担い手も異世界から来るそうですよ?   作:吉井

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縛り確認
逆廻十六夜:『正体不明』以外のギフト使用禁止
柊華蓮:『四神の担い手』以外のギフト使用禁止



第二話 射程自由

「私がルールを決めてしまいましたからね、先行は譲りますよ十六夜」

「そうか? んじゃあ……」

 

 辺りを見渡し、手頃なギフトゲームを開催している出店を探す。

『強制命令権』が報酬となっている以上、十六夜は本気で勝ちに行く。切り札は多い方がいいに決まっているのだ。

 なので、出来るだけこちらが有利になるゲームを仕掛けたいのだが、そんな都合よく見つかるはずもなく――――

 

「おっ、……アレなら」

 

 見つけた。呆気なく。

 というより、その出店自体はいくつか既に見つけていたのだ。ただ、十六夜が望むギフトゲームを開催していなかっただけで。

 

「決まったぞ。とりあえず、あのギフトゲームに参加すっか」

「うわ……、これはまたベタな。――それで? どんなルールなんです?」

「それはまだ決めてねぇ」

「…………」

 

 呆れ顔の柊と共に、十六夜はとあるギフトゲームに参加する。

 祭りの定番とも言えるソレは、しかし十六夜の見立て通り、とんでもないギフトゲームを開催していた。

 

 

 

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 ――――――――――

 

 

 

 ギフトゲーム『射程自由(Free Range) ~収穫祭特別仕様~』

 

『参加者』

 ・逆廻十六夜

 ・柊華蓮

 

『ルール』

 ・参加者は、支給される銃器を使用し『的』を撃ちぬく。

 ・『的』を撃ちぬけばポイントが入り、総ポイントに応じて景品のランクがアップする。

 ・全部で三つのステージがあり、一つクリアするごとに挑戦の是非を選択できる。尚、ステージが上がる際、これまでに獲得したポイントはゼロとなる。

 ・ステージが上がれば難度も上がり、難度に比例して獲得ポイントも上がる。

 

『補足説明・安全性の証明』

 ・このゲームで使用する弾丸は特別製で、参加者に対しての殺傷性は全くありません。

 ・使用する銃器は全て本物ですのでお気を付けください。

 

 宣誓 上記を尊重し、参加者は自己責任の下ギフトゲームに参加します。

                               《銃器愛好会》

 

 

 

 ――――――――――

 

 

 

「収穫祭、なんにも関係ないじゃないですか⁉」

 

 思わず柊は叫んでいた。

 

 十六夜が選択したのは『射的』のギフトゲームだった。

 契約書類を読む限りでは一応『射的』の体は成しているようだ。しかし、宣誓文に『自己責任』なるワードが有るのは見過ごせない。

 出店を出せている以上安全性に問題は無いのだろうが、それでも胡散臭いことに変わりは無かった。

 

 今彼女たちがいるのは、外界と完全に隔絶された空間――所謂ゲーム盤。防音を主な目的とし――レア度の高いゲーム盤を保有しているからこそ、こんなギフトゲームを開催できてるのだ――、本来ならば準備に手間と時間のかかる舞台装置を造り上げている。

 

 ――――舞台装置。

 といっても、それほど大仰なギミックは無い。連想するのは、銃の試し撃ち等に使われる射撃レーン。

 ただ、通常より圧倒的に奥行きがある。裸眼で終わりが見えない程に長く、そして広大だった。

 

「あー? 聞き捨てならねぇなぁ姉ちゃん。これはあくまで『射的』だぜ? 祭りの定番だろ?

 このギフトゲームもその延長だぜ? ただ射程と難度が跳ね上がっただけでなぁ」

 

 柊の言葉に突っかかってくるのは、二人をここまで案内した人間の男。

 上下を緑の迷彩柄で染めた男は明らかに不機嫌そうにしながらも、参加者二人にファーストステージのルールを告げた。

 

「初めは小手調べのステージだ。

 今からアンタらには、この地点から的を『狙撃』してもらう。距離は最短で百メートル。そこから百メートルずつ距離が遠くなっていき、最も遠いところは千メートルだ。

 ステージクリアのラインは、十個中七個の狙撃成功。弾丸は全部で十発。一回の命中につき、一発ずつ弾が補充される仕組みだ。理解したか?

