スーパーロボット大戦//サイコドライバーズ   作:かぜのこ

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αIIIー2「銀河大戦」

 

 

 新西暦一八九年 ◎月○日

 地球圏、衛星軌道上ヘリオポリス周辺宙域 《リトル・グレイ》艦内の一室

 

 絶対防衛線崩壊から三ヶ月。

 αナンバーズやその他のスーパーロボットたちの活躍で、「同時多発敵勢力出現事件」を終息させることに成功した。

 敵勢力の凡そ三分の二は撤退、地球圏の混乱は一応の終わりを見せたと言える。

 

 その間にも《グラヴィオン》、《ラインバレル》、《アーバレスト》、《テッカマン・ブレード》と《オーガン》がらみの一連の事件がいろいろあったが、割愛する。

 とりあえず、ゼラバイアとの戦いで《アーキ・オーガン》が《グラヴィオン》と《ブレード》を守るためにその身を散らした、とだけ記しておく。

 あれは、オレとしても断腸の思いだった。

 

 あと、元祖ライオンロボ《ダルタニアス》関連の登場イベントもあったな。

 墜落した宇宙船、アダルスを巡り、エリオス星のロボ、《アトラウス》、《ガンパー》と協力して星間連合ザール艦隊と戦った。

 ただ、彼らとの協力は取り付けられなかった。エリオス星の旧臣、アール博士の態度はとりつく島もないほど強硬だったし、こっちが連邦軍だからかもしれないな。

 ま、どうせすぐに合流してくるだろ。

 

 さておき、現在オレたち「サイコドライバーズ」(αナンバーズ内でそう呼ばれている)は「SEED」の始まりの地、ヘリオポリスにいる。

 足はトビアらの「ブラックロー運送」の宇宙船、《リトル・グレイ》だ。

 

 例の仕掛けで変態仮面に一泡吹かせてやるぜ!と、意気込んではみたものの、すでにヘリオポリスは崩壊した後だった。

 ちくしょう。途中で星間連合の艦隊にちょっかいかけたのが間違いだったか。

 

 しかし怪我の功名か、ジャンク屋ロウ・ギュールと愉快な仲間たちに遭遇することには成功した。

 彼らと、傭兵サーペントテールのいざこざに介入しつつ、間を取り持った。サーペントテールの叢雲劾は知らない相手じゃないしな。

 オーブの手のものであろう《メビウス》部隊にはかわいそうなことをしたが、とりあえず命は取らないでおいた。アストレイのノリで。

 なお、ジャンク屋組合とかいういかがわしい存在はありません。一応、連邦政府による認可制度があるにはあるけどな。ジュドー、ディオが免許を持ってたりする。

 

 で、推進器の故障した救命ポットを救助したのだが。

 出た、フレイ・アルスター嬢。

 オレが拾うのかよ!と叫ばなかった自分を褒めたい。ちなみに彼女、一人きりだった。何かの拍子でイレギュラーな事態が起きたらしい。

 何の因果か《アークエンジェル》に保護されなかった彼女だが、このままというのもかわいそうだし、決まりが悪い。《アークエンジェル》との合流のついでに引き渡してやろうと思う。

 せっかくだ、彼女の親父さんを助けるのに例の仕掛けを使うとしよう。プラントのお姫さんとの会合も楽しみだ。

 

 

 

 新西暦一八九年 ◎月×日

 地球圏、衛星軌道上 デブリベルト 《アークエンジェル》艦内の一室

 

 《アークエンジェル》と無事合流し、同行していたクォヴレー、アラド、ゼオラとも再会した。クォヴレーは、ようやく《ベルグバウ》を使う気になったらしい。

 プラントの歌姫、ラクス・クラインを保護した直後だったようで、今回はタイミングを逃さずにすんだ。

 

 ここで《アークエンジェル》のメンバーについて記す。

 《アークエンジェル》の臨時艦長、マリュー・ラミアス大尉。いいおっぱいの持ち主である。まるで母性の固まりのような女性だ。

 同じく臨時副官、ナタル・バジルール少尉。こちらもいいものをお持ちだ。ツンツンキリリとした感じがすばらしい。

 と、デレデレしてたらアーマラに弁慶蹴られた。痛い。

 

 続いて、エンデュミオンの鷹ことムウ・ラ・フラガ大尉。本人に自覚はないがニュータイプの亜種、言うなればカテゴリーFである。

 乗機は《ZII》。アナハイムに死蔵されていたのを送りつけておいた。変態仮面ザマァ。

 

 え?《メビウス・ゼロ》? 話はビーム兵器を搭載してからだ。《メビウス》のカタログスペック自体は悪くはないんだが、如何せん武装が貧弱すぎる。メガ粒子砲くらい積めよ、火力が《コアブースター》以下だぞ。

 それに、ゲームじゃないんだから、乗り換えくらいそれなりに自由に出来るさ。フラガ大尉は仮にも()()の軍人だぜ?

 

 キラ・ヤマト。GAT-105《ストライクガンダム》に偶然乗ることになったヘリオポリスの少年。コーディネーターだ。

 《ストライク》の未完成のOSを土壇場でスパゲッティ化して、ザフトの《ジン》を撃退、才能の片鱗を示して見せた。

が、アーマラ曰く「念で機体を組み上げた誰かさんよりは普通だな」とのこと。うるせぇやい。

 

 その辺、ぶっちゃけオレも含めてαナンバーズには珍しくもない経緯だが、本人がかなり嫌戦的なのが大きな違いかな。

 その理由は、プラントのコーディネーターを同族と感じているからだろう。密かに、ナチュラルならいいのかよと思わなくもない。直接は言わないが。

 キラにはとりあえず、いつぞやのシンジのように「戦いたくないなら戦わないでいい」と伝えておいた。

 

 キラの友人、ヘリオポリスの学生たち。良くも悪くも、民間人と言ったところか。キラを慮って軍に志願するなんて典型だな。

 バルマー戦役、イージス事件、封印戦争と立て続けに大戦が起こったというのにいささか平和ボケし過ぎな面を感じる。いや、これは最前線にいたオレから見た認識の差かも知れないが。

 

 

 さておき、お待ちかねのラクスとの接触だ。

 口さかないファンからは、悪意を込めてラクシズ呼ばわりされる未来の女傑。猫をかぶっているのか覚醒前なのかは知らないが、なかなかに底の読めない女の子だったな。

 

 彼女との討論は有意義だった。

 議題は主に、この連邦プラント間の戦争について。

 まず彼女は「血のバレンタイン」、ユニウス7の件を持ち出し、痛ましげに眉を伏せた。

 そこは素直にこちらの力不足を謝罪し、国際法廷の場で罪を問うことを約束した。実行犯と関係者は、すでに国際警察機構の手で捕らわれているのだし。

 ゼーレ?オレとウチの最高責任者が奴らの好きにさせるわけがない。

 

 一方、オレはプラントの孤立主義について問う。

 地球人類が銀河に漕ぎ出した今この時代に、プラントのやっていることは一年戦争時のジオンと同じ、いやその劣化コピーでしかないのではないか。遺伝子の優劣などナンセンスだ。

 そう問うとラクスは「わたくしたちは、経験不足なのです。ほかの星の方々との交流の経験が」と言い、「もしかしたら、恐れているだけなのかも知れません。自分たちだけが世界の歩みに取り残されていることを」と持論を述べていた。

