宇宙世紀と言う激動の中で。   作:吹雪型

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ヤバい…ヤバい事に気付いてしまった。


序でに量産型ガンタンクは一人乗りなの?調べても何にも出て来なかったの。


ジムVS水陸両用モビルスーツ

ヒマラヤ級空母マルス

 

「ソナー、敵の位置は何処だ」

 

「現在6時の方向5kmです。しかし、今は見失っております」

 

「モビルスーツだけでこの海域には居ない。必ず母艦が居る。ドン・エスカルゴの出撃を最優先だ」

 

「了解しました」

 

ダラス大佐は他艦の状況を確認する。空母マルスを旗艦として周囲を10隻の輸送艦と8隻の護衛艦で固めている。普通なら此れだけの戦力で充分と言える。

 

「モビルスーツ…ジオンめ、厄介な兵器を作りおって。モビルスーツ部隊は如何なってる」

 

「現在起動中です。あ、12時よりミサイル群接近!」

 

「対空戦闘!迎撃ミサイル発射!」

 

各艦から迎撃ミサイルが発射される。それでも抜けて来るミサイルは有る。

 

「更に9時の方から魚雷群来ます!」

 

「デコイ魚雷用意。母艦はまだ見つからんのか!ドン・エスカルゴ隊から連絡はまだか!」

 

「現在索敵中との事」

 

ミサイル群は何とか全て迎撃出来た。だが、ミサイル群の中にミノフスキー粒子が入ってる物が有ったのだ。

 

「くっ、やはり奴等か。諸君!奴等にこれ以上好き勝手やらせるな!ソナー班、貴様らの耳が頼りだ。頼むぞ」

 

空母マルス内は正に正念場を迎えていた。

 

『此方………の方でモビル…………ゴックタイ……ザザザザ』

 

「艦長、ダメです。ドン・エスカルゴ隊のラルゴ小隊からの通信途絶。恐らく…」

 

「屈辱だな。全艦に通達。兎に角前線基地の港まで逃げるぞ。これ以上の戦闘は危険だ」

 

ダラス大佐は全艦に向けてレーザー通信で連絡を取る。戦闘海域を逃げる様に進む。しかし、それを捕食せんとする水陸両用モビルスーツが迫っていた。

 

……

 

空母マルスとその護衛艦隊を見つめる奴等が居た。

 

「フッフッフッ、情報通りだな。あの空母には間違い無く連邦のモビルスーツが有る筈だ」

 

『ボリス大尉、あの空母を沈めるのでありますか?なら自分にやらせて下さい!』

 

『いや、自分がやります!連邦なんぞ自分だけでやれます!』

 

ボリス大尉は若い優秀な部下を預かる立場だ。これまでに沈めた連邦艦艇は5隻以上だ。だが、少々若さ故の勢いが有るのが玉に傷だ。

 

「落ち着け。先ずは連邦軍モビルスーツの性能を知りたい。リック、マリオは左右から遊撃。私は連邦軍のモビルスーツを拝ませて貰う。このゴックでな」

 

『了解です』『太尉、お気を付けて』

 

もう直ぐで連邦軍の艦隊が上を通過する。しかし、連邦軍は他の部隊の仲間に気を引き付けられてる。さあ、始めようか。

 

「戦争と言う殺戮をな!」

 

ボリス大尉は顔を狂気に歪めつつも愉快に笑いながらMSM-03ゴッグを目覚めさせるのだった。

 

……

 

「ミノフスキー粒子戦闘濃度か。これはレーダーは使えんな」

 

『仕方無いわよ。ミノフスキー粒子がこんなに濃いなんて。アーヴィント少尉、貴方の方は何か反応は無いの?』

 

『残念ながら無い。だが、安心したまえ。この艦隊の戦力は並大抵では無い。そう簡単に敵が来る訳が無いさ』

 

「アーヴィント少尉、それ本気で言ってますか?地球連邦軍は常に戦力比では勝っていた。だが、結果はご覧の有様です」

 

『確かにな。だが、それは連邦軍がモビルスーツについて理解していなかったからだ。今や連邦軍は自力でモビルスーツを作り上げた。そう、この素晴らしいRX-75量産型ガンタンクを!』

 

アーヴィント少尉は前髪をフサァとやる仕草をする。ヘルメット被ってるから出来なかったみたいだけど。まあ仕方無いね。

 

『それより敵の索敵よ。あ…私達のコードネーム決めて無かった』

 

え、今そこ気にします?

