真・恋姫†無双 ご都合主義で聖杯戦争!?   作:AUOジョンソン

11 / 30
令呪のデザインってどういう風に考えてるんでしょうか。カッコイイですよね。個人的に好きなのはEXTRAの主人公の令呪と桜の令呪です。

それでは、どうぞ。


第九話 令呪と反撃と出会いと

「そんな・・・」

 

ライダーが土煙の中、がくりとうなだれる。

 

「駄目だったのかよ・・・」

 

あの数の銃弾を体に受けて生きているのは、サーヴァントくらいの物だろう。

サーヴァントだったとしても、あの数の魔力の銃弾を受けたら無事では済まないほどだ。

だが、少ししてライダーは異変に気付く。

マスターとのつながりが未だに切れていないこと。そして、土煙の事だった。

 

「・・・ん? まてまて。銃を撃ったくらいで、これほどの土煙が起こるか・・・?」

 

ライダーがそう呟き意識を集中させると、先ほどまでマスターが居たところから、別のサーヴァントの魔力を感じる。

それに反応する前に、赤い光の線のような物が視線の端を横切った。

 

「なっ・・・!?」

 

それは緑の軍勢の一人に突き刺さり、魔力の粒子へと還元させた。

その光の線は緑の軍勢を殲滅せんと数を増していく。

ライダーはまさか、と思いながらも、射線から外れる。

この攻撃方法、一度聞いたことがあるぞ、と一人のサーヴァントを思い出した。

 

「なんだ! 何が起きている、ランサー!」

 

「分かりません・・・!」

 

マスターに答えながら、マスターと共にランサーは後ろに飛んだ。

視界を埋め尽くしていた緑色はすでに片手で数えられるほどになっていた。

その代わりに視界に入ってくるのは、魔剣、聖剣、魔槍・・・様々な宝具が突き刺さり、その様子はまるで剣の墓標のようだった。

 

「なんちゃってブレイドワークスって所かな」

 

土煙が晴れ、マスター達と共に立っていたのは

 

「てめえ、ギルか! やってくれるぜまったく!」

 

嬉しそうな声を上げるライダーに答えたのは・・・

 

「ライダー、お疲れ様。後は俺がやる」

 

金色の鎧の、英雄王だった。

 

・・・

 

「あれ、でもどうやって此処に・・・?」

 

ライダーが質問してくる。まぁ、確かに気になるよな。

でも、サーヴァントが瞬間移動するって言ったら、一つしかないだろ。

 

「令呪だよ、ライダー」

 

ちらりと横目で月を見る。

左腕の甲が光っているので、まず間違いないと思う。・・・というか、良かった。令呪、使えるんだな。

 

「そんで、月達のまわりの地面に目一杯宝具を突き立てて、みんなを地面に伏せさせたら、何とかなった」

 

「なんとかって・・・無茶するなぁ・・・」

 

一番早く立ち直った多喜が頭をさすりながら起きあがる。

 

「思いっきりお前の鎧に頭ぶつけたんだが・・・」

 

「死ぬよりマシだろ」

 

そう言いつつ、ようやく宝具を宝物庫に戻す。

さっきは余裕がなかったため出したら出しっぱなしと言う小学生のようなことをしてしまった。

 

「あれがランサーか」

 

遠目にしか見えないが・・・どう見ても軍人っぽい。

しかも、かなり近代の。

 

「予想はつかないが・・・。取り敢えず追い払うか」

 

もう一度王の財宝(ゲートオブバビロン)を発動させる。

 

「ちぃっ! 流石にまずいな。ランサー!」

 

「はっ!」

 

発射する間もなくランサー達は撤退してしまった。

何とか助けられたな。

 

「月! 詠! 大丈夫か!?」

 

ランサー達が視界から消えたのを確認してから、二人の元へ駆け寄る。

いつのまにかアサシンも来ていて、響と合流しているようだ。

 

「はい、何とか大丈夫です・・・。それにしても、ギルさん。どうやって此処に?」

 

「そ、そうよ。あんた、南蛮まで行ってたんじゃないの?」

 

「月が呼んだんだよ。前に説明しただろ? 令呪はサーヴァントに命令を下せるって」

 

俺の言葉に、詠は不満そうに返す。

 

「だからなんだって言うのよ」

 

「月が俺に命令したんだ。『来てくれ』って。だから、俺は南蛮から此処まで飛んできた」

 

「令呪って、そんな命令までかなえるわけ・・・?」

 

「かなえるさ。だから俺が此処にいる」

 

詠の頭をくしゃっと撫でてから、月の左手の甲を確認する。

 

「・・・やっぱり。一画減ってる」

 

「えっ? ・・・あ、本当だ・・・」

 

自分の手の甲を確認して、驚く月。

 

「良かった、安心したよ。今までの訓練は無駄にならなかったって事だからな」

 

