あくる日の日曜日。今日は朝から俺は胴着に着替えていた、そして客人の到着だ
中将
「やあ、アキト君。私の申し出を快く受け取ってくれてありがとう、何かお礼でも思っていたがそれは今度にしておこう。君のお願いだからねそれが」
彰人
「ええ、まあ」
軍服に身を包んでいる中将殿、そして後ろにはクリス、マルギッテがいた。俺は案内しながら、川神院の練習場に到着させた。
中将
「それでは、私はここにいさせてもらうよ」
鉄心
「どうぞ、どうぞ。それでは、審判は百代、大丈夫かのう?途中で乱入なぞせんように」
百代
「誰がそんな猪突猛進の女だ。これでもそれぐらいは弁えている、それに彰人の仕合だぞ、この私が“見ないはず”がないだろう?」
鉄心
「それもそうじゃのう。それでは」
百代
「東、御剣彰人(ダーリン)」
彰人
「ああ、それと百代、その呼び方は辞めてくれ」
百代
「西、クリスティアーネ・フリードリヒ、マルギッテ・エーデルバッハ」
クリス&マルギッテ
「騎士道の名において」「軍人の誇りにかけて」
俺は構える、久しぶりの仕合だ。俺は精神統一をしながらも相手を見据える、マルギッテはすでに眼帯を外している、クリスもマルギッテも武器持ちだ、レイピアにトンファー。俺は武器を持つことを勧められたが、耐えられるものが無さそうなので、辞めた。さすがにこの二人は真剣じゃないと無理だからな。
百代
「それでは、はじめ!」
百代の合図にスタート、相手は二人とも霍乱でもさせる気でいるのだろうが、しかし無意味だ。俺は一気に気を噴出して相手を飛ばす
クリス
「くっ!気だけでこれだけの重圧か」
マルギッテ
「ハーゼ!」
マルギッテはその気に負けずにこちらに突っ込む。ふむ、あの動きが蹴りか。
彰人
「いいぞ、そのまま“蹴り上げる”とは。「何!?」だが、それでは無意味だ、俺の力の前ではな。蛇……犬の相手をしてやれ」
俺の蛇を向かわせた瞬間に、マルギッテは吹き飛ばされた。やはりあいつには見えていないのだ。俺はすぐに蛇をしまう、次はクリスの突きだ
彰人
「そう思えば入学したときも同じように俺に勝負を挑んできたなクリス。どれだけ成長させたか見せてもらおうか」
クリス
「はい、行きます」
クリスのレイピアはやはり早いのだ。しかしそれでも俺は避けれる、これでは教科書のうえ、精精参考書程度だ。まだだ、これでは一子でも相手出来てしまうぞ。しかし次に俺は避けるのでなく、そらすこととなった。
クリス
「はぁぁぁぁ!」
一撃のレイピアとでもいうのだろうか。確実に俺の心臓を目掛けた技、俺はそらすことで回避したが、次には蹴りが飛んできた。俺はそれを腕で受ける
クリス
「し、しまった」
俺は足をもったまま、追撃に出ようとしていたマルギッテに投げる。マルギッテはそれを抱きかかえてしまった。それではまだ
彰人
「俺には及ばない。クリスを踏み台にするぐらいの遠慮がなければ俺には勝てない。百代にも勝てないぞ、スネークバイト!!」
俺は気を左腕に集中させる、蛇が俺の腕に巻きつきそしてマルギッテ相手に繰り出した。マルギッテは吹き飛びながらも体制をたもたせた。しかし
マルギッテ
「く、トンファーが」
スネークバイト喰らったトンファーは確実に壊れた。しかしそれでも構えを変えないマルギッテ。やはり武人はこれだからいいのだ。
クリス
「せぇぇぇい!」
まだ、動くクリスの連続攻撃。俺は腕でカバーしながら時をまった。そして俺は来たのだ。相手とてそれだけの技をだせばそれだけ疲れるのだ。
マルギッテ
「十五分も攻撃をしているのに、無傷とは…はぁ……さすがは彰人殿ですね、ですが、まだ決定打にはなっていないのは事実」
クリス
「そうだな、マルさん。彰人もあんな飄々としているが必ず隙がある、それに打ち込むぞ」
俺はそろそろいいだろうと、蛇を起こす。今度はただの起こし方ではない。
Side 百代
クリスも、あの軍人もわかっていないのだ。まだ彰人の本気のほの時もだしていないのだ、まだ蛇が起きていない、あれでは勝負がつくはずがない。
百代
「あれは」
私は見て確認した、あの構えは、そう本気になる瞬間だ。彰人が左腕を水平に伸ばした……二人がそれを見てなにかしでかすと思ってすぐに追撃をする、しかし近づくことすら出来ないのだ
クリス
「なんだ、この重圧は?」
マルギッテ
「お嬢様、レイピアを投げるのです」
クリス
「く、しょうがないか。これでも喰らえっ!」
クリスの判断は正しいだろう。あの空気に入れるのは私らのように壁を越えた人間だけだ。しかしそれは、あの蛇に一蹴るさせられる。私には見えるが、まあこれは彰人との親密性のものだが、ワン子もわかっているのは、やはり師弟の関係だろうか?
