真剣で最強が恋をした   作:ブラックサレナ

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第一章
##第一話##


ここはとある、有名な寺院。その名も川神院あるものは己の心を、ある者は力を求めこの地に来、そして唯一無二の資格でこの寺院に入ることが許される場所。しかしそこにあるご老人が一人、門を叩きました。

 

 

老人

「失礼ですが。ここに川神鉄心さんは、いるでしょうか?」

 

門下生

「鉄心様ですね。少々お待ちください。その一応お名前を」

 

老人

「これは申し訳ない。“神代(カミヨ)”と、言えばわかると思います」

 

門下生

「はい、それでは」

 

門下生はそういうと奥に消えて行きました。そして、ほんの数分後。袴で威厳たっぷりのお爺さん、そうこの人が川神鉄心。

 

鉄心

「うむ。久しいの~」

 

老人

「ああ、本当に久しいな。」

 

鉄心

「そして、その子が」

 

そういうと、鉄心は老人の懐にいる赤ん坊を目で指した。

 

老人

「はい。まったくかわいそうな子だ。生まれた年に両方の親を一気に亡くしたのだから」

 

鉄心

「戦いは時にして残酷じゃからな。ワシも葬式には出させて貰ったよ」

 

老人

「ええ、うちのバカ息子はもうあちらに居ますからね、奥さんも連れて。まったくばあさんがお説教しているでしょうに」

 

鉄心

「ふむそれで、こちらで養子とするのか?」

 

老人

「いえ、遺言には私たちの子なのだから、もし私たちが死んで養子になったとしても氏名は変えないでほしいと。」

 

鉄心

「うむ。それならばこの川神鉄心が引き受けよう。ちょうど去年に孫が生まれてのう。名前は百代と言うんじゃ。」

 

老人

「それでは生前は息子がお世話になりました。それでは私はこれでもう先は見えている身ですから」

 

鉄心

「最後にこの子の名はなんというのじゃ?」

 

老人

「はい。『御剣 彰人(みつるぎ あきと)』です。」

 

老人はその赤ん坊を鉄心に渡し、去った。

 

鉄心

「それではのう。我が古き友よ」

 

門下生

「鉄心様。そろそろ、お時間が」

 

老人が去りその後をただ見続けていた鉄心は門下生の声で、振り向き

 

鉄心

「すまぬ、すまぬ。今行こう」

 

そして、門から遠ざかった。

 

 

 

 

 

そして、九年の月日がたち

 

百代

「おい、彰人。飯にしようぜ。」

 

彰人

「いいよ、百ちゃん。」

 

僕の名は御剣彰人。今はこの川神院でお世話になっている。そしてこの僕と一緒に修行しているのが川神百代。僕とは一才違いだけど家族のように育ててもらったためあまり年上だと思っていない。実際少しこちらが目を見とかないと暴走しちゃう。そして今日はいつもどおり、修行に明け暮れていた最近では僕達二人は門下生では相手にならないほど強くなった。そんなある日

 

百代

「なあ、彰人。」

 

彰人

「うん、なに百ちゃん?」

 

今は修行の合間の休憩。他の門下生も一緒である。

 

百代

「あのな。その・・だな・・・」

 

彰人

「百ちゃん?」

 

いつもの百ちゃんとは、ちょっと違った。

 

百代

「そ、そのだな。わ、私とっ!!」

 

百代

「勝負してくれ!!」

 

その言葉が川神院に広がった。そしてそれを聞いたのかどうか知らないけど、鉄爺(川神鉄心のこと)が道場に来て

 

鉄心

「なんじゃ、百代。彰人と戦いたいのか?」

 

百代

「ああ、そうだ。そして確かめ・・・・」

 

なんか百ちゃんが最後の方が小さい声で聞こえなかったけど・・・

 

鉄心

「うむ。ならば、外を使うがいい。おいルー」

 

そして、そこに百代のお父さん達を倒したことのあるルー師範代が来た。

 

