大海賊時代に降臨する拳王 我が名はラオウ!!   作:無機名

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 さて、戦闘シーンです。上手く書けるかなぁ……。
 楽しめるモノになってます様に……。セリフがキャラクターになってるかちょっと心配。



第4話

 少し前、殆どが岩場であったはずが、今は半分ほどが砂になってしまっている。そこからほんの少し離れた防風林と森の木々はなぎ倒されていた。

 辺りに地響きと、爆発音が響きわたっている。

 今ここで行われている戦い。……このバスターコールも真っ青な破壊をもたらしているこの戦いが、一騎打ちと納得するものはいるだろうか?

 やっているのが、【白ひげ】であるとわかれば納得されよう。

 では――その相手は『悪魔の実』の能力者ではないと誰が信じるだろうか?

 

 

・世界最強との激闘 の巻

 

 

 ラオウは白ひげ海賊団から数着の衣服と外套、旅に使う肩がけ袋。そしてこの世界の通貨、数百万ベリーを貰った。

『餞別にしては多いではないか?』……と、ラオウは聞いたが、

『ラオウがなぎ倒した海王類の肉が市場で高値で売れたから、それを倒したお前にこうして金を払うのは当然だ。』ということだった。

 この海賊団の収入にはこういった危険地帯の狩りがウエイトとして大きいらしい。

 

 さらに、金を渡してきた出納係が言うには『治療代も差し引いて、分前も貰ってる。遠慮せずに持っていけ。』そういうので遠慮なく貰うことにした。

 

 そして、船長・白ひげと戦闘部隊・隊長の数名による厳しい目を受けながら見送られることとなった。

 

 下船の場所としたこの島は緩衝地帯らしく、島民の自衛組織で海賊の接岸箇所、海軍の接岸箇所を遠く分けてそれぞれに取引をすると言う。

 政府側にしてみたら、海賊を援助するなどと頭の痛い話が多い島だが、四皇を始めとした海賊の監視を考えれば仕方ないため、暗黙の了解で目を瞑られていた。

 例えるなら、グランドライン前半部:パラダイス側の船大工の島、W7と同じようなもの。

 

 ラオウは(さすがにここまでしてもらっては、何時かカリを返さねばなるまい)――そう思いつつ船を降りることになった。

 そして、侠気のある船長に少しは報いろうとした行動と言動が事の発端となった。

 

 

 目をつけたのは、黒い無精髭と所々歯の欠けた脂肪の塊の男。ラオウが先日感じた気配はこの男からだった。弱く使った軽功術で瞬時に近づき腹部に一撃を入れる。

 

「……よこしまな心に満ちた目よ。」

 

 そのまま片腕で白ひげの足元にそれを放り投げる。投げられたモノは、よろめきながらも慌てて白ひげの後ろにその巨体を隠そうとする。

 

「最強の海賊。その男、今すぐ殺すがいい。さもなくば、うぬにとって最大の災いとなろう!」

 

 ラオウが言い放ったこの話題は、白ひげ海賊団の唯一にして絶対、最大のタブー。

 知らずとはいえ、その海賊頭白ひげに有無を言わさない物言いをした。―――それを聞いた一団の動きは早かった。

 

「むぅ!?」

 

 三番隊隊長ダイヤモンド・ジョズが、ラオウを巨体に似合わない素早い体当たりで陸に吹き飛ばす。

 しかし、難なく着地したラオウの周りを今度は炎の壁が取り囲んだ。

 

「てめぇ、それはウチの最大のタブーなんだよ。謝れ!!」

 

 その怒声とともに、二番隊隊長エースがその代名詞、火拳を放つ。

 ラオウはそれを荷物を背負ったまま片手で受け止める。

 

「ぬん!!」

 

 並のものなら大火傷である……だが、それがラオウに通じること無く、炎は気合でかき消される。

 その隙を突くように背後から1番隊隊長マルコが不死鳥と成って突進攻撃をかけて来る。同時に二発目の火拳がラオウの眼前に迫ってきていた。

 

「……フン、そうか……ならば、後悔すればいいわ。」

 

 そう言って、軽功術:雷暴神脚を使う。

 その場に足あとを残し、火が点かない程の……否、火の粉すらこびり付かない、弾丸に匹敵する速さで炎の壁を突っ切り離脱する。

 海軍の高速移動を見てきた白ひげ海賊団の面々でも、照準を合わせることを許さない速度どころか、撃たれた鉄砲の弾すら回避するその速さに反応が遅れてしまっていた。

 