 因みに、距離に関係なく入るポイントは同じだからな。それと、ここで半分以上誤射る奴は、この(・・)上には絶対に進めねぇ(・・・・・・・・・・)から(・・)

 

 矢継ぎ早に告げられたルールに意見を挟む暇も無く、ゲーム盤がその姿を変え始める。

 広大な敷地に次々と、直線の並びで『的』が出現したかと思うと、二人のいる『狙撃地点』と『レーン』を白線が分断した。

 

「銃は同じ規格のものを提供する。弾丸は自動でリロードされるように改造して(いじって)ある。……ああ、言い忘れてた。狙撃場所、今の高さじゃ七百より先は物理的にムリだから。その都度言うように」

 

 それじゃ、健闘を祈る。男はそう言い残し姿を消した。

 

 ――――直後、開始のベルが鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 二人残されたゲーム盤。

 狙撃銃は既に現れていて、床に並べて置かれている。

 

「――まあとりあえず、こっちの事情を優先させてもらおうか。

 俺のゲームルールは『どちらがより上のステージに辿り着けるか』だ。同じ場合は最終ステージでの得点勝負ってことで」

「了解しました。いいんじゃないですか、それで」

 

 十六夜が決めたルールを二つ返事で了承する柊。

 その姿に焦りは無い。『狙撃』という、日常ではまず経験しない存在を前に、何一つ気負った様子が無い。

 

「――――、よし、まずは俺からだ」

 

 十六夜はそれを強がりだと判断した。

 狙撃銃の片割れを持ち上げると、どこかで見ているであろう男に、足場を百メートルほど上げてくれと告げる。

 

 ズズン、と足場が揺れ、せり上がっていく。

 そして全ての準備が完了すると、十六夜は片膝立ちの体勢をとった。

 

「――――いくぞ」

 

 一言告げ、引き金を引く。

 射角を確保するためであろうその体勢から放たれた弾丸は、螺旋の軌跡を描きながら一直線に突き進んでいく。

 そして。

 

 ――――ッダァン‼

 百メートル地点の的。その中心を正確に撃ち抜いた。

 

「……ふう、腕は鈍ってねぇみたいだな」

 

 リロードは勝手にやってくれる。

 十六夜は淡々と引き金を引き続けた。ズンと腹に響く火薬の破裂音が、一定の間隔をあけて空気を震わせる。

 そして飛翔する弾丸は的に吸い込まれ続け、

 

「……パーフェクト」

 

 十六夜が銃を下ろした時、眼前には粉々に砕け散った残骸のみが散らばっていた。視認できないが、おそらく最長距離の的もその形を失っているだろう。

 

 ――――放たれたのは十発の弾丸。

 ――――撃ち抜かれたのは十個の的。

 

 百発百中の狙撃精度。それは柊にとっても驚嘆の事実で、

 

「……驚きました。貴方、こんなことまで出来たんですね」

「まあな。向こうの世界でアイツに、色々と経験させてもらったからな。

 無茶苦茶な奴でな。銃自体はハワイでアイツに習ったんだが、狙撃(これ)は流石にムリってことで。そしたらアイツ、どんな伝手を使ったのか十代の俺を米軍基地に連れて行きやがった。そこで何ヶ月か撃たせてもらったんだが、……今思うとアイツ、俺が思ってた以上にとんでもねぇ奴だったんだな……」

 

 しみじみ語るその姿は、どこか哀愁を漂わせていて、

 

「…………」

 

 話に出てきた『アイツ』の現在(いま)を推し量る事は、容易に可能だった。

 柊は期せずして得てしまった情報を胸の内にしまうと、何事も無かったかのような足取りで銃の元へ向かった。

 

