ファンタジー世界を現代兵器チートが行く。   作:トマホーク

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「どうだ。軍曹は見つかったか?」

 

「いえ……。まだ見つかっていません。行方不明だった2名の遺体と軍曹が使っていた軍刀は見つかりましたが、軍曹の姿が何処にも……」

 

甚大な被害を出した帝国軍が撤退しその後、何ら動きが見られなかったためカズヤ達は行方が分からなくなっていた3名の捜索を開始した。

 

……何処に行ったんだ?

 

捜索を開始してすぐに行方不明になっていた兵士2名は遺体となって発見されたが、その2名を探しに行った舩坂軍曹の姿だけがどこを探しても見つからなかった。

 

捕虜になっていなければいいんだが。

 

カズヤは舩坂軍曹の安否を気にしながらも捜索を打ち切ることにした。

 

「しょうがない捜索を打ち切る。戻るぞ」

 

「「「ハッ」」」

 

カズヤ達が舩坂軍曹の捜索を諦め第2城壁の中に戻るとそこにはマリアが待っていた。

 

「カズヤ殿、カレン様がお呼びです」

 

「あぁ、分かった」

 

マリアからカレンが呼んでいると聞いたカズヤは後を千歳大佐に任せてカレンの元へ向かった。

 

「!! ……無事だったようね」

 

「あぁ、俺はな……。だが部下が6人死んだ。それにまだ1人行方不明だ」

 

「……そう」

 

部屋に入ってきたカズヤの無事な姿をみたカレンは花が咲いたように満面の笑みを顔に浮かばせ声をかけようとしたが、カズヤの顔を見て何かを悟ったカレンは表情を引き締めカズヤに声をかけた。

 

「……恐らくまた明日から敵は攻めて来るわよ。そんな状態で大丈夫なのかしら?」

 

「俺は大丈夫だ。それよりこっちは(城塞都市)大丈夫なのか?」

 

話を変えようとカズヤがカレンに問い掛けたがカレンの表情は芳しくなかった。

 

「正直厳しいわね。食料はまだ余裕があるけれど武器――火薬や弾丸、矢の備蓄がほとんど無くなったわ……。貴方達が来てくれたお陰で助かっているけれど、貴方達がここに来てくれていなければ城塞都市は既に落ちていたでしょうね」

 

「そうか。一刻も早く援軍が来てくれないと不味いな」

 

「えぇ、本当に……」

 

そんな先行き真っ暗な会話の後、幾つか話をするとカズヤはカレンの部屋をあとにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

カズヤが城の一角に設営した親衛隊の指揮所に戻ると千歳大佐がカズヤの帰りを待っていた。

 

「お帰りなさいませ。ご主人様」

 

「ただいま。何か報告はあるか?」

 

「はい。屋敷に残して来た兵士から入った情報ですが、カナリア王国の増援が昨日の昼に出陣したそうです」

 

「昨日の昼か……。数は?それに……間に合うか?」

 

「数は2万5千ほどだそうです。間に合うのかは……。時間的に少し厳しいですね。それとあと被害報告書が出来ましたのでご覧下さい」

 

「だよな……。ん、分かった。見せてくれ」

 

 

千歳大佐が手に抱えていた何枚かの紙を渡されたカズヤはその紙に視線を落とした。

 

「兵士50人中6人が戦死。行方不明1人、負傷者は俺が全員治したから0。弾薬は……後1〜2回の戦闘でなくなる……か。参ったな……」

 

「ご主人様」

 

カズヤが報告書を見て眉をひそめていると恐る恐る千歳大佐が声をかけてきた。

 

「なんだ?」

 

「先程言いましたようにカナリア王国の増援は間に合うか微妙です。我々も撤退するか、追加の部隊を投入しませんと危険です」

 

「……そうだな。」

 

これ以上、戦力の出し惜しみは厳しいか……。

 

