真・恋姫無双〜正義の味方〜   作:山隼

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今回は士郎は出てきません。
劉表サイドのお話です。

後、演義では董卓戦後→孫堅玉璽発見→袁紹追求→孫堅否定→
袁紹、劉表に追撃命令→孫堅軍大ダメージ→あとで復讐開始→
江夏get→襄陽包囲→蒯良の策で孫堅死亡。
の流れなんですが、
原作では最初から孫堅が死亡しているので、
今回の話みたいになってます。


1-2 戦の足音

 〜 聖 side 〜

 

「ふぅ・・・」

 

溜まっていた政務を片付けため息をつく。

 

中原の方で黄巾党とか言う人達が暴れているらしく、

その騒ぎに便乗して騒ぎを起こしている人が増えて来ており、

そのせいで陳情が増え、政務が溜まりがちになっている。

 

「疲れた〜・・・」

 

そう言って机の上にだらける。

 

そのまま今日の昼に会った旅人の事を思い出す。

 

(仕事柄様々な人と会ったりして来たけど、初めてみる感じの人だったなぁ。

確か士郎くんだったよね。)

 

そうしていると部屋のドアが開く。

 

「お茶入れて来たから休憩にしましょう、聖。」

 

「ありがとう〜水蓮ちゃん〜」

 

そう言いながらお茶を持った水蓮ちゃんが入ってくる。

 

「あ!ありがと〜」

 

お茶の他にも、私の好物の月餅もあり、急に元気になる。

 

「はいはい。先ずは机の上を片付けましょう。」

 

「りょーかい。あ、だったら蓬梅、鈴梅ちゃんも呼びに・・・」

 

と、言いながら立ち上がると、

 

バタン!

 

急にドアが開き、二人の少女が入ってくる。

 

「私達も疲れたのです。一緒に休憩したいのです。」

 

「そうよ。二人だけでこそこそ休憩するのは駄目なんだからね!」

 

そう言いながら席に着く。

 

「ごめんね〜 ちょうど呼びに行こうとしたんだけど〜」

 

「聖さまはいいのです。どうせそこの大根女が忘れてただけなのです。」

 

水蓮ちゃんって水軍を率いて戦うから、

波のせいで下半身が鍛えられて腕や脚が太い事を気にしてるんだよねぇ・・・

 

「誰が大根女だ!私は静かに聖といたかっただけだ!」

 

「要するに抜け駆けね。油断も隙もない。」

 

「大根は狡いです。」

 

・・・私からしたら水蓮ちゃんってスレンダーで背も高いし、

羨ましい位なんだけどなぁ・・・

 

「こっ・・・こ・の・ロリ白髪姉妹が。」

 

「ロリじゃないです!ちゃんと成人してます!」

 

「ふん!何処からどう見ても子供だっ!」

 

「うるさいわね、この大根はっ!」

 

「なんだとっ!」

 

「なんですかっ!」

 

「「「うぬぬぬぬぬぬっ」」」

 

ああっ、また喧嘩が始まった・・・

 

何時もの事なんだけどなぁ。

 

「ほらほら!とりあえず休憩しに来たんだから、喧嘩は辞めてお茶飲もうよ!」

 

「そうだな・・・なんかどっと疲れたよ・・・」

 

「私もです。月餅を下さいです。」

 

「はい、姉様。」

 

(いろいろ言いあったりするけど、ずっと四人でやってきたからね・・・

私が大守を引き継いだ時、幼なじみだった水蓮ちゃんが助けてくれて、

政治とかが不慣れで苦労してた私達を、

名士として有名だった蓬梅ちゃんと鈴梅ちゃんが助けてくれて・・・)

 

そうやって昔の事を思い出していると、水蓮ちゃんがこっちに目を向ける。

 

「そう言えば聖。

さっき私が入ってくる時、何か考え事してたの?なんかボーッとしてたけど?」

 

「えっ!ぼーっとしてたの私?」

 

「聖様ってたまに口開けてぼーっとしてるわよね?」

 

「今もしてましたです。」

 

「ううっ」

 

顔が赤くなるのが分かる・・・

無茶苦茶恥ずかしい・・・

 

「ほら、赤くなってないで、なんかあったの?」

 

「えっとね・・・」

 

「大根に言いたくないんですか?だったら私達だけでもいいです?」

 

「ま・た・あんたは・・・」

 

また始まったよう・・・

 

もう話始めよう・・・

 

「ほら!昼に会った男の「「男ぉ?」」うわ・・・」

 

なんか反応が変だよ・・・

 

「ああ。あの変な服着た奴か。」

 

「変・・・異国の人みたいだったよ。

見たこと無い武術使ってたし。」

 

「そんな何処の馬の骨か分からないような奴に、聖様を渡すわけにはいかないわね。」

 

「そんな悪い人じゃないよ〜 食い逃げした人捕まえてくれたし。」

 

「見たことが無い武術で、ですか?」

 

「うん!なんか走ってきた人がくるっと回って地面に拘束されてた!」

 

「・・・ごめん、全く分からない。」

 

「だって見たこと無いから説明出来ないんだよ〜」

 

「多分寝ぼけて幻覚を・・・」

 

「蓬梅ちゃんひどい〜っ」

 

「あははははっ。」

 

そう言って休憩時間が過ぎていく。

 

でも、私が気になったのはその服や武術以上に「目」だった。

 

とても強い目。大守になっていろんな人を見てきたけど、

あんなに意思が強い目は始めてみた。

 

どんな事があったんだろう?