「次は私ですね」

 

 言って、床に置かれた銃を両腕を使って抱え上げる。ずしっとした重量感から柊は、この銃のおおよその重量を概算する。

 一秒と経たずに算出は完了した。――鍛えている女性ならともかく、少女の腕力では自由に持ち運ぶことすら困難な重量。

『柊華蓮』の腕力でギリギリといったところ。

 

「――――ですが、持ち運べるのならば、問題ありません」

 

 ふらつきながらも確実な足取りで、柊はゆっくりと狙撃地点へ向かう。

 目測で百メートル地点の的と銃を、一直線になるように並べ横たえる。たったそれだけで、彼女は荒い息を吐いていた。

 

「っ……まったく、……四神の力にばかり、……頼っているから、……こういうことになるんですよ」

「……こんな事言える立場じゃねぇが、……撃てるのか?」

「もちろん。引き金を引くくらい楽勝です。舐めないでください」

「お、おう。……因みに、狙撃の経験は?」

 

「? まったくありません(・・・・・・・・・)が、それが何か?」

 

 首を傾げる柊を見て、その言葉を聞いて。

 よっしゃ、と心の中でガッツポーズをする十六夜。彼は早くも勝利のイメージを掴みかけていた。

 

 狙撃というスキルは、日常ではまず身につかないものだ。

 十六夜は米軍基地で経験したが、そんなこと普通はあり得ない。華蓮が経験している可能性が低いからこそ、十六夜はこのゲームを選択したのだ。

 さらに、狙撃銃の重量による枷もある。先程の様子を見る限り持ち運ぶことは出来るようだが、あれでは絶対に撃つことは出来ないだろう。

 

「――ふん。序盤のステージで、これ程までに簡単なゲームルールならば、――――別に狙撃の経験が無くても問題は無いでしょうに」

 

 柊はそう言ってうつ伏せの体勢をとった。そして、スコープを一切覗くこ(・・・・・・・・・・)となく(・・・)、足場の指示を出す。

 

 ――――余談だが。

 現在の『柊華蓮』の服装は、ずばりメイド服である。

 接客用の露出が激しいものから、シックで機能性重視のスタンダードタイプに着替えているが――――メイド服である。

 理由は単純明快。替えの私服を一着も所持していないから。

 そもそも収穫祭自体、十六夜に拉致同然の強引さで連れてこられなければ参加しなかった。故に今、華蓮のギフトカードに外泊用の荷物は全く入っていない。

 しかしいつまでもこんな目立つ格好をしている訳にはいかない。柊はそう考え、唯一入っていたこのメイド服――突発的なギフトゲームに対処するための、守護のギフト付きメイド服。言うなれば、戦闘用メイド服だ――に着替えたのだ。

 

 閑話休題。

 

 

 

 そんな訳でメイド服での狙撃となった訳だが、なんともまあ似合わない。本来ならば給仕用の服であるメイド服と武骨な狙撃銃は、見事なまでにアンバランスだった。

 あまりにアンバランス過ぎて、もはや一種の『萌え』の境地に辿り着いてさえいた。

 

 も一つ閑話休題。

 

 

 

 ――そして足場の調整が終わった。

 十六夜が見守る中、柊は不意に、ふっと笑った。

 

「貴方、多分こう思ってるんでしょう? ――引き金が引けたところで、その瞬間に襲いかかってくる強い反動を抑え込めないだろう、とね。違いますか?」

「――――、」

 

 無言の十六夜、つまりは図星。

 しかしこんな事、ばれたところで今更どうということは無い。十六夜は、「その通りだが……それがどうかしたか?」と平然と答え、ついでとばかりに柊を挑発した。

 

「いいえ別に。一つだけ、伝えたかっただけです。――この程度の壁など、担い手の力無しで突破できると」

 