でもなぁ……追加の戦力を投入するとただの冒険者っていう言い訳が効かなくなるんだよな……。

 

ただでさえ現代兵器を使っているから怪しまれているのに。

 

……それに俺達のことをこそこそと嗅ぎまわっている連中もいるみたいだし。

 

「どういたしますか?」

 

んー。と呻き声をあげながら考え込むカズヤに決断を迫るように千歳大佐が言った。

 

「分かった。地上部隊を城塞都市の近くに移動させてくれ。だがくれぐれも人目につかないようにな。それと各航空隊も命令があればすぐ動けるように出撃準備をさせろ」

 

「了解しました」

 

カズヤが追加戦力の投入の決断を下したことにより、前哨基地では出撃準備が進められることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

翌朝。城塞都市では昨日の朝に行われた大規模な魔法攻撃が再度行われる可能性が高かったため日が昇る前に兵士達が戦闘準備に取りかかっていた。

 

「……来ねぇな」

 

「そうだな」

 

しかし皆が警戒していた攻撃はいつまで経っても行われず見張り台にいる城塞都市の兵士が軽口を叩いている始末。

 

加えて敵軍にも動きはなく、そのまま昼を過ぎ今日1日はこのまま何事もなく過ぎていくかと皆が思い始めた時だった。

 

カン、カン、カンと城塞都市に非常事態を知らせる鐘の音が響く。

 

その鐘の音を聞いたカズヤは隣で見張りの兵士と無線で連絡を取りあっていた千歳大佐に聞いた。

 

「何があった?」

 

「敵軍の後方の上空に空中艦隊と空中要塞が現れたそうです」

 

「空中艦隊と空中要塞?」

 

千歳大佐から報告を聞いたカズヤは報告を確かめるため指揮所から外に出て城壁の上に登る。

 

「存在するというのは聞いていたが、これはまた……。ファンタジーなものが出てきたな……」

 

カズヤの視線の先には悠然と空に浮かぶ巨大な島のような要塞と何十門というカノン砲を両舷に積み、揚力を得るための翼を取り付けた大小無数の戦列艦が空に浮かんでいた。

 

うーん。○ピュタみたいだな、あの空中要塞……。

 

カズヤが空に浮かぶ要塞を見てそんなことを考えていると、そこへ鎧を纏ったカレンがマリアを引き連れてやって来た。

 

「ちょっといいかしらカズヤ。貴方にお願いがあるの」

 

何か悲壮な覚悟を決めたような顔でカレンはカズヤに言った。

 

「……なんだ?」

 

「王国軍の増援がこちらに向かっていると報告が入ったわ。私達が時間を稼ぐからその間に貴方達は民を連れて王国軍と合流してくれないかしら」

 

「………………死ぬ気か?」

 

「死ぬ気は無いわ。……でも誰かが奴等の気を引かないといけないでしょ?それにどのみち城塞都市はおしまいよ。増援が来ても敵のあの戦力じゃ私達に勝ち目はないわ」

 

カレンがそう言って空に浮かぶ空中要塞に視線を向けた時だった。魔法でも使ったのか突然、空中要塞の上に銀髪で赤と緑のオッドアイの男の姿が投影された。

 

『我が名はレンヤ。この世界とは異なる世界からやって来た渡り人だ。もっとも今はエルザス魔法帝国の専属魔導師だが。ゴホンッ、此度――』

 

おいおい、いきなりなんか始まったぞ?