クリス
「何!?彰人殿は何もしていないのに」
彰人
「終わりにしよう、二人とも……今こそ汝の左腕に―――……その呪わしき命運尽き果てるまで高き銀河より下りたもう蛇遣い座を宿す者なり。さらば。我を求め訴えたり。喰らえ、その毒蛇び牙を以て」
マルギッテ
「な、なんだ!?この気は……禍々しいだけではない。今までの彰人殿気とは違うほどの強大」
勝負は決した。二人とも気付いていないのだ、すでに勝負は終わっている。
彰人
「なんだ、その程度か」
彰人の声が二人には後ろから聞こえたことだろう。あれが私が最初見たときに気絶してしまった技。蛇翼崩天刃(ジャヨクホウテンジン)、たしかあのヒュームとかと同じ技だよな、格は全然違うが。
クリス
「そ、そんな」
マルギッテ
「……」
そして二人は倒れる。蹴り上げたはずだが、それすら認識できないほどの速さ。
百代
「この勝負、勝者彰人。二人をすぐに医務室に」
さて、それでは私に一戦しますか。
Side out
二人が運ばれた後、百代が前をたっていた。しかも完全に殺気を放ちながら
彰人
「勝負かな、百代?」
百代
「ああ、頼めるか」
鉄心
「まったく。血の気の多い孫じゃのう、まあよいよいそれでは二人ともよろしいかのう」
ちなみに中将殿は俺との仕合のあとは、すぐにクリスについていった。俺は蛇を解放したままで勝負を続ける。最近の百代は本当に強くなったと思う、ここ最近の成長をそれこそすごいものだ。
彰人
「スネーク!」
百代
「星」
彰人・百代
「バイト!」「殺し」
俺の拳と百代の拳が当たりあう。力では互角まで近づいていている。しかも百代には蛇が見えているので俺の攻撃、さらに蛇の攻撃を完璧に受けてそして返している。まったくガードごともっていくのはさすがに俺も疲れるな、ならば
彰人
「蛇翼崩天刃(ジャヨクホウテンジン)!!」
俺は低い姿勢から一気に百代の詰め寄る。蛇を一点に集めての攻撃、さっきはこえで終えられたのだが、しかし
彰人
「ちっ、まさかかすったか」
百代
「甘いぞ、彰人。私だって進化するんだぞ」
百代の腕にダメージを与えたように見えるがしかしそれは一瞬で回復させる。まったく面倒は必殺技だな、瞬間回復は。そして次は百代の反撃だった。
百代
「雪だるま!」
地上を凍らせた百代、そして俺の足までも凍らせた。そして次に百代は構えを変える、まあそれはすぐ俺の懐に変わるのだがな
百代
「あらたる技だ、黒宇宙穴(ブラックホール)!!」
なんと気で擬似ブラックホールを造りやがった、マジかよ!?俺はすぐにスネークバイトでそれを消そうとするが、しかしその力さえも吸い込まれた。まったくいいだろう、百代、ならばこちらにも考えがある。
彰人
「蛇、眠れ」
蛇を眠らせてそのままブラックホールの中に俺は腕を入れる。
百代
「隙だな、彰人!!星殺し!」
百代がうえから俺に追撃を加える。ブラックホールに俺の腕は片方ある。しかし次の瞬間、ブラックホール方に入れた腕が百代の拳を掴んでいたのだ。
百代
「何!?ブラックホールに」
彰人
「たしかにブラックホールの中に入ったぞ。だがなそれでもブラックホールと言えど容量(キャパ)は限られている。それを超える力を送り込めばいいだけの話だ。蛇、すまないが連続だ」
百代は俺に蹴りを喰らわせようと回転させて、俺は避けると同時に腕から脱出する百代。距離を取ったつもりだろうが、この技には関係ない技だ。
彰人
「こい」
俺の言葉に百代は構えを変えるが遅い、俺の蛇が百代の胴体に噛み付いてそのまま俺の間合いに入る。百代はそのまま受けて立とうとするが、しかしそれよりもさきに俺の拳が入る。
彰人
「蛟竜烈華斬(ミヅチレッカザン)!!」
拳の周りに蛇を纏わせ、光速とも言える拳を百代に叩き込む。百代はそれですら俺に突っ込んでくるが、しかし
百代
「まさか……瞬間回復が間に合わないほどの連続だと?!」
百代の瞬間回復が追いつく前に、ダメージが大きかったせいかあと一歩と言うところで俺に届いていない。
彰人
「あと一歩、それが今後の課題だな、百代」
そして百代は俺の寄りかかるように倒れた。そして鉄爺が俺の前にきて
鉄心
「まだまだじゃのう百代も。おぬしも結局それだけだしのう」
彰人
「こっちはまだだよ、それにフツノのこともあるしさ」
鉄心
「あの刀のことじゃのう。あれにちゃんと遣り合えるものはそれこそ、歴史上の人物ぐらいじゃぞ?まあ現在さがしてはいるけどのう。それと百代の対戦者は西で絞ってみることにするからの」
彰人
「俺に報告なんていいよ。それよりも、こいつを運ぶよ。どの道、寝ていればカッテに回復するからだからね百代は」
百代
「むにゃ」
彰人
「寝ているし」
鉄心
「そうじょのう。それでは一子や、手伝ってやりなさい」
一子
「は~い。彰人も相変わらずの強さね、お姉さまのあの回復を抑えるなんて。それよりも蛇は大丈夫なの?」
彰人
「今は寝ているからな。さすがに疲れたようだ。まあそれは俺も同じだけどな、それよりもどうだ俺の攻撃は見えたか?」
一子
「途中までね。さすがに最後のは一、二撃見るのが精一杯だったわ」
彰人
「そうか」
そして俺は百代をおぶりながら川神院に戻るのであった。