 その言葉の直後、柊を見つめる十六夜の眼に鈍い痛みが走った。同時に、視界の中央にある柊の像が二重にぶれる。

 この現象は何度か経験している。華蓮が四神の封印を解いた時、――内包する霊力が瞬間的に増大した時にもこの痛みを感じていた。

 ……しかし今回は違う。契約(ギアス)により四神相応(ふういんじゅつしき)は使用不可だ。

 ならば何故――――、十六夜の頭に疑問符が浮かんだ。

 

「――――いきますよ」

 

 その疑問は直後、柊が引き金を引いたことで解決した。

 

 火薬の炸裂音がズンと轟くと同時、襲いかかってきたであろう衝撃を――――柊は難なく抑え込んでいた。

 

「なっ…………⁉」

「――――次いきます。足場を上げてください」

 

 驚愕に目を剥く十六夜を尻目に、柊は淡々と足場の上昇を指示した。

 上昇が止まると同時、引き金を引く。今回も柊は完璧に衝撃を殺し切り、――――放たれた弾丸は、二百メートル地点の的を粉々に撃ち砕いた。

 一射前の弾丸も百メートル地点の的を撃ち抜いていた。つまり現在、柊の的中率は百パーセントだ。

 

「んなバカな…………」

 

 十六夜は思わずそう漏らしていた。

 衝撃を殺し切ったことには驚いた。だがそれには既に結論が出ている。今十六夜を悩ませているのは別の事だった。

 そう、――――狙撃経験の無い柊が、二射連続で的を撃ち抜いた事実についてだ。

 その難度を知る十六夜だからこそ、この光景はより不可思議に映った。何かしらの裏ワザを使っている、そう考えていた。

 

「上昇をお願いします」

 

 柊は告げる。

 調整が完了し次第、引き金を引く。――――的を撃ち砕く。

 

「上昇をお願いします」

 

 柊は告げる。

 調整が完了し次第、引き金を引く。――――的を打ち砕く。

 

 告げる。――――砕く。

 引く。――――砕く。

 砕き、――――告げる。

 

 淡々と告げ、

 無心で引き、

 そして今、――――最も遠い千メートル地点の的が、撃ち砕かれた。

 

 

 

「パーフェクト……ですね」

 

 

 

 

 

 ◆◆◆◆◆

 

 

 

 ――――――――――

 

 《ファーストステージ:リザルト》

 

 坂廻十六夜、柊華蓮。

 共に全ての標的を沈黙させ、セカンドステージに駒を進めた。

 

 ――――――――――

 

 

 

 ◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「――で? なんだよアレ」

 

 セカンドステージの準備だとかで少し時間ができた。その隙に十六夜は、疑問を解決してしまおうと柊に詰め寄る。

 

「アレとは、どちらのことでしょう? ――衝撃を殺し切った事ですか? それとも、狙撃に成功した事でしょうか?」

「後者だ。前者の謎はもう解けてる」

「へぇ、そうですか。……ふむ、……では、その推理が正解ならば教えましょう」

 

 意外なことに、すんなりと話が通ってしまった。いつものように、「何故貴方に教えなければならないのですか」と言われると思っていたのだが。

 

「言質取ったからな?」

「心配せずとも反故になどしませんよ」

「……んじゃ、言わせてもらう。

 結論から言って、アレの正体は、身体を霊力で満たす『身体強化』だ。四神の封印を解いた時と似たような状態だな。

 ギフトじゃねぇし、視えない奴には分からねぇんだが、生憎俺は右腕(これ)を扱うために少し齧ってたからな。内包する霊力が増えたところもバッチリ確認済みだぜ?」

 

 あの時目に走った鈍痛は、霊力の急増が原因だった。例えるならば、暗所で急にライトを目に当てられた様なものだろうか。慣れない刺激に目が悲鳴を上げたのだ。

 

「でも今は四神の封印を解くことは出来ませんよ?」

「そんなことは百も承知だっての。んなもん使わなくても、華蓮(お前)自身の霊力を使えばいいじゃねぇか」

「……ですね、正解です」

 

