転生オリ主チートハーレムでGO(仮)~アイテムアビリティこれだけあれば大丈夫~   作:バンダースナッチ

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黒魔道士 ーWIZARDー

この世を構成する元素の力をあやつる戦士。
主に攻撃魔法である『黒魔法』を使う。


第6話

 ステラをスラムから拾ったことが主な原因というわけではないが、私の生活に大きな変化をもたらした。

 まず今まのでエニル先生の授業に加えて、もう一人教師が就く事になった。

 授業内容は社交関係や食事マナー、そのほかに貴族についての勉強だ。

 

 今までは授業でも両親との会話でも貴族と平民の違いについて明確に区別しろと言われた事は無かった。しかし今回から教師として来たボルミア男爵はそれをハッキリと明言して来た。

 新しい人生とは言え、思考の基本は前世である日本人のままであるこちらとしてはあまり受け入れたくない考えである。

 

 その考えは即ち貴族とは選ばれた存在であり、平民はそれを支えなければならない そう度々言われるのだ。

 はっきり言ってしまえばうんざりする内容である。平民とは国民であり、貴族とは国を支えなければならないのだ。民無き国は国にあらずである。

 両親の狙いとしてはローランドに続き、ステラを助けた事によって私が平民と貴族を区別しなくなる、それを防ぎたいと考えているのだろう。

 

 が、前述したが私の根本的な考えは既に出来上がっていると言える、そして今の貴族的な思想が危険であるという事も分かってしまっている。それを指摘し続ければ場合によっては論破する事が出来るだろう。だがそうする意味は無い、ここでそんな事をしても私の存在が浮くだけであり何の解決にもならない

 結局ボルミア男爵の授業を聞き流しつつ、マナーを学んでいかなければならないのだろう。

 

 さてステラとローランドについてだが、資金提供をした事によりステラはローランドの家に預けられる形になっている。

 当初こそその環境に戸惑ったローランドだったが、徐々に慣れてきたようだ。

 また、ローランドが屋敷に来て勉強する時にステラも連れてくるように言い、現在では二人が授業を受けるという形になっている。

 まぁそのおかげで上記の様に新しい教師を付けられたのだが……。

 ボルミア男爵や母等は二人に対して見向きもしないし、そもそも視界に入っていないかのように振舞っている。まぁ追い出せと言われないだけマシなのだろうが。

 

 父に関してはボルミア男爵を通じて私の考えを改めさせていこうという考えだろうから、暫くは静観するつもりなのだろう。

 

 ステラについてだが、ローランドの家に住むようになってから徐々にだがきちんと話すようになってきている。

 最初の頃はこちらの質問に対して頷くか首を振る、もしくはぼそっと一言で返すだけだった。

 今は目に光りも戻ってきており、口数が少ないながらもステラの方から喋ってくるようにもなっている。その精神の回復具合はローランド親子の影響が大きいのであろう、ローランド自身も慣れてきてからはステラによく話しかけているし、なんだかんだ世話を焼こうとしている。

 これはあれだ、幼いながらの恋心というやつではないかと思ったが、それをローランドに言ってしまっては逆効果になるだろうと考え、そっと眺めることにしている。

 

「聞いていますか? トリスタン」

 

「……ええ、聞いてますよボルミア先生」

 

「ふむ……では、次に貴族の役割ですが――」

 

 退屈で偏屈な授業を受けながらではあるが……

 

 これ以外にも私の身の回りにもう一つ大きな変化が起きた。

 それは弟が生まれた事である。

 

 エスト・ブランシュ 私とは5つ離れる事になるブランシュ家の次男だ。

 

 私自身生まれてからの記憶が曖昧であるため、どういった感じに両親の手を煩わせていたかは分からないが、エストには私の代わりに両親に子育てというものを味あわせて上げてもらいたいものだ。

 

 とは言え、ローランドとステラの二人はエストにあまり近づかせたくないようで、父からは子供だけで近づくのは危険だという言い回しで二人を離している。

 まぁ、私としてもこれ以上問題を起こすつもりもないので別段気にかけてはいないのだが。

 

 

 そして、ここからは特筆すべき事がなく時間が過ぎていくことになる。

 相変わらず戦争は続いており、父は度々家を空ける事になる。

 

