私に友達ができないのはどう考えても幻想郷が悪い   作:puripoti

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第1話 社ノ中 静カニ思イヲ巡ラセル

 それは例年よりも随分と短い梅雨が明け、幻想郷に住まう人妖が照りつけるお天道様の威勢に辟易とした顔を見せ始めたある日のことであった。

 

   *

 

 その日、博麗神社の巫女はいつものように神社の境内からいつもと変わらぬ空を見上げていた。

 

 いかに幻想郷がこの世のありとあらゆる怪奇不可思議摩訶不思議無茶苦茶破茶目茶魑魅魍魎(ちみもうりょう)の吹き溜まりたる場所であろうとも、そこが世界のひとつとして括られている以上、四季もあれば季節の移ろいもある。春が暖かけりゃ夏は暑さで目が回る、秋になったら涼しくなるし冬が来たれば寒さが身にしみる。それはこの珍妙奇天烈な小世界であっても変わらない。至極ときたまではあるが、気色の悪い霧が発生して季節も風情(ふぜい)もへったくれもなくなったり移ろうのが妙に遅くなったり何時まで経っても朝が来なかったり季節外れもいいところの草花が咲き乱れたりつい最近も陽気につられたと思しき阿呆がええじゃないかと騒ぎ出したり、挙句それらの解決のために少女たちがそこかしこで弾幕を撒き散らしまくったりすることがあるものの、それはそれでこの常識に囚われては生きていけない奇妙な楽園ならではの愛嬌(あいきょう)と大目に見るべきであろう。

 

 そんな幻想郷の鎮守(ちんじゅ)と管理を(にな)う当代の巫女はいまだうら若き少女である。

 年の頃なら10代半ば、陽光を浴びて艶やかに輝く髪を肩の辺りまでのばし、その肩のあたりを大胆に取り払い胸元や袖口ににリボンやフリルをあしらうという、見ようによっては巫女の装束のようにも見えなくもない風変わりな格好の彼女は、社務所の縁側に腰掛け、雲一つなく晴れ渡る楽園の空をただただ見上げていた。

 

 博麗の巫女の日常はいたって簡素なものだ。晴れた日は境内のどこかに腰を落ち着けて茶をすすりながら空行く雲の軌跡を辿り、雨の日なら湯呑みを手にして降りしきる雨粒の音に耳を傾ける。気が向いたなら箒などを手に境内や社を清めたりもするし、気が向かないなら掃除したふりをする。別にそれが楽しいというでもなく、彼女はそれだけで日々を送っていけるのだ。巫女と神社の後見人たる妖怪の賢者などその様子を見るにつけ「年寄りくさいわねぇ」などと嘆くのだが、今のところ彼女に自身の在り様を改める気はなかった。

 

 かしましい蝉の鳴き声に包まれながら、少女は空を見上げている。お天道様の位置からすると、おそらくは昼を少し回った頃か。この季節、時間帯ともなればその暑さは日陰でじっとしているだけでも霍乱を起こしかねないほどだが、少女の肌には薄汗さえも滲まない。おそらくはたゆまぬ修練による賜物なのであろうが、どうもこの少女の場合、汗をかくのも億劫(おっくう)だという“ものぐさ”故ではないかと思えて仕方がない。

 

 一体どれほどの刻をそうしていたものか、まるで世界が始まった時からそうであったかのように身じろぎもせずにいた少女の視線だけが“ちら”と動いた。

 

「……今日は何しに来たのか知らないけど、参拝なら場所を間違えてるわよ」

 

 いつの間に、いつからそこにいたものか、視線の先には一人の女がいた。

 

 息を呑むほどに美しい女であった。

 

 色鮮やかな萌葱(もえぎ)の髪に彼岸花を思わせる紅の瞳、南国の花のように豊かな肢体を白菫色のブラウスとチェック柄の入った薔薇色のベストにスカートで包んでいる。

 手には日傘。無駄な装飾を施さぬ、それでいて上品な仕立ては、さながら一輪の花のような風情さえ思わせた。

 