ルー

「ハイハイ、それではおフタリトモ。こちらに来るネ」

 

そして、川神院の中心にある。闘技場みたいなところで勝負が始まろうとしていた。

 

ルー

「ハイハイ。それでは二人とも、準備OKネ?」

 

百代

「ああ、何時でもだ」

 

彰人

「うん。いつでもいいよ。」

 

鉄心

「それでは・・・始め!!」

 

鉄爺の声と共に始まった。その瞬間に当てられる殺気。

 

彰人

「(こ、これは)」

 

百代

「(やっぱ、殺気だけじゃ。互角なのかな?)」

 

そして、先手は百ちゃんの蹴り、さすがに食らいたくはないため、避けてこちらの拳を百ちゃん、攻撃。

 

鉄心

「うむ。これはのう。ほ、ほ、ほ。」

 

ルー

「これは、我々と同じ師範代級の試合ネ」

 

二人だけの観客と、思いきや

 

???

「なんですか。この殺気はって。あいつらか」

 

鉄心

「ほほう。釈迦堂もこの殺気で気づいたのう」

 

釈迦堂

「ええ、この殺気。川神院全体に広がってますぜ」

 

ルー

「この二人は、ホント天性の才ネ」

 

鉄心

「それにあの二人は修行は怠らなかったからのう。まあそれは彰人のおかげなのだろうじゃがな」

 

そして、試合が動いた。

 

百代

「せぇぇぇぇぇい!!」

 

彰人

「g、グハッ!!」

 

百代の連続攻撃に彰人は一撃を貰ってしまい

 

百代

「終わりだぁぁぁ!!」

 

そして、とどめの一撃を

 

彰人

「悪魔の腕。スネークバイド(ボソ)」

 

百代

「な、なに」

 

“ドガァァァァァァァァァン”

 

 

そして、その勝負の結果は

 

鉄心

「そこまでじゃ。この勝負、彰人の勝ちじゃ。」

 

そこには倒れている百代の姿が、そして百代は初めて負けを経験した。

 

彰人

「ごめん。鉄爺。“あれ”使っちゃった。百ちゃんが本気なのに、こっちが本気でいかないのは、相手にとっても自分にとっても侮辱だから。」

 

鉄心

「うむ。たしかに“あれ”は、我々の川神流のものではないにしろ、あれは危険じゃ。」

 

彰人

「うん・・」

 

鉄心

「しかし、その心はまさに川神流じゃ。安心せい。それに」

 

と、鉄心が指を指した方向にはさっきまで気絶していた百代が起きた。

 

百代

「いててて、あれ、私?」

 

ルー

「百代。完全に負けたネ」

 

百代

「私が負け・・・た」

 

鉄心

「うむ。初めての負けじゃな。百代よ、いつも門下生やら、師範代の何人らかの戦闘は勝ってしまっていたからのう」

 

百代

「そうか。負けたか。」

 

彰人

「百ちゃん、大丈夫?」

 

百代

「百代」

 

彰人

「うん?」

 

百代

「百代と呼べ、彰人。私はいつも名前で呼んでいるだろう。だからだ////」

 

彰人

「百・・・代」

 

そして、僕がそういうと、少し顔が赤かったが笑顔になり、

 

百代

「ああ、それでいい」

 

と、だけ言って戻っていった。

 

彰人

「なんなんだったんだろう?」

 

鉄心

「ほ、ほ、ほ。これは面白いもんが見れたわい」

 

なんか鉄爺も笑ってどっか消えた、ルー師範代も一緒に。

 

釈迦堂

「ほう。おい彰人。お前なんなんださっきのあの技。ま、いいか。じゃあな色男。」

 

色男ってなに?

 

 

 

 

そんなこんなで、一年後。

 

男の子

「なあ、俺らの仲間になってくれないか。その名も風間ファミリー!!」

 

そしてバンダナをかぶった僕と同い年ぐらいの子がそう言って川神院に来た。

 


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