・ワンピース、北斗の拳のクロスです。メインはワンピース。
・原作知識についてですが、ワンピース、北斗の拳、どちらもそれなりに知らなければちょっと苦しいかも……wikiで調べればわかる程度を心がけます。
・『世界最強の白ひげはともかく、その他にラオウが負けるなんて"北斗の拳"の描写を見ればありえねえ……』と思ってます。ラオウはどんなに悪くても引き分け。
・北斗の拳における『気』『闘気』『オーラ』≒ワンピ『覇気』と考えてます。そのため、場面によって覇気と闘気がごっちゃになります。
闘気と武術を極めたラオウの拳はロギアであっても当たります。北斗剛掌波などの闘気技も当たります。ただし、覇気を武器に纏わすと云う使い方はできません、しません。そもそもラオウは天より授かった己の拳にプライドを持ってますし、武器を拳王様が使うなんて想像がつきません。
原作でも脅威に感じていたトキに短刀を使った持久戦のために使ったくらいですし……。
・原作の拳王ことラオウの闘気に弱いものが巻き込まれると死ぬ。という設定(vsジュウザ戦の話)は変更します。
核の炎で