 

突然始まったレンヤと名乗った男の演説に両軍の兵士達は皆、空を見上げていた。

 

『――そして帝国の敵に告げる。直ちに武器を捨て降伏しろ。そうれば命だけは助けてやろう。もちろん助けてやるのは人間に限るが』

 

皆が空を見上げてレンヤの演説に耳を傾けているなかカズヤは千歳大佐と小声でしゃべっていた。

 

「(中二病か?あいつは。まためんどくさそうな敵(トリッパー)が出てきたな)」

 

「(はい。……しかし魔導師を名乗ってくれたお陰で奴の能力がある程度絞り込めます)」

 

「(まぁ、そうだな)」

 

レンヤの演説が続くなかカズヤと千歳大佐が喋っていると小さく爆発音が聞こえた。

 

音の発生源の方を見ると敵の本陣から真っ黒な黒煙がモクモクと立ち上っている。

 

「事故か?」

 

「そのようです」

 

カズヤと千歳大佐は双眼鏡であわてふためいた様子で火を消そうと動き出した敵を見てそう言った。

 

「……話を戻していいかしら?」

 

突然始まったレンヤの演説によって話を遮られたカレンが額に青筋を浮かばせ不機嫌そうに言った。

 

「で、お願いできるかしら?」

 

「うーん。もう少し冒険者をやっていたかったんだが……」

 

「? 何を言っているの」

 

「あぁ、すまない。1人言だ。で、カレンの話だが……カレンが囮になる必要はないぞ?」

 

「貴方、私の話をちゃんと聞いていた?このままだと私達は全滅するわよ。それともなに?まさか貴方は妖魔族や獣人族の民を見捨てて帝国に降伏するつもり!?」

 

敵の圧倒的な戦力を前にカズヤが怖じけずき帝国軍に降伏すると思ったのか、カレンが顔を真っ赤にしてカズヤに詰め寄り襟元を掴む。

 

それを見た千歳大佐がホルスターからベレッタM92を抜こうとしたのをカズヤは一瞥する事で止めさせた後、カレンの目を見つめ呆れたように言った。

 

「いや……そんなことをするわけがないだろ」

 

「じゃあ一体どうするのよ!?」

 

「まぁ見ててくれ」

 

カズヤは襟元を握り締めるカレンの手を優しくほどき、無線機を掴むと呟いた。

 

「全部隊に告ぐ。作戦行動に移れ。攻撃開始」

 

 

『『『『『『『『了解!!!』』』』』』』』

 

カズヤが無線機に向かって呟いた数十秒後、城塞都市の上空を何か細い長い物体が凄まじい速さで大量に通り過ぎて行き次々と空に浮かぶ戦列艦に突き刺さった。

 

突然の出来事に目を白黒させるカレン達が知るよしもないが城塞都市の上空を飛んで行ったのは城塞都市から数十キロの空域で空中待機していたF-22ラプターから放たれたAIM-120アムラーム(視程外射程空対空ミサイル)の大群だった。

 

マッハ4で飛行するアムラームに対し迎撃はおろか回避行動もとれなかった戦列艦は次々と命中するアムラームに船体を易々と食い破られ翼をへし折られる。

 

木造の戦列艦の防御力などなんの障害にもならず空対空ミサイルの少ない炸薬でも戦列艦は簡単に火だるまになり搭載していたカノン砲の火薬が誘爆。小規模な爆発を繰り返し地上に落ちていく。

 

何発かのアムラームは戦列艦ではなく空中要塞にも命中したが、空中要塞は強力な魔法障壁に守られていたため効果がなかった。

 

「………………カズヤ、貴方一体……何をしたの?」

 

次々と火を吹き地上に落ちていく戦列艦を呆然と見ながらカレンはカズヤに問いかけた。

 

「ハハハッ、これぐらいで驚いていたらキリがないぞ?」

 

カズヤはそう言ってイタズラが成功した少年のように笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

一方その頃、突然ミサイルの攻撃を受けた空中要塞では大騒ぎになっていた。

 

「ロイヤル・オーク、ヴィクトリー、セント・マイケル、セント・アンドリュー、プリンス轟沈!!アイロス、ナキマ、クイック飛行不能!!不時着します!!」

 

「味方艦隊の被害拡大!!――なっ!?味方艦隊が後退して行きます!!」

 

「レンヤ様どういたしますか!?」

 