「はいっ!」

 

今度は笑顔になった月の頭を撫でてやっていると、ライダーがこちらに向かってきた。

 

「いやー、もう駄目かと思ったぜ。あんがとな」

 

「どういたしまして。・・・それにしても、ランサーがあんな能力とはな」

 

先ほどの緑の軍勢(ランサーたち)を思い出して、ため息をつく。

 

「サーヴァントが増える事はないって思いこんでいたからな。二人なら何とかなると思っていたけど・・・」

 

「後悔しても何も始まらないぞ、ギル。・・・それにしても、大丈夫だったのか?」

 

「何がだ?」

 

「こちらへ飛んできたところを目撃されたのでは?」

 

「ああ・・・それはだな。セイバーに伝言を頼んで、森の中に突っ込んだ。それで瞬間移動して来たから、多分大丈夫」

 

「・・・無茶するなぁ、お前」

 

「月達の為なら、無茶もするさ」

 

・・・

 

「ランサーの事で、何か分かったことはあるか?」

 

取り敢えずみんなで集まって話し合いをすることに。

議題はもちろんランサーについて。

 

「軍人っぽいな。銃を持っていたし、服もそれっぽかった」

 

ライダーの言葉に、俺も頷く。

 

「確かにな。時代は結構近代の方の英霊だと思う」

 

「じゃあ、俺達は役にたたねぇな」

 

「だろうな。マスター達からすれば、俺もランサーも未来の英霊だろうし」

 

・・・そうなのか? そういえば、ライダーの真名、教えてもらってないな・・・。

ま、今度聞いてみるとしよう。今はランサーのことを考えないと。

 

「兎に角、だ。バーサーカーはともかく、ランサーはギルじゃないと太刀打ちできないみたいだな」

 

ライダーが話しを元に戻した。マスター、サーヴァント全員がうんうんと頷く。・・・え、俺があの数相手にするのか? 

 

「しかし、こういろんな種類の奴らが来ると、サーヴァントはマスターと一日中一緒じゃないと駄目みたいだな」

 

多喜がやれやれというジェスチャーをしながらそう言った。

 

「そうだな。バーサーカーは二人一組じゃないと厳しいし、ランサーはギルじゃないと対抗が難しい。それに、キャスターも居るわけだし・・・」

 

「そう言えば、あれからキャスターは攻めてきてないのか?」

 

俺は前の襲撃を思い出しながら、聞いてみる。

襲撃と言っても、コントのようになってしまったが。

 

「来ていないな」

 

「・・・そうか。この騒ぎに気付いていないはずがないんだが」

 

「兎に角、これからはマスターとあまり離れないようにしないとな。帰ってきたら、セイバーにも言っておかないとな」

 

「それで? あの男達はこの近くにいるって事で良いのよね?」

 

詠が確認するように聞いてくる。

 

「・・・そうかもな。まぁ、昼間人がいる間は攻めてこないとは思うけど」

 

予測でしかないけど。でも向こうが普通の魔術師じゃなかったら構わずに攻めてきそうなんだよなぁ。

しかしまぁ、これで全サーヴァントを見た事になるな。それで、こっちの仲間になって居ない三騎のサーヴァントの内二人は真名が分かってないのか。

真名さえ分かれば対処のしようもあるんだけど。と言うか、キャスターはともかくランサーは近代人の俺かライダーが接近してみれば分かりそうだ。

 

「取り敢えず、桃香たちが帰ってきたら話しをしてみるよ」

 

「ああ。頼んだ。・・・取り敢えず、この庭の穴を何とかしないとな」

 

「・・・そうしよっか」

 

王の財宝(ゲートオブバビロン)で宝具を発射した衝撃で、庭中穴だらけになっていたのだ。

・・・穴埋めの宝具とかってあったっけ? 

 

・・・

 

取り敢えず、桃香たちが帰ってくるまでに穴を埋めることが出来たのは僥倖だった。

特に愛紗に見つかれば長時間説教コースは確定で、途中で居なくなったことも考慮すると・・・考えたくもない。

 

「ふぅ」

 

手で額を流れる汗を拭き取る。

中々良い労働をしたと思っているのだが、どうだろうか。

 

「あ、あの、ギルさん!」

 

穴埋めが終わった後、一息入れていると、月に呼ばれた。

 

「ん? どうした、月」

 

「え、えと、ごめんなさい!」

 

少しだけもじもじとした後、そう言って月は思い切り頭を下げた。

 

「・・・へ?」

 

「勝手に、令呪・・・使っちゃいました」

 

左手の甲を見て、落ち込んだ顔をする月。

・・・え? それを気にするの? 

