これは魔法少女ですか?~はい、ゾンビです~   作:超淑女

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6「そう、きっと夢オチで」

 放課後、巴マミと暁美ほむらは路地裏から出る。

 初めての協力。戦闘はすぐ終わった。

 一人ならばそこそこ苦戦したかもしれない魔女。

 しかし暁美ほむらのサポートが絶妙だった。

 

「(私の戦い方を熟知しているようだったわ)」

 

 だが、ほむらの方は内心驚くこともあったのだ。

 主に巴マミが接近戦をした時などは時折驚く。

 そもそもマミの戦い方は遠距離戦メインの戦い方だ。

 接近戦はゾンビの力があるからこそ、である。

 

「ありがとう、おかげで楽に終わったわ」

 

「いえ、役に立てたならなによりよ」

 

 いつも通り、後ろ髪を払う仕草をした。

 まどかとさやかだが、今日はほむらの要望もありかえらせることになったのだ。

 あの二人をあまり危険にさらしたくないとマミに言った。

 もちろんマミも思っていることで、それに新しい魔法少女を増やすことについてはほむらに言われていらないと思い始めている。

 

「これから二人で頑張りましょうね♪」

 

 そう言って笑いかけると、ほむらは少し視線を逸らしながらも―――頷いた。

 なんだか、その姿がやけに可愛らしく見え、気づけば動いていたマミ。

 ほむらの頭を優しく撫でる。

 

「あっ……嫌だったかしら?」

 

「べ、別に……」

 

 マミが気付いて手を頭から離すと、赤い顔でそっぽを向くほむら。

 

「……いやでないわ」

 

「ほんと?」

 

 頷くほむらを見て、マミは嬉しそうにほほ笑んだ。

 

 

 

 狩りを終えると、時間は8時を過ぎていた。

 充実した時間だったと思うマミだが、表情のないほむらも内心はそう思っている。

 実際ほむらは嬉しいのだ。

 しかしそんなことを言えば―――

 

「(私の信念が揺らぐ)」

 

 ほむらはマミの顔を見て、そう思う。

 マミは彼女が何を目的になにをしようとしているか、なんて今更考えてはいない。

 ただ純粋に街を守ってくれているのだと思うことにした。

 

「それじゃ、気を付けて帰ってね?」

 

「貴女こそ」

 

 マミが軽く手を振るので、軽く返しなおすと、いつも通り髪を払い去っていく。

 そのほむらが見えなくなるとマミはマンションへと歩き出そうと踵を返した。

 

「……セラさん」

 

 目の前にいたのはセラフィム。

 自分より高い身長のせいで見上げる必要がある。

 マミを見下ろすセラフィムは、ほむらが去って行った方向を見ていた。

 

「ストーカーですか」

 

「違うわよ!?」

 

 自分の保身のために言っておく。

 友達であると言うと、なんだかつまらなさそうに頷くセラフィム。

 どんだけ自分を弄り倒すつもりなんだろうと気が遠くなりそうになりながらも、項垂れるマミ。

 

 程なくして、二人は話をしながらその場を離れる。

 買い物も必要ないということで真っ直ぐ家を目指す二人だったが、暗いせいかだんだん人気が無くなっていく。

 すると、目の前に一人の男性が現れる。

 不穏な雰囲気を察して立ち止まるマミとセラフィムの二人。

 長身で大柄な男性はマミを見て唇をゆがめた。

 

「(貞操の危機!?)」

 

 ビクッと反応するマミに、男は歩き出す。

 

「ま、魔法少女の魔力……」

 

 魔法少女のことを知っている!?と戦慄するマミ。

 隣にいるセラフィムも目を細めていることから危機感があるのだろう。

 すると、突然マミの肩に白い獣が乗った。

 

「あれはメガロだ!魔法少女を倒すために冥界が作り出した兵器だよ!」

 

 白い獣ことキュゥべぇがそう解説して、肩から離れる。

 男の背中から、二つの腕が出てきた。“男”という皮を内側から引き裂き、現れるのは巨大なザリガニ。

 茫然とするマミ。

 その巨大なザリガニは変な鳴き声を上げる。

 