 

 また、戦線の無意味な伸張についてラクスは危惧しているという。素人の彼女から見てもザフトの戦略は拙く、最終的な目標が皆無に感じられるのだろう。

 さらに開戦を前後してプラントの空気がどこかおかしくなったように感じていたらしい。これはオレ自身、プラントの主要なコロニーに潜入した際にも感じたことだ。

 本人は、自分は政治的なものを学んでいない小娘であると謙遜していたがなかなかどうしてマトモなご意見である。

 

 ちなみに、当然だが原典におけるプラントの所業については論じていない。

 国連首脳の爆破テロ(オレはコーディネーターの仕業だと見ている)や、ニュートロンジャマー投下による「エイプリールフール・クライシス」も起こしていないのだ。

 この世界においてはズールにいいように操られているだけだろうし、そういう意味では同情の余地があるかも知れないな。

 

 ラクスには、連邦、プラント間の戦争を早期に終結させるために力を貸してほしいと打診しておいた。

 地球安全評議会の場で和平を訴えるとか、できることはあるはず。効果があるかないかじゃなく、行動に移すことが大切なんだ。

 

 最後に、プラントに潜入した際に購入した「静かな夜に」のメディアディスクにサインしてもらった。アーマラには「お前、プラントが嫌いなんじゃなかったのか?」と驚かれたが、知ったことか。

 オレが嫌いなのはプラント、ひいてはザフトの排他的で時代錯誤な在り方であって、コーディネーターそのものに隔意があるわけじゃないんだ。

 むしろラクスの歌は、“浩一”だったころから大好きだったんだぜ。

 

 逆にラクスからはリリーナとの面会を強請られた。

 どうやらクィーン・リリーナのファンらしく、ぜひ一度お話ししてみたいとのこと。せっかくだ、彼女が所属する「平和解放機構」に繋ぎを取ってやろうじゃないか。

 

 

 

 新西暦一八九年 ◎月×日

 地球圏、衛星軌道上 ロンデニオン 《アークエンジェル》艦内の一室

 

 結論からいうと、仕込みは大成功だった。

 フレイの親父さんは無事だし、ロンデニオンに強襲してきたクルーゼ隊を撃退して、さらには《イージスガンダム》とアスラン・ザラを捕らえることに成功した。変態仮面ザマァ。

 外宇宙から帰還したイサムさんとガルドさんと協力したことも大きいな。

 

 その方法だが、GATシリーズ五機の制御系に隠していたTーLINKシステムを外部から起動させ、あたかもマシントラブルを装い行動不能にして捕らえたのである。なお、《イージス》は未来を先取りして《ロシュ・ダガー》の二刀流で切り刻んでおいた。

 まさに「よくわからないものを使うから」、だな。

 

 要するに、《ストライク》を含めたヘリオポリス製GATシリーズはブービー・トラップだったというわけだ。未完成のOSやバッテリー駆動であることも含めてな。

 モビルスーツが世に登場してから約9年、今更OSが未完成だなんてそんな馬鹿げた話があるか。この地球圏に、どれだけの人型機動兵器が溢れていると思う。

 ちなみに、TーLINKシステムを取り外してしまうと物理的に動かせないように予め設計され、ブラックボックス化している。プラントでは解析するも難しいだろう。

 今回はアスランを捕らえるのが目的だったので、ほかの機体は起動させなかった。まあ、もう一度使う気はあんまりないけど。

 

 さておき、アスラン・ザラ君である。

 彼には自発的にαナンバーズに協力してほしいので、キラと自習室に閉じこめておいた。

 ラミアス大尉やバジルール少尉には大反対されたが、仲裁役にラクスをつけたし、二人は親友同士だから心配ないだろう。

 キラが二人に絆されて一緒に脱走する可能性も考えないでもないが、男子二人はともかくラクスはそこまで馬鹿ではない。プラントが連邦に勝てないのは明白である。ならば、オレたちに協力して平和的な早期解決を目指した方が賢明なのではないだろうか。

 

 追記。

 休憩に出てきたラクスから聞いたのだが、キラとアスランは面と向かって互いの主張をぶつけ合い、無事和解できたようだ。ただ、一部口下手なキラの代わりに彼女がアスランをやりこめたらしいが。

 どうもラクス、クルーゼ隊がヘリオポリスを崩壊させたことを憤慨していたご様子。スペースノイドとしては至って真っ当な考えだな。

 

 

 

 新西暦一八九年 ◎月#日

 地球圏、衛星軌道上 《アークエンジェル》艦内の一室

 

 アークエンジェルはオービットベースに向けて移動中。

 

 飯を食いに食堂に行ったら、キラとヘリオポリスの愉快な仲間たち+アラド、ゼオラ、クォヴレーがラクスとアスランを交えて食事していたのでお邪魔した。

 監視付きだが、ラクスとアスランには多少の自由を与えている。バジルール少尉はいい顔をしなかったが、権力にものを言わせて黙らせた。

 下世話な言い方だが、情に訴える作戦だ。《アークエンジェル》に馴染んだら戦い難くなるだろ?

 

 なお、オレたちよりも後から来たフレイがコーディネーターとの同席を嫌がるという一幕もあった。

 場を和ませようとして「オレ、人造人間だけど?」と持ちネタを披露したら、逆に場が凍り付いてしまいアーマラに蹴られた。

 まあ、うやむやにできたからいいけど。

 

 で、意外だったのがアーマラだ。

 何やらラクスと仲よさげに会話しているじゃありませんか。あの気むずかしいことで知られる相方さんが、である。

 

 同じピンク頭だから仲良くなったわけではないだろうが、なんとなく馬が合うらしい。それともあれか、日曜八時半的にはパートナーだからか。

 まあ、アーマラに仲のいい友人ができたのはいいことだな。

 

 

 

 新西暦一八九年 ◎月☆日

 地球圏、衛星軌道上 デブリ・ベルト 《アークエンジェル》艦内の一室

 

 あのトゲトゲ女めっ、油断した。

 《アークエンジェル》に単身潜入してきたセレーナに、アスランとラクスを奪い返された。痛恨の極みである。

 こっちがサイコドライバーだからって、遠慮なしにスタン・ビュートを振るってきやがって。電撃が利かなくても、痛いものは痛いんだぞ。

 あれで案外義理堅い女だから、ザフトに対して筋を通したのかも知れない。

 苛立ち紛れに、逃げる《ASソルアレス》を《TーLINKレボリューター》のビームで蜂の巣にしようとしたらエクスに止められた。反省。

 

 まあ、考えてみればアスランとラクスの思想に一石を投じることにはなったし、これはこれでありか。二人には是非、プラントでがんばってほしいと思う。

 少なくともアスランはヘリオポリス組と知り合いになったし、《イージス》もすでにオシャカだからキラと死闘を演じることはないはずだ。

 

 

 

 新西暦一八九年 ◎月◎日

 地球圏、衛星軌道上 オービットベース近海 《アークエンジェル》艦内の一室

 