 

「なら仮で01、02、03良いのでは?」

 

『それもそうね。私が01、シュウ曹長が02、アーヴィント少尉は03』

 

「了解」『君がそう言うなら従おう』

 

その時だった。空母マルスや他の艦から短距離魚雷が発射される。それと同時に空母マルスの左舷側からビームが海面から出て来た。

 

『三人共!海水から敵モビルスーツ浮上!来ます!』

 

ルイス伍長の警告と同時に俺の直ぐ近くの海水から何かが出て来る。そいつは俺のビームスプレーガンを吹き飛ばしながら空母マルスの航空甲板に土足で入り込む。

 

「こ、こいつは…ゴッグかよ!」

 

資料で見た事がある。MSM-03は兎に角硬い奴で、然も腹部にビーム兵器を搭載してる。

 

『う、うわああああ!?!?』

 

アーヴィント少尉から40㎜ガンランチャーが乱射される。

 

『03!味方に当たるわ!射撃をやめなさい!』

 

『く、来るなああああ!?!?』

 

敵モビルスーツ、ゴッグは40㎜ガンランチャーを物ともしない。

 

『ふん、そんな豆鉄砲がこのゴッグに効くとでも?連邦のモビルスーツ等脅威にならんわ!』

 

『このお〜、これでも食らいなさい!』

 

「畜生!90㎜で対処しろってか!」

 

レイナ少尉は90㎜ガトリングガンを乱射。俺は予備の90㎜マシンガンを撃つ。因みにビームスプレーガンはゴッグの足元に転がってる。

ゴッグは90㎜の弾を受けても物ともしない。多少はダメージを与えてるが致命傷にならない。然も腹部からビームが収縮される。

 

(不味い!狙いはアーヴィント少尉だ!)

 

自分が狙われてると理解したアーヴィント少尉は更に喚く。

 

『03!120㎜を使いなさい!』

 

それと同時に120㎜低反動キャノンが火を噴くが、あらぬ方向へ飛んで行く。

 

『終わりだ!連邦の雑魚め!』

 

俺は咄嗟にシールドをアーヴィント少尉の前方に投げる。それと同時にゴッグからビームが放たれる。ビームはシールドに直撃して、シールドごとアーヴィント少尉の量産型ガンタンクに直撃する。

 

『被弾した!もう駄目だ!脱出する!』

 

『02!ナイスよ!』

 

どうやらアーヴィント少尉は無事な様だ。俺は機体のリミッターを解除する。そしてビームサーベルを抜く。

 

「行くぞ!茶色達磨野郎!」

 

『ふん!連邦のモビルスーツが、このゴッグに接近戦で勝てると思ってかー!!!』

 

俺はゴッグの間合いに入る。ゴッグも腕を振り被る。だが、俺は真面目にチャンバラをするつもりは無い。モビルスーツにはバックパックが有るんだよ!

俺はバックパックを全開噴射させて一気に急上昇する。

 

『ぬう!?貴様!逃げる気っ!?』

 

ゴッグはモノアイを動かして俺の動きを見る。

 

「これでも喰らえ!」

 

俺はゴッグのモノアイ目掛けてビームサーベルを投げつける。そして、ビームサーベルはモノアイに突き刺さる。

 

『ぬおおお!?き、機体が!』

 

「これで、終わりだ!」

 

俺はゴッグに突き刺さってるビームサーベルを抜き、コクピット目掛けて突き出した。

そして、敵モビルスーツのゴッグは機能を停止させた。

 

「よし…敵ゴッグを撃破。二人共無事ですか?」

 

『大丈夫よ、02助かったわ。ありがとう』

 

『ふっ、僕が良い具合に囮になったのが良かったかな』フサァ

 

『あんた何もして無いでしょう!』

 

『01、02、03まだ敵は艦隊下に居ます。注意して下さい!』

 

ルイス伍長が警戒を促す。しかし、海中に対してどうするかだ。

 

「よし…やるか」

 

俺はゴッグを水中に落とす。きっと敵の仲間は仇を取ろうとする筈だ。俺はビームスプレーガンを拾い歩き出す。

 

「すう、はあ…02行きます!」

 

俺はジムをバックパックを再度一気に噴射させる。

 

「ルイス伍長!敵の位置は分かりますか!」

 

『は、はい。現在空母マルスを中心に二時方向に2機居ます!』

 

二時方向…見つけた。

 

「そこだ!」

 

ビームスプレーガンと90㎜マシンガンを敵が居る海中に向かい乱射させる。

 

『クソ!隊長を、よくも!』

 

『許さないぞ!絶対に!』

 

向こうも此方にビームを撃ち返してくる。だが、味方艦隊はただ見てるだけでは無い。

 

「手空きの者も攻撃に入れ!敵に反撃の隙を与えるな!」

 

勿論艦隊も無傷では無い。既に2隻の護衛艦が沈没してしまっているのだ。そして、俺は護衛艦の上に着艦する。護衛艦は激しく揺れる。再度一気に空に跳び上がる。

 

『あの野郎、調子に乗りやがって』

 

何度も跳び上がりビームスプレーガンと90㎜マシンガンを海中に撃ちまくる。唯、絶対に輸送艦と護衛艦の上では止まらない。止まったら艦が潰されるからだ。

 

『死ねえええ!!!』

 

遂に敵ズゴッグが顔を出す。

 

「01、行けます?」

 

『バッチシよ』

 

