巨人の世界に現れた忍達。   作:ラリー

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6話 城へ

調査兵団に連れられ、彼等の国へと向かう俺と護衛の忍達。

ちなみに護衛の忍達は新たに組んだ小隊で相手側になめられない様に

男ばかりの構成となっている。

 

メンバーはうずまきナルト、うちはサスケ、自来也、カカシの4人。

暁のメンバーはこの人選にかなり渋っていたが俺の命令という事で大人しく

いう事を聞いてくれた。

 

さて、そんなお供4人を引き連れ、大きな門を潜り中世の町並みが広がる

彼等の国へと入国をしたのだが…。

さまざまな視線や呟かれる声を聞いて気分が悪い。

何故なら調査兵団の出迎えだと思われる国民達が道の両端で俺達に疑わしい視線を

向けながら……『税金泥棒め…』 『無駄な事を…』 『壁の中で大人しくしていればいいのに』

など、調査兵団の陰口を叩くのだ気分が悪くならないわけがない。

あまりの気分の悪さから、このまま帰ろうかとさえ、思い始めたとき。

俺の後ろから大きな怒鳴り声が発せられた。

 

「やいやいやい!テメェら!それが命を賭けて国の為に働いているキースのおっちゃん達

に対する言葉なのか!?何もしねー弱虫が勝手なことを抜かすんじゃねぇってばよ!!」

 

響き渡るナルトの怒りの声。

これには陰険な国民達だけではなく、一緒に歩いていた調査兵団の面々もぽかんとした

表情でナルトを見ている。

さすが原作主人公。

おかげで少しスッキリしたよ。

自分の中の怒りがある程度なくなったことを感じ取った。

 

「なんだとこのガキ!調査兵団がどれだけ俺達の税金を無駄にしてきたか知っていて口に

してんのか!?」

 

「そんなの知るか!!そんなどうでもいい事よりもキースのおっちゃんに謝りやがれ!!

このハゲ親父!!」

 

「は、ハゲ……!?」

 

ハゲと言われて頭に来たのか真っ赤になって震えだす男。

その顔はまさにハゲヤカン。

顔には出さないが正直愉快でたまらない。

しかし、これ以上ナルトの好きにさせると暴力事件に発展しかねないので

止める事にする。

あと自来也、お前は笑いすぎだ。

せめてサスケとカカシくらいに抑えて笑って欲しい。

 

「ナルト時間の無駄だからやめておけ」

 

「……オス」

 

ナルトにやめるように命令するとナルトはしぶしぶだが従ってくれた。

おそらくナルトはまだハゲにいろいろといい足りなかったのだろう。

消化不良と言った感じだ。

ナルトが静かになったことで正気になった調査兵団の面々は怒り狂うハゲを

抑えつつ、俺達は国王の居る城へと向かった。

 

この国は中世の町の他に変わった特徴が在る。

それは見上げるほどの大きな壁。

巨人から国を守るための物らしく、マリア・ローゼ・シナとそれぞれの壁に名前が

あるのだとか…。

そのお陰でここ百年近く、巨人による被害は外に出て調査をする調査兵団のみで

壁の中は平和そのもの。

ゆえにあのハゲ達は調査兵団は税金の無駄だと言ったのだろう。

しかし、絶対の平和などありえない。

 

もし、巨人の中に変異種が誕生したら?

その変異種が壁を壊す力を持っていたら?

もしくは巨人を製造している奴等がここを侵略しようとしたら?

 

と、壁が破壊されるいろいろな可能性があり、そのことを考えるとこの国で一番修羅場

を潜り、戦闘経験あると思う調査兵団の力が必要になってくる。

 

そんな彼等調査兵団を無駄という考えの浅いこの国はきっと攻められたら未来はないだろう。

 

ナルト以外は俺と同じ事を思っているのか呆れた表情で壁を見つめる。

 

「では皆さんお疲れ様でした。明日は船でウォール・ローゼを超えますので

この宿でお泊まり下さい」

 

壁を見ながらしばらく歩いて空が暗くなってきた頃、キースさんの部下である青年、

たしかエルヴィン・スミスだったか?

一回しか名前を聞いていなかったから合っているのか不安だが、そんな感じの名前だった気がする。

たしかに暗くなってきたし、どこかに泊まらないといけないのは分かるが未だに

ローゼの壁を通れないってどれだけ距離があるの?

 

「えー!明日も移動すんの!?一体城までどんだけ距離があるんだってばよ!!」

 

俺と同じ事を思っていたのか、文句を口に出すナルト。

うん、いいにくい事をズバズバ言える君を素直に尊敬するよ。

 

「ははは……、すまないね。こればっかりはどうしようもないんだ。

後、二日ほどで城には付くからそれまで我慢してもらえないかな?」

 

「うぐぐぐ……俺達だけならすぐなのに…」

 

大人の対応でナルトに説明するエルヴィン青年。

しかし、ナルトにはあまり効果が無かったようだ

まあ、たしかにナルトの気持ちも分からなくはない。

俺達の身体能力ならかなりの距離を進むことが出来るからな。

 

「これこれ、調査兵団の者達を置いていくわけにはいかんだろうが。

ここは、唯の移動ではなく観光だと思って楽しんでおけ」

 

おお、さすが自来也。

だらしない姿が目立つが、ちゃんとする時はちゃんと出来る。

原作でも死ぬときはカッコよかったからな……。

そんな事を思っていると……。

 

「ときに青年よ。ここの宿の風呂は露天風呂か?もしくは混浴はあるのか?」

 

「……は?」

 

訂正。

 

自来也はやっぱり自来也だった。

 

 

 

 

 

ちなみにエルヴィン青年の話によるとこの国には風呂の文化はなく、

本日泊まる宿にも、もちろん風呂は存在しないうえ、女性客は一人も居なかった。

 

 

 

「ノーーーーー!!」

 

 

しかも宿の近くで初老の男の慟哭が聞こえたと騒ぎになった。

 

 


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