「お前が欲しぃ~」

 

「ヒィィィィッ!?」

 

 恐れおののき、マミは自分の体を抱く。

 

「あんなのでも良いんですか、この変態」

 

「ちょっ!」

 

 そんなことは無いと言おうとをしたマミだったが、その瞬間、ザリガニのハサミが跳びだした。

 ロケットのように飛んでくるそのハサミを、マミは片手で押さえる。

 

「ば、バカな!」

 

 ありがちなそんなセリフを聞いて、マミはハサミを抑えながら顔に笑みを浮かべた。

 その笑みはどこか不敵で、そして大胆である。

 横にいるセラフィムは、何の心配もしていない表情。

 

「せいっ!」

 

 マミが、押さえているハサミの向く方向を180℃変えさす。

 ハサミは真っ直ぐメガロの方へと飛んで行くが、身体をそらしたせいでハサミは空高く飛んでいった。

 

「セラさん、合わせてください!」

 

「わかりました」

 

 刀を持つセラフィム。

 マミが走ってメガロの懐に飛び込んだ。拳を下に振りかぶると、地を勢いよく蹴る。

 それと共に跳びだしたマミが、肘にてメガロの腹部を打つ。

 

「200%!」

 

 衝撃と共に、空高く飛ぶメガロ。

 マミが変身。それと同時に二挺のライフルサイズのマスケット銃を撃った。

 弾丸がメガロに撃ちこまれる。

 その弾丸からリボンが出現。

 リボンはメガロを拘束した。

 

「終りね」

 

「当然です」

 

 木の葉と共に、浮いているメガロの前に現れるセラ。

 すでに刀を振り上げているセラは、赤い瞳で眼前の敵をにらみつける。

 

「秘剣燕返し!」

 

 真っ向からの一刀両断。

 真っ二つになったメガロは光の粉となって空中に消えゆく。

 着地するセラの傍へと寄るマミ。

 昨晩戦いあった二人だが、全然弱かったと思える。

 

「コスプレですか」

 

「違います!」

 

 そう言うマミが気付く。おそらくセラフィムには魔法少女の素質は無いのだろう。

 先ほどもキュゥべぇが見える様子は無かった。

 そのキュゥべぇも今は居ない。

 変身を解くマミが、セラフィムを見る。

 

「帰りましょっか」

 

「ええ」

 

 少し腑に落ちないマミだったが、セラフィムと歩いていく。

 まさかコスプレイヤーなんて印象はついていまいと自分に言い聞かせる。

 まったく厄介なことになったと、マミはため息をつきながら歩いて行った。

 

 

 

 

 

 家に帰って、マミはメガロのことを忘れていた。

 もちろんあえて忘れていたのであって、本気で忘れたわけじゃない。

 たまに本気で忘れそうになるが、すんでのところで思い出す。

 そして、夕食を食べ終えてユウがいつも通りテレビを見ながらお茶を飲んでいた。

 その隣に腰かけたマミが、静かに聞く。

 

「ねぇ、メガロって知ってる?」

 

 ユウは静かにお茶を置く、メモ帳に片手で文字をかくと、そっとマミの方に寄せた。

 優しく微笑むマミがそのメモ帳を見る。書かれている文字は単純な一言。

 

『知ってる』

 

 頷く。ユウはページを千切る。

 次のページには既に文字が書かれていた。

 

『どこで知ったかはだいたい予想できる』

 

 再びページがめくられる。

 

『冥界は魔法少女を消そうと考えてる』

 

 頷くマミ。言いたいことも、言っている意味も大体理解したつもりだ。

 先ほどあの力は我が身で味わった。勝てないことはないが、油断はできない。

 

『気をつけて』

 

 それが終わりなのだろう。すぐにテレビの方に目をやってお茶を啜る。

 マミはほほ笑んでユウの頭を撫でた。

 表情を変えないユウだが、心配してくれているのがわかる。

 

「マミ」

 