 あえかな美貌に浮かぶのは風に流れる蒲公英(たんぽぽ)の綿毛のごとく“ふわふわ”と、つかみどころのない微笑み。きっと、この女は消え行く時までこんな笑顔だけを浮かべているのだろう。

 

 たとえ世界が終わることのない冬に包まれたとしても、その女の周りだけは燦々と輝く太陽の季節であるような、その女。

 そのくせ、これほどの熱気の真っ只中であるにもかかわらず、背筋に冷や水でも流されたような気分を感じずにはいられない、その女。

 

 名を風見幽香(かざみゆうか)といった。

 

   *

 

 およそ人を迎える為のものではない巫女の態度を、“くすり”と笑って幽香は受け流した。

 

「相変わらず愛想とは無縁なのね、貴女は。この神社が閑古鳥(かんこどり)の棲家になっているのだってそのせいじゃないのかしら」

「ついでに、あんたみたいな物騒な妖怪が用もないのにうろつくのが大きいんじゃないかしら」

「あらまあ、ひどいことを言うのね。こんなに大人しくて人畜無害な妖怪なんてそうはいないのに」

 

 どの口でぬかすか、口の中だけで呟きつつ少女は縁側から立ち上がる。

 

 風見幽香とは強い妖怪である。それ以外に形容すべき言葉は、ない。

 

 巷では、やれ四季のフラワーマスター危険度極高友好度最悪俺の嫁アルティメットサディスティッククリーチャー永世サド名人いや俺の嫁だよ触らぬ幽香に祟りなしゆうかりんかわいいよゆうかりん幻想郷で今一番踏んでほしい女ゆうかりんなら俺の隣で寝てるよエターナルドSゆうかりん近寄ると死ぬちょっとゆうかりんペロペロしに幻想郷逝ってくる・・・等々、様々な二つ名で畏れられ、幻想郷でも一二を争う危険生物として知られている彼女だが、しかしそれらの風評とは裏腹に、本人はいたって悠悠自適(ゆうゆうじてき)に日々を過ごす妖怪だったりする。

 

 おおまかな性質はちょいと剣呑な遊牧民のようなものだ。年がら年中日がな一日、それぞれの季節の花に囲まれて暮らし、そこから動くことはあまりない。ちなみに今の季節だと、幻想郷の奥地にひろがる『太陽の畑』と呼ばれる場所に腰を落ち着けているのが常である。そして新しい季節の訪れとともに、花の咲く場所を求めて移動する。春なら春の、夏なら夏の、秋なら秋の、冬なら少ないながらも冬の花が咲く場所に。その際に生じる様々な障害(邪魔をする者、邪魔な物、邪魔だと思われたもの)は、片っ端から人妖問わず問答無用の力づくで排除にかかる。前述のごとき歩く局地災害の扱いを受けるようになった理由がそれである。季節の変わり目に訪れる、傍迷惑なからっ風のようなものと考えてもいいかもしれない。

 

 そんな厄介極まりない妖怪を前にしても、博麗の巫女は揺るがない。緊張のあまり冷や汗を流すでも恐れるでもなく、探るような視線で風見幽香を見やるのみである。

 

「それで、何の用があって来たのよ。見てのとおり私は忙しいんだけど」

「あら、そうなの。やることもなく“ぼけっ”としてただけみたいだったけど?」

「素人はこれだから困る。あれこそは博麗神社一子相伝の修行法よ。己を虚と為し空に散らすことにより転じて実を───」

「まあ、それはどうでもいいわ。興味もないし」

「…………」

「そんなことより……」

 

 風見幽香は意味ありげに言葉を切り、笑みを深めた。

 

「さっきから待っているのだけれど、いつになったら私にお茶を淹れてくれるのかしら」

「なんであんたに茶を出してやらにゃならん」

「だって私、お客様なのに」

「招かれざる客に出す茶なんてない」

 

 つれない返事に気を悪くする風でもなく、風見幽香は左の手で自分を指さした。

 

