鉄騎~大地を征く艦娘たち~   作:にいやん黒須賀部

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皆さまおはこんばんちは!
みんなのアイドル、にいやん黒須賀部だよ、よっろしくぅ☆

眠いからさっさと本編行っちゃうね、キャハ☆


では第30話はじまります!




30:たまごかけごはん!

例の全20巻が大和によって完膚なきまでに破壊&廃棄された翌早朝。

オレはガレージ前でタバコを吸っていた。

 

昨日は散々だった、記憶の彼方に忘れてた秘蔵のコレクションはみつかるわ

説教で半日正座だわ、ろーちゃん以外からはまるでゴミを見るような視線を浴びるわ。

オカシイ、健全な男ならあんなモンの20や30持ってて当たり前なのにね?

 

タバコの煙で輪っかを作る。

はぁ民主主義ってことなのか?こんな事なら糞くらえだよなー、と朝からボヤキまくる。

 

今日は居心地悪いし特に用事もないから出掛けるか?と準備に入る。

今から出れば岡山のたまごかけごはんの店に間に合いそうだ。

暖気を開始し、その間タバコに火を点けふかす。

 

排気音を聞きつけたのか、夕張が起きてきた。

 

 

「おはよーにいやん、昨日は災難だったね?」

 

「おはよ、そうやで、たまんなかったわ」

 

「でも、あんなところに放置してたら見つけてくださいって言ってるようなものよ?」

 

「まぁそれはそうなんやが、どこにいったか忘れてたんや」

 

「プッ、にいやんらしいけどね」

 

「ほっとけーき」

 

「どっかでかけるの?」

 

「ちと岡山のたまごかけごはんの店にな」

 

「私もいくー」

 

「マジで?」

 

「ぇーいいじゃない連れてってよー、じゃないと本当の隠し場所バラすもんね」

 

「止めてくださいお願いします」m(__)m

 

「よろしい、今日は奢りね? じゃあちょっと待ってて、すぐ用意するから」

 

「ういおー」

 

 

ぐおおお、鬼かメロンは。

しかし、なんで俺の最終隠匿場所の事知ってるんだろう?

ここに来たのは3日前だってのに。

オレは運行前点検をしながら考えたが答えが出ず、めんどうだから思考を放棄した。

 

 

5分後、夕張は雲海の時と同じカッコでやってきた。

そして自身の愛機のエンジンをかけ、暖気を開始。

 

 

「おまたせ、もう行けるよ?」

 

「よし、それじゃあいきますか!」

 

「はーい」

 

「あ。先導コッチでええか?」

 

「うん、お願いね」

 

「らじゃ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正直オレが後ろにつくと、はためくスカートが目に毒だ、コレで正解。

たとえスパッツをはいてても、アレはヤバイ。

まだ朝ははやい時間だ、オレはややペースを上げ走ることにして出発した。

しばらくはミラーで夕張の運転ぶりを観察したが、さすが艦娘、運転も大したものだ。

特に問題なさそうだったので、広い国道から県道にスイッチ。

コチラの方が時間的に早く到着する、が、道幅はやや狭くカーブの多いルートだった。

 

ややペースを落とすことになるが、時間の節約とあとは眠気防止にはこっちが良い。

夕張は乗り出してわずか数日のマシンを既に自分の制御下に置いているようだった。

乗りやすいマシンとはいえ、やはり艦娘あなどれん。

しばらくすると夕張から通信が入った。

 

 

『ねぇどうしてコッチはいったの?』

 

『どうせまた深夜アニメ見てたんやろ?眠気防止や』

 

『あはは、バレてた』

 

『ねむくなったら言えよ?どっかで休憩するから』

 

『はーい』

 

 

コイツ普段は素直でいい子なんだけどなー。

へんなところで意地張る時あるから気を付けないとな。

オレはそう考えつつ、ルートの消化具合から初期の想定より早く着きそうだ、と判断した。

走り始めて約2時間、そろそろ休憩するかということになり、道沿いのコンビニに進入する。

 

 

「なぁ夕張」

 

「なぁに?」

 

「お前ジャケットとかブーツとか買わないんか?」

 

「なんで?」

 

「流石にそのカッコは無いやろ?」

 

「ぇー、結構気に入ってるんだけどなー」

 

「帰りにショップ寄ってみよか」

 

「あ、それいいかも。持ってて損する物でもないしね」

 

「よし、決まり!」

 

 

話がまとまると、夕張は飲み物を買うとかでコンビニに入っていった。

ふむー夕張には何がにあうだろうか?と妄想を膨らませてみる。

革…う~ん、ちびっこギャングっぽくなりそうだ…。

無難に上下ツーリング用ジャケット&パンツが良いかもなぁ。

オレは某メーカーの上下ゴアテックスだから、雨でも濡れる心配はない。

コレを勧めてみるのもありだな、レディースあったっけ?