 セラフィムが名前を読ぶ。振り返ったマミの前にいたセラフィムの手には皿。

 その上に乗った料理はおそろしいオーラを放っていた。

 黒い暗黒のオーラを放つその薄緑の液体。

 本能的な恐怖により震えながらも、マミはそれを指さす。

 

「ここここっ! こここっ、ここここここここっ、これはなに?」

 

 その料理を指差す指すら震える。

 体中の水分が一斉に汗となって出ていく中、セラフィムはマミの前にその料理を置く。

 マミの前にスプーンが置かれた。そしてセラフィムは死を宣告。

 

「さぁどうぞ」

 

 日頃料理を作ってもらっていますから、という言葉を受けながらも、スプーンを使いスープを飲む。

 刹那、口の中が焼けるような感覚に陥る。液体はすでに喉を通り胃を焼く。

 叫びすらも出ない中、マミはの床をのたうちまわった。

 

「あまりのおいしさに阿鼻叫喚していますね」

 

『おいしくて阿鼻叫喚はでない』

 

 ユウのメモにも目をやらないセラフィム。のたうちまわっているマミが起き上がりそのスープを見て、セラを見る。

 いつも冷たい眼をしているセラが、少し優しい顔でマミを見ていた。

 

「どうぞ、全部飲んで良いんですよ?」

 

 喉を鳴らすマミは、死を予感する。

 なんだか妙に子孫を残さねば、と言う気になってくるのは死を意識しているからだろう。

 息が徐々に上がってくる。汗が顎を伝う。

 そして、両手で皿を持つと、皿の端に口を付けた。

 

「はぁっ……はぁっ……はぁっ……っ……っ!!?」

 

 全てを飲み干すと、マミは一瞬ビクビクっと跳ねて、倒れる。

 セラはおいしさのあまり気絶した。とした。

 気絶しているマミが時たま痙攣するのを見てから、ユウは再び興味なさげにテレビを見る。

 日常と言えば、日常なのだろう。

 

 

 

 

 

 マミが目を開く、体の内部はもう再生しているようだと冷静に判断するが、イマイチ冷静になれない。

 それも全部、目の前一杯にある胸が原因だろう。

 巨大なソレだけでわかるのは、セラフィムだということ。

 

「おはよう」

 

 そう言って起き上がるマミ。

 セラフィムは、おはようございます。と一言。

 料理のことはなんとも思っていないのだろう。

 

「優しいのね」

 

 笑顔でそう言うマミ。セラフィムはそっぽを向いて立ち上がるとそのまま歩いて行ってしまう。

 少し困った顔のマミは、怒らせてしまった? と心の中でつぶやく。

 外がもうすぐ朝なのに気づき時計を見る。

 デジタル時計は時刻4時を示していた。

 

「もう一眠りしようかしら」

 

 大きく背を伸ばして、マミは髪留めを外して二つのロールを解く。

 そのままだらしなくベッドに横たわると、眠りについた。

 ベッドに横たわったマミ。その横で、ごそごそと動く影があった。

 

 

 

 