 数秒ラオウを見失った面々を尻目に踵を返し、場を離れようとする。

 だが――まさにその眼前の空間に亀裂が入った。その不可思議な現象に、ラオウは思わず後方へ、距離をおいた白ひげ一団の方向に飛び退く。それと同時に、亀裂が入った位置から爆音と猛烈な振動による破壊が巻き起こる。

 

「ほぅ……これが、悪魔の実の力とやらか。」

「……若造、俺の船の掟。知らなかったとは言え、息子を傷つけて―――挙句、俺にその息子を『殺せ』とのたまったこのケジメ、つける気……あるんだろうなぁ!?」

 

 そこには『世界最強』と呼ばれる男が体中につけていた医療器具を外し、船員・戦闘員を『これは俺の決闘だ。』と言って後方に下げ、憤怒の気炎を上げ愛用の薙刀を持って仁王立ちしていた。

 

(戦闘を避ける事は出来まい。)

 

 悟ったラオウは肩がけ袋を肩からすり落とし、マントを脱ぎ捨る。世界最強と言われる男の闘気と怒気に口元が緩むのをラオウは止めることが出来ないでいた。

 

「たわけたことを……俺の目に従って言ったまでだ。謝る?そんなことはありえぬわ!!」

 

 まさに『間違ってるのは貴様らだ』と言わんばかりのラオウの言葉に、ついには殺気すらも滲ませながら白ひげは言い返す。

 

「……腕の一本くらいは覚悟しろ、クソガキ」

 

 そう言って白ひげは薙刀の切っ先に振動と覇気を集中し、一気になぎ払う。

 ラオウは闘気を掌に集め、それを撃ち放つ。

 

「北斗剛掌波!!」

 

 二人の起こした破壊の暴風と闘気の塊が激突し、爆音を上げながら周囲をなぎ倒す。

 ぶつかり合った場の岩は砂と化し、余波で巻き起こった突風というのも生ぬるい破壊の嵐は周囲を薙ぎ払った。

 その破壊に驚く周囲をよそに、ラオウはその間隙に白ひげの真ん前に移動していた。

 

「どおうぁ!」

「――!ぬぇい」

 

 軽功術で一気に踏み込んだラオウは膨大な闘気を纏わせた拳を、見聞色でラオウの位置を掴んだ白ひげは裂帛の気合と共にその拳に覇気と振動を纏わせた拳を―――それぞれぶつけ合う。

 腕力と拳の硬さ、破壊力、そして覇気の総合は互角だったが、体重の差でラオウは後方に飛ばされる。その着地までの隙に白ひげは直線をなぎ払う衝撃波を繰り出す。

 

 ラオウに体制を整え、覇気を貯める時間はない――戦っている白ひげ、その観戦者たちも『終わった』そう思った。

 着地と同時にラオウは衝撃波を静かに、流れに乗るかのようにそれを受け流してしまう。――流された衝撃で地震が起きる。

 必殺の一撃を躱したことに驚く一同をよそに、ラオウの心中は穏やかではなかった。

 

(ぬうううう、よもやこのラオウがトキの拳を使わされることになろうとは!!)

 

 ラオウの実弟トキ、彼の使う激流を制する、静水が如き拳法。

 激流に逆らわず、むしろその流れに身を任せて同化することで、力を必要とせずに相手の攻撃を受け流す事が出来る。この拳技を【柔の拳】と呼ぶ。

 攻撃力の高い技を躱し、隙かし、消耗を狙う。あるいは空振りで隙を作り、反撃する。そういった相手の力を利用すると言えば聞こえはいいが、己の拳に絶対の自信を持ち、文字通り敵を粉砕してきたラオウにとって、これを追い詰められて使わされたことは屈辱どころではなかった。

 

 それと同時にラオウは、目の前の男は自らを破ったケンシロウの様に、恐怖させたフドウの様に背負った想いをその技・その拳に宿らせた攻撃である故、その力を恐れて使わされた。

 それもよく分かっている。だからこそ、自然と言葉が出た。

 

「……詫びよう。最強の海賊。」

「アぁ?」

 

 これからだというのに、突然の降伏宣言か?と訝しげな白ひげ。

 無傷に等しいのにわびをするつもりなのか?とざわつく周囲をよそにラオウは続ける。

 