 オービットベースを目前にして謎の機動兵器部隊、めんどくせぇから言うが、帝国監察軍のゴラー・ゴレム隊とやり合った。

 《サイバスター》似の機体、キャリコ・マクレディの《ヴァルク・バアル》に追いつめられたクォヴレーと《ベルグバウ》が更なる力、《アキシオンバスター》を解放した。

 アキシオン、やはり《アストラナガン》の系譜か。

 あの機体を見ていると、あの人の影と同時にどこか嫌な予感を感じる。気のせいだと思いたいが。

 

 

 

 新西暦一八九年 ◎月*日

 地球圏、衛星軌道上 オービットベースの一室

 

 αナンバーズ、再集結である。

 地上で戦っていたメンバーが合流し、さらには新たな仲間を迎えたオレたちはここから本格的に反抗を開始することになるだろう。

 《アークエンジェル》に収容されていた避難民は無事地球に送り届けられたが、キラたちヘリオポリス組は退艦しなかった。意外なのはフレイだが、親父さんが「αナンバーズにいるのが一番安全だ」と考えたらしい。

 

 ここで仲間たちの近況について書き留めることにする。

 北米を中心に星間連合と戦っていたクスハ、ブリット。

 ようやく《龍虎王》が怪我から回復して復帰したのはいいのだが、四霊の超機人《応龍皇》の操者、孫光龍にちょっかいをかけられたようだ。奴はナシムに仕えていたはずだが、何のつもりだ?

 妙なことを企んでいるなら、初代に代わって痛めつけてやろうと思う。

 

 新しい仲間は《グレンダイザー》のデュークフリード、《ライディーン》と《ラーゼフォン》の関係者、空間転移で地球各地を遊撃していた《ゼオライマー》、《キング・ビアル》の神ファミリーだ。

 懐かしい顔としては、獣戦機隊と《ダンクーガ》がやってきた。封印戦争時は三輪に睨まれて、合流できなかったらしいな。

 

 で、新顔《ダンガイオー》チームと同行者のターサン博士。

 「宇宙海賊バンカー」の依頼(脅されたらしい)で、ターサン博士により建造された四人乗りのスーパーロボットだ。

 チームのメンバー、ミア・アリスの故郷であることから地球にやってきて、 クスハたちと協力してバンカーの追っ手を撃退し、保護されたそうだ。

 なお、ミアたち女性陣のパイロットスーツはかなりエロい。眼福である。

 

 

 一方、トウマはGGG機動部隊と行動を共にしていた。

 白い戦艦ロボ《キングジェイダー》と共闘したり、暴走した《雷鳳》をゼンガー少佐らが止めたり、宇宙に上がってバルマーの武人、バラン・ドバンとやらに伸されたりといろいろあった模様。

 聞き捨てならないのは、通りすがりの拳法家に度々助けられたとか。主に戦った相手はギャンドラーらしいし、ロム兄さんかよ。

 あと、マキナを使うテロ組織「加藤機関」に五飛の姿があったそうだ。ザフトの方にいなかったと思ったら、あいつ何してんだ。

 ちなみに加藤機関だが、目的が大方わかっているのであえて放置していた。別に忘れてたわけじゃない。本当。

 

 加入した新メンバーは、《ゴッドグラヴィオン》とグランナイツ、Dボゥイらスペースナイツ、再結成されたチームD。《ラインバレル》を確保したJUDAのファクターたちは、《ペインキラー》が重装甲の支援仕様だからアニメ版だな。

 あと、大作とウッソらが予想通り合流した。同僚の大作はともかく、ウッソたちとは再会を喜んだ。

 

 こちらの新顔は《ゴライオン》。アルテア星の守護神であり、文字通り五体のライオンが合体したスーパーロボットだ。

 パイロットの黄金(こがね)(あきら)たち五人は皆地球人であり、外宇宙探査艦隊の一員だったが、ガルラ大帝国の攻撃を受けて遭難。アルテア星に漂着した後、《ゴライオン》に選ばれた。

 この《ゴライオン》、シュールな見た目に反して単独での空間転移をしてのけ、またアポカリュプシスから逃れるための言わば箱船でもある。その能力で窮地のアルテア星を脱出し、地球までやってきたようだ。

 同行者にはアルテア星の数少ない生き残り、ファーラ姫がいる。さすがのターサン博士も隠れ住んでいた彼女のことは知らなかった模様だ。

 もちろん、お姫様ということでお近づきになりましたが何か?

 

 同じライオンロボ《ガオガイガー》との関係は深く、「ギャレオンが強く反応してる」とは凱さんの言葉だ。ぶっちゃけ、同じ獅子座文明の遺産だったりする。

 さらに、パイロットの面々とその凱さんは、母校、富士宇宙学校の先輩後輩の間柄とのこと。その点でも、運命的なものを感じる。

 

 なお、イルイというかナシムは遙か昔にこの《ゴライオン》と戦ったことがあるらしく、イルイ曰く「おいたしてたからこらしめたの」。なるほど、《ガンエデン》は確かに“宇宙の女神”だ。

 

 

 さて、αナンバーズの現在の陣容は、《ラー・カイラム》、《キング・ビアル》、《アークエンジェル》、《ナデシコC》の四艦だ。若干、艦内が手狭なのは秘密だ。

 なお、《リトル・グレイ》はさすがに戦闘には適さないのでオービットベースで留守番である。

 

 

 

 新西暦一八九年 ◎月▽日

 地球圏、衛星軌道上 オービットベースの一室

 

 今日はなかなかハードな一日だった。

 いつの間にか潜入していたセレーナと協力して、基地内に強襲してきたゴラー・ゴレム隊を撃退したのも束の間、外部での戦いでは、バルマーの連中のみならずゾンダーまでもが現れる。

 ゴラー・ゴレム隊の目的は、やはりイルイの身柄のようだ。まあ、オレが側にいる限り妹に指一本触れさせないがな。

 

 確かに機界原種もゴラー・ゴレム隊も厄介な相手だったが、《ステルスガオーII》を得てパワーアップしている《スターガオガイガー》と《キングジェイダー》を筆頭に、勢ぞろいしたαナンバーズのスーパーロボット軍団の敵ではない。

 どちらもまとめて返り討ちにしてやった。

 

 ここでは独自にバルマーの影を追っていたらしいヴィレッタ大尉、ゼンガー少佐とレーツェルさんが現れて協力してくれた。

 ゴラー・ゴレム隊の隊長格でありチーム・ジェルバ壊滅の下手人、スペクトラ・マクレディとセレーナ、ヴィレッタ大尉、ついでにアーマラによる女の戦いは恐ろしいものがあった。頼まれても介入したくない。

 

 ヴィレッタ大尉とのやり取りを見るに、キャリコとスペクトラはイングラム少佐のクローンだろう。記憶の制限が解かれて思い出した知識だ。

 また、奴らがアーマラのことを「ヴェート」、二番と呼ぶのは、ヴィレッタ大尉を「アウレフ」、イングラム少佐の一番目のクローンと見なした場合なのだろうと推察する。

 いつアイツに真実を話すか、それが問題だ。

 

 またセレーナが仲間入りを表明、信頼できるのかと懐疑的な視線を受けながらも飄々としている。仇を追うより、待ち受けた方が確実だと考えたのだろう。合理的だ。

 役者は揃った、というわけだな。

 

 追記。

 セレーナの加入に伴いエルマも仲間になったわけだが、エクスが特に喜んでいた。

 ウッソのハロを含めて「マスコットロボ同盟」なるものを結成したのだと報告されて、リアクションに困った。

 