 

「いやいや、良いんだよ、月。危ないときには使うべきだ」

 

三画しかない令呪を使ってしまったことを悔やんでいるのだろうか。

 

「でも・・・」

 

まだなにか言いたそうな月を手で制する

 

「良いんだ。令呪は月のために使うべきだと思ってたし、気に病むことはないって」

 

そう言って、制していた手でそのまま頭を撫でる。

最近では月も詠も頭を撫でても抵抗らしきことをしなくなってきた。

月は最初から抵抗なんて無かったも同然なのだが、詠が素直になったのは驚きだった。

 

・・・

 

桃香たちが帰ってくる。

すぐに桃香と愛紗がやってきて、今まで何処にいたのかと聞いてくる。

 

「それについて説明するから、玉座の間へ行こう」

 

そう言って、桃香と愛紗の背を押して進む。

玉座の間に着くと、桃香、愛紗、朱里などのサーヴァントのことを知っている将達と、セイバー、ライダーなどのサーヴァントが集まる。

そこで、俺は令呪のこと、ランサーのこと等を話した。

 

「令呪って、そんなことも出来るの!?」

 

「出来る。確か、単純な命令程強制力があるらしいから。『来てくれ』なんて命令なら、空間すら跳躍するよ」

 

「反則ですね・・・」

 

「だから三画しかないのかもね」

 

それから、俺はランサー対策のために月と詠と行動を共にしたいことも話してみた。

 

「うん。その方が良いと思う。お兄さんは月ちゃん達を守ってあげて?」

 

と、桃香が笑顔と共にそう言ってくれた。

 

「ありがとう」

 

「でも、ギルさんがこれからの戦いに参加してくださらないのは痛手ですね・・・」

 

「あの・・・その事なんですけど・・・」

 

「? 月ちゃん、どうしたの?」

 

おずおずと手を挙げた月に、桃香が疑問の声を上げた。

月はええと、と一度言葉を挟んでから

 

「私も、ギルさんと一緒に戦場にいきます」

 

目に強い決意を宿して、そう言った。

一瞬、桃香達が息をのんだ。

 

「で、でも! 戦場は危険なんだよ? 怪我しちゃうかもしれないし・・・」

 

「・・・これからの戦い、ギルさんの力は絶対に必要になります。その時、私たちの都合でギルさんが戦場に出れないなんてことにはしたくないんです」

 

桃香と月がお互いに目を合わせて、数秒。

 

「うん。分かった。じゃあ、月ちゃんには傷ついた兵士さん達の手当のお手伝いをしてもらえるかな?」

 

「は、はいっ!」

 

「桃香さまっ!」

 

桃香の決定に、愛紗が声を荒げる。桃香は愛紗を見て微笑みながら

 

「大丈夫だよ。お兄さんと、月ちゃんは一緒にいた方が良いと思うし。それに・・・ギルさんが居るから、月ちゃんは大丈夫だよ!」

 

「で、ですが・・・」

 

「愛紗、ちょっとはギルのことも信じなさいよ」

 

・・・意外なところから援護射撃がやってきた。

詠は腰に手を当てた姿のまま、一歩前に出る。

 

「月だって、覚悟してるのよ。それに、ギルのことを信じてもいる。・・・癪だけど、ギルはそこらの奴より強いしね」

 

最後にちょっとだけツン子だったのはご愛敬だろう。

愛紗は詠の言葉に納得したのか、俺を見てから

 

「そうでしたね。ギル殿はかなり腕が立つ。今回のようなことが起こったとき、出来るだけ近い方が良いでしょうし」

 

・・・こうして、月と詠の以外な一面を見ることが出来た会議は終了した。

 

・・・

 

会議が終わり、解散した後。

俺は書類仕事が残っているとのことで、政務室へと向かっていた。

 

「・・・結構あけてたからなぁ。山とまではいかないまでも、かなり積まれてそうだ」

 

政務室の前に到着して、少し逡巡した後、諦めて扉を開いた。

 

「あ、お兄さんっ」

 

桃香がすでに作業を開始していたらしい。筆を止めて、こちらに手を振ってくる。

 

「おう。捗ってるか?」

 

俺がそう言うと、桃香は目をそらしながら頬を掻いて

 

「・・・ぼ、ぼちぼちかなぁ」

 

と、返した。その言葉を聞いて、俺は桃香の机を見てみる。

・・・愛紗の手伝いで兵士達の指揮をしてきた俺より早く始めてるのに、少ししか出来てなかった。

 

「・・・よし、やるぞ、桃香!」

 

「うぅ・・・お兄さん、手伝ってくれるよね?」

 

「当たり前だろう。この調子だと、今日中に終わるか怪しいぞ」

 

桃香の対面に座り、筆をとる。この動作も、慣れたものだ。

 

「ええっと、まずは・・・」

 

さて、月のお茶というご褒美に向けて、頑張りますか。

 

・・・

 

「お、終わったぁ~・・・」

 

ぐでん、と机に突っ伏す桃香。

・・・うわ、凶器がぷよんぷよんしてる・・・。ごほんごほん。

 