「でも、お客様なのよ?」

 

 さらに“ちょこん”と首を(かし)げ、繰り返す。

 

「お客様なのよ?」

 

 さらに繰り返す。

 

「お客様なの」

「…………」

 

 博麗の巫女はあくまでも無言で返す。別に意地悪でしているのでもましてや呆れているのでもなく、口を開くのもイヤなので無視しているのだ。そして幽香もそれを承知で繰り返している。

 

「お客様」

 

 風見幽香はしつこかった。おそらく、茶が出されるまでずっと同じ事をやる気なのだろう。この女は人の神経を逆撫ですることにかけて不毛な労力を惜しまない。少女の肩が溜息とともに、こころもち下がった。

 

「……出涸らしでよければ出したげるわ」

 

 疲れた声を残し、少女はさも面倒くさそうな足取りで縁側に上がり、台所へと消えていく。それを見送った幽香は、日傘を畳んで縁側へ静かに腰を下ろした。

 

   *

 

「薄いわねえ」

 

 出された茶を口にした幽香の感想である。

 

「文句あるなら飲まなくていいのよ」

 

 忌憚ない感想に、右隣に座る巫女の目と声色が刺々しいものになるが幽香は気にもせず茶をすする。実に優雅なその所作(しょさ)には、少なくとも不満があるようには見えなかった。ひょっとしたら味は二の次で、誰かに淹れてもらえれば充分だったのかもしれない。

 

「文句なんて言ってないわ、あるがままの感想を述べただけだもの」

「なお悪いわ」

「ところで、お茶請けはどうしたのかしら?」

「お茶だけだって言ったでしょ。人の話聞きなさいよ」

「貴女まだ若いのに、ずいぶんと“しわい”のね」

「贅沢は敵よ。それよりも、一体何の用で来たのよ」

 

 ナチュラルな厚かましさに険しくなる巫女の視線なぞ気にも留めず、風見幽香は唇に手を当てて何かを思い出すような顔をした。

 

「……ああ、そういえば用事があったんだわ。ちょっと相談に乗ってほしかったのよ」

 

 相談ときた。思いもよらぬ一言に少女の柳眉がひそめられる。

 

「ふん、幻想郷にその名も高き大妖怪が、こんな小娘に何を持ちかけるのかしら」

「そんなに身構えないでもいいんじゃないかしら。別に無茶なことを頼もうっていうのじゃないのだし」

 

 眉間の強ばりを緩めぬ少女に、“ふんわり”とした微笑みを幽香は向けた。知らぬものが見たのなら夏を司る女神かと見紛うほどに美しい笑みで、風見幽香は切り出した。

 

「私、お友達がほしいの」

 

 あんた、暑さで脳ミソやられてんじゃないの? 喉元まで出かかった一言を、博麗の巫女はかろうじて飲み込んだ。

 

   *

 

 繰り返しになるが───

 

 風見幽香とは強い妖怪である。それ以外のなにものでも、ない。

 

 そして強い妖怪とは本当に強いのだ。どこからどこまでも、なにからなにまでも。

 

 例えばの話、この女を人っ子一人蟻の子一匹、それこそ誰もいなくて何もない場所に放り込んだとする。それが百年であろうと千年であろうと、この女はまったく動じもすまい。力の多寡など問題ではない。もしこの女が非力無能な存在として生を受けていたとしても、やはりこいつは世界か自分、どちらかが終わりを告げる日までただ風見幽香としてのみ在り続ける。自分以外の誰も何者も必要としない。こいつは、そういう女だ。

 

 その女が、言うに事欠いて友達がほしいときた。何の冗談だ。それともこれは新たな異変の予兆なのか。巫女が向けてくる胡乱な目つきに何を感じたものか、幽香は唇を尖らせた。

 