味方の艦隊の被害が増大し遂には後退し始めた報告を受けレンヤの部下の男がレンヤに対し判断を仰ぐ。

 

「なぜこの世界にミサイルがあるんだ!?……まさか!?クソ!!俺達以外にトリッパーがいるなんて聞いていないぞ!!」

しかし当の本人は部下の声が聞こえていないのか、大声を上げて1人で騒いでいた。

 

「レンヤ様!?ご指示を!!うわっ!!」

 

また何発ものミサイルが同時に魔法障壁に命中し爆発した衝撃で空中要塞は揺さぶられた。

 

「俺の……俺の邪魔をするやつは皆殺しだ!!魔導砲発射用意!!」

 

頭に血が上って冷静な判断が出来ないのかレンヤは怒りで真っ赤に染まった顔で唾を飛ばしながらそう叫ぶ。

 

「レ、レンヤ様!?いけません!!魔導砲を撃つためには魔法障壁を解かねばなりません!!そうすれば敵の攻撃が――」

 

「うるさい!!お前らは俺の言うことを黙って聞いていればいいんだ!!」

 

「しかし!!」

 

「しかしもクソもあるか!!これは命令だ!!さっさとしろ!!」

 

「……了解しました」

 

だから嫌だと言ったんだこんな奴のおもりをするのはっ!!

 

部下の男は無茶な命令を受け内心で悪態をつきながらも命令通りに動いた。

 

するとやはり部下の男の予想通り魔法障壁が消えた空中要塞に何発ものミサイルが着弾。

 

だが着弾したミサイルは全て空対空ミサイルだったため空中要塞に命中しても空中要塞の設備を破壊するに留まり致命的なダメージを与えることができなかった。

 

ところが偶然にもレンヤがいた空中要塞の上部にある城のような建物の一室――指令室の近くにミサイルが着弾、部屋の壁が吹き飛び部屋のなかを爆風が駆け回る。

 

「ヒィ!!」

 

奇跡的に無傷だったレンヤは爆風で足元に飛んできた人間の腕を見て青ざめ尻餅をつき、腕から少しでも離れようと後ずさりながら叫んだ

 

「てっ、撤退だ!!は、早くここから逃げるんだ!!」

 

「し、しかし!!我々が撤退してしまうと地上部隊が――」

 

「うるさい!!地上の奴等のことなんか知るか!!そんなことより早く撤退しろ!!これは命令だ!!」

 

レンヤに怒鳴られた傷だらけの兵士は逆らうことが出来ずに空中要塞を撤退させる。

 

帝国軍の地上部隊は数分前まで圧倒的な存在感を見せつけていた艦隊がバタバタと落とされ、空中要塞が逃げて行く様をただ呆然と見ているしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

ルーデル飛行中隊の18機のA-10サンダーボルトⅡは11ヶ所のハードポイントにCBU-87/Bクラスター爆弾を装備し雁行隊形で城塞都市の上空に侵入した。

 

「おーおーおー!!ウジャウジャいやがる。これはやりがいがあるな」

 

ルーデル少佐はそう言って眼下の敵兵の数の多さに頬を緩める。

 

「野郎共!!準備はいいか!?」

 

『第2小隊準備よし!!』

 

『第3小隊同じく準備よし!!』

 

「それじゃあ逝くぞ!!全機攻撃開始!!」

 

『『ヤー!!(了解)』』

 

ルーデル少佐の命令で飛行中隊は高度200メートルまで降下。

 

一糸乱れぬ見事な雁行隊形のまま帝国軍の本陣の頭上に侵入し合計198発のCBU-87/Bクラスター爆弾を一斉に投下した。

 

ガゴンッという機体から切り離される音と共に投下されたCBU-87/Bクラスター爆弾は投下直後に空中で破裂。内臓されていた202個の子爆弾が広範囲に散乱して地上に落下。

 

