真剣で最強が恋をした   作:ブラックサレナ

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##第五十九話##

 

そして俺の前にお金を返した占いの老人。

 

彰人

「いいんですか?」

 

占い師

「さっきも言ったように私は占いで食べておりますがあなたの未来が見えないのです……まるで神がそれを拒んでいるように」

 

彰人

「あらら、そうなのか」

 

占い師

「この組み合わせも私がこの四十年で始めてみたものですし。今回のお金は要りません、それにちょうどバスが来たようですから」

 

彰人

「あ、そうですか。それでは失礼します」

 

モロ

「彰人、いかないと」

 

彰人

「あ、ああ」

 

そして俺はその占い師と別れてバスに乗った。

 

Side 占い師

 

占い師

「行ってしまったか。」

 

私はさっきあの青年が引いたカードをもう一度見る。

 

占い師

「あなたがこのカード引くのは当然ですな、なんせ蛇を纏っておる人などそうそういないものですからな。そしてこのカード」

 

本当のことを言えば私は彼の未来が見えていた、しかしこれは正に神のみぞ知る世界、そのカードは

 

「神」

 

初めて、人の未来を占ってみて私のタロットで初めて出たカード。そして私はまた席に着く、そしてバスが行ってから数分後ある青年がそこを通った。

 

???

「あ~あ、バス行っちまったか」

 

占い師

「もし、お暇なら占いでもどうですか」

 

私はいつものように声をかける、そして

 

???

「そうだな、暇つぶしにいいかもしれん。それじゃあ俺の本質でも占ってくれないか、爺さん」

 

占い師

「はい、それではこのタロットをお引きください。」

 

そして私がシャッフルし、タロットカードの山を近づけたら、その時

 

“ビリッ”

 

静電気が走った。

 

占い師

「これは失礼を」

 

???

「気にしないさ」

 

そして彼が引いたカード、それは

 

占い師

「これは運命かも知れませんな」

 

そのカードは、雷帝。

 

???

「そうだな、これも運命かもしれないな。おっとバスが来たようだ、それじゃあな爺さん」

 

そして彼はバスに乗っていった、しかしそれはバス停に存在しない時間帯のバスだったのを誰も知らない。

 

Side out

 

俺らはそのあと、新幹線に乗り現在川神駅に到着。ちなみに一子は俺の背中の上にいる理由は

 

一子

「Zzz」

 

ようは寝ている、行きにキャップが子供と言っていたが対外こいつも子供である。しかし他のみんなは起きていた。

 

キャップ

「やっぱし旅はいいな~」

 

大和

「ああ、色々あったがいいもんだったな。」

 

百代

「いやぁ~もうなんでもいい」

 

え~百代がこうなった理由は俺にあるのだが、帰ったら今までの足りない分の彰人成分(百代には必要不可欠)を補給してやる、ようは甘えていいぞ許可を出したらこうなった。まあ悪くはないのでいいのだが。

 

岳人

「そう思えばよ、まゆっちの携帯も買わないとな」

 

まゆっち

「あ、覚えてくださったんですね」

 

モロ

「あ、そうだよ。あと一日あるんだし、明日はそうしようよ。それと……そこの夫婦さんの彰人もさ」

 

彰人

「ああ、そうだな。そろそろ振り込んであるだろうし、ああそれじゃあまた明日の予定も決定だな。ま、この寝ている犬は朝にでも言っとくさ」

 

そう言いながら俺はおんぶの位置を直す。

 

キャップ

「お、いいじゃなぇかそれ。それじゃあ、明日の午後場所はいつもの寮前で一番遅いやつはその時の罰ゲームだ。時間はそうだな、軍師大和、どうする?」

 

大和

「そうだな。旅行の疲れを取る事も考えて、午後二時だろう一応携帯だけだしな。」

 

そんなこんなで、寮前である。その前にモロは別れてそして後は俺らの川神院の集団だけである。

 

百代

「♪~♪。今回は楽しかったな、門下生にも土産も買ったことだしな。うん、あそこにいるのは?」

 

そう、川神院の門の前にいる人影、それは

 

彰人

「なにやっているんだ、小十郎、それと揚羽さん?」

 

そこには、久しぶりに見る、この二人だった。昔はよく遊んだのだが、すでに揚羽さんはあの九鬼の代表、そしてその執事の小十郎。

 

揚羽

「久しぶりだな、川神の。まあ今日はお前でない、我が来た理由は一つだ」

 

そしてアタッシュケースを小十郎が持っていたものを揚羽さんが持ち、そしてそれを俺に差し出した。

 

彰人

「あれ、揚羽さん、これなに?」

 

揚羽

「うむ?小十郎、説明しろ」

 

小十郎

「はい、揚羽様。彰人殿、この前の依頼の謝礼がまだでございましたので、今日お持ちに来ました次第であります」

 

彰人

「けど、帝さんからはすでに振り込みはあったぞ。さっき箱根から帰ってくる前に銀行で確認したらちゃんと入っていたし」

 