 

 

 新西暦一八九年 ◎月※日

 地球圏、アステロイド・ベルト

 

 対帝国監察軍殲滅作戦「オペレーション・ハルパー」のため、αナンバーズ艦隊はクロスゲートのあるアステロイド・ベルトに向けて移動している。

 航海は順調だ。ラダムやイバリューダーとの戦闘はあったけどな。

 

 哨戒に出ていたセレーナ、イサムさん、ガルドさんが損傷した《ベガリオン》とスレイを保護した。

 聞き取りした話では、銀河に旅立ったチームTDだが、謎の敵に遭遇。チームのキャプテンであるアイビスの独断で、スレイと《ベガリオン》は逃されたのだそうだ。

 そのことをスレイは酷く憤っていたが、同時にアイビスたちの身を心配してもいた。封印戦争時とはエライ変わりようだ。外宇宙に出ると、こうも人格が変わるのかと感心してしまった。

 未だに内輪もめしてる連中に、爪の垢を煎じて飲ませてやりたいぜ。

 

 

 

 新西暦一八九年 ◎月○日

 地球圏、衛星軌道上 オービットベース

 

 結論から述べると、オペレーション・ハルパーは失敗に終わった。いや、よくて痛み分けかな。

 

 イカロス基地で合流した三体の《エヴァンゲリオン》シリーズとシンジ、アスカ、そしてレイの三名が参戦、ゾンダーと帝国監察軍に挟み撃ちにされたものの、相変わらずの鉄壁ぶりでオレたちを助けてくれた。

 あれから二年、シンジ、アスカもずいぶん成長した様子だ。いや、見た目はまったく変わってないんだが。曰く「エヴァの呪縛」、新劇設定かよ。

 

 で、問題のレイ。バルマー戦役時、戦死したはずの彼女だが、この世界の前世、綾人たちがいた世界から彼ら同様にこちらに送り込まれたものと思われる。

 イデめ、これだけ因子を集めて何のつもりだ?

 

 ミサトさん率いる旧ネルフのサポートスタッフ一同もイカロス基地で合流しており、デリケートな《EVA》のメンテナンス体制はバッチリだ。

 密かに驚いたのは、その中にリツコさんもいたこと。オレは特に何もしてないんだが、何の因果か生き残っている。詳しく聞くにも事情がアレだからとりあえずうっちゃったが。

 本人は、「シロちゃんとクロちゃんはいないのかしら」と残念そうにしていた。この猫好きさんめ。しばらくしたら合流するから、ベルナデットの飼い猫で我慢しててください。

 シラカワ博士目当てに、マサキを呼んだからな。

 

 そして、ついに帝国監察軍本隊、帝国監察軍第一艦隊と激突、あと一歩で敵旗艦《ヘルモーズ・エハッド》を撃沈せしめるというところでアクシデントが発生した。

 オービットベースが、機界31原種に襲撃されているとの緊急通信が舞い込んだのだ。

 さらに「一刻も早い帰還を」というオレたちの意志にクロスゲー トが反応して、部隊全員がオービットベースへ転送。このとき、亜空間に取り残されかけた《アークエンジェル》を救うため、《超竜神》がその身を犠牲とした。

 

 クロスゲートを潜り、たどり着いたオービットベース。

 等身大の姿でオービットベースに侵入し、ゾンダープラント化をもくろむ「機界最強7原種」、さらにはDボゥイとの決戦をもくろむ《テッカマンアックス》が乱入する。

 三つ巴の対決。かつてのゾンダリアン四天王ピッツァの真の姿であるソルダートJ、さらには天空宙心拳の伝承者、ロム・ストール(「貴様らに名乗る名前はない!」を生で聞けなかった!)一行の協力もあり、何とか《テッカマンアックス》を撃破。しかし、原種らはアルマこと戒道幾巳少年を浚って月へと逃れた。

 

 月面での決戦。

 機界最強7原種が合体した《合体原種》はそれぞれの能力を持ち合わせる強敵だった。特に、無限にも思える再生能力はおぞましいものがあった。

 窮地を脱すため、《テッカマンアックス》、いやラダムの洗脳から解き放たれたゴダートより託された“テッククリスタル”を用いてビームを集束、再生能力の要である肝臓原種をピンポイントで破壊。αナンバーズによる総攻撃で、《合体原種》は倒された。

 

 結果、オペレーション・ハルパーは中断され失敗に終わったが、帝国監察軍第一艦隊も地球圏から撤退、火星圏に後退している。

 ちなみに、第一艦隊にはル・カイン以下グラドス星の部隊もいた。以前戦ったときは、ゴラー・ゴレム隊に協力していただけのようだな。

 

 

 

 新西暦一八九年 △月○日

 地球圏、衛星軌道上 オービットベースの一室

 

 またもや異星からのお客様がやってきた。

 折り鶴のような優美なデザインの星間航行艦《エルシャンク》、シェーマ星系ラドリオ星からの来訪者だ。やっぱり出たかって感じだ。

 オービットベース近くの宙域で星間連合と戦闘していたところを発見。《ダイモス》等、知り合いも一緒にいたのでとりあえず星間連合を追っ払って接触した。

 

 主なメンバーは以下の通り。

 《エルシャンク》の指導者にしてラドリオ星のプリンセス、ロミナ・ラドリオとお付きの二人。火星移民のジョウ・マヤ、レニー・アイ、マイク・コイルの三名はそれぞれ《黒獅子》、《鳳雷鷹》、《爆竜》のパイロットだ。

 《エルシャンク》は、星間連合に追われて火星にたどり着いた後、現地の《ボルテス》チームや一矢さん、ゼクスさんやノインさんらと協力して戦っていた。しかし、火星圏に帝国監察軍第一艦隊が後退したことで火星を放棄、地球圏に撤退してきたとのこと。

 なお、ザ・ブーム軍はやはり星間連合に吸収合併されている模様。どんだけがんばってんだ、ズールの奴。

 

 ロミナ姫だが、同じ亡国の姫ということでファーラ姫とさっそく仲良くなっていた。キャッキャうふふである。

 ベガさんに「混ざってきたらどうです?」と持ちかけてみたが、「おばさんをからかうんじゃありません」と窘められてしまった。やはりミサトさんやラミアス大尉、遙さんとの方がいいらしい。

 亡国といえば、ジークフリードこと大介さんとゼクスさんも意気投合していた。二人ともやんごとない生まれで、妹を持つお兄さんでもあるからだろうか。

 

 《エルシャンク》は原作通りラドリオ星に伝わる「伝説の忍者」を求めて太陽系にやってきたそうで。

 もしやと思いイルイに訪ねてみたら案の定「ナシム、そんなことを話した記憶もあるって」との答えが返ってきた。またかというより、超古代にも忍者なんてのがいた方がびっくりだよ。

 こうなりゃウチの赤マスクを呼んでやろうか。いや、話がややこしくなるから裏方として忍んでてもらおう。

 あ、十傑集は解散したけど、一部はまだ孔明が部下としてこき使ってたり。直系?弟?しらんがな。

 

 で、三輪がキレるでお馴染みの外道、ハザード・パシャが暗躍し始める季節なのだが。どうしようかな、あえて放置してアズラエルの本来の立ち位置に自分で立ってもらうのもアリか。