「なにか酷いことを思われている気がするわ」

「気のせいじゃないの。永く生きすぎてると疑い深くなってイヤね」

「嘘をつく子は閻魔(えんま)に舌を引っこかれたり地獄に堕ちて鬼にいじめられたりするらしいわよ。貴女は大丈夫かしら?」

「お生憎様、巫女ってのはほっといても功徳(くどく)を積める商売よ。これくらいなら許容の範囲内」

「なにを(まつ)っているのかも知らないバチあたりさんのくせに」

「ほっとけ」

「私が想像するに……多分、七福神とかじゃないかしら。もしくは弁財天(べんざいてん)とか」

「弁財天も七福神の内の一匹でしょ。ていうか、なんで七福神?」

「随分と前に立ち寄った神社で祀られてたの。そういえばそこの巫女さん、貴女にちょっと似てたわね。空も飛べなきゃ腋も出してなかったけど。もしかするとお知り合い?」

「知るかい」

 

 投げやりに言い捨て、博麗の巫女は自分の湯呑みを傾けた。ちなみにこちらも幽香に出したものと同じ出涸らしである。他人にだけ粗末なものを出したりしないのは美徳といってもよかろう。ひょっとしたら、わざわざ別の茶を用意するのが面倒くさかっただけなのかもしれないが。

 

「それにしても、一体全体なんだって急に友達がほしいなんて思ったのよ」

 

 喉を潤した巫女はもっともな質問をした。先にも述べたが、およそこの女にとって他者とは(わずら)わしいだけの存在であろうに。

 

「あんたってお花が友達みたいなやつじゃない。だったらそこらの草なり花なりにでも話しかけてりゃいいでしょ」

「そんなのいつもやってるわ。でも、それじゃあ私、傍から見て寂しい女みたいじゃない」

「やってたのか。なら、それで我慢なさいよ。そもそも他人にどうのこうのと思われたって、微塵も気にするようなタマじゃないでしょ」

「冷たいのね、協力する素振りだけでも見せてほしいものだわ。もちろん、協力してもらうからにはタダでとは言わないし」

 

 そう言って、幽香は胸元のポケットに手を入れ、そこから一抱えほどもある袋を取り出した。どう考えてもポケットの容量を大幅に逸脱しているが、それを不思議と思うような者はここにはいない。

 幽香から手渡された“ずしり”と重いそれの口を慎重に開き、中を確かめ───博麗の巫女は露骨に顔をしかめた。

 

 入っていたのは袋一杯の向日葵(ひまわり)の種だった。なんでも、ここを訪れる前に風見幽香の力───花を操る程度の能力───を用いて太陽の畑でかき集めたものだそうな。

 

「……で、これをどうしろっていうのよ」

「植えればいいじゃない」

「それで私に何の得があるっての」

「花が咲くわよ。たくさん」

 

 それで喜ぶのはあんただけよ。博麗の巫女は素っ気なく言った。

 

「それでなくとも、あんたの力に影響された花の種なんて物騒すぎて植える気になんてなりやしない」

 

 博麗の巫女はなんともいえない表情で袋を突き返した。なにせ余人はいざ知らず、幻想郷に知らぬものとてない大妖怪の手になる花の種だ。力と妖気の影響でおかしな変化───植えたら食人植物が生えてきたとか───を遂げていたとしてもおかしくはない。この考えを大袈裟(おおげさ)だと歯牙(しが)にもかけぬ脳天気は、すくなくとも幻想郷では三日も保たず誰ぞの腹の中である。

 

「ああ、それなら心配ご無用よ。貴女だったらよほどの油断をしたってかすり傷くらいで済むはずだし」

 

 幽香はあくまでも気楽な様子で返す。逆に言うなら博麗の巫女程度の力がなければ、かすり傷どころでは済まないということらしい。

 

「ざけんな、さっさと持って帰れ」

「あら、お気に召さなかったかしら?」

 

 風見幽香は心底不思議そうな顔をした。この少女は綺麗な花に囲まれることの一体どこに不満があるというのか。

 

