いなく、あの子が趣味で作った物ですし」
お子さんの将来は建築家で決まりですかね
ちなみに第二戦はシグナムとなのはの同士討ちで火力で有利となった青組が勝利を収めた
*キャロとルーテシアが逆になるという大きなミスがありました……急遽二人のチーム分けを変えさせていただきましたm(_ _)m