それはすでに昼も過ぎ、すでに夕方になってきたそんな時刻だ。さっき俺が廊下を歩いている時にチャイムが鳴った、あれはたぶん部活生を返すチャイムだ。
マロ
「おだまりゃ!」
この声が俺には聞こえた。この声は間違いなくうちの歴史の先生で、あの顔面白塗りというどうみても居る時代が可笑しい先生だ、俺はそして校庭を見るとなんか生徒をしかっているようだ。
マロ
「麻呂に口出しをしのか、おぬしら!」
なんか、非常に変な指導だな……俺はそう思いながらもそのまま帰ろうとしたが…こんな言葉が聞こえてきた
マロ
「麻呂を侮辱すると言うことは綾小路を侮辱するのも同じじゃ!おぬしらそれをわかっておるのかのう?」
なんとも、権力かよ……綾小路家、少し腐っているのか?そんな時に宇佐美教師が来たようだ。
宇佐美
「なんですか、綾小路先生今のやり方は」
マロ
「おう、宇佐美先生ではありませんか。どうでおじゃった麻呂の指導の仕方は」
宇佐美
「見ていたから声をかけたんですが……さすがにあれはやりすぎでしょう?」
マロ
「宇佐美先生、生徒達が体育の先生の言う事を聞くのはなぜじゃと思っておるの?」
宇佐美
「そりゃ、もちろん怖いからに決まっているじゃないですか」
マロ
「麻呂もそうしておるだけのことじゃ、麻呂の場合は力と言っても権力のほうじゃがのう……それでは失礼するでおじゃる」
そしてあの顔面蒼白は帰って行った、そして宇佐美先生はそんな背中に
宇佐美
「いいのかね、あれで」
彰人
「ダメでしょう、どう見ても」
宇佐美
「お、御剣じゃないか。なんだお前もこんな帰りが遅いなんてどうかしたのか?」
彰人
「ええ、ちょっと学長に呼ばれましてね。それよりもあれって」
宇佐美
「はぁ~まあ、大人のことには大人がどうにかするさ……それかガキがどうにかするさ、さ、お前も帰ろ」
彰人
「はーい」
と、俺は少し、あの教師がすこし教師っぽく見えた瞬間でもあったのだが、それよりもあのおじゃる野朗がもし、俺の仲間に何かすれば俺は許さないだろうな……はぁ~面倒だ。しかしもっと面倒なことがあったな
百代
「はぁぁぁぁ!!」
一子
「せぇぇぇいっ!!」
気だけでクレーターが出来ているのはこいつらと師範代でもルー師範代か、鉄爺とかなんだろうな。俺はそう思いながらも川神院にもどることにした。
彰人
「随分と今日は精がでているな二人とも」
一子
「あ、お兄様!」
百代
「あ、あなた!」
彰人
「おい、お前ら!言い方が変だろうが!?まったく一子も百代の影響を受けないでくれ。それと百代、お前は妹に変な事を植え付けないの!」
百代
「未来ではそう呼ぶのだから今から言ってもいいでじゃないか彰人。それじゃあ彰人も帰ってきたことだし、ここまでにしようかワン子」
一子
「あ、はいお姉さま」
一子も然ることながら百代も少し武に対する見かたを変えたような気がする。たぶん俺の本気のせいなんだろうな……蛇という鎖が消えた俺の本気を見ての変化か…まあ釈迦堂さんみたいにならないで本当に良かったけど
百代
「それじゃあ彰人、一緒に風呂に行くぞ。拒否権はないからな」
彰人
「もう、それは諦めているさ……さっさと行くぞ」
そして俺らは院に戻って行った。
風呂の中にて俺と百代はだっこした状態ではいっていた。ちなみに百代は俺の手を握って胸にあてながら遊んでいた。
百代
「はぁ~もう二学期だな彰人。」
彰人
「機嫌がいいと言うか、完全に憑き物が落ちているというか……一子の事もお前は随分と悩んでいたことにさらに確認できるよ……」
百代
「そうだったのかもな、だけどそれもお前がどうにかしてくれた。本当にお前は私の夫でよかったとつくづく思うぞ。それに最終日のあれもな」
最終日、それは俺が本当の本気、いやあの場合は殺気をあてて百代と勝負した時だろう。あの後からと言うもの百代はあの戦闘衝動が完全に消えていた。今はさっきのように一子との組み手など、武だけではなく技も磨いているのが現状。と、俺が考えていると百代が俺の手を遊ぶのを辞めて俺の方を一瞬見た、これは
彰人
「まったく、このいやしんぼめ」
俺は百代を前にだっこしているので後ろから強く抱きしめる。すでに行った後なのでまあ普通に理性は保っていた。
百代
「しょうがないだろう、戦闘衝動はなくなったせいでもっと彰人を求めてしまう衝動が強くなったんだ。これもある意味お前のおかげだぞ、だからいっぱい頼むぞ。」
彰人
「はぁ~京の次はお前が依存か?」
百代
「ああ、そう思えば京の依存、あれは一体どういった変化だったんだ?私が中国で修行している間に何があったのだ。」