 この間の戦線は一進一退であった、ゼラモニアを主戦場として両国の睨み合いの状態に落ち着いているらしい。

 また、ロマンダ軍は国内の黒死病の影響により未だ軍を動かせる状況に無いらしく、ベスラ要塞を中心に北天騎士団・東天騎士団・そしてフォボハム領より派遣された傭兵団はオルダリーア国との戦いに集中する事が出来たのが大きいらしい。

 

 私自身と周囲についてだが、弟のエストは元気に育っている。少し大人しい性格ではあるが、それでも兄弟がいるというのは中々嬉しいものである。

 ローランドとステラだが、二人とも読み書きは習得する事ができた。というか、ステラのほうが後から教わり始めたのにローランドと同じ頃に勉強が終わるのもどうかと思ってしまったが。

 その後ローランドは約束通りに剣の鍛錬に入ることになった。が、本人のやる気に反してそれ程の上達はしていない。

 しかし、昔父と狩りをした事があるという会話から弓の練習をしてはどうか? と勧めたところ、こちらは大きくその才を伸ばしている所である。

 

 ステラは白魔法を使うところを見せたらそれに感激し、白魔道士の勉強をし始めた。ただローランドと一緒に訓練する時等は自分の体の小ささから槍を学んでいる。まだ重い槍等は扱えないが、それでも私やローランドと一緒に鍛錬をしていたいと思っているらしく、日々努力を続けている。

 

 さて、私についてだが……新たに貴族の勉強が加わることになり鍛錬の時間を削られることになったが、それでも日々の鍛錬と勉強、そして魔法の練習により多くのJPを得ることが出来た。

 

 進んだ時間は5年、今は10歳になり体もしっかりと成長していっている。

 装備の能力制限も7割まで上がり、随分とその恩恵を得られるようになって来ている。

 

トリスタン Lv.02 Exp.10

Brave 67 Faith 69

HP 50/50 MP 10/10 CT 000/100

竜騎士

Move…4 Jump…3 Speed…06

 

 得られたJPは総合計5万Pにも上り、自分で言うのもなんだが明らかに頑張りすぎたと思ってしまう。と思っていたが冷静に考えると1年1万P、1月換算で833P……あれ? 全然貯まってない様な気がする。

 とは言え、これには理由もあった。というかボルミア男爵のマナーについての勉強が始まったあたりから母に連れられて貴族同士のパーティー等に出席させられる事が多くなったのだ。

 流石に人様の家でまで自主鍛錬をしようとは思わなかった。まぁ代わりにまた別な体験が出来たから良しとしよう。

 それとジョブマスターになった職業も多くなってきた。

ナイト・モンク・白・黒・時・召喚・陰・シーフ、そして弓使いのリアクション、サポート、ムーブだ。

 

 そして体の成長と共に随分と剣の動かし方も馴染んでくるのが分かるのだ。

 もう少し成長すればほぼ完全に体を扱いきれると思うと、自身の成長が待ち遠しくなるというものだ。

 現段階でもダレンさんには結構な割合で一本を取れるようになり、その結果に父も満足しているようだ。そのおかげでローランド達の事をとやかく言われないで済んでいるのだから多少はやる気も追加されると言うものだ。

 

 魔法職に関しては主要どころはマスター出来たので個人的には大分満足だったりする。若干ある不満としてはガ系やジャ系の魔法を使う瞬間がないと言うところか……。

 一応周囲にはケアルラやファイラ程度までは使えるという認識になっている。

 いや、ファイジャ使える? って聞かれたら使えると答えるつもりではある、ただ聞かれないから答えないだけだ。

 どうも魔法職というのはラ系ランクまで使えて一人前、ガ系を使えればかなりの使い手、ジャ系ランクはひと握りしか使えないらしい。

 確かにJPが900P必要と考えれば結構な難易度なのだろう、私にしてみれば1クリック……もとい一瞬であるが。

 勿論ジャ系まで覚えても使う機会などそうあるものでもないと言うのもあるのだろう、戦時で無ければモンスター狩りで使う必要などないのだから。

 

 確かジャ系はラーニング出来たな……やはりそういった概念は無いのだろうか? いや、確かに確信も無く大魔法等喰らいたくもないが……。

 

「トリスー! 今日も剣の稽古するぞー」

 

 こちらの5年の振り返りを中断するように明るい声をかけて来たのはローランドだ。

 現在は父やダレンさんは遠征中であるため、ローランドやステラと3人で鍛錬する事が基本になっている。

 エストも混ざりたそうな事を言ってはいるのだが、やはり母に邪魔されてるようだ。というか完全に私が浮いている気がするが、この点はもう諦めている。

 