「よし、まだ日が昇ってるし、俺は兵士の所に行ってくる」

 

「いってらっしゃぁい・・・」

 

・・・しばらく復活は無理そうだな。

 

・・・

 

「さて。今日はセイバー居るかな」

 

ライダーでも良いんだけど。ここ最近手合わせしてないから、鈍ってないか心配である。

武器を取り出しながらキョロキョロと探していると、演習場から星が近づいてきた。

 

「おや、ギル殿か。どうしたのですか?」

 

「いや、セイバーかライダー探してるんだけど」

 

「正刃殿と雷蛇殿ですか? 今日は来ておりませんなぁ」

 

「そっか」

 

じゃあ、適当に練習をしておくかなぁときびすを返そうとしたが

 

「二人に何かご用で? 言づてぐらいなら承りますが」

 

「いや、違うんだ」

 

二人に訓練に付き合って貰おうかと、と言おうとして止まった。

そんなこと言ったら、星に絡まれてなんやかんやの内に戦うことになりかねない。

此処は、何とか誤魔化しておくのが得策か。

 

「ちょっと聖杯戦争のことで相談があってね」

 

こう言っておけば、星はあまり首を突っ込んでこないだろう。

 

「そうなのですか」

 

ああ、そうなんだ。といって今度こそきびすを返そうとしたとき

 

「あっ、ギル様ー! 今日は正刃との手合わせはないのですかー!?」

 

兵士の一人が俺を見て、そう叫んだ。

・・・しまったと思って星を見たときには、すでに星の瞳は輝いていた。

 

「正刃殿と手合わせをしに来たのですね?」

 

「あ、いや・・・」

 

「そうかそうか。成る程? その手に持つ物に早く気付いていれば良かった。そう言うことですか」

 

何を納得しているのか、星はうんうんと頷きながら、兵士の方へ振り返る。

 

「今日は私とギル殿の手合わせだ! 皆、場所を空けてくれ!」

 

一瞬で円形に別れる兵士達。・・・手慣れてやがる。

 

「さぁ、ギル殿! 恋に追いつくとまで言われたその武、見せていただきますぞ!」

 

・・・なんやかんやで、星と手合わせすることになった。

ああもう、多分スキルに直感あるんじゃないだろうか。悪い予感限定で。

 

・・・

 

諦めて星の前に立った。

蛇狩りの鎌(ハルペー)にはお手製のカバーを掛けてあり、間違っても刃で切れないようになっている。

 

「行きますっ! はああああああああ!」

 

気合いの入った声と共に、星の槍・・・龍牙が迫る。

突きの連打か!

俺に当たりそうな物は蛇狩りの鎌(ハルペー)で弾き、それ以外の物は鎧で防ぐ。

そのまま後ろにバックステップで下がり、すぐに方向転換。右に飛ぶ。

 

「ふっ!」

 

さっきまで俺の居たところを龍牙が通り去っていく。

・・・あ、危ない・・・。

と言うか、俺がサーヴァントだと言うことが解ってから、訓練中のみんなから「手加減」の三文字が消え去っている気がする。

 

「はっ!」

 

振り下ろした直後の星の足下を狙って蛇狩りの鎌(ハルペー)を薙ぐ。

 

「甘いっ!」

 

それを飛んで避けた星は、俺の頭上を通って着地。そのまま、俺の背中を狙ってくる。

アクロバティック過ぎないか!? 

 

「がら空きですっ!」

 

慌ててもう一度右に飛ぶ。横から、空気を切り裂く音が聞こえる。

・・・いつ聞いても慣れない。

そのままサーヴァントの筋力に物を言わせて無理矢理跳ね起きる。

 

「らぁっ!」

 

さっきよりも声に気合いを乗せて、ストレートパンチ。

 

「早っ・・・く、うぅっ!?」

 

龍牙を盾にしてパンチを防ぐが、後ろに吹き飛ばされる。筋力B+なめんな。

 

「は、ははっ。凄いですな、ギル殿。まさか拳だけで飛ばされるとは思いませんでした」

 

「・・・そっちこそ。かなりの速度で来てるから、避けるので精一杯なんだけど?」

 

「ふふ、それは申し訳ない。ギル殿なら、避けきれると信じていたので」

 

「嫌な信頼だなぁ。・・・ま、期待されてる限りは避けきるさ」

 

構えを低くして、足の力を爆発させるように駆け出す。

まわりの風景が線になり、星が龍牙を構えたのが分かった。

 

「しっ!」

 

蛇狩りの鎌(ハルペー)を突き出す。

 

「ふっ!」

 

星も龍牙で突きを繰り出してくる。

蛇狩りの鎌(ハルペー)と龍牙がお互いを弾き合い、軌道が大きくずれる。

腕を急いで引き戻す。星と目が合ったが、一瞬の後に龍牙に邪魔されて見えなくなる。

 