 孔明にその旨、伝えておこう。

 

 

 

 新西暦一八九年 △月☆日

 地球、アフリカ 《アークエンジェル》の一室

 

 αナンバーズは、部隊を二つに分ける。ロンド・ベル隊から続くいつものパターンだ。

 《ストライク》の稼動データ等をアラスカにある現地球連邦最高司令部、通称「JOSH-A」に届けるために地球に降下する《アークエンジェル》、《ナデシコC》。

 相変わらず月面に居座るギシン星間連合軍に対応する《ラー・カイラム》と《キング・ビアル》、《エルシャンク》。

 

 いろいろと考えた結果、オレは《アークエンジェル》の地球降下につき合うことにした。

 まあ、アラスカに《ストライク》のデータを届けるなんて任務は、もはやあってないようなものなんだが。ラミアス少佐(このたび昇進した)には悪いが、ヘリオポリスのGATはまるっと欺瞞だからな。

 いや、《ストライク》自体は悪くないんだ。動力源さえ抜きにしたらな。特に、ストライカーパックシステムの基本思想はリョウトの“新型”にも採用されているらしいし。

 

 道連れは直属になるクォヴレーチームとセレーナ、スレイだ。

 《アークエンジェル》には旧リガ・ミリティアのメンバーとトビアたちが乗っているし、僚艦の《ナデシコC》には、《ドラグナー》チーム、《レイズナー》チーム、スペースナイツ、JUDAの面々。チームD、《ゼオライマー》の二人、《ダンガイオー》チーム、大作と銀麗さんが乗っている。

 概ねリアル系が揃っているな。

 

 で、お約束のように大気圏突入のタイミングでクルーゼ隊に襲われたわけだが。あらゆる意味で予測していた事態なので、《アークエンジェル》のメンバー以外は落ち着いたものだ。

 そろそろ本気で原作ブレイクとやらを始めようと思い、その先駆けに《デュエル》、《バスター》、《ブリッツ》を無傷で捕らえてみた。もちろん例のトラップでだ。変態仮面ザマァ。

 ちなみに、やはりアスランは戦場にはいなかった。

 イザーク・ジュール、ディアッカ・エルスマン、ニコル・アマルフィの三名には地球圏の危機的な現状をたっぷり堪能してもらおうと思う。

 この三人、思ったより大人しい。ちょっと拍子抜けしてたり。

 力の差を教えてやろうと、イザークを生身同士で軽くあしらったのがまずかったのか?

 

 あ、そういやオレンジ色の《ジン》がいたな。生きてたのか、“魔弾”の人。ちょっと嬉しかったのは秘密だ。

 あれ?もしかして後方不注意の方かな。それはそれで嬉しいけど。

 

 さっさとプラントとの不毛な戦争を、やめさせなきゃな。

 

 

   †  †  †

 

 

 アフリカ、バナディーア。

 ザフトの名将、アンドリュー・バルトフェルドが駐留する小さな街だ。

 

 大気圏突入を妨害され、目的のアラスカから遠く離れたアフリカ大陸に不時着した《アークエンジェル》。その不足物資の買い出しのため、αナンバーズのメンバーは街に繰り出していた。

 

 協力関係にある現地?ゲリラの少女を案内に、キラ、クォヴレー、エイジ、シンジとアスカなどほか数名が気分転換も兼ねて日常品の買い出しに街へ出ている。

 ゲリラに武装を提供している商人に当たるのはアムロやナタル、ミサトの大人組だ。

 

 イングとアーマラはイルイを連れて参加している。名目上は護衛だが、実際は気分転換の物見遊山だ。

 出立の際、イングはアーマラに「久々のデートだな」などと冗談を言って蹴られていた。内心、アーマラが満更でもなかったことを知っているのはイルイだけだ。

 

 イルイの両手を引き、街をぶらぶらと散策するイングとアーマラ。

 彼らの容姿はこの新西暦にあってもかなり目立つ部類だが、ある意味コーディネーター的なのでそれなりに溶け込んではいた。

 

「平和だな」

「ああ。今の地球圏の状況を思えば、仮初めでも貴重な平和だ」

 

 街は活気に溢れていたが、人々の顔には微かに緊張感も漂っていた。

 その違和感に、ザフトの占領地であることが関係していることは間違いない。

 

「カガリが聞けば、また怒るだろうな」

「あれは世間知らずのお嬢様だろう。聞く耳持たん」

「うわ、アーマラひでぇ。事実だけど」

 

 カガリ・ユラ。その正体は南洋の国、オーブの現首長の娘だ。イングは「どういう教育してんだ。現在進行形で」と頭を抱えていたりする。

 また、百戦錬磨のαナンバーズに向かって「砂漠の戦いでは素人」と言い放った怖いもの知らず少女でもある。

 

 イングとアーマラに言わせれば、そんなカガリたちレジスタンス「明けの砂漠」が戦争の素人(アマチュア)だ。

 生身とわずかな武装で機動兵器を保有した軍隊に挑むなど、正気の沙汰ではない。イングはよくやっているが、それは例外中の例外であることは言うまでもないだろう。

 

 また、地球に降下して直ぐ、マシントラブルにより行動不能に陥った《アークエンジェル》を襲ったバルトフェルド隊の四足獣型MS《バクゥ》部隊は、《エグゼクス》と《ファルケン》のコンビネーションの前にズタボロにされている。

 ついでにバルトフェルド隊旗艦《レセップス》を撃沈間際まで追い込んだが、逃げられてしまった。こちらはバルトフェルドが旨く立ち回ったと見るべきだろう。あるいは、《ナデシコC》との合流が一足早ければ撃沈もあり得たのだが。

 

「それにしても、ゲリラの女の子なんて、世が世なら悲劇のヒロインにされてたところだな」

「何の話だ?」

アカシックレコード(Wiki)参照。いやぁー、ザカールは強敵でしたね!」

「参照できるかっ! ……まあ、いい」

 

 イングがおかしなことを言うのはいつものことだ。

 そして、記憶の制限が解かれてよりいっそう酷くなったのは言うまでもない。

 

「お兄ちゃん」

「んっ? どうした、イルイ」

 

 イングは、ちょんちょんと袖を引っ張ってくる妹に顔を向ける。

 イルイが恥ずかしげにうつむき加減でおなかを押さえている。すると、きゅるる、と小さい音が聞こえた。

 

「お腹、すいた……」

「そっか。んじゃ、ケバブでも食いに行くか」

「ドネル・ケバブか。ここらの名物料理だな」

「そそ。たぶんおもしろいもんが見れるだろうし、ここは行かなきゃ損だぜ」

「……? またお得意の予知か?」

「そゆこと」

 

 意味深な笑みを浮かべるイングを先導に、三人は人並みに消えていった。

 

 

 

 

「ニガっ」

「ふっ、ガキだな」

「うるせぇ」

 

 出されたカップに口を付け、顔をしかめたイングをアーマラが鼻で笑う。そのアーマラは、さも旨そうにコーヒーを啜っていた。

 