彰人
「まあ、大和が頑張っただけさ。それよりも百代がもし、京みたいに歪んだ依存になったら切り捨てるからよろしく」
百代
「ゆ、歪んだって……まああいつからの気で今は普通ではあるが…だけど彰人、その切り捨てると言うのは「まあ簡単に言うと別れ」そこまででいい。それ以上言うと私が崩壊しそうだ。まあ依存が酷すぎれば弟のようにしてくれていいからな、私が少し邪魔なら……そのなんだ、少しぐらいならちゃんと、ちゃん……グスっ、す、ずるぞ……」
彰人
「完全に涙声でそんなこと言っても説得力が皆無なのだが。はぁ~こっち向いて百代、抱きしめてあげるから……大丈夫、俺はお前を捨てることなんてありえないから、現状」
百代
「うぅ~。ガシっ!」
なんと言うか、俺と百代の“子供”がもしパパっ子だったら、大変かもな。俺はそう思った…………それが本当になるとは知らずに、ただ今はそんな未来を楽しみにしているようなそんな感じだった。
次の朝が来た、眠い体を起こす、しかしそれは非常に目覚めが良かった理由は
百代
「おはよう、彰人。どうだ、エプロン姿のお嫁さんがモーニングコールなんて素敵だろう?」
彰人
「嫁、じゃなくて彼女だろうが百代。それよりもおはよう、今日は弁当作りに精でも入れているのか?」
百代
「ああ、昨日の分も挽回しなければならないしな、それに彰人のキスがほしいから丁度よかったのだ」
俺らはキスをして、そして朝を迎える。百代はキスをすると満足そうに部屋を出た、俺も今日は目覚めが良くてそのまま起きることにした。そして着替えてそのまま皆の居る場所に向かう。そんな時に鉄爺に話しかけられた
鉄心
「ホ、ホ、ホ。あのモモが朝早くから起きてしている事がお弁当作りとは、まったくこれこそ大和撫子と言うべきじゃのう、彰人」
彰人
「おはよう、鉄爺。それよりも百代の朝の弁当作りは一学期からしていたでしょうが」
鉄心
「何をいうか彰人。おぬしの居なかった一年を考えればそれこそ見違えるようになったわい。彰人のためにと、毎日花嫁修業をしておるからのう。まったく川神院もこれで安泰じゃ。それと……百代の衝動が消えておるのにはどう言うことじゃかな、あれは天性的なモノじゃったはずじゃが?」
鉄爺の本当の会話はこっちにあった
彰人
「なに、“俺が俺としての本気”を見せたせいなのかしれないけど、なんか百代がああなっていた」
鉄心
「……多いなる力の反動かのう。まあ衝動がなくなってもあの武は残っておるからのう、しかし昔のように冷や冷やしなくてすむのはこんな老いぼれにとっても楽でよいわ」
彰人
「よく言うよ、俺の攻撃を対処できるおじいさんなんていないと思うけどね、鉄爺?」
と、俺らはそんな会話をしながら朝食となった。もちろん百代は俺の隣に、そして一子はいつもの通り、走り回りながらも全員に配膳をすませていた。
一子
「は~い、梅干が欲しい人はこっちね」
修行僧
「一子殿、こっちにもください」
一子
「は~い」
ルー
「う~ん、今日もおいしそうね。これならさらに食が進みそうだよ」
一子
「食べすぎは注意してくださいね……胃は鍛えられるものですけど、それでも人によって限界が違うんですから、お酒の強い弱いと同じで」
ルー
「おう、私も怒られてしまったネ」
そんな和やかな、朝を迎えた川神院だった。
Side 釈迦堂
釈迦堂
「おい、天使。どうだったよ、川神院の奴はさ」
天使
「あたいがこんな風に一週間も寝ていたんだぞ。これで分かれよ師匠」
釈迦堂
「へへ、それはすまねぇな。ちょっと俺も目をつけられちまってな。あれがもし大勢のあの場所じゃなきゃおれも捕まっていたぜ」
???
「むにゃむにゃ……彰人君は強いぞ~」
???
「辰子は相変わらずだねぇ」
釈迦堂
「おいおい、こいつ、いまなんて」
???
「おい、今帰ったぞ」
それは始まりの……いやある意味、終わりの一歩のようなそんな世界の笛がなったであった。
Side out
いつもの通りの朝の通学路からのいつも通りの教室。そしてそんな今日のたぶん一番のイベント、それは六時間目の担任の梅先生の授業であろう。そう、今日は
梅子
「今日は、席替えをするぞ!」
ヨンパチ
「うっしキタァァァァァァァ!」
岳人
「ふ、これで廊下側ならば先輩達の目にも俺様の肉体が見えるぜ」
と、若干層のアホたちもいるがそれはまあ内のクラス特有と言うことで。
梅子
「今回はまあ、御剣や、クリスもいるからくじ引きで行きたいと思うぞ。それじゃあまずは端の奴らじゃんけんしてくれ」
そして俺らFクラスの席替えが始まった。