「ちょっとローランド、あなたエニル先生から出された課題やってないでしょ」

 

 そしてもう一人の声は……あのステラだ。

 今ではもうこんなに普通の子供らしくなって……娘の成長を見る父の様な気持ちにさせられる。いや、前世はまだ独身だったのでその感情は分からないのだが。

 今では長い髪を後ろに束ね、少しタレ目気味な目にははっきりとして光が宿っている。あの時強引ではあるがローランド親子に預けて正解だったと改めて思える。

 

「うげ……大丈夫だって、稽古の後にちゃんとやるから」

 

「まぁ、ローランドがこの状態になったら勉強に手がつかないのは分かってるからね……今日も剣?」

 

「もう、トリス様も甘やかしちゃダメですよ。それに……ローランド剣の才能無いじゃない」

 

 結構心に刺さることを言うのは最近ではいつもの事だ。

 ちなみにローランドもエニル先生の善意で教えてもらっているという事は理解しているようで、課題等はしっかりとやっている。意外だが。

 

「うぐ、いいじゃねーかよ……やっぱ剣ってカッコイイじゃねーか」

 

 その言葉には強く同意したいのだが、それでも武器にはそれぞれ格好いい点が多々あるはずだ。

 弓でも斧でも短剣でも……まぁそれでも流石に辞書やバッグの良さは未だに分からないのだが……。

 

「でもローランドの弓の腕はいいじゃないか、やっぱり長所を伸ばしたら?」

 

「んー、でも弓って地味じゃないか?」

 

 思わず世のアーチャーに謝れと言ってしまいそうになるが、ここは我慢だ。

 このあたりの年頃の子はきっとまだ弓の良さを分かっていないだけなのだろう。

 

「でも、トリス様が剣で私が魔法か槍でしょ? ほら、ローランドが弓のほうがバランス取れるじゃない」

 

「なんのバランスだよ……ていうか、トリスも最近は槍使ってるじゃないか」

 

 ステータスでジョブを竜騎士に設定してあるため、今は槍の扱いもなれるようにしておこうと思っているためである。

 私のステータスの概念でのデメリットは槍装備可能というアビリティを取らなければ、他のジョブでは槍を碌に扱うことが出来ない点だろう。

 ステラ等は恐らく未だに見習い戦士だと思うのだが、普通に槍を使っているし件よりも熟練度は高い。

 ある意味ステータスに縛られている状態とも言えるのか。

 

「槍はいいじゃないか、リーチあるし。リーチの長さはそれだけで大きな力だよ?」

 

「えー、男ならやっぱり剣士だろ」

 

「私は魔法も凄いと思うけど……」

 

 ちなみにこのやり取りは色々な武器で同じように繰り返されている会話である。フレイルの時や棒の時は中々説得力が無かったのも事実だが。いや、フレイルはいいんだ、鎧の上から叩きつけるという利点がある。だが棒については槍でもいいじゃないかという反論に思わず返せなかった。

 

 さて、そんな会話をしていると執務室に向けて数人の大人達が足早に歩いていくのが見えた。

 

「あれ? 今のって町長さんだよな」

 

「警備の人も何人か居たわよね」

 

 町長とは町の政策決定としての役割ではなく、町内の意見の取りまとめ役として機能している。

 あくまで領主の補佐で、平民側の立ち位置の人間だ。

 しかし、普段はこちら側から何かを言いに行くくらいで町長がこちらに来る事は殆どなかったのだが。

 

「なんだろう……ちょっと様子見てくるね」

 

「ああ、なんか事件でも起こったのかもしれないな!」

 

「ちょっとローランド……変な事言わないでよ」

 

 二人の会話を背中で受けつつ、執務室の方へと向かってみる。

 執務室と言っても本来の執務室とは別の、グレアムさん用の部屋と言える場所だ。実際に町の運営をしているのがグレアムさんとは言え、本来の領主が父であるための配慮らしい。

 中庭から屋敷へと入り、町長さん達が入っていった部屋へと少し遅れて入っていく。

 中に入ると皆難しい顔をしてある話題について話しをしていた。

 

「グレアム様、どうにかモンスター討伐の報奨金の方を捻出する事はできませんか?」

 