 現在、キラたちと合流したイング一行は紆余曲折あり、“砂漠の虎”ことアンドリュー・バルトフェルドの滞在するセーフハウスに招かれている。

 バルマー戦役、イージス事件、封印戦争の英雄、国際警察機構のワンゼロワンの名ははさすがにザフトにも知れ渡っているらしく、そこかしこから敵意と恐れの感情が突き刺さってくるが、イングは涼しい顔で受け流していた。

 

 キラと行動を共にしていたクォヴレー、エイジの両名は警戒を切らしていないが、イング一行はリラックスしきっている。コーディネーターの軍隊が相手でも切り抜ける自信があるのだ。

 二人が十傑集や北辰集とやりあうよりは遙かに楽だと考えているのを、イルイだけが知っている。

 なお、そのイルイは横でアップルジュースをくぴくぴと平和そうに飲んでいた。こちらも、イングにはやや劣るが《ガンエデン》の巫女(マシヤフ)に選ばれたサイコドライバー、念動力さえ使えれば自分の身を護るのは容易いことだ。

 

 

 ドレス姿のカガリが現れ、一悶着あった後、バルトフェルドは持論を語り始める。

 要約すれば、「戦争には制限時間も得点もない。ならばどうやって勝ち負けを決め、終わらせるのか」。

 敵将からの問いに答えを窮すキラ、現実的な意見を述べるクォヴレー、自身の経験から反論するエイジ。三者三様の反応を示す中、イングは嘲るように鼻を鳴らした。

 バルトフェルドが戦争をゲームに例えたことを、不快に感じたのだ。

 

「何かな、少年?」

「終わりはあるだろ、広義の意味での戦争には」

「確かにね。でも、ボクたちがしているのはそうじゃない」

「ああ。だからこそ、プラントの仕掛けた戦争は根本から間違ってるし愚かだ」

 

 “同族”としてプラントに感情移入しているであろうキラが、イングの嫌悪に敏感に反応した。

 

「イングは、ブルーコスモスみたいにコーディネーターを嫌っているの?」

「そうじゃない。復讐したいって気持ちはヒトとして当然な感情だし、共感も出来るよ。だけど、プラントにはビジョンがない。何が戦争目的なのか、何をもって勝利とするのか、それがないから殺し合いにしかならない」

 

 紅い瞳にまっすぐ見つめられ、キラが言葉を失う。

 

「知ってるか、キラ。大昔、西暦の戦争じゃ、殺し合ってた兵士たちが戦場の外じゃ酒を酌み交わし、互いの健闘を称えてたことだってあったらしい。案外ヒトってのは単純で大雑把で大らかなのさ。だからこそ、残酷なことだってやってのけやっちまう」 

 

 イングはヒトに期待していない。

 ただ誰しもが持つ心にある光を信じているのだ。

 だからこそ、彼は悪に対して苛烈になれる。光を翳す闇を斬る――イングは一振りの研ぎ澄まされた剣である。

 

「戦争の終わり方? 敵を全て滅ぼす? ――そんな考え方自体がナンセンスなんだよ。ガキの喧嘩じゃねーんだぞ」

 

 彼らしくない発言のオンパレードに、キラたちは目を丸くするが、アーマラとイルイだけは当然のような顔をしている。イングが、孔明からそういった知識を叩き込まれていることを知っているからだ。

 むっつりとした表情のまま、イングは腕を組む。

 

「かつての一年戦争は、ジオン独立戦争って呼ばれることがある。あの戦争は実質的に地球連邦の一植民地でしかなかったサイド3が、国家主権を勝ち取るためのものだった」

「お前、詳しいんだな」

「カガリがものを知らないだけだろ」

「うぐっ」

 

 茶々を入れたカガリがイングに切って捨てられた。

 

「ジオンは国力で連邦に劣っていることはわかっていたから、勝つためにコロニーを落とし、早期決着をもくろんだ。そしてそれに失敗して、泥沼に陥った。一方、プラントはどうなんだ?」

「評議会には、そんなものはないんじゃないかな? 感情的に始めてしまった戦争を、目的もなく野放図に広げて収拾がつかなくなっている。報復行為が目的なら、他にやりようがあったとボクも思うよ」

 

 だからこそ、終わりがない。終われない。

 バルトフェルドの先の発言は、これを踏まえたものだったようだ。イングは彼に対する評価を一段上げた。

 

「地球の技術を奪って、侵略者に対抗するという目的もあるにはあるようだが。その行為自体、私にはコーディネーターの優位性を自ら否定する矛盾だと思えるよ」

「だろ? 大体、この地球圏にコーディネーター脅威論を本気で信じている人間がどれだけいるんだ。コーディネーターの大半はプラントに引きこもってて、大多数の人間は“ナチュラル”、“コーディネーター”なんて区別には意識もしてなかった。“ニュータイプ”と“オールドタイプ”ならともかく」

 

 それだって、あのサイコフレームの光を見た後じゃ薄れてるって話だ。イングはわずかに誇らしげにしている。

 旧ジオン系のものたちですら、過去の遺恨を脇に置いて地球人として侵略者と戦っていた。無論、そこには地球安全評議会の議員になったハマーンの尽力があったが、命の光を垣間見た彼らの心に何らかの善い変化が起きたことは疑いようがない。

 故にイングは、時代に逆行するかのようなプラントの凶行に憤りを隠さないのだ。

 

「ボクもあれは見たけれど、とても美しい光景だったね」

「今の形のブルーコスモスの思想が本格的に蔓延した切っ掛けは、プラントが宣戦布告してからだ。始まりが異星人の侵略、バルマー戦役にあってもな。キラ、お前はどう思うよ」

「あ、うん。たしかに、僕も戦争が始まってからそういうのを意識するようになったかな。なんだか、居心地が悪くなったっていうか……」

 

 訥々と答えるキラ。コーディネーターであることを親しい友人にのみ明かし、事実上隠れ住んでいることは、善良な彼に無意識の罪悪感を与えていた。

 得心したように一つ頷き、イングは口を開く。

 

「そういうヒト、地球圏には大勢いると思うぜ? たかが遺伝子の違い、能力の違いがなんだってんだ。この宇宙には、恐竜が進化したヒト、機動兵器サイズのヒト、角のあるヒトや羽の生えたヒトだっているのに」

「爬虫人類、巨人族、バーム人、ボアザン人だね。ボクは、いやプラントの大多数の者は映像すら見たことがないんだよ。恥ずかしいことにね」

「ラクス・クラインが言ってたよ。自分たちは異星人とつき合う経験が足りない、と。そして、時代から取り残されていることを恐れているともな」

「へぇ……、あの歌姫が。どうやって彼女と知り合ったかは、聞かないでおこう」

 

 バルトフェルドの興味深そうな視線を鬱陶しがるイング。別段隠すようなことでもないが、詮索されるのは不愉だと空気で示す。

 

「でだ、バルトフェルドさんよ。戦争なんて馬鹿げた真似はやめて、オレたちを黙って通しちゃくれないか?」

「こちらは移民船を引き渡せば、キミたちが通ることを黙認するって勧告したはずだが?」

「そんな要求、受け入れる筋合いはないし権限もないな。それにあんたらじゃ、αナンバーズは止められないのは自明だよ。つーか、オレ一人でも壊滅余裕だし」

「ちょ、ちょっとイング、何言い出すのさ!」

「そうだぞお前!」

「事実を言って何が悪い。こちとら地球圏最強の超能力者だぞ、砂漠の虎がなんぼのもんじゃい」

 