 普段四神の力に頼っているせいで忘れがちだが、華蓮の中にも少なからず霊力は存在するのだ。溜め込んでいたそれで身体を満たせば、限定的な身体強化もできるだろう。

 ……と言っても、その上昇値は四神の何百分の一なので、華蓮はまず使わない。こんな状況下でない限りは。

 

「これで全てだ。正解だろ?」

「ええ、あってますよ」

「よし。それじゃ、早速教えてもらおうか。狙撃経験の無いお前が、何故パーフェクトをとることが出来たのかをな」

「……………………」

 

 意気揚々と告げる十六夜。彼は今、鬼の首をとった気でいるのだろう。なんせ彼女の秘密――未経験かつ未体験の狙撃を完璧にこなした裏ワザ――を白日の下に晒せるのだから。

 

 ――――と、十六夜はふと気づいた。

 無言の柊が、ジト目でこちらを見ていることに。そして柊はそのまま、

 

 

 

「…………え、まさかまだ分からない? 私、これに関しては、何一つ特別な事はしていませんけれど……」

 

 

 

 冷水を頭から浴びせられた気分だった。

 そんなわけがない。未経験者が成功させられる程狙撃は簡単ではない。――十六夜の頭の中はそれでいっぱいだった。

 ――――その考えがそもそもの間違いだった。

 

「いいですか十六夜。おそらく貴方は思い違いをしている。

 私は今回、経験で撃っていないんですよ。当たり前ですけどね。私は今回、――――頭脳(あたま)で撃ったんです」

「頭脳…………、――――そういうことかッ!」

 

 ハッとし、何故こんな単純な事に気づかなかったのかと猛省する十六夜。思考の固定化の恐ろしさを、彼は今味わっていた。

 そして柊は、答え合わせの様にその意味を語った。

 

「頭脳――――つまりは、数学と物理学ですね。データを公式に代入して、算出された結果(撃ち方)に従って撃ったのですよ。

 この空間の重力は、体感から察するに地上と同じ。風の流れは感じない。しかし空気抵抗は生じる。

 銃の規格が同じならば、先に十六夜に撃たせてから、その結果を元に考え直せばいい。

 後は銃を地面に固定し、そこから一歩も動くことなく足場を上下して調整。引き金を引けば、九分九厘命中するというわけです」

 

 言葉の通り、彼女は何ら特別な事はしていなかった。しかし彼女は――――柊は、暗算で関数計算をしてのけたのだ。コンピュータのような正確さで。

 ……いや、記憶領域に干渉できるのだから演算領域にも干渉できるのだろう。ならば、その正確さにも納得がいく。

 

「――――ですが、次のステージはそう簡単にいきませんよね。まず間違いなく、さっきのやり方は通じないでしょう」

「ああ、間違いなくな」

 

 気持ちを切り替え次を見据える柊は、切迫した状況にも拘らず呑気に状況確認をしていた。

 同じく気持ちを切り替えた十六夜は、次の『的』を想像する。……まず間違いなく、動く。それに関しては確信があった。

 

「(……使い時ですね)」

 

 柊の呟きは誰の耳にも届かなかった。

 しかしその変化は、鈍痛という形で十六夜に襲いかかった。

 

(――――ッ!)

 

 先ほどと同じ痛み。しかし十六夜は違和感を感じていた。幾度となく視た霊力の増大とは違う変化だった。

 霊力の増大は、まるでピントがずれていくかの様にぶれる。だが今回は――――ノイズが走ったのだ。

 思わず問いかけていた。

 

「なんだ、今の?」

「何故貴方に教えなければならないのですか?」

「…………身体強化じゃねぇよな?」

「貴方自身で気づいていることを問わないでください」

 

 ……そうか、やはりこれが…………

 

 

 

「これが、『四神の担い手』の力なんだな」

「――――何故貴方に教えなければならないのですか?」

 

 

 




このゲームだけ長くなる予定です。前後編とかいつものことですよね?

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