「だったら食べればいいんじゃない? 軽く炒るだけでちょっとしたお茶請けくらいにはなるわよ」

「だから、あんたの妖気が染み込んだ花の種なんか食べたくないっつーの」

「よく噛んで食べれば大丈夫なはずよ。熱の通りや噛み方が中途半端だと、お腹を食い破られるかもしれないけど」

「ねえ、もしかするとあんた私に喧嘩を売りに来てるんじゃないの」

 

 だったら言い値で買ってやるわ、いくらだこのやろう。半眼になって睨めつける少女をいなすように幽香は言った。

 

「もう、そんなわけないじゃない。なんでお友達を作りにきて、喧嘩をふっかけなきゃいけないの」

「あんたがここに“ずかずか”と足踏み入れてからこっち、私の神経を逆立てなかったことが少しでもあったか」

「……? なにか気に障るようなことでもしたかしら、私」

 

 幽香は唇に人差し指を当てて小首を傾げる。妙に愛らしいその姿からは、これが冥府(めいふ)の悪鬼さえ三舎(さんしゃ)を避けると噂される大妖怪とは想像もつくまい。

 無垢な童女のように(いとけな)い仕草に何を感じたものか、博麗の巫女はなにかを諦めるようにこれ見よがしのため息を吐いた。

 

「……もういいわ。あんたに理解を求めようとした私が莫迦だった」

「何の事かは判らないけれど、貴女にしては随分素直に自身の非を認めるのね。良い事よ、それは」

「私、誰かのことをこんなにぶん殴りたいと思ったのって生まれて初めて」

 

   *

 

 二人の実りなきやり取りはその後も続き、ふと気がつけば辺り一面が茜色に染まっていた。

 

 博麗の巫女は空を見上げた。数羽の(からす)が“かあかあ”と鳴きながら飛び回っている。その中に混じる人影は鴉天狗だろうか。なんとまあ、不毛な時間を過ごしたことか。博麗の巫女は偏頭痛を覚えてこめかみを押さえた。境内に響く鴉の鳴き声が、阿呆な人妖二匹をからかうかのように聞こえて、ますます気が滅入る。

 

 いい加減付き合いきれなくなった博麗の巫女は、ここらで話を切り上げることにした。そろそろお腹も減ってきたことであるし。

 

「なんにしても、そんなに友達欲しけりゃこんな寂れた神社じゃなくて、人間の里にでも行くことね。あそこなら人間でも妖怪でも、よりどりみどりよ」

「そうしたら、お友達がたくさんできる?」

「知らないわよ、そんなの」

「頼りにならないわねえ」

「うっさいわね。少なくとも、あんた見てくれだけはいいから、ほっといても男連中が声をかけてくるでしょ。そこから適当なのを見繕いなさい」

「そうね、そうしてみるわ。じゃあ話も決まったことだし、私はここら辺で“おいとま”させてもらうわね───あとこれはお礼、あげる」

「いらないって言ってんでしょ」

 

 幽香が押し付けてきた例の袋を博麗の巫女は断固として拒絶した。

 

   *

 

 話もまとまったところで、幽香は帰路に着くべく立ち上がった。博麗の巫女は疲れたような目でそれを追う。普段なら自身も立って客を送るくらいはするのだが、今日はもう何もしたくない気分だった。そんな彼女に、幽香は今日一番の笑みを寄越した。

 

「今日はありがとう。お友達ができたら、あらためてお礼に来るわね」

「二度と来んな」

 

 巫女の憎まれ口を“くすくす”と笑ってやり過ごし、幽香は踵を返した。神社の端、林と森の中間点のような木々の間に分け入っていく。そこから人里へと続く獣道が伸びているのだ。

 

 あの娘も、もう少し素直で可愛げのある性格になったら、友達になってあげてもいいのにな。そんなことを考えながら、風見幽香は彼女にしては珍しく、どこか浮ついたように軽快な足取りで夕闇の道へと消えていった。




 登場人物について

風見幽香

備考───虹界隈ではSだったりMだったりUSC呼ばわりと色々忙しい(薄い本調べ)このSSにおいてはともだち募集中の少女である

博麗の巫女

備考───巫女さんをやっている。

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