 

~~~~~

 

 

 

 

 

 見滝原の見慣れた河川敷に立っているマミは、暁美ほむらと共にいた。

 なぜか暁美ほむらはおさげでメガネだ。

 オロオロとした雰囲気から、今の雰囲気は想像できない。

 

「と、巴さん。ほんとにやるんですか?」

 

 ほむらの手には、一丁のマスケット銃。

 ハンドガンサイズのそれを、ほむらは両手で持っている。

 後ろにいるマミは笑顔でうなずいた。

 

「あの缶に向かって銃を構えてトリガーを引くだけ、簡単よ」

 

「そ、そんなこと言ってもぉ」

 

 恐る恐ると言った様子で、銃口を缶に向ける。

 息を整えて、トリガーを引いた。

 反動で後ろに倒れてしまうほむら。

 吐き出された弾丸は缶に当たることは無い。

 

「あぅぅっ」

 

 尻もちをついたほむらが泣きそうな表情を見せるが、その頭を撫でるとマミがほむらを立ち上がらせる。

 体についた砂埃を払うと、プっと吹き出して笑い出す。

 涙目で抗議するほむら。

 

「巴さぁ~ん!」

 

「ごっ! ごめんごめん、ついね」

 

 そう言うと、マミは新たなマスケット銃を出そうとする。

 出そうとしたが、そこで止めた。

 少し意識を集中。そして、その手に新たに出したのはマスケット銃じゃない。

 

「はい」

 

「これは……」

 

 それは現代の拳銃だった。オートマチック式の拳銃。

 反動はそれほど大きくない物を作り出したつもりのマミはそれをほむらに渡した。

 撃ってみて、と言うと、ほむらが先ほどと同じように銃口を向けて、撃つ。

 

「きゃっ!」

 

 ほむらが後ろに倒れそうになるが、マミが受け止める。

 倒れなかったほむらだが、弾丸も当たらない。

 

「少し一緒にやってみましょうか」

 

 そう言ったマミが、ほむらに銃を構えさせる。

 すると後ろからほむらの背中にぴったりとくっつくと、ほむらの手に自分の手を合わせた。

 少し硬くなるほむらに笑う。

 

「リラックスしてみて?」

 

 その言葉に、少しずつ肩の力が抜けていく。

 ほむらの顔の横から、銃口をしっかりと缶に向ける。

 重ね合わせた手。

 

「撃って、反動は上に向ける……良いわね?」

 

 その言葉に、恐る恐ると言った様子で頷くほむら。

 そして、ほむらはトリガーを引いた。

 反動を殺してしっかりと立っているほむら。

 弾丸は真っ直ぐと奔り、缶を貫いた。倒れる缶を見ながらも、驚いたほむらは表情を変えない。

 

「やったわね」

 

 そう言うマミを見て、嬉しそうに頷く。

 満面の笑みで頷くほむらの頭を撫でた。

 

 

 

 

 

~~~~~

 

 

 

 

 

 ハッとして、マミは眼を覚ます。

 すでに、夢の記憶はほとんどなくなっていた。

 覚えているのはほむらが出てきたということと、銃を出したということだ。

 どういうことだろうと、悩む。

 

「魔法少女タッグで浮かれてるのかしら」

 

 起き上がるマミ。カーテンが開いていることに気づく。

 ジュゥゥゥッ、と肉を焼くような音が聞こえた。

 

「きぇぁぁぁっ! 足があぁぁっ!」

 

 ベッドから転げ落ちるマミ。

 日向に放置された足の熱さに、押さえて転げまわる。

 転げまわっていると、本棚にぶつかり、今度は後頭部を押さえて転げ回った。

 揺れる本棚。その本棚から巨大な広辞苑が落ちてくる。

 

「(あぁ、ガイアよ……これが私への試練なのね)」

 

 広辞苑がマミの顔面にぶつかる。

 辺りに―――鮮血が舞った。

 

 

 

 

 

 朝、暁美ほむらが自宅の自室にて目を覚ました。

 少し驚いたような顔をしている。

 涙が伝い、白い布団にシミを作った。

 

「なんでっ、あんな夢……」

 

 両手で布団を掴む。

 

「全部っ貴女のせいよ……こんな夢っ」

 

 涙を両手で拭うが、ボロボロとこぼれる涙は止まらない。

 彼女と一緒に戦う。こんなことがここまで嬉しいことだとは自覚していなかった。

 結局一緒だったのだ“彼女”は“彼女”と同じく自分の命の恩人。

 守ってくれる存在であり、守ったことは一度も無い。

 

「っ!!?」

 

 いつか、彼女が魔女に頭を食われた時を思い出した。

 布団を出て、立ち上がると黒く長い髪を払う。

 

「今度は守るわ」

 

 テレビをつけると着替えを始める。

 流れてくるニュースに耳を傾けると興味深い内容のニュースが流れた。

 隣街での連続殺人犯。巴マミぐらいの正義の味方ならすぐに行ってしまうのだろうと思い笑う。

 まぁ、あくまでも隣町に正義の味方が行ったらの“もしも”の話である。

 

「風見野の方じゃないわね」

 