「ふ、ぅっ!」

 

蛇狩りの鎌(ハルペー)を支えにして、右足を突き出す。

 

「よっ!」

 

それをひらりと避けた星は、龍牙を高速で突き出してくる。

俺は武器を持っていない腕の鎧で防ごうとするが、突き出された槍は方向を転換し、俺の腕を上に弾いた。

 

「あ、しまっ・・・」

 

「セイッ!」

 

これまた高速で引き戻した星は、すぐに龍牙を放ってくる。

右手は埋まった蛇狩りの鎌(ハルペー)を持っているためにすぐには動かせず、左手はさっき弾かれたばかりだ。

俺の喉を狙った槍はそのまま吸い込まれるように進み

 

「私の、勝ちですな」

 

寸前でぴたりと止まっていた。

 

「ああ、俺の負けだ。・・・いやぁ、早いなぁ、星の槍は」

 

「ふふ。蝶のように舞い、蜂のように刺す、ですよ」

 

その言葉がこれほど似合うのは星ぐらいの物だろう。見事だ。

 

「ふぅ。セイバーとは違った経験が出来た。ありがとう、星」

 

「いえいえ、礼には及びませんよ。・・・ところで、愛紗がこちらを睨んでいるような気がするのだが、気のせいか?」

 

「え? ・・・あ」

 

しまった。今日は愛紗と演習をするんだった。・・・すっかり忘れてたな。

 

「・・・ごめん、星。今日はこれくらいで」

 

「ふふ。愛紗は嫉妬深いからなぁ」

 

くっくと面白そうに笑う星を尻目に、愛紗の所へ走る。

なんて謝ろう・・・。

愛紗の元へ着いて、ごめんなさいと言った瞬間説教が始まった。

人として大事なものを、いくつかなくしたような気がした。

 

・・・

 

南蛮から帰ってきた後は、そちらとの貿易なども考えなくてはいけない。

朱里や雛里などの文官達が頑張って案件を処理して居る間、もちろん俺達にも仕事はある。

と言うか、普通の人間を遙かに越えるサーヴァントには、普通より仕事があると言っても過言ではない。

 

「・・・ふぃー」

 

その中でも、俺は文官武官といろんな所を回っている。

ライダーは多喜と一緒にさっさと訓練場に逃げてしまったし、セイバー組は元々兵士扱いである。そちらの仕事がたくさんある。

アサシンはメイドの仕事をしている月、詠、響の三人を護衛している。

 

「ふぇー・・・」

 

俺の対面で、桃香がいつも通り嫌そうな顔をして、机に突っ伏す。

これでも前よりは処理速度が上がっているのだ。王として成長していると言うことだろうか。

 

「桃香さま! まだまだ残っているのですよ!」

 

「ふぁいっ! わ、分かってるよ、愛紗ちゃん」

 

・・・いや、愛紗が怖いだけかな。

愛紗はため息をついた後、俺へと声をかけてくる。

 

「・・・そう言えば、ギル殿」

 

「ん?」

 

「先ほど、恋達が呼んでいましたよ。何でも、今日は特別訓練だとか」

 

「ああ、そんなこと言ってたな。でも、昼を食べてからだったはずだけど」

 

確か昨日恋にそう言われていたのを思い出した。・・・間違いないよな? 

 

「そうなのですか?」

 

「そのはずだけど。ま、何かあったのかもしれないしな。ちょっと行ってくる」

 

「了解しました。桃香さまのことは、お任せ下さい」

 

「ふぇぇっ!?」

 

・・・なんだ、その、すまんな、桃香。

 

・・・

 

呼び出されたと言われて部屋を出てきたが、何処で呼んでいたかは聞くのを忘れてしまった。

・・・まぁ、訓練場へ行けばいいか。

そう思い、訓練場へと向かう。

そこには、ぼーっと立っている恋と不満そうな顔をしているねねが居た。

 

「恋。どうしたんだ、いきなり。訓練って昼飯の後じゃなかったか?」

 

俺の声に、恋はぼーっとした顔のまま

 

「ん。だから、お昼ご飯、一緒に食べる」

 

「ああ、そう言うことか」

 

ちょうど良い時間だしな。

 

「分かった。じゃあ行こうか。恋は何処か行きたいところあるのか?」

 

「いっぱい食べられるところ」

 

「・・・そ、そうか。ま、適当に歩こう」

 

「ん」

 

そう言って歩き出すと、恋は俺の鎧の腰布の部分をつまんでくる。

この部分、なんて言うんだろう。マントで良いのかな。

 

「ねねは肩車してやろうか?」

 

「いらないのですっ!」

 

「まぁまぁ、そう言わずに。高くて楽しいぞ?」

 

そう言って、俺はねねを肩に乗せる。

 