 キラやカガリの非難めいた声にも耳を貸さず、逆に胸を張るイング。必要以上の高飛車な力の誇示は本心であると同時に、無用な争いを回避するポーズでもある。

 

 バルトフェルドはそんなイングの態度に一瞬呆け、そして呵々大笑と笑った。

 

「だが、それはできない。私とて仮にもザフトの兵士だ。故国を裏切るわけには行かないさ」

「バルトフェルドさん……」

「あんた、死んだ方がマシって口?」

「そうだとも。私は死んだ方がマシなのさ」

 

 二人にしかわからない不穏なやり取りに周りが凍り付く中、イングとバルトフェルドは不敵に笑みを交わしあった。

 

「次は戦場か」

「そうなるだろうね」

「手加減できねーぞ」

「宜しい。こちらも、全身全霊でお相手しよう」

 

 

 こうして“砂漠の虎”との邂逅は、物別れに終わった。

 

 しかしイングはどこか上機嫌で、周りを困惑させていた。

 その真意を知るのはパートナーと妹だけである。

 

 

   †  †  †

 

 

 新西暦一八九年 △月※日

 地球、太平洋 《アークエンジェル》の一室

 

 《アークエンジェル》はバルトフェルド隊を退け、無事アフリカ大陸を離れて現在日本に向けて海上を移動中。

 え?オーブ?どうして寄らなきゃいけないの?ウソ。途中で立ち寄る予定だ。

 キラたちの家族に会わせてやりたいし、連邦軍の方にも連絡入れとかないとだしな。

 

 アフリカでは、《アルビオン》隊と合流し、さらに遙か銀河の彼方から無限力により飛ばされてきた《シティ7》を保護した。

 彼ら《マクロス7》船団が旅した宙域は無限力が作り出した時空の断層で地球圏とは時間の流れが全く違ったようで、《シティ7》の市長をしているミリアはいいお年の奥様になっていた。

 向こうの感覚では数十年ぶりに再会したミリアに、「懐かしいわぁ、イング。少し背が伸びたかしら?」と過剰なスキンシップを受けたわけだが。まるで年始の集まりであった親戚のおばちゃんみたいだったぞ、ミリア。

 カミーユやアムロさん、ジュドーやウッソなんかは、容姿の変わらないミリアのメルトランディの血に納得を見いだしていたが、あとで旦那を見て驚愕すればいいさ。

 ちなみに彼女とその旦那はバーニングPT仲間だったり。SDF時代はリョウト、リュウセイを交えて遊んでたんだぜ。

 

 《シティ7》等の移民船団は独自に自治権を持つが、目下地球圏の現状で自衛は難しい。ということで、日本にある地球安全評議会本部に送っていくことに。

 かつての上官、グローバル議長が保護責任者ならミリアも安心だろう。

 プロトデビルンのシビルとは生身でやりあったが、さすがに手強かったぜ。

 

 また、《シティ7》には白きヘビーメタル《エルガイム》を駆るダバ・マイロードと反ポセイダル軍の仲間たちが同乗していた。

 バッフ・クランから逃走中、ペンタゴナワールドに迷い込んだ《マクロス7》一行と、ポセイダル軍(ギシン星間連合と同盟関係らしい)を相手に共闘、そのままなし崩し的に地球圏に来てしまったとのこと。

 本来はこの銀河系とは別の銀河であるペンタゴナワールドが、外宇宙の一地域(そちらのものたちはこの銀河の名前を差してペンタゴナワールドと呼んでいる)に組み込まれているようだ。

 ちなみに、ダバの連れている妖精、ミラリー族のリリス・ファウを、旧SDFメンバーがチャムに見間違える一幕も。

 お約束だな。知らんけど。

 

 で、太平洋上に出た目下の予定は国際警察機構経由で接触のあったミスリルの“トイ・ボックス”こと、強襲揚陸潜水艦《トゥアハー・デ・ダナン》と合流だ。

 これはあれかな、戦争狂に乗っ取られるイベントかな。まあ、させねーけど。

 とりあえずアマルガムは孔明に命じて粗方潰しといたけど、“水銀”と“鋼鉄”を捕らえられなかったのは地味に痛い。

 というか、表は国際警察機構のエキスパート、裏では新生BF団の首領ってそれなんて悪役?

 いやいや、オレダークヒーローだから。ゴッサムのダーク・ナイト的なヒーローだから。

 悶々としてたらアーマラに呆れられた。無惨。

 

 

 

 新西暦一八九年 △月#日

 地球、太平洋 《アークエンジェル》の一室

 

 無事、《トゥアハー・デ・ダナン》と合流した。

 向こうの責任者、テレサ・テスタロッサ嬢(愛称テッサ)は可憐なお声の持ち主である。さっそく口説こうとしたらアーマラと怖いおねーさんに蹴られた。

 「オレってば上官じゃねーの?」ってマオさんに言ったら、「それとこれとは話が別」と言い返された。ちぇっ、BF団に引き抜こうとしただけなのに。

 

 そんなこんなでアーマラとテッサが仲良くなっていた。またそれか。

 あと、エクスがテッサについて「他人のような気がしません」なんて言ってたな。あれか、テスタロッサ繋がりか。

 

 艦には以前、南海の孤島で助けた千鳥かなめが乗艦していた。《トゥアハー・デ・ダナン》の就航一周年を記念したパーティーに参加するためらしい。

 もちろん、ウルズ7こと相良宗介軍曹もいた。こっちが「相良軍曹」と呼びかけると改まるので、宗介さんと呼ぶことにしている。軍人気質が生粋すぎてやりづらい。こう見ると、ウチってやっぱ軍隊としては異常極まりないな。

 

 ここでちょっとかなめとテッサの持つ異能、「ウィスパード」についておさらいしておく。

 原作「フルメタル・パニック!」でのウィスパードの実体はWikiを参照してもらうとして、このα宇宙においてウィスパードの根元もやはり無限力、アカシックレコードに帰結する。

 アカシックレコードから限定的に知識を得る、あるいは一方的に囁かれるもの、それがウィスパードである。

 ニュータイプ等の人知を超えた能力も、この宇宙において最終的にはサイコドライバーへと繋がっていく。ようは方向性の違い、個々人の資質の違いというわけだ。オレは密かに「ヒトは皆サイコドライバーになれる」とか思ってたりする。

 博士に頼んで、浴びたヒトを革新させる謎粒子でも開発してもらおうかなぁ。

 

 さて、まずはミスリル内の裏切り者の始末といこうか。

 悪はことごとく斬るのがオレだからな。

 

 

 

 新西暦一八九年 △月*日

 地球、太平洋上 《アークエンジェル》の一室

 

 予想通り現れた戦争狂をあしらいつつ、《アークエンジェル》は進む。

 ちなみに予想通りの行動をして無様に失敗したガウルンだが、あえてとどめを刺していない。でも、かなめを浚うとかそういうことは今後一切させないぜ。

 

 で、今日はザフトのカーペンタリア基地で起きた騒ぎに介入、鎮圧した。イサムさんとガルドさんも現地にいたそうだ。

 そして来ました真紅の《ファイアーバルキリー》!