揚羽

「フハハハハハハ、御剣の。それは依頼金である。謝礼金はこれだぞ」

 

はい?依頼金であの額でしかもさらに謝礼金だと……どういうことだ普通に億だったぞ、おいおい

 

彰人

「あ、揚羽さん、さすがにこれは貰いすぎですよ。」

 

揚羽

「なにを申す。お主を依頼するぐらいだそれぐらいは当然だ。それに今回は事件で我が弟も大変世話になったと聞く。ならだこれは姉からの弟を守ってくれた礼だと思ってくれ」

 

彰人

「いや、ですが」

 

百代

「貰っておけ、彰人。揚羽さんがこういう人だと言うのはお前だって知っているだろう。しかしこれは例のあれか、お前がボディガードした際の」

 

彰人

「ああ、一応な。そのとき初めて帝さん、ようは揚羽さんと英雄のお父さんと話したけど。それで俺の口座に振込みで頼んどいたんだけど」

 

揚羽

「なに、我が父上は多忙なのでな。それを含めわれが届けにきたと言うわけだ。一応この中に依頼金の三倍が今回の謝礼だ。」

 

彰人

「さ、三倍!?」

 

揚羽

「なんだ、足りなかったか?」

 

彰人

「あ、いえ。十分ですから、おい、百代。」

 

百代

「なんだ?」

 

彰人

「旅行は二人で外国に決定だ。」

 

揚羽

「そう思えばお主らは恋仲だったな。しかし現在見る限り兄弟だぞ」

 

まあ確かに状況的に俺は未だに一子を担いでいるからな

 

小十郎

「いえ、どうみもカップルにしか」

 

揚羽

「ええい、黙らんか!この小十郎が」

 

小十郎

「揚羽様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

岳人のように吹き飛んでいく小十郎、相変わらず弱いらしい。

 

揚羽

「うむ、それでは我も帰るとしよう。もしまた御剣を頼るかもしれん、その時は頼むぞ」

 

彰人

「その時は無料でしますよ。あ、それからその時はこいつも居ると思ってください」

 

俺はそして百代を指す

 

揚羽

「フハハハハハハ。それでは世界征服が出来てしまうな、それではな川神の、それと御剣」

 

そう言うと揚羽さんは小十郎を背負って帰ってった。

 

百代

「海外旅行か……しかしなぜ急に、彰人?」

 

彰人

「あの一家の金銭感覚は可笑しすぎる。今回の依頼金だけで億だぞ、それにその金額の三倍って赤い角有りもビックリだ」

 

百代

「億……あ、彰人そんな危険だったのか?」

 

彰人

「いや、全然。」

 

百代

「そうか、それよりもそれなら旅行の計画を立てないとな」

 

彰人

「え、今日から?行くのはたぶん夏休みだぞ」

 

百代

「なにをいうそういうのは今からがいいんだ。ほら行くぞ」

 

彰人

「はあ~わかったよ。よいしょっと待てよ百代」

 

そして俺らは川神院に戻った。

 

Side 冬馬

 

やはりこのデータも消去されている、こっちもさらにこっちも

 

「若、こっちも駄目だった。危うくリンチだったぜ」

 

冬馬

「そうですか、ユキは?」

 

「ああ、ユキならさっき俺と一緒に居た時にちょいと怪我をしちまってな、今自分で絆創膏張っている。すまないな若、ユキ一人すら守れない。」

 

冬馬

「準、それを言ってしまったら僕の立場がありません。それにそろそろ頃合でしょうから、動きがありそうです」

 

「な、馬鹿な。若、そろそろ本気で親父達を止めないと不味いだろ。」

 

冬馬

「ええ、本当に不味いです。しかもこの川神の治安を不安定に逆させている、これを見てください準」

 

そしてパソコンのディスプレイに出ているその顔は

 

「これは、板垣?」

 

冬馬

「そうです、なんでもこの師と言うのが問題らしいです、政府の“役人”だとか。そしてこの板垣姉妹がいいように治安を悪くしているのが現状のようですね」

 

「ここまで分かっていながら、なにもできないなんて」

 

冬馬

「元を一掃しなければ……」

 

「ちっ、まだ動けないのかよ。俺たちは」

 

冬馬

「まだ、動きがないのですから。逆にこちら危険にはしたくありません。」

 

「だけどよ、今裏で回ってる薬(モノ)は不味いだろう。若が教えてくれた資料だと普通の純度が六倍」

 

冬馬

「ええ、ですから確実にしないといけないのです。たとえ自分の肉親であろうとも」

 

「若」

 

小雪

「うぅ、痛かったよトーマ」

 

そして部屋に入ってきたのはユキだった。

 

冬馬

「苦労様です、ユキ。すいませんねこんな危険な目に」

 

小雪

「うんうん、大丈夫だよ。」

 

そして私はまた、証拠集めのための資料を見始めた。

 


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