「何を勝手に・・・おおっ、ホントに高いのですっ!」

 

手のひらを返したようにきゃっきゃと楽しんでいるねね。

 

「さて、じゃあまずは拉麺でも食べるか」

 

「食べる」

 

「それじゃあ、出発しんこーっ、なのですー!」

 

ねねが前を指さしてそう言った。なんだかんだいってまだまだ子供っぽいんだなと苦笑しながら、いつも鈴々達と行っている拉麺店に向かう。

 

・・・

 

ねねは小さいどんぶり。俺は並盛り。恋は・・・

 

「・・・?」

 

「いや、なんでもない」

 

俺の視線に首を傾げた恋にそう言って誤魔化す。

恋は・・・超特盛り。

見てるだけで腹一杯になりそうな量だった。

 

「よく食べれるな・・・」

 

ぼそっと呟きつつ、箸を動かす。

不思議な物で、三人とも量は違うのに食べきる時間はほぼ同じだった。

 

「次は、麻婆豆腐が食べたい」

 

・・・まだ入るのか。

 

・・・

 

そして、午後の特別訓練。

少し横腹が痛いが、運動に支障を来す程度ではない・・・といいなぁ。

と言うか、俺の数倍食べている恋が軽々と動いているのが少し納得いかない。これぞ呂布の神秘。

 

「ギル、今日ははるぺぇ使っちゃ駄目」

 

「これ、駄目なのか?」

 

蛇狩りの鎌(ハルペー)を持った俺の言葉にこくりと頷く恋。

 

「今日は、鎌じゃなくて槍を使う」

 

「槍か」

 

「ほーもつこに、ある?」

 

「確か・・・」

 

ゲイボルグの原典とか無かったっけか。

にょきっと赤い槍が宝物庫から出てくる。これこれ。

 

「あったぞ」

 

「じゃあ、それを使う」

 

恋は方天画戟を肩の上にのせ、構える。

俺はどうやればいいのか分からないので、取り敢えずクーフーリンのように構えてみる。

 

「槍の使い方とかは教えてくれないのか?」

 

「体で、覚える」

 

そう言った瞬間にぶれる恋の輪郭。

訓練のおかげで何とか目で見て追いつけるようになった高速の動きに、槍を合わせる。

 

「っ!」

 

「ぐっ」

 

右から横薙ぎの攻撃を受けた瞬間、重い一撃が槍を通して伝わってくる。

すぐに次の攻撃がやってくるので、慌てて赤い槍を攻撃にあわせる。

恋は瞬時に方天画戟を戻し、そのまま脳天に向かって振り下ろしてくる。

まともに受けたらまずそうなので、槍を斜めにして受け流す。

 

「いまだっ!」

 

そのまま槍を恋の足下に薙ぐ。

 

「・・・」

 

それを一瞥した恋は、槍を足で踏んで止める。

槍を止めた一瞬で、そのまま恋は後ろに跳び、距離を取る。

 

「ん。いいかんじ」

 

「そうか?」

 

「反撃できてた」

 

そんな判定基準なのか。いやでも、恋の訓練受けてたらかなり強くなれたからな。信じて良いだろう。うん。

 

「はるぺぇも訓練は休んじゃ駄目」

 

「ああ。大丈夫だよ」

 

「それならいい」

 

そう言った恋はもう一度方天画戟を構える。

 

「休憩おしまい。次いく」

 

「了解。今日は槍しかやらないのか?」

 

こくりと恋は頷く。

 

「でも、今日は少ししか訓練しない」

 

「なんでだ?」

 

「ねむい」

 

「・・・ああ、はい」

 

なんだかちょっと納得いかない。

 

・・・

 

あの後、恋と何度か手合わせした後、恋が目を擦りながら木陰に移動して、今日の訓練は終了した。

さて、時間が空いてしまったな。

どうしようかとキョロキョロしていると、恋が木陰から手招きしている。

取り敢えず向かってみる。

 

「なんだ?」

 

「一緒に昼寝する」

 

そう言って、ぽんぽんと自分の隣の地面を叩く恋。

 

「じゃあ、お邪魔するよ」

 

「うん」

 

鎧を脱いで、ライダースーツへと変える。

こうやって宝物庫の中の物を着脱するのも慣れたものだ。

そのまま地面に寝転がる。もぞもぞと恋が近づいてきて、ぴたりとくっついてきた。

うぅむ、温かい。

とても心地よい温かさに、すぐに俺は眠ってしまった。

 

・・・

 

「・・・ん」

 

目覚めると、すでに太陽はかなり傾いていた。結構寝てしまっていたようだ。

そして、体に僅かな重みがあることに気付く。

首だけを起こして見てみると

 

「・・・美以達か」

 

南蛮王美以と、その部下? のミケ、トラ、シャムである。

左腕の恋と同じように、右腕や胴体、首にまでひっついている。

 