「『うぬと死合う価値が無い』……と言ったことを、だ。老いても、病に冒されようとも。うぬが『最強』と言われることに偽りも陰りも無い。」

 

 観戦しているものには『何をトンチンカンなことを……』と言わんばかりの表情を浮かべた者がいる中で、ラオウの対戦相手、白ひげは何処か嬉しそうだった。

 

「グララララ、面白れぇ男だ」

「……我が奥義を尽くそう。―――世界最強!」

 

 そう言ってラオウは上げた右腕、左腕を胸の前で交差させる様に動かし、交差する直前で大きく円を描くように腕を回して、左腕を顔の左前、右腕を腹の辺りに持っていく。

 

【天破の構え】天の守護神である北斗七星が天をも破るといわれる北斗神拳の秘奥義。

 

 次の一撃で決着をつける。そして白ひげと言う『最強』を打ち破らんとするラオウの意志と敬意を込めてとった構えだった。

 その緊迫した空気から、白ひげもまた薙刀を地面に突き刺し、両腕を使った衝撃波の準備に入る。

 

「天破活殺!!」

「っつえぃ―――!!」

 

 互いに放たれた闘気と衝撃波は先程と同じく対消滅するかと思われた。だが先ほどのラオウの剛掌波が違い、ラオウの放った闘気は指先からの刺突の闘気。

 

 結果、ラオウの鋭い刺突の闘気は衝撃波を貫通し、白ひげの衝撃波も大した減退をすることなくラオウに襲いかかる。

 

「ぐはあ!!」

「ぬぁ!!」

 

 ラオウは衝撃波によって吹き飛ばされ。白ひげは両胸の下、数カ所に同じ数・対象に点穴される。

 

 衝撃波で転がされたラオウ、点穴をされた白ひげも、ぴくりとも動かなくなり、焦れた白ひげ海賊団の面々が白ひげに近づくと、立ったまま気絶していた。

 それと時を同じくして、ラオウは震える足に手をつきながら立ち上がり、転がった荷物をまとめノロノロとそこから去っていこうとする。

 

 『俺の決闘』と船長が言い切っていたので、白ひげ海賊団はラオウを追いかけることは出来ず、とにかく船長を船に運び込む。

 その中でエースだけが、ラオウに近づく。気配を察したラオウは息絶え絶えながら、

 

「体を厭え、病を癒して、もう一度だ強敵(とも)。――そう、ヤツに伝えろ」

 

 無言のまま言葉を受け取ったエースは難しい顔を浮かべ、去っていく。

 近くの丘を超え、白ひげの船から見えない位置まで来ると、ラオウは再び前のめりに倒れ、気絶した。

 

 




 最強同士、剛の使い手同士の結果は相打ちでした。あっという間に決着ついちゃった……。批判は甘んじて受けます。

 隠れてたジャコウの性分を壁越しに見出して、言い当ててしまう拳王様だから、当然こういった忠告はするかなと。そのお節介がおもいっきり裏目に出てしまいましたが。
 そして、トキが無理矢理とは言え剛拳を使えたのですから、ラオウが【柔の拳】を使えても不思議はないかな。と思ったので使ってみてもらいました。【天破の構え】といい色々と使いすぎだったか……。世界最強を相手にするんだから、このぐらい使っても罰は当たらないはず……。

 海王類の肉が高値で売れる設定はどうだったでしょうか?ルフィいわく海王類のハムが物凄く美味しいそうなので、海王類を狩れるレベルの海賊ならば、安定した収入にはもってこいかと思ったので、白ひげ海賊団の収入のウエイトとして置いてみました。『ナワバリ』の収入も大きいでしょうけどね。

 さて…。こっからが悩みどころで、ここまでが出だしである――白ひげ海賊団にお世話になる。そして最終目標の、ここでの借りがあるから頂上決戦に途中乱入。と言う方針は決まっているのですが、その中間。マリンフォードまで行く。と言う過程があやふやのまま。感想にあるようにプロットが立ってない。全くそのとおりです。嗚呼なんていい加減。^^;
 一応、どうして行くか。というのは決めているのですが、その過程でどんな相手と戦わそう。というのがまるで決まってません。こいつとラオウをバトルさせてみたいぜ。というのがあるのでしたらどうぞ……。

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