そこまで思考をすすめていると、夕張が戻ってきた。

 

 

「タバコすうからちと待ってな?」

 

「私もコレのむからゆっくりでいいよー」

 

「おっけー」

 

 

チビチビと缶のカフェオレを飲む夕張を眺めながら

一番しっくりくるのが工廠のツナギだと思い至りふきだしかけた。

コイツ女なのか男なのかわからん系だな、ぷぷっ。

なんでオレが笑ってるか判らない夕張は頭の上にハテナマークを回していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、あと1時間ほどで到着だ。

二人は出発し、今度は平坦な国道にスイッチ、車の流れに合わせて走らせる。

二人のバイクの凄いところは、車のペースで走るとすこぶる燃費がよくなる所だ。

ただし眠気に注意だが。

 

 

そろそろだろうか、目的地の運動公園が視界に入り、隣にあるたまごかけごはんの店舗も見えてくる。

ちょっとした坂を上り、駐車場代わりに運動公園の出入り口の隅に停車させる。

すでにバイクが数台停まっていて、ナンバーは横浜だった。

ここは遠くからバイクで訪れる人が多く、県外ナンバーはザラだ。

 

バイクから降りお店の前にあるノートに名前を記入。

オレ達は3番手になっていた、余裕で1巡目のグループにはいっていてホッとする。

ここは有名なお店で、客も多い。

お昼時など1時間待ちはあたりまえなのだ。

オープンまでにはまだ15分ほどあり、オレは運動公園のテニスコート近くでタバコを吸うことにした。

 

 

「あまり吸い過ぎたらダメよ?」

 

「あー、一応コレでも減煙してるんやけどな」

 

「ふーん」

 

夕張は気のない返事でタブレットを取り出し、なにやらゲームを始めた。

となりからのぞき込むと、なんと「艦隊これくしょん」だった。

 

 

「お前、ここまできて仕事かいな、笑かしよるな」

 

「ぇー、これ結構楽しいんだよ?」

 

 

そう言いながら、ちゃっかり旗艦にしてる「夕張」をつついて遊んでいた。

どんだけ自分がすきなんだよメロンちゃん。

うは、いきなり中破しててオレは爆笑した。

 

 

「キャー、なんで初戦中破しちゃうのよー、頑張れ私!」

「ひぃぃ大破しちゃった、撤退ー」

 

 

夕張弱ぇ…ちょっとゲーム内の夕張が可哀そうになってきた。

 

 

「私こんなにちいさくないのにー」プクー

 

 

中破グラフィックがお気に召さないらしい。

なにが?とは聞かないのがジェントルマンというものだ。

まぁボクハミチャイマシタ!けれども…。

 

 

 

 

 

 

 

そうこうしてると名前を呼ばれたので店内に入る。

こじんまりとした小屋で、大和や武蔵ならかなり窮屈になるに違いない。

券売機でたまごかけごはんと出汁巻きを選択、夕張もそれに倣う。

ここはごはんとたまごはお替わり自由だ。

オレは毎回1回はお替りする、2回するとお腹がピンチになるからだ。

だされたおちゃわんに玉子を割り入れ、特製のしょうゆを足してからかき混ぜる

そうして、ほかほかごはんにかけるだけ。

 

夕張もオレもここは気前よくごはんをかっこむ。

うん、毎度のことながら旨い、ごはんの滝加減もなかなかだ。

結局二人とも1回お替りして食事を終えた。

 

店を出てしばしはらごなしに散歩でもしてみる。

中学生たちがテニスをたのしんでいた。

ソレを少しさみしそうにながめていた夕張は

 

 

「あー、私も学校いきたかったな」

 

 

と呟いた。

まぁそうだろう。

この世に出てきてからいきなり戦争だったんだもんな。

一応大学卒の資格は持ってるらしいが、夕張が望むのは学校生活なのだろうことは容易に想像できた。

 

 

「今あたらしい生活がはじまってんだから、これはこれで貴重やとおもうけどな」

 

「へー、なんか真面なこときいて夕張さんびっくり」

 

「いっそ後発組の駆逐艦来たら一緒にウチで学校みたいに何かすれば?」

 

「あ、それいいかも!」

 

 

夕張は笑顔で答えた。

うん、メロンはこうでなくっちゃな。

 

このあと二人でバイク用品店にいくのだが、それはまた次回の講釈で。

 




あるぇ、グルメリポートにするつもりが
なんだかデート回のような展開に(汗
まぁなるようになるでしょう。



では次回をお楽しみに!






本文一部修正しました。

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