 そう言葉を発していたのは町長さんの方だった、その言葉に対してグレアムさんは非常に難しい顔をして首を横に振っているようだ。

 

「しかし、今は戦争の準備に予算を大きく割り振られている……今の段階では非常に難しいと言わざるを得ないのだ」

 

「しかし! それでは何のために我々が税を払っているのですか!」

 

「そうです、もし資金が払えないのなら討伐の兵を出して下さい!」

 

 グレアムさんの返事に対して町長さんや一緒について来たであろう若い男性は随分と怒り心頭のようだ。

 

「ん? トリスタン様……ダメですよ、今大事な話しをしているところです」

 

 こちらが扉の入口で様子を伺っているのに気づいたのは警備兵の一人だった。

 困ったようにこちらに近づき、小声で注意をしてくれる。

 

「一体何が……って聞くだけ野暮だね」

 

「はい……確かに最近町の付近でモンスターの姿を見たという報告も多く上がってますからね。しかし、今兵は皆遠征に出ていますからね」

 

 この話はつまり周囲のモンスター討伐についてだ。

 モンスターを倒すとお金を落とす……なんてことは実際には無く、倒したモンスター分だけ町や領地から報奨金を得られる制度なのだ。

 そしてその報奨金は町やギルド、そして領主から支払われる事になる。

 

 特にフィーナスの町位の規模だとそれほど資金を集めることが出来ないため、必然的に領主側が大きく負担をしなければならないのだ。

 だがグレアムさんが言った通り今は戦争中、それもいつ終わるか分からない状況と来ている。そうなると何処かに無理が生じてしまうのだが、今回はそれが表面に出てきた形になる。

 

 町人の一人が言ったように、資金が出せないなら領主側が兵をだして討伐しなければならないのだが、それも今警備の人が言ったように戦争で出払っている。

 勿論多少は残っているが、それは怪我人であったりこうして町や屋敷の警備につかなければならない。そしてそこから捻出してしまえば、万が一町や屋敷が襲われた時に何も出来なくなってしまう。

 何ともしづらいところなのだ。

 

「む……トリスタン様、ここに入ってきてもらっては困ります」

 

「すみません、皆が随分と慌てていたようなので」

 

 こそこそと話していたら気づかれたようで、会話していた警備の人はバツの悪そうな顔をしている。

 とは言え、ここに来た私が悪いだけなのでそちらに注意が行かないように話しを聞いてみる。

 

「実際に被害が出ているわけではありませんが……それも時間の問題です。

どうにかなりませんか?」

 

 町長さんはこちらに一礼を入れて再びグレアムさんの方へと向き直っている。

 町民からすれば死活問題にもなるし、被害が出てからでは遅いとうのも事実だ。

 

「だったら、俺たちが討伐すればいいんじゃねーか!」

 

「は?」

 

 後ろから大きな声で宣言をしてきたのはローランドだった。思わず間の抜けた声が出てしまった。

 

「ローランド……屋敷には入るなと言っただろ、またブランシュ婦人に見つかりでもしたらどうする!」

 

「……また?」

 

 これは初耳だった、普段は中庭位で屋敷内には入らないようにしていた。

 私自身も二人と居る時は屋敷に戻ろうと思わないため、別段不便は無かったのだが……。

 

「うっ……いや、ちょっとさ……」

 

「すみませんトリス様……私が魔道書を読みたくて……」

 

 ローランドを追ってきただろうステラが申し訳なさそうに謝ってきた。

 というか、そういう事なら私やエニル先生を通せばいいと思うのだが。しかしその時に読みたいという気持ちとローランドの優しさだったのだろう。

 

「はぁ、まあいいや……ただ、今は入ってきちゃダメなんじゃないかな」

 

「それはトリスタン様もですぞ」

 

 そんなグレアムさんの言葉スルーするのが基本だ。

 しかしローランドの言った我々が討伐するという案はどうなのだろうか?