「うみゅぅ・・・」

 

そう言いながら美以が俺に頬ずりをする。うおお、まずいぞ、とてもまずい。

何がまずいってすべすべ過ぎて心地よいことだ。外見に違わぬ癒し・・・いや、萌え要員である。

・・・結局、それからしばらくは全員を引きはがすことなど出来ずにその感触を楽しんでいると、不意に視界の端に影が映る。

そちらに目を向けてみると・・・鬼というか、修羅というか・・・とにかくそう言う類の雰囲気を纏った、少女が居た。

 

「・・・ギルさん?」

 

「げ、月に詠・・・響まで・・・」

 

メイド三人娘にしこたま怒られ、弁解にしばらくかかった。

月の冷たい目とか初めて見たぞ・・・! 

 

・・・

 

ある日の会議にて。

北にはなっていた細作から急報が届いたと朱里から聞かされた。

北方の巨人、曹操が大規模な軍事行動を起こすべく、各地方に総動員例を発したらしい。

こちらに攻めてくるかもしれないと考え、こちらも兵士達を蜀全土から呼び寄せる。

緊張の走る中、曹操の狙いが分かった。

どうやら、孫策のいる呉へと狙いを定めたらしい。

だが、あの曹操の事だから、もしかして呉を狙う振りをして蜀に来るかもしれないと朱里に言われ、こちらも出来る用意はしておくことになった。

後悔先に立たず。準備は大切である。

もちろん、俺も準備を手伝う。月や詠を守るためであるし、月達を匿ってくれている桃香達への礼でもある。

 

・・・

 

「・・・しかし、この仕事量はどうにかならないのか」

 

サーヴァントである俺は、かなりの量の事務仕事を押しつけられるようになってきた。

うおお、これほどまでに頭と要領の良いギルガメッシュの体を恨んだことはない。いや、ギルガメッシュが事務仕事してたのかは知らないけど。

・・・絶対してないな。

 

「・・・ふぅ」

 

しかし、淡々とやっていれば一息つける量にはなってくる。

これで、戦争が始まり、一段落すればまた地獄のような事務仕事が待って居るんだろうけどな。

 

「考えないようにしよう」

 

誰もいない仕事部屋で一人ため息をつく。

大体此処にいる桃香とその監視の愛紗は軍の演習を見に行っている。

さて、後は午後に回せるし、お昼を食べに行こう。

そう思って扉を開けると

 

「わきゃっ!」

 

「おっ?」

 

とん、と軽い衝撃が足に走る。

そちらを見てみると、ええと、この子は・・・

 

「ああ、璃々か。ごめんな」

 

紫苑の娘である、璃々がそこに居た。

ぶつけたであろう鼻を抑え、涙目になっている。

 

「んーん、璃々が走ってたのが駄目だったのー・・・」

 

おお、良い子だ。

 

「あれ、そう言えばお母さんは?」

 

「お母さん? えんしゅーに行ってるよ?」

 

あれ、そう言えばと頭の中で演習に出る将達を思い出す。

・・・ああ、確かに。桔梗も演習に行ってるはずだから、一人なのか。

 

「じゃあ璃々はいま一人か?」

 

「うん! 璃々ね、偉いから一人でお留守番出来るの!」

 

「そかそか。でも、一人だといまみたいに危ないこともあるから、俺と一緒に遊ばないか? いまからお昼食べに行こうと思ってたし」

 

現代で言っていれば間違いなく通報一直線の台詞を吐きながら、璃々に目線を合わせる。

 

「遊んでくれるのっ!?」

 

「ああ。いまから暇だしな」

 

「やったー!」

 

喜ぶ璃々を肩車して、街へと繰り出す。

ねねに肩車をして好評だったからやってみたのだが、璃々もきゃっきゃとはしゃいでいた。

多分ねねと璃々は仲良くなると思う。

・・・さて、取り敢えず街へ出たは良いが・・・何を食べようか。

 

「璃々、何か食べたい物はあるか?」

 

「んー? えっとねー、おまんじゅー!」

 

「そうかそうか。おまんじゅうね」

 

俺はそう言いながらきょろきょろと店を探す。

確か前に鈴々に連れて行かれた屋台にまんじゅうがあったはず。

・・・お、あそこだ。

たまに璃々をゆさゆさと揺らしながら、屋台へとたどり着く。

 

「お、いらっしゃい、にいちゃん!」

 

「ああ、おっちゃん。まんじゅう二つくれないか?」

 

鈴々とか恋とか美以とかのわんぱく少女達を連れて来るうちにすっかり顔見知りになったおっちゃんにいつものように注文する。

 

「今日は少ないんだな」

 

へへっ、と笑いをつけながらそう言うおっちゃん。・・・そう言えば、いつも来るときは大量注文だったな。

俺はその言葉に苦笑を返し、璃々を下ろす。

おっちゃんからまんじゅうを受け取り、璃々に一つ渡す。

 