レイナ少尉からの通信を聞いた瞬間、顔を出した敵ズゴッグが爆発する。レイナ少尉のジムはハイパーバズーカを装備して貰っていたのだ。

この後敵モビルスーツ部隊は撤退する。しかし地球連邦海軍が簡単に見逃す程、甘い存在では無い。

 

『全艦に通達、対潜ミサイル発射用意。連中に此処まで手厚い歓迎を受けたのだ。タダで返すのは礼儀に反する。少し高価な対潜ミサイルをプレゼントしようでは無いか』

 

そして各艦艇が敵水陸両用モビルスーツにロックを完了する。

 

『では、フィナーレだ。全艦対潜ミサイル発射!!!』

 

空母マルス、護衛艦5隻から対潜ミサイルが一斉に発射される。対潜ミサイルは確実に目標に飛んで行く。そして…

 

ドオオオオオオン!!!!!!

 

大きな爆発が起こり海が荒れるのであった。

 

「なんだろう、オペラの曲が何となく流れてた気がする」

 

気の所為だと思うが、何となく場面に合うから不思議なものである。

 

『02、良くやったわ。シュウが囮にならなかったら私達は死んでたかもだし』

 

「何とかなって良かったよ。あぁ、死ぬかと思った」

 

身体の力が抜ける。生き残る事が出来て本当に良かった。

 

『シュウ、感謝してる。けど二度とあんな危険な事をしないで』

 

「勿論ですよ。唯、俺は死にたく無いから死なない様に戦うさ」

 

屁理屈みたいに成ったが、無理をするつもりは無い。まあ、今回の戦いは結構危険な綱渡りだったかもだけど。

 

『シュウ約束よ。無理はしないで…お願い』

 

「レイナ少尉…?了解です」

 

そんな時だった。突然通信から誰かの声が聞こえる。この時の演説がジオン公国軍ギレン・ザビ大将が全地球規模でガルマ・ザビ大佐の国葬演説を行ったのを後から知った。

 

『我々は一人の英雄を失った、しかしこれは敗北を意味するものか? 否!始まりなのだ。

地球連邦に比べ我がジオンの国力は30分の1以下である。にもかかわらず今日まで戦い抜いてこられたのはなぜか?諸君、我がジオン公国の戦争目的が正しいからだ』

 

『正しいですって?何万人…いえ、何十億人を殺した事が正しいですって!』

 

『この男がギレン・ザビ。地球連邦軍の敵』

 

レイナ少尉とアーヴィント少尉は怒りを露わにする。

 

『一握りのエリートが宇宙にまで膨れ上がった地球連邦を支配して50余年。宇宙に住む我々が自由を要求して何度連邦に踏みにじまれたかを思いおこすがいい。 ジオン公国の掲げる人類一人一人の自由の為の戦いを神が見捨てる訳はない』

 

『この通信は地球規模なのか?』

 

『はい、どのチャンネルもジャックされてます』

 

『おのれ…やってくれる』

 

空母マルス内も慌しくなっている。

 

『私の弟、諸君らが愛してくれたガルマ・ザビは死んだ。なぜだ!?戦いはやや落ち着いた。諸君らはこの戦争を対岸の火と見過ごしているのではないだろうか?だが、それは罪深い過ちである。地球連邦は聖なる唯一の地球をけがして生き残ろうとしている。我々はその愚かしさを地球連邦のエリートどもに教えねばならんのだ』

 

『ガルマ・ザビが死んだ?はっ!ザマァねえな。死んだ理由は地球連邦に楯突いたからだよ!』

 

『違い無い!正義はジオンに有らず。連邦に有り!』

 

他の兵士達はこの演説を不快感を露わにする。

 

『ガルマは、諸君らの甘い考えを目覚めさせる為に死んだ。戦いはこれからである。我々の軍備はますます整いつつある。地球連邦軍とてこのままではあるまい。 諸君の父も兄も、連邦の無思慮な抵抗の前に死んでいったのだ。この悲しみも怒りも忘れてはならない。 それをガルマは死をもって我々に示してくれたのだ。

我々は今、この怒りを結集し、連邦軍に叩きつけて真の勝利を得ることができる。この勝利こそ、戦死者全ての最大の慰めとなる』

 

「まるで演劇だな。身内の死を何とも思わないのか?」

 

血の繋がりがある弟をこんな晒し者扱いするとは。血も涙も無いのだろう。

 

(逆に考えると、味方の犠牲を省みない戦術を平気で使いそうだな)

 

『国民よ立て。悲しみを怒りに変えて、立てよ国民! ジオンは諸君らの力を欲しているのだ。 ジーーーク・ジオン!!』

 

この演説により、敵モビルスーツに対する追撃が遅れてしまい撃破出来ずに逃してしまう。更に母艦となる潜水艦の発見も出来なかったのであった。




ギレン・ザビ総帥の演説は胸熱ですな!ジーーーク・ジオン!?
そして主人公の容姿についてなーんにも考えて無いや(小声)









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