真剣で最強が恋をした   作:ブラックサレナ

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##第三話##

ああ、懐かしいな

 

彰人

「ははは」

 

軍服を着た人

「どうしたのでアキト君。急に笑い出して」

 

彰人

「いえ、中将殿。昔のことを思い出していたんですよ」

 

中将

「ほう。あの日本に君が居た時のかい?」

 

彰人

「ええ。もう一年も前ですけど。」

 

俺は今飛行機の中。この俺が中将といっている人は、とある紛争地域で会った、ドイツ軍所属のフランク・フリードリヒさん。今回はこの人が飛行機を手配してくれた。

 

彰人

「ホント、申し訳ないです。こんな飛行機までも」

 

フランク

「なに、このようなことならいくらでも貸そう。それに君には大きな借りがある。それにこの私も日本に行ってみたかったのだ、まあ君を送ったら本国にそのまま帰らぬければいけないがね。それに君は“あの刀”もあるのだから」

 

彰人

「ええ、まあ、そのことについては鉄爺、あ、鉄心さんから大丈夫と言われましたけど・・・」

 

フランク

「まあ、まあ。ああ、そうだ。君にも言っておこう。我がクリスも日本の川神学園に留学生として来るのだが。」

 

彰人

「えっと、確か娘さんの?」

 

フランク

「ああ、この目で日本を見たいだそうだ。それでだ、マルギッテを監視役として、同じ学校に置くことにしたのだが、君にも頼んでおきたい。どうか娘を頼む、もしよからぬ連中がいたら容赦しないでほしい。」

 

ああ、でたこの人の親ばか。ホント娘大好きの人だな、この人、娘のためなら軍を持ってくるからな

 

フランク

「なに、君ならば安心してお願いできるのでね」

 

彰人

「はぁー。」

 

そのときアナウンスが入り、

 

アナウンス

「まもなく着陸します。シートベルトしっかり締めてください。」

 

そして、着陸した。荷物はもう先に着いているらしい。別れ際に

 

フランク

「ああ、サムライの国」

 

とか、言ってたなあの人・・・まあいいか。

 

そして俺の帰国を知る二人の人が空港に待っていた。

 

ルー

「おぉ、これはすごく背が伸びたネ」

 

鉄心

「うむ。おかえりじゃ、彰人」

 

彰人

「はい。お久しぶりです。ルー師範代、鉄爺」

 

鉄心

「うむ。久しぶりに聞いたわい。」

 

ルー

「ずいぶん男らしくなったネ」

 

二人とも俺の帰国がうれしいのか笑顔が絶えなかった。

 

鉄心

「うむ。それでお主」

 

彰人

「ええ、大丈夫です。それから」

 

ルー

「報告は後にするネ。」

 

彰人

「はい、それでは俺は川神院に?てか百代に会いたいのですが・・・」

 

鉄心

「まあ、うちのあの孫娘に会いたいのはわかるのじゃが」

 

ルー

「ちょっとしたサプライズに付き合ってほしいね。」

 

彰人

「はい?」

 

鉄心

「お主の成績なら問題は無く川神学園に合格じゃ。それでの四月の二十二日に学校に来てもらいお主らの集団をびっくりさせる手はずなのじゃ。」

 

彰人

「なるほど、だから帰国の際、俺の殺気を消してくれっていう手紙か。」

 

鉄心

「うむ。お主見事に強くなったの、心も体も」

 

ルー

「よかったネ。最近百代の機嫌がどんどん悪くなるのがホント怖かったね」

 

彰人

「そうですか。なんかすごいこと聞きましたよ。それじゃ俺はその日まで」

 

鉄心

「うむ。ホテルを借りておいたから、そこにいてくれ。くれぐれも、外出の際は注意をせい」

 

彰人

「はい。」

 

現在の日時、四月二十日午前五時。

 

それから一時間後

 

side 大和

 

今日も普通に始まったな。

 

クッキー

「あれ、おはよう大和」

 

大和

「ああ、おはよう。あれキャップは?」

 

クッキー

「マイスターなら土曜からいないよ」

 

大和

「いつものだな」

 

こいつはクッキー。なんでも一子が貰ったハイテクロボなんだが一子が要らないと言うわけで、俺が誕生日にもらい、キャップがこれを貰った。

 

「おはよう。そして付き合って」

 

大和

「おはよう。お友達で。」

 

こんな風に最近パターンが決まってきている、朝の風景であった。

 

岳人のお母さん兼ここの寮母さんである島津麗子さんがすでに朝飯を作っていた。

 

麗子さん

「あら、大和ちゃんおはよう」

 

大和

「はいおはようございます麗子さん。いつもお美しいですね(←社交辞令)」

 

麗子

「あら、やだ。いい子ね大和ちゃんは。今日のおかずの卵追、加しとくからね。」

 

そんなこんなで今日も学校に通学、その名は川神学園。今日も岳人と、京と、ほんとならキャップのなんだが一緒に学校に向かう

 

岳人

「しっかし、俺の肉体美に、なんで気づかねぇんだよ、うちの女子どもは」

 

「岳人に気がある子なんて・・・はぁ~」

 

岳人

「おい。京、きょうも大和に振られたからって俺にあたるな!」

 

モロ

「お~い。みんな」

 

俺らが河川敷を歩いているさい、不意に後ろから声が掛かった。今日発売の週刊ジャソプを持ってモロが来た。

 

岳人

「お、モロじゃねえか」

 

「おはよう。いつも影が薄いね」

 

モロ

「京に言われたくないよ~」

 

岳人

「モロ。こいつ今日も大和に振られて機嫌悪いんだよ」

 

そうして、俺らファミリーが集まってきたときに川の近くに俺の姉さんがいた。

 

百代

「はぁ~。」

 

たそがれていた。明日は雪が降りそうだな。

 

モロ

「なあ、あれモモ先輩だよね」

 

「うん。たぶんまたあの衝動。」

 

岳人

「ホント最近酷いな。まあ一年は過ぎたしな」

 

大和

「ホント、いつになったら返ってくるんだろうな兄弟は」

 

そう、うちのファミリーの中で唯一のカップル、いや正確にいうと夫婦に近い。といってもそんな姿は見たことがないが、川神百代、絶賛愛しの彰人を待っている。

 

「二人はいいな~。ちゃんと両思いになれて」

 

京の言葉。もうあれは一年以上前か。俺の兄弟が旅に出たのは、それからの姉さんは結構大変だったぞ。かえってきたら、覚えておけ彰人。

 

百代

「お、なんだ。お前ら、居たのなら声ぐらいかけろよ。」

 

姉さんが俺らに気づくと、俺らに合流。

 

百代

「あれ、あのバカは?」

 

「いつものように」

 

こんな会話をしながら俺らは多摩大橋に出た。ここはいろいろと有名である、ちなみに二つ名が変態大橋まあ理由は

 

井上準

「こら、ユキ。自動車が走っているほうに出ないの」

 

ユキ

「蝶々♪蝶々♪」

 

井上準

「だから、危ない行為は、め!ですよ」

 

ユキ

「らんらんるー」

 

井上準

「危ない言葉もだ!!」

 

とか、いろいろと変態が多い、一番の例が

 

???

「ふはははははははははははは」

 

そうそうこいつだ。

 

???

「我参上!!九・鬼・英・雄ここにあり!!」

 

この派手に登場したのが九鬼財閥の九鬼英雄。いつもメイドのあずみを人力車で学校まで運ばせている、変人だ。

 

あずみ

「ほら、皆さん英雄様が朝から挨拶をしてくださっているんですよ。皆さんも挨拶しないとお命もらっちゃいますよ☆」

 

英雄

「おい、あずみ我よりも目立つのは許さん!!」

 

なにを基準にだよ、と思いつつ。

 

英雄

「おい、庶民達。我の愛しの一子殿はいないのか」

 

百代

「うちの妹は努力家なんだよ。」

 

英雄

「さすがだ、精進こそ武の賜物。ならばここ居る理由もなに。あずみだせ!」

 

あずみ

「了解です。英雄様~☆」

 

そうして、うるさい二人組みは消えていった。そしてその直ぐ後にタイヤを二つ引いたポニーテールの子が現れた。

 

一子

「みんなおはよう!!」

 

モロ

「いつも良いタイミングだね。」

 

岳人

「今日は二つかワン子」

 

一子

「ええ、そうよ。これでも毎日欠かさずトレーニングはしないと」

 

これで現在川神市にいる風間ファミリーは全員集合した。そして橋を渡っている時、土手に人がいた。

 

一子

「お姉さま。今日もいるみたいだよ」

 

一子のこえでみんな下をみたらそこには確かに武道家のような人がいた。

 

百代

「そうかそうか、今日は人一倍戦いたくてな。それじゃ行ってくるは」

 

そして姉さんはその武道家の前に立ち

 

武道家

「お前が川神百代だね?私はアジア一の武道家、だけどお前を倒し世界一になる」

 

百代

「ああ、いい。いかにもそういうのを待っていた。勝負の場所はここ、服装はこれでいい。武器は己の拳だ、それじゃ」

 

武道家

「キェェェェェッェェェェェ」

 

そして、怪鳥の如く叫んで姉さんに蹴りかかったが、

 

百代

「ふんっ!!」

 

見えない打撃で試合終了。

 

武道家

「g、ゲハッ!!」

 

“きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ”

 

いつの間にか他の生徒が見ていて歓声が上がった。こいつら見慣れたもんな

 

百代

「おい、もう終わりか、アジア一なんだろう」

 

姉さんは姉さんで気絶してる相手に話しかけているし、

 

大和

「完全に伸びてるから、」

 

百代

「は~しょうがない」

 

そう言って、携帯を取り出し、

 

百代

「ああ、私だ。また同じ場所だから。ああ、ああ、そうだ。それじゃあな」

 

ちゃんと礼儀のあるものは礼儀で返す、これが川神流らしい。

そして、俺らは学校に行った。


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