 思わず「バサラキター!」と思わず叫んでアーマラとエクスに怪訝な顔をされた。こっちで曲とか用意したら、「真赤な誓い」歌ってくんねーかな。

 

 そんな中、ゼラバイアと謎の機動兵器、というかクトゥルフの《ディロスθ》が現れた。シャロン・アップルも含めて、AIつながりか。

 侵略者は本格介入を決定したαナンバーズによりゼラバイア等は撃破されたが、その戦闘では式典に招かれていたラクスが巻き込まれて、大怪我をするところだった。キラが間一髪で救助したのだが、これはフラグか?フラグなのか?

 

 しかし、こうなると確実に《イクサー》も来るらしい。

 もうどうにでもしてくれ、と泣きたい気分だがそうも言っていられないのがバビル二世の辛いところだ。

 とりあえず加納渚の身元の特定と、身辺の警護を孔明に命じとおこうと思う。

 

 あと、《Rーダイガン》が《ノヴァ》の援護をしていたな。由来バレバレだから原作通りの対決の流れにはならないらしい。加藤機関とはつるまないのか。残念。

 エイーダ・ロッサが会場にゲストで呼ばれていたようなので、それが原因のようだ。

 

 連邦の公式上は《ダンクーガ》の後継機として葉月博士により開発されたとされている《ノヴァ》。実際の設計者は、WILLという超古代に生み出された無機生命体であり、その目的は地球等の知的生命体を監察することだ。

 かなり早い段階から葉月博士とは接触していたようで、《ダンクーガ》は《ノヴァ》を生み出すための試金石であり、同時に生命情報の方舟たる《ノヴァ》を導き護る存在だった。

 このWILL、やはりと言うべきかアポカリュプシスに対する回避策の一つとして生み出された。ただし、リセットされる何巡か前の宇宙が由来らしいがな。

 つーか、バビル、ナシムとはだいぶ旧い知り合いらしく、二代目を就任して直ぐに孔明に引き合わされた。F.Sもいたぞ。

 

 月には兄弟機、ムーンWILLがいる。

 クトゥルフ、ゼラバイア、未だ健在のガルファとゾンダーも併せて封印戦争同様、機械化同盟を結成してくることは予想に難くない。ガイゾック復活の気配が濃厚だし、ギャンドラーと手を組む可能性もある。

 まあ、こっちとしては個別でかかってこられるよりまとまってくれた方がやりやすいんだけどな。

 

 

 

 新西暦一八九年 △月◎日

 地球、オーブ首長国連邦 《アークエンジェル》の一室

 

 《トゥアハー・デ・ダナン》と別れ、《アークエンジェル》隊はオーブについた。正式ルートできちんと正面からだ。

 道中、星間連合やゼラバイア、ラダムとやりあったがザフトとは戦わなかった。やはり、ザラ隊は結成されていないようだ。

 

 カガリの親父さん、獅子の人はあんまり好きじゃないので接触する予定はない。アムロ大尉たちには悪いけど、難しい話はオトナに任せてオレたちは平和の国とやらを存分に満喫した。

 ケーンやカミーユ、浩一、マサトなんかはガールフレンドとデートしていちゃついていて大変羨ましい。あ、カミーユは別に羨ましくないか。あの危うい三角関係は、見てるだけで胃に穴が空きそうだ。

 とある公園で黒髪紅目の男の子と妹らしき女の子を見つけて、密かにほっこりした。妹ちゃんとウチの妹さまが仲良くなってさらにほっこりした。

 

 ちなみに、イザークたちも監視付きだが外出させてやった。社会勉強だな。

 いろいろ甘いのは、ロンド・ベル隊から続くαナンバーズの特徴である。

 

 オーブに到着したことで、やっとこさ確度の高い情報が手に入った。

 月面方面部隊は予想通りというか、《バトル7》および《ソロシップ》と接触したようだ。

 が、その後がまずかった。

 ハザード・パシャがさっそく暗躍し、奴に煽られた連邦政府内の一部高官が移民船の受け入れの拒否を勝手に表明、それを受けて《ソロシップ》が先走りした。

 バカどもめ、現在の地球安全評議会の基本方針は移民船団を受け入れて、共に侵略者に対抗することだってのに。

 ゼーレ、ブルーコスモスの息のかかった議員もいるが、ハマーンさんやリリーナ、カットナルなどこちらに味方してくれる議員の方が遙かに多い。さすがは孔明先生の孔明マジック、根回しの勝利である。

 

 さておき、《ソロシップ》を巡るいざこざでは《ゴーショーグン》チームのみならず、懐かしのJ9チームが活躍したそうだ。外宇宙から《マクロス7》船団に同行していたらしい。

 イージス事件後は外宇宙を中心に活躍していた彼らを、マックスが個人的に雇ったのだとか。それを知ったミリアは「私に何の相談もなく勝手に!」と怒り心頭だった。こえぇー。

 

 《ソロシップ》の最大戦力、《イデオン》。無限力内の最強硬派、アポカリュプシスを強引に押し進めるイデの化身である。

 オレ、イルイ、エクスはすでにあれから発せられる無限力の意志を感じ取っている。イヤな感じだ。

 

 また一方で、元祖ライオンロボ《ダルタニアス》が正式に加入した。

 メインパイロットの楯剣人は、エリオス星という滅亡した星間国家の王家の血を引いている。アール博士に詳しく聞いてみないとわからないが、滅ぼしたのはおそらくギシン星間連合だろう。よくやるよ、まったく。

 というか、αナンバーズに宇宙国家の王族が集まってきてるよな。ノブレスオブリージュって奴?

 

 さらに、《マクロス》級クラスの巨大な都市艦が突如開いたクロスゲートらしきワームホールにより転移、月に落下した。詳しいことは調査待ちとのことだが、これはあれだな、《MZ23》だな。

 「D」とアニメ版「鉄のラインバレル」の設定を鑑みるに、あるいは《MZ23》の時祭イヴから高蓋然性世界についての話が聞けるかも知れない。

 いや、さすがに完璧親父は出てこないと思うが。出てこないよな?

 

 

 追記。

 国際警察機構経由の情報だが、日本地区に《大空魔竜》が現れたらしい。いや、なんかどこぞの怪獣王が現れたみたいに聞こえる。

 その《大空魔竜》、今は宇宙へ任務に出ているはずで、空間転移でもしなければ地球、それも日本地区にいるはずがない。

 もしかしたら、《大空魔竜》違いのそっくりさんかもしれない。心当たりはありすぎるほどにあるが、「ツワブキ・ダイヤ」は地球にいないはずだったんだけどなぁ。

 また無限力の仕業か!と言った感じである。

 

 地球圏に外宇宙、しまいには平行世界まで巻き込んだ今回の戦乱はまさに銀河大戦と呼ぶに相応しいカオスだ。

 まったく、この銀河は地獄だぜ。

 





 ※次回予告


 数々の苦難を乗り越え、αナンバーズはついにアラスカ、「JOSH-A」にたどり着く。
 暗躍する悪意。風雲急を告げるアラスカの大地。
 謎のガンダムに敗北を喫するキラ。
 応龍皇の猛攻、窮地に陥るイング。
 迫るカウントダウン。

 αナンバーズ、絶体絶命の危機に、天空から新たな翼が舞い降りる。

 次回「凶鳥を継ぐもの」。
 運命(さだめ)を斬り裂け、エグゼクス!

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