「わーい! ありがとー! お兄ちゃんっ!」

 

「どういたしまして。・・・さて、何処かで落ち着いて食べないと」

 

「あそこっ。座れるよ?」

 

俺の手を引きながら木陰を指さす璃々。

 

「ん、じゃあ、そこで食べようか」

 

璃々に引っ張られながら、木陰を目指した。

 

・・・

 

「はむはむ・・・」

 

胡座をしている俺の上に座り、幸せそうにまんじゅうを頬張っている璃々。

戦争が間近に迫っているとは思えないほどほのぼのした光景である。

そうしてしばらくぼうっとしていると、人混みの中からわたわたと小柄な人影が飛び出してきた。

 

「わ、わ・・・うわっ!」

 

よたよたと数歩歩いたかと思うと思いっきり転んで抱えていた荷物をどばっと落としてしまった。

 

「あーあー・・・。璃々、拾うのを手伝ってあげようか」

 

こちらに向かって荷物をぶちまけたので、放っておくのも寝覚めが悪い。

 

「うんっ!」

 

そう言ってとてとて歩いていき、荷物を集め始める璃々。

俺も荷物を集めながら、転んだ人物を起こす。

 

「大丈夫か?」

 

「むぅ、今日はいけると思ったんだけど・・・」

 

自然に無視された!? 

 

「おい、怪我とかはしてないか?」

 

もう一度聞いてみる。すると、今度は聞こえていたみたいで、こちらの質問に答えてくれた。

 

「怪我? ・・・ん、大丈夫だ。特に痛いところもない」

 

「そっか。良かった良かった」

 

転んだ所為で体中砂埃だらけだったので、手で服の汚れを払いながら立ち上がるのを手伝う。

ありがとう、と言いながら俺の手を取り、よいしょ、と立ち上がる。

その後、璃々と一緒に荷物を集め終わり、手渡す。

 

「すまないね、こんな事までして貰っちゃって」

 

「良いって良いって。目の前で転ばれて無視するわけにも行かないだろ」

 

「おねーさん、気をつけないと駄目だよー?」

 

璃々が腰に手を当ててぷんぷんと怒ったように注意する。

 

「ふふ、ごめんね。これからは気をつけるよ」

 

そう言って璃々を撫でた後、こちらを向いたかと思うと、彼女は一瞬固まった。

 

「? どうかしたか?」

 

「え、あ、いやいや、うん」

 

彼女は一通り俺のことを上から下まで見た後、何か納得したように頷いていた。

 

「すまないね、助かったよ」

 

そう言うと、彼女は人混みを避けるように走り去ってしまった。

 

「・・・?」

 

「じゃーねー! おねーさーん!」

 

ぶんぶんと手を振る璃々の隣で、俺は首を傾げていた。

うーん、何かあったんだろうか? 

 

・・・

 

「きゃ、キャスターキャスター!」

 

「おおう!? な、なんだいどうしたんだ!?」

 

いきなり扉を開けられ、名前を呼ばれたキャスターが狼狽する。

 

「あ、アーチャーと会っちゃった!」

 

「・・・駄洒落かい?」

 

「ん? ・・・ああ、いや、そんなくだらないことに気付かないでよ!」

 

「冗談だよ。・・・と言うか、サーヴァントと接触したのか。どうだった?」

 

キャスターの言葉に、マスターはんー、と顎に手を置いて考え出す。

 

「こっちに気付いた様子はなかったかな。ボクと目が合っても表情を変えなかったし」

 

「ふぅん。やはり、お互い気付きにくい・・・いや、気付けないのか?」

 

「さぁねぇ」

 

「ま、いいや。でも街を歩いて出会ってしまうって事はマスターにはまたしばらく自宅謹慎かな」

 

「いやだ」

 

「えぇ~・・・。即答か・・・」

 

はぁ、とため息をついたキャスターは、言っても無駄か、と呟き

 

「ま、気をつけてくれよ。アーチャーがどんな英霊か分からない以上、マスターと気付かれたら瞬殺されるかもしれないから」

 

「・・・大丈夫だと思うけどなぁ・・・」

 

「なんかいったかい?」

 

「ん、何でもないよ」

 

そう言い残して、マスターはキャスターの部屋を出て行った。

部屋には、フラスコを持ったまま頭に疑問符を浮かべるキャスターだけが残った。

 

・・・




「恋だけに飽き足らず、美以たちまで・・・」「ちょっと待て、サーヴァント殴ったらお前の方がダメージ受けるぞ!?」「関係ないわっ。ギルの・・・ばかぁー!」「これはっ、のぞみん、パン・・・チ・・・」
もちろんNGシーンです。

誤字脱字のご報告、ご感想お待ちしております。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。