ONE PIECE ~青天の大嵐~   作:じんの字

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大きくなると、色々縮む定義

 

巨人

 

彼らを知らない人はいないだろう。

 

この世界ではエルバフとか、そしてその戦士懸賞金1億ベリーの“赤鬼”ブロギ―“青鬼”ドリーが有名だろう。

 

俺もこの世界に来てからは一度も見たことがなかった。

 

はい、只今第1種接近遭遇をはたしました、グンジョー君です。

 

俺の目の前には噂の巨人がいる。

 

しかし、・・・デケエな。

 

身長差がありすぎでしょ。

 

ところで白ひげさん?あなたはなぜ巨人さんにガン飛ばしてるんですか?

 

「オメエがセイアツ海賊団ってのの船長ってわけだ。」

 

「ああ、いかにも。」

 

グフグフと笑うロッキーさん。わぁ、息がすでに突風レベルなんですけど。

 

「テメエは部下のしつけをちゃんとしてんのか?カタギの連中にたいしての教育がなっちゃいねえようだな。」

 

「グフグフ、おかしなことを言う。略奪するのが海賊の流儀だろう。ま、ウチは少し事情が違うがね。」

 

「何だと?」

 

「我々はこの町を“襲わない”。」

 

「「!?」」

 

何言ってやがんだこいつ!?じゃあさっきの海賊たちはいったい何だったんだ?明らかに言ってることとやってることが違ってるだろ。

 

「ああ、言い方が違ったな。“襲わないようにしてやってる”のだ。」

 

「どういうことだ?」

 

「簡単なことさ。俺たちはここら辺一帯の海を支配していてね。毎月こいつらチビ人間達に上納金を納めさせているかわりに見逃してやってんだよ。」

 

・・・なるほどな、アーロンがナミの村でやってたみたいにしてるわけか。一瞬でもこいつはイイヤツなのでは?と思った俺がバカだった。おもしろくねえ・・・。

 

「グフグフ、何故そんな顔をしているのだチビ人間よ。これはビジネスだ。あいつらは、自分の命を金で買ってるだけなのだよ。」

 

 

・・・クズだ。

 

 

さすがの俺も本気でカチンときたぞ。

 

「そうだ!よいことを思いついたぞ!!チビ人間よ、お主ら我らの仲間にならぬか?今ならよい待遇を用意するぞ!!」

 

「・・・ふざけるな。アホンダラ。」

 

白ひげの顔に青筋が浮かんでいる。

 

同感だ。

 

「素直にワビいれんだったら許してやろうと思ったが、気が変わった。テメエ見てえな海賊の風上にも置けねえ野郎は、誰でもねえこの俺自身がつぶす!!」

 

白ひげがしゃべりだした瞬間俺が虎丸を構え一気に走りだす。

 

できるだけ、威力が高いやつ、あれだ!!

 

「“つむじ風パトリオット”!!」

 

虎丸から複数の飛ぶ刃が放たれる。

 

「む!?」

 

ロッキーはそれを受け止めた。

 

さすがは巨人族たいしたタフネスだ。

 

「グフグフ確かにたいした威力だが、これだけだは俺は倒せん!!」

 

分かってる。

 

後は任せたぞ。

 

“白ひげ!!”

 

「ウェアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

俺にやったみたいに白ひげはロッキーを殴った瞬間、振動を相手に叩きつけた。

 

よし決まった!!

 

「なるほどな。」

 

!?あの攻撃をくらって無事だと!!

 

いや、よく見てみると白ひげの攻撃はヒットしていない。寸前でロッキーに腕を掴まれてる!!

 

「グッ、テメエふざけるな!!」

 

白ひげは残った腕でもう一度地震のエネルギーをためようとしているが、ロッキーはそれを平然と見ている。

 

まさか・・・!?

 

マズイ!!

 

「ニューゲート!!逃げろ!!」

 

虎丸を構えなおし、一気に放つ。

 

「“旋風スクランブル”!!」

 

「なめるな!!」

 

ロッキーは片手をつきだし、“旋風スクランブル”を防ぐ。

 

「オリャア!!」

 

その内に白ひげは自分をつかんでいる手を無理矢理外し地面に飛び降りる。

 

「キサマら・・・。」

 

ロッキーはどうやら怒ったようだ。面倒くさいことになってきた。

 

「おい、ここはひくぞ!!」

 

「ふざざけるなぁ!!こいつを倒すまでオリャアここから逃げねえ!!」

 

「逃げるんじゃねえ一時撤退するだけだ!!それにお前も分かってんだろ!!お前のでかいモーションはすでにアイツに見切られてる!!」

 

「あ!?んわけねえだろ!」

 

「グフグフ、つまらないお話は終わったかねチビ人間諸君?」

 

ロッキーは容赦なく攻撃してくるつもりだ。本気でまずいな・・・。

 

「ニューゲート!!このまま戦っても絶対に負ける!!海賊の敗北は“死だ”!!こんな奴に殺されて、お前の意志は、夢はどうなるんだよ!?頼むから自分の死に場所を間違えないでくれ!!」

 

「・・・・クソッタレが。」

 

悔しそうにしながら唇をかむ白ひげ。でもそれでいいんだ。

 

「逃がすと思うか?」

 

「「!!」」

 

巨大な脚で踏みつけようとしてくるロッキー。

 

「俺の相手は俺じゃないが・・・、でも今は逃げさせてもらうぜ。“烈風エマージェーシー”!!」

 

「うおっ!?」

 

剣の壁を出現させて相手の攻撃をはじく。今のうちだ!!

 

俺たちは通りに面した小道に入ってそのまま逃げだした。

 

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「クソッタレが・・・。」

 

何とかあの場からの逃亡に成功したが、白ひげは先程からこの言葉を繰り返し呟いている。

 

それもそうだろう。

 

彼の海賊としての信念である“仁義”。それをもってしても通用しない相手が現れたのだから。

 

あのロッキーという海賊だが、後で調べてみたら賞金額1億ベリー。ドリーとブロギ―並みということか。

 

確か俺の記憶では今の白ひげは5000万ベリー前後。格上との戦いになるわけか。

 

「グンジョー。」

 

「何だ。」

 

「お前に誓うぜ。俺はあんな海賊には絶対にならねえ。海賊の“仁義”にかけてあの野郎はこの俺がぶったおす!!」

 

「そうだな。」

 

そうだ。白ひげはそうでなくては。

 

すると、近くから足音が聞こえてきた。・・・敵か?

 

「もし、先程海賊ロッキーと戦っていた方はおられますか?」

 

(・・・)

 

罠だろうか?

 

「何のようだ?」

 

「おい!ニューゲート!!」

 

分かってやってんのか?本当に大丈夫なのか!?

 

「ああ、いらしゃったか。はじめまして。私は町長のメディッシュと申します。」

 

町長さんが何故俺たちに何の用だ?

 

「単刀直入に言わせていただきます。」

 

 

 

 

 

 

 

「早くこの街から出て行ってくれませんか?」

 

 

 

 

 

 

 


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