 確認すると頷く。

 風見野には彼女の目的を達成するに必要な人材がいるのだ。

 余計なことになるわけにはいかない。

 ほむらは頷くと、制服に腕を通した。

 

 

 

 

 

 マミが登校していると、学校へと向かう通りで後ろから声がかけられる。

 振り向くと、そこには青い髪。少しだけ見上げる形になるが、そこには美樹さやかがいた。

 隣には鹿目まどか。そしてさらに隣には―――知らない緑髪の少女。

 

「えっと……」

 

「志筑仁美です。お話は二人からかねがね」

 

 礼儀正しい少女に自分も軽く会釈する。

 そしてさやかに視線を戻すが、少し複雑そうな表情をしていた。

 まどかもどこか困っているように見えた。

 

「私やっぱり転校生を信用できない」

 

 そう言ったさやかに、マミは残念そうな表情をする。

 まどかも同様に、なぜ? という表情。

 

「一緒に戦ってマミさんの戦闘をサポートしてる。わかってる! 理屈ではわかってるんですよ……」

 

 拳をギリギリと握りしめる。

 そして眼を力強く瞑った。

 

「ただ、ただっ……気持ちが納得しないんですよっ! 」

 

 言いたいことはなんとなくわかるけれど、どうしてと言いたくなる気持ちを押さえる。

 まどかもほむらを信じたいらしく、さやかも同じ。

 

「でも、違うんです。信用できないんです……あいつの奥底にある、何かがしこりになってて……」

 

「美樹さん、なにをっ」

 

 どこか苦しそうに言うさやかが心配になるマミ。

 隣の志筑仁美が、静かに歩き出す。

 

「さやかさんは今、現実と向き合おうとしていますわ」

 

「志筑さん?」

 

「人間ならば誰もが持っている固定観念。そういうものを打ち破り、さやかさんは今、新たな世界に適応しようとしています」

 

 仁美は、背後からさやかの肩をそっと抱く。

 少しビクッとするさやかだったが、仁美は気にしていない。

 そっとさやかの顔の横に顔を出すと、再び言葉を続ける。

 

「さやかさんは、暁美ほむらの存在を自分自身に納得させようと懸命に戦っているのです」

 

 そう喋りながらも、仁美とさやかの顔の距離はどんどんと近づいていく。

 

「それは魂の再生、あるいはリバース―――醜い芋虫が美しい蝶に変わるように、彼女は生まれ変わろうとしているのです」

 

 さやかの頬をそっと撫でる仁美。

 少し上気した顔で消え入るような声をあげるさやか。

 真っ赤な顔のまどかとマミは言葉が出ていない。

 

「はぁっ!? 私は何を! 離れてわかめ!」

 

 一瞬で正気に戻ったのか、さやかは仁美を弾き飛ばす。

 少し後ろによろめく仁美だが、倒れる寸前で一回転して華麗に体勢を整える。

 

「私は内なるハイヤーセルフに誓って!いつか受け入れて見せます!」

 

「(まともに戻ったけどダメだった!)」

 

 ショックを受けるマミをよそに、走っていくさやか。

 同時に追っていくまどかを見送るマミ。

 なんだか妙な焦燥感に襲われる。

 

「巴先輩?」

 

「あっ、志筑さん……美樹さんになにしたの?」

 

 ジト目で仁美を見るマミだが、仁美は笑いながらなにも無いと言う。

 大きなため息をついて、歩き出すマミ。ついていく仁美。

 初対面でさっそく二人きりだと言うのに、そこまで居心地が悪くない。

 

「ところで巴先輩、ユークリウッドはどうですか?」

 

「うん、結構元気で……ってなんで知ってるの?」

 

「私、冥界人ですから」

 

 立ち止まるマミが、大声を上げて驚くまでに時間はかからなかった。

 

 

 

 

 ―――私の周囲は、なにかおかしい。

 

 

 

 

 

 




あとがき

はい、だいぶとんでもなことしました!
そしてここからメガロなんかを絡めながら魔法少女なことが巻き起こります。
次回は一気に一週間後!楽しんでいただければ嬉しいです。

では、次回をお楽しみに♪

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