地上では、ばらまかれた数千個の子爆弾が一斉に爆発。帝国軍の兵士達に爆風や破片が情け容赦なく襲いかかり瞬く間に敵兵を肉塊へと変貌させる。

 

「全機、右旋回。機銃掃射をかける」

 

一瞬で多くの兵士を殺傷したルーデル飛行中隊は止めとばかりにもう一度、敵兵の頭上へ侵入した。

 

編隊を維持しながら先程よりも低空に舞い降りたルーデル飛行中隊はタイミングを見計らいルーデル少佐の命令で全機同時にトリガーを引く。

 

「ぶちかませ!!」

 

―――グヴォォォーーーー!!

 

トリガーが引かれると機首下部に露出している30mmGAU-8ガトリング砲の7本の砲身が高速で回転し耳をつんざく轟音と共に砲口から火を吹いた。

 

毎分4200発で劣化ウランを弾芯とした30mm対装甲用焼夷徹甲弾や焼夷榴弾が発射されると敵兵は消し炭と化す。

 

 

「チッ、弾切れか。全機帰投する!!」

 

数十秒間の攻撃の後、弾が切れたルーデル隊が攻撃をやめ機首を上げて上昇していった後には巨大な龍が爪で引っ掻いたような18本の傷痕が地面に刻み込まれ辺りには敵兵の血肉が散乱しまるで血の海のようになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

「空中艦隊及び空中要塞の撤退を確認」

 

「航空隊、上空警戒の直掩機を除き帰投します」

 

「7分後にヘリ部隊、15分後に地上部隊が到着」

 

続々と入る報告を聞きながらカズヤは城塞都市の上空で編隊を組んで帰投していく航空隊を眺めていた。

 

「……あの空を飛んでいるのは貴方の味方なの?……いえ、それよりもカズヤ、貴方は一体何者なの?」

 

 

この世界の常識では考えられない速さで空を飛び回り帝国軍に大損害を与え悠々と帰って行く航空機をまざまざと見せつけられたカレンは驚きを隠せない顔でカズヤに問い掛ける。

 

「……もうただの冒険者だって言っても通じないよなぁ。ふぅ……後で全部話すよ」

 

「あっ、ちょっと待ちなさい!!」

 

カレンの呼び止める声を無視してカズヤは全軍の指揮を取るため設備が整った親衛隊の指揮所に向かって歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

「総司令からの命令が来ました」

 

「内容は?」

 

「城塞都市を包囲する敵殲滅です。あと情けは掛けるな盛大に殺れ。と」

 

帝国軍の航空戦力である竜騎士達が全て叩き落とされ空中要塞や空中艦隊も撤退したため制空権が確保された城塞都市の上空。

 

AH-64Dアパッチ・ロングボウの機内でカズヤからの命令を受け取った射撃手兼副操縦士は後席に座る操縦士の少尉に命令の内容を伝えた。

 

すると少尉は一瞬キョトンとした後、獰猛な笑みを浮かべて言った。

 

「了解。なら“アレ”も流せ」

 

「“アレ”ですか?いいですね」

 

指示を受けた射撃手兼副操縦士は特別に機体に取り付けてあるスピーカーから、ある曲を流し始める。

 

 

『ワルキューレの騎行』

 

 

 

「終わったな」

 

大音量でワルキューレの騎行を流し既に戦意を喪失している帝国軍に対し止めとばかりにM230A1 30mm機関砲や70mmロケット弾を雨あられと容赦なく浴びせ蹂躙するヘリ部隊を見てカズヤの口からそんな言葉が漏れた。

 

その後、カズヤの言葉通り航空隊やヘリ部隊の容赦ない攻撃を受け開戦当初は60万もの軍勢を誇っていた帝国軍は最終的に約30万まで数を減らし、その内10万がカナリア王国(カズヤ達)に降伏。20万が帝国領内にほうほうの体で逃げ帰るという結果に終わった。

 


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