 

「とにかくよ! 今は兵の人もダレンのおっさんも居ないんだろ? だったら俺達でなんとかするしかねーじゃねーかよ!」

 

「うむ……それはそうなのだがな、しかしお前たちはまだ子供だ。

なんとかするにしてもそれは私達が考えるべき事だ、とにかく早く出て行きなさい」

 

 ローランドのいう事も最もではある、兵も出せない金も出せないの状況なのだ。私達がどうこうと言うのは置いておいても、どうにかしない訳には行かない。

 今の自分の戦力を考えてみよう。

 

 実際に戦闘を経験した事はない、そしてそれは致命的なのかもしれない。

 しかし、計算上の戦力で言えば私は相当なレベルになると思う。

 モンスターの目の前まで言って剣で斬りつけるだけが戦闘ではない。魔法での援護や補助なども出来るだろう。

 

 ……魔法で片付ければいいのか。

 

「町長さん、今村で有志を募ってどれ位の人が集まりますか?」

 

「トリスタン様! ローランドの言葉に乗せられないで下さい!」

 

「そうですよ、危ないですよ!」

 

 グレアムさんとステラがこちらに注意をしてくる。

 が、とりあえずそれらを無視して町長さんの方へと意識を集中していく。

 

「集めれば50人位にはなるかと、しかし……」

 

「トリスタン様、ここは子供の出る幕ではありません。私が何とかしますのでお部屋にお戻り下さい」

 

「しかし、それが出来ないから問題になっているんでしょう

グレアムさん、こちら側からはどれ位の人数を捻出できるんですか?」

 

「しかしですね!」

 

「戦うのは危険とは言いますが、仮にそれでここや町が襲われれば同じように危険になるんです。ならこちらが準備を整えられる内に討伐するべきです」

 

 本心としては、いずれ戦いに巻き込まれる事になるのだ。いや、もう既に巻き込まれている状態だ。

 そして初陣と言うものはこの時代は誰にでも訪れる、その時を選ぶことが出来ない人が大多数なのだ。ならば、今ここで経験するべきというのもこちらが主導するという点ではメリットがあるのだ。

 

「……はぁ、警備を手薄にするわけには行きません……ですが、多少の無理をすることになりますがこちらからは30人といったところです」

 

「合計で80人……これだけいれば十分対処出来るのでは?」

 

 ゲームと比較するわけでは無いが、作中ではプレイヤー側は5人前後だ。まぁその分鍛えてあるし、相手も同数程度位だが。

 よほど群れになっていなければ間引きするレベルとすれば対処できると思うのだ。

 

「俺達も含めて83人だな!」

 

「ちょっと、私たちも行くつもり!?」

 

「んだよステラ、トリスが行くって言ってるんだから当然だろ」

 

 後ろで好き勝手言ってる二人はとりあえず置いておこうと思う。

 ローランドは弓で、ステラは白魔法で治療要員と考えればそこまでの足でまといにはならないとも思うし。

 

「しかし、トリスタン様……グレアム様も仰っていましたが、その……」

 

 次は町長がこちらを不安そうに見てくる。

 まぁ、確かに子供だし戦いの経験なんて無いのも事実なので何も言い返せないのだが。

 それに私自身も不安である事も紛れもない事実である。

 

「ですから、私は魔法での補助に回ります。回復魔法が使える人間が居れば多少なりとも安定するでしょうし」

 

「おお、トリスタン様は白魔法を扱えるのですか!」

 

 こちらをただの子供と計算していたのであろう町長の目が少し変わった瞬間だ。

 実際はもっと色々と使えるのだが、それは現場についてからでいいだろう。

 

「ただしトリスタン様、決して前へ出てはいけません。この約束だけは守ってもらいます」

 

「分かりました、僕は補助に徹しますよ」

 

 グレアムさんに念押しされてとりあえずの納得はしてもらえたようだ。

 討伐時は怪我人が多く出るらしく、白魔法を扱える者は重宝されるようだ。ただそれはそのまま戦争にも当てはまる事であるため、今この町には殆ど残っていないのだろう。

 

 町長を含めた町人たちは準備をする為に町へ戻ることになった。

 私が参加することにより、領主側に課せられる義務という物が一応の形で果たせられるというのが大きな点なのであろう。

 

 その後グレアムさんから翌日に周辺のモンスター討伐をするという連絡があった。

 これが初の実戦になる、私としても準備は怠り無いようにしなければならない。




見習い戦士  lv.6-M
アイテム士  lv.2
ナイト    lv.8-M
弓使い    lv.6
モンク    lv.8-M
白魔道士   lv.8-M
黒魔道士   lv.8-M
時魔道士   lv.8-M
召喚士    lv.8-M
シーフ    lv.8-M
陰陽士    lv.8-M
風水士    lv.1
話術士    lv.1
竜騎士    lv.1
算術士    lv.1

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