どんな夢を持ってるんだろう?

 

いろいろ話をしてみたかったんだけど、大丈夫。

 

また会える気がする。

 

 

 

 

 

 

 

休憩が終わり、皆が作業に戻ろうとして立ち上がる。

 

「さあ!今日も後少しだけ頑張ろー」

 

そう言った瞬間、ドアが開き一人の兵士さんが慌て入って来る。

 

「何事だっ!」

 

「はっ。新野城の北に賊の集結を確認。

数はおよそ五千。恐らく数刻後に闇に紛れて襲撃を行う模様です。」

 

「っ!・・・黄巾とか言う連中か!」

 

「まだ確認は出来ていませんが、

物見によると黄色の布を巻いた者が見られるそうです。」

 

「とうとう此処まで来たのか・・・

蓬梅、江夏の兵は間に合うか?」

 

「うーん、まだ隊も再編中です、城壁とかも修理中です。

袁術さんもいるですし、孫策さんも身を寄せているです。

あいつらは何するか分からないですから無理です。」

 

ちょっと前に孫堅さんが江夏を攻めて来て、

何とか皆のお陰で勝利できたんだけど、その時孫堅さんが死んじゃったんだよね・・・

 

「そうなると私が一軍を率いて援軍に向かうか。

江夏には八千の兵がいるから五千の兵を集めて向かう。

準備せよ。」

 

「はっ。了解しました。」

 

そうして部屋に静寂が訪れる。

 

「すまんな蓬梅、鈴梅。また政務を任せてしまう。」

 

「別にいいです。さっさと帰って来て手伝うです。」

 

「そうよ。怪我して皆の手を煩わすんじゃ無いわよ。」

 

そうして皆が出て行こうとする。

 

「待って!水蓮ちゃん、私も連れてって!」

 

「聖・・・だけど・・・」

 

「うん。危ないのは分かってる。

でも皆が戦うのに自分だけが後ろで見てるのは嫌なの。」

 

江夏での戦いも蓬梅ちゃんの作戦が成功したとは言え、

江夏城で待機していた私は緊張で胸がいっぱいだった。

 

「それに、私がいたほうが軍の士気もあがるよね。」

 

「はぁ・・・分かったわよ。

ただし前には出過ぎないように制限するからね。」

 

「えへへっ。ありがとうっ。

だから水蓮ちゃん好きー」

 

「っ・・・ほらいろいろ準備があるんでしょうっ!

早くするのよ!」

 

「は〜い」

 

なんか蓬梅ちゃんと鈴梅ちゃんが羨ましそうに見てるけど、準備しなきゃ。

 

でも私が行きたいって思ったのは、またあの人に会えるかなって思いもあるみたい。

 

ちょっと期待しながら慌ただしく一日が過ぎていった・・・




蔡瑁(さいぼう) 徳珪(とくけい)


真名 水蓮(すいれん)


聖とは幼なじみ。お姉さん的な立場。
外では「劉表様」と敬語を使用するが、
仲が良い人達だけなら普通に喋る。

顔立ちは少しきびしめな感じで、美人。
黒髪で髪はショートヘアであちこちに跳ねていて、
髪がかたい為、本人も諦めてる。

体はスレンダー体型。
胸も聖程は無いが、まあまあある方。

武器振り回したり、船によく乗る為、
腕や脚が太くなるのが悩みの種。

軍司、政治をそつなくこなし、
特に海戦においては孫一族と対等に渡り会う実力を有する。

武器は海軍用船上槍(フリウリ・スピア)

名は波及(はきゅう)

突けば槍、薙げば薙刀、引かば鎌の十文字槍とよく似ており、
同じ感じで使用する。

十文字槍との違いは、横についてるのが刃ではなく、
鉤爪のようになっている所。



蒯良(かいりょう) 子柔(しじゅう)


真名 蓬梅(ほうめい)


蒯越の姉
荊州の名士として有名だった為、
大守になったばかりの聖達に頼まれ仲間になった。

〜です口調で喋り、毒舌。

成人はしているが身長がかなり低い。(原作 董卓位)
髪は銀髪で(白髪と言うと怒る)肩位までの長さ。
毛先が内にカールしている。

政治官としての才能はずば抜けるが、軍師としての才能もある。
(孫堅を過去に撃破している)



蒯越(かいえつ) 異度(いど)


真名 鈴梅(りんめい)


蒯良の妹
士官理由は姉と同じ

ツンデレキャラと考えておけば問題無し。

外見は姉と同じ姿をしており、
髪も同じで、毛先が姉とは違い、外に跳ねている。

姉よりも政治手腕は上(曹操に荊州よりも価値があると評価された)


ちなみに三人とも聖が大好きです。

水蓮と姉妹でよく言い合いをしている。
何時もの事なのでまわりも「また始まった・・・」
位にしか思ってません。

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