真剣で最強が恋をした   作:ブラックサレナ

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##第二十二話##

野球が終わり、皆はひとまず家に戻っていった、ここには俺と一子のみ、百代は百人組み手をしに院に戻った、俺はまあ一子のトレーニングを見ている。と、いっても一緒に走りこみだが。

 

一子

「よし、これで五十本」

 

彰人

「よし、もう一セットいくか?」

 

一子

「うん、ってあれ、あれたっちゃん?」

 

一子が向いているのは道路のほう、そして一子がたっちゃんと呼ぶのは、

 

忠勝

「お、今日もトレーニングか、一子。それにバカップルの片方、今日はあの騒がしい奴らは?」

 

一子

「さっきまで、野球してたわ、けど、みんな一度帰ったよ。」

 

忠勝

「モモ先輩はどうした、ここにこいつがいるのに」

 

一子

「百人組み手だって、私も早くやりたいわ」

 

彰人

「ふ、面倒だぞ。なんなの。」

 

忠勝

「お、そうだ。お前ら見ていて思い出した。リクオ覚えているか一子」

 

一子

「おお、リク。随分懐かしいわね、今なにやっているの?」

 

たぶんリクオとはこいつらの孤児院の頃の友達だろう、実際忠勝と俺が仲のいい理由はある意味、親の関係があるからだろうな、すでにいない親と、どこにいるかわからない親。

 

忠勝

「なんでも板前になる修行らしくて、この前手紙が来ていた。」

 

一子

「あはは、みんな色んな夢持つようになったわね」

 

忠勝

「まあ、それでも全員親が見つかってねえがな」

 

一子

「しょうがないよ、ポストに置いてくぐらいだもん。」

 

そして、忠勝は不意に、缶コーヒーとスポーツドリンクをだし、

 

忠勝

「ほらよ、どうせまだトレーニングするんだろ。俺はここで寝るから、差し入れだ」

 

やはり思うんだが、忠勝は根はやさしい、しかしこう言う所を見せる奴がとことん少ないんだろうな、学校じゃ不良扱いだし、こんなに家事うまい奴が不良かよ。

 

彰人

「お、サンキュ。しかし夜も仕事か?」

 

忠勝

「ああ、俺的には学校なんて辞めてはやく仕事一筋にしたいぜ」

 

一子

「だめだよ、高校生活なんて一生に一度だけなんだから」

 

忠勝

「親父と、同じこと言うなお前」

 

彰人

「ま、仕事だけも案外楽じゃないけどな」

 

一子

「それじゃ、私は先に走ってるはね」

 

そして、一子は先にまたダッシュを始めた。

 

彰人

「なあ忠勝、俺はちゃんと一子の兄になれた?」

 

忠勝

「ああ、十分にな。あんな酷い所よりすごくいい所だよ、てめぇらの家族はよ。まあ俺が思うに女ってのは強いんだと思うぜ、なんせあの泣き虫が今じゃああ、だからな」

 

そして、今もダッシュを続ける一子。

 

彰人

「まあさすがの一子の兄だな。それに確かに女は強いな」

 

忠勝

「んじゃ、俺はそろそろ寝る。お前も一子の手伝いでもしてろ」

 

彰人

「ああ、そうするよ。」

 

そして俺が河川敷に降りる際、こう言われた。

 

忠勝

「結婚式はお前が卒業してからにでもしろ」

 

なんて、こと言うんだ忠勝。もう少しで間違えて、橋を気弾当てて壊す所だったぞ。そして、俺は一子がダッシュしている所に行き、

 

彰人

「おい、一子。今からシャドーやるぞ、てか俺に挑んできてもいいぞ。俺は避けてるから、一撃でも俺に決めてみな」

 

そしたら、まるで犬のように、俺に近づき

 

一子

「やった~、久々の彰人とのトレーニングだ。それじゃ行くわよ」

 

そして、さっきまでの走りこみでの疲労など感じさせない、目を俺に向け、俺に拳を打ってきた。

 

 

 

Side 大和

 

さて、時間にして、七時前後、今回の宴は島津寮にようこそ、歓迎会も混ぜるらしく、二階にいるあの、目つきがたまに悪くなり、学校初日に刀を持っていた子の同伴らしい、しかし、腹へったな。そして、俺の部屋にキャップが来た。

 

Side out

 

 

彰人

「な、なんだ。これは?」

 

そう、俺の目の前にあるのは、人!人!人!!

 

一子

「あはは、これじゃ、まるで人間ピラミッド」

 

そう、なぜか川神院に帰ってみると、なぜか人の山が出来ていた。そのとき

 

百代

「はぁーーーーーーー!!」

 

なぜか、百代が突っ込んできた、てかまだ、百人組み手の相手だと思っているのか、

 

彰人

「一子、逃げろ!!」

 

一子

「え、え、え?」

 

彰人

「えーい、このアホが」

 

そして、俺は一子を吹き飛ばし、

 

一子

「う、うわわわ。」

 

まあ吹き飛ばしても、普通に受身を取っている、さすがだ。

 

彰人

「まったく、この猪突猛進、彼女が」

 

そして、俺は百代に構えをし

 

彰人

「スネークバイト!!」

 

そして、俺の左腕を大いに使い、百代を抑えた。

 

百代

「あ、あれ、決まらなかった?」

 

やっと、戻ったか。この彼女は、とその時鉄爺が来た。

 

鉄心

「なにをしておる、百代。自分の力も制御できなくてどうする!」

 

百代

「うるせいよ、じじい。私は相手が彰人だとわかったから、本気で行ったんだ。」

 

あれれ、なんかそれだと俺が悪いみたいじゃないか。

 

鉄心

「まったく、百人組み手が直ぐに終わってしまってつまらないのは分からなくもないが、しかし百代よ、いきなり殺気を飛ばしながら飛んでいくのは辞めなさい。それに彰人よすまんのう、またもや止めに入ってもらってのう」

 

彰人

「いいさ、別に。それに俺もある意味、運動しないと大変なことになりそうだし」

 

百代

「ほら、みろジジイ。「だけど」?」

 

彰人

「今日はこの後宴だろうが百代。少しは時を読めよ。あ、それから、鉄爺それで肉貰うけどいい?」

 

鉄爺

「ほ、ほ、ほ。持って行くがいい。どこかの孫なら許可を取らずに持って行きそうじゃが、彰人はちゃんと許可をとるからのう。」

 

なるほど、さすがは百代の爺さん、百代の動きの予測済みか。

 

百代

「う~。なんでだよー、なんで彰人は私の攻撃を簡単に止めるんだよ」

 

彰人

「あのな、百代。よく見てみろ、この“蛇”を」

 

そして俺の腕を百代は見て、一瞬、強張った、ああ、そう思えば百代って魑魅魍魎、例えばお化けとか苦手だったな。

 

百代

「な、あ、彰人。それを早くしまってくえないか?」

 

完全にびびっている百代、これは珍しい。戦闘中はなんともないのにな。

 

彰人

「ま、しょうがないか、“ご苦労さん”」

 

そして、俺の蛇は消えた、そして百代は抱きついてきた。

 

百代

「♪~♪」

 

なんとも、猫みたいだな百代。

 

鉄心

「ほ、ほ、ほ。それでは彰人よ、うちの孫達を頼んだぞ。」

 

そういうと、鉄爺は院に戻って行った。

 

一子

「お姉さま、彰人と先にお風呂にでも入ったら?」

 

百代

「うん?そうだな、それじゃワン子、すまんが先に入ってくるな」

 

彰人

「え、ちょ、この場合普通、一子と百代が一緒で俺が後では」

 

しかし、百代の力はさっきよりも強く、

 

百代

「いいんだ、まあワン子」

 

そして、一子の頭を撫でる百代

 

一子

「♪!」

 

完全に飼われていた。そして俺は百代にするすべなく、そのままお風呂に入った。

 

そして肉を持ちながら島津寮に向かう、俺達。

 

彰人

「しかし、なんであの院にはこんな肉があるんだ?」

 

一子

「う~ん、たぶんだけど。うちってなんだかんだ言ってお肉が基本だから、その備蓄じゃないかしら」

 

なるほどな、さすがはうちの食卓事情の管理者。まあ食べる専門だが。

 

彰人

「あ、食事で思い出したが、来週の学校の昼は?」

 

百代

「もちろん、私の手作りだ。それ以外は認めないぞ。」

 

なんともいい響きだが、しかし

 

彰人

「ラジオの日はどうするんだ?」

 

百代

「それは安心しろ、ラジオの前にお前に届けるから」

 

彰人

「なら、いいか。それにしても百代が料理が出来るとは・・・・・・・」

 

一子

「それは私も驚いたわ、朝起きたら、お姉さまの姿がしかも厨房でみるなんて、って」

 

百代

「なんだ、なんだ、二人して、これでも私の夢は彰人のお嫁さんなんだぞ」

 

一子

「あはは。彰人限定なのね・・・・・・やっぱおにい「辞めてくれ、それは」あはは」

 

さすがに、同年代から義兄さんなんて呼ばれたくない、しかも普通のお兄さんではない、“義”兄さんなんだぞ、まあ結局いつかはそうなるだろうが。

 

百代

「そう思えば、彰人は高校卒業したら、どうするんだ?」

 

彰人

「まあ、百代が旅に出るんだったら、一年待ってもらって俺もそれに同伴かな」

 

百代

「そうかそうか。」

 

なんだろう、この満足な顔。

 

一子

「じゃあ、もしお姉さまが旅に出なかったら?」

 

彰人

「そりゃ、進学。俺は“川神流”じゃないからな。あのまま川神院にお世話になるのはさすがに気が引ける。まあ進学してもなんだかんだで、なぶん武の道にではありそうだよ」

 

百代

「ちょっとまて、彰人重要なことを忘れているぞ、私の彼氏としては重要なことが」

 

彰人

「なんだ?」

 

まさかな、そうだよな。そうに決まっている、あいつと同じ

 

百代

「結婚式だ、彰人が卒業したら直ぐにしような」

 

ああ、やはりそうでしたか。まあだけど

 

彰人

「ああ、そうしよう。ま、その前にちゃんと俺からでもプロポーズするさ」

 

悪くないな、いや最高だと思う。

 

百代

「ああ、待っているぞ」

 

そして、二人は見つめあい。

 

一子

「あのう、二人とも、もう島津寮の門の前なんですけど・・・・・・」

 

彰人・百代

「「//////////」」

 

まあお約束が起きるわけですよ。そして俺らは顔を赤くしながら、島津寮に入った。

 


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