七月二十四日、今日から夏休み……てか普通に終業式。一時間目は全員アリーナでの式だ
大和
「結局、姉さんからのお願いも聞いたんだろう?」
彰人
「まあな、それよりも先にやる事もあるしな。そろそろ式も終わるな、てかキャップはどこにいったんだよ?」
大和
「まあいつものことだからな……こう勝手にいないというか、なんと言うか……」
俺らは互いにため息をつきながらも式を終えた。俺らはそのまま式を終えて帰ろうとしたら、百代が向かい側から来た。
大和
「あれ?姉さんだ」
岳人
「う~ん、なんだあの形相は……彰人、お前なにかしたのか?」
岳人の言うとおりいつもの百代とは違いなぜか勢いがあり廊下に居た生徒達が全員道をあけるぐらいだ、はて?俺はなにかしたか?
百代
「あ~き~と~」
目があってそのまま叫んで抱きつく、うん普通だ
モロ
「普通じゃないと思うよそれ」
彰人
「だけどどうかしのか?百代、学校でこんなに露骨に甘えてくるなんて。まあ理由には心当たりはあるが、だからってこういう風にすぐに抱きつかない」
百代
「嫌」
彰人
「だから「嫌」聞け「嫌」…………はぁ~チャイムが鳴るまでだぞ」
何処かの軽音部のベース弾き並みの拒絶反応だったので俺は人も目をきにせずこのまま居ることにした。
クリス
「そう思えば今日の朝はより一層甘えていたなモモ先輩。どうかしたのだろうか」
一子
「家では爺ちゃんから何かを言われてからこうなのよね……なんか彰人は分かっているみたいだけど私はさっぱりだわ」
後ろでなぜか和まれていたがチャイムが鳴った
彰人
「はい、百代終了。それじゃああとでな」
百代
「うん」
それから教室に入るも先生が来ることはなく、まあ終業式の後って必ず少し先生たち遅れるからな……そんなときに急なる来訪が訪れた
千花
「や!せみ!!」
教室内に蝉が入ってきて女子連中が騒ぎ出す、と言うことで
彰人・大和
「「一子(ワン子)、頼む」」
一子
「受けたまわった、とう……君は飛べる!」
そして蝉をそのまま掴みこんどは窓になげてやった。
蝉
「彼女に感謝を……もう少し頑張ってみるかなあ」
一子
「って蝉も言っているわ」
岳人
「いや、今その蝉捕食されたからな」
一子
「うわぁ~切ないわ~」
蝉の来訪が終わったあとに急に窓の向こう、そう外から声が聞こえた、しかも先生達の声だ
麻呂
「こわぁ~何をしているのおじゃる!」
ルー
「危険だヨ~」
キャップ
「おっし着地」
彰人
「おい、蝉じゃなくて今度はキャップが窓から入ってきたぞ。どうせ木でも登ってきたのか……で、どうした今日も朝から居なかったようだが」
キャップ
「実はよオヤジのヨルダンでの遺跡探索で頭数が足りなくてよ。俺、呼ばれたぁぁぁぁぁ!それでこれ休学届け、それじゃあなお前ら」
大和
「待て待て、今日は金曜集会だぞ、どうするきだ?」
キャップ
「もちろん代役で大和……もしくは彰人で頼んだ、じゃあなぁ~」
そして来た道を帰るようにそのまま窓から降りていった。そしてそれを同時に聴こえてくるのは先生の怒声だけだった。更に廊下から走ってきたのは担任の梅先生
梅子
「おい、風間……かぁ~すまん、誰か説明を頼む。頭が痛くなりそうだ」
頭に手を当てながらため息をついている先生に俺が説明に入った。
彰人
「たぶん、その休学届けの中に全部書いてあると思いますがたぶん……旅に出ました、しかも壮大な」
梅子
「そうか……と、なると二学期も出るかどうかわからないのか、はぁ~また面倒な」
彰人
「苦労かけます、内のリーダーのせいで」
大和
「小島先生、ファイトです……すいません」
梅子
「まともな奴らがもう少し居ればな……それじゃあHRを始めるぞ」
そして一学期最後のHRが始まった。
時間も経ち放課となった。俺はいつのも通りに百代を待っていた、そんな時弓道部の主将にあった。
弓
「あら、貴方は百代の……彼氏であって候?」
彰人
「あ、お久しぶりですね弓道部の主将さん。どうしたんですか」
弓
「弓で候。百代からはよく話も聞くのでな、こちらも御剣と言わせれ貰うが」
彰人
「ええ、構いませんよ弓先輩。それで百代は?」
弓
「ふむ、先ほど学園長に呼ばれていたで候。少しよろしいでしょうか?」
さっきまでの言葉とは違い偶に出てくる女の子口調で話す人、俺はそのまま三年の教室に入った。
彰人
「それでどうかしたんですか?いつもの口調ではなく、普通の女の子の口調に。まあたぶん見かけでも強くしておかないとって感じですか、確か武家ですよね?」
弓
「あはは、さすがは百代の彼氏って感じですね。まあそんな感じです、それであのときの腕を見させてもらって、お願いがあるんですけど」
そう思えばあの百代勘違い事件の時に弓術を見せたな、そう思えば
彰人
「ああ、ありましたね。けどもしかして指導って言うのならパスですよ、今回の夏休みが予定が「ああ、それじゃないです。確かにそれも本当はしてほしいのですが」…それではなんですか?」
そして目の前の弓先輩はこう切り出した
弓
「椎名さんのことなんですけど……」
俺も一つ思うところがあった、それはたぶん兄弟と付き合いだしたせいでさらに視野を狭くした感じがしたからな。
彰人
「京のことですか?なにか問題でも」
弓
「問題というか……そのう、元からそんなに部活に参加してなかったのだけど最近さらに出なくなってね…腕は確かなんだけど」
彰人
「察するに、先輩としての面子もあるわけだ。後輩が気ままに来て、後輩の面倒見るわけでもなく、さらにうまいから荒らして帰るといった感じですかね……間違っていますか?」
弓
「あなた本当に百代の彼氏なのよね」
彰人
「ええ、よく言われますが正真正銘百代の旦那ですよ。しかしそうでしたか……ですけど、たぶん貴方の今考えている通りに京を辞めさせると、たぶん」
弓
「たぶん?」
彰人
「あいつは未練もなく、そのまま辞めていきますよ。元からあいつは弓道ではなく弓術なのですから別に部活をしなくても、それこそ何か大きなことが無い限りそのままやめていきますよ」
弓
「そうなんですね、やっぱり。けど!」
彰人
「分かってます。もう十分に待ったと言うことなのでしょう、今部活に来ていないのもたぶん彼氏と遊んでいるって言うふざけた理由なのでしょうが……あいつにとっては全てなのかもしれませんね……はぁ~兄弟は苦労者だな。それで俺は何をすれば?」
弓
「え?」
彰人
「そのために態々こんな人気の無い教室なのでしょう?普通なら部活の時間ですよね……それぐらい俺だって分かります」
弓
「それじゃあ……お願い、出来るかしら」
彰人
「ふむ、結局これは京の問題だからな。しかしまあ考えて見ましょう、ふぅ~そうすると、兄弟に頼んでみますよ、まあそれでも決めるのは京ですけどね。それでも「お願いします」そうですか……ですがなんで先輩はそんなにも京に?」
弓
「あの子、小島先生が連れてきたんだけど初めて射を見たときに私、あそこまで凄く綺麗なをの見たの初めてで。それでずっと憧れていて。だからかな?」
彰人
「そうですか……」
弓
「後輩に頼るようじゃあ私もまだまだかな~……それでは失礼するで候……」
彰人
「はい、失礼します」
弓先輩はそのままいつのも口調に戻し部活にいったのだろう。俺は教室の後ろのドアの方に声をかけた
彰人
「それで百代、いい加減出てきたらどうだ……先輩ならもう部活に行ったよ。逆の方向が弓道部のところだから、大丈夫だぞ」
百代が後ろのドアからなぜかそっと入ってきた
百代
「気付いていたのか……まあ当然か」
彰人
「もちろん、俺の蛇が教えてくれてね。それでなんでそんな風に隠れていたんだ?」
百代
「だって!彰人がしかも弓と二人っきりでこんな、人気の無い……」
彰人
「心配させたようだな、すまんすまん」
俺はそのまま百代を抱きしめて、そして
彰人
「それじゃあ、行くか……金曜集会に」
百代
「う~、もう少し。今日は少し」
彰人
「いいぞ、今日は存分に甘えろ。俺も存分に甘えるからさ」
百代
「お前、もしかして分かって」
彰人
「鉄爺に呼ばれたんだろう?義妹のためだからな、これでも未来の義兄だからな。それにあいつは俺の弟子みたいなものだしな。だからすまんが明日からな」
百代
「ああ、すまない」
百代の腕のしがみ付きが一層強くなるなら、俺はつかまれている手を百代の手を払い
百代
「え?」
百代の驚く声に笑いながらも百代の腰に手を当てて自分の体の方にさらに押し寄せた。それにきづいた百代は俺の体に抱きつきながら校門を出て行った。
百代
「今度からこうしてくれ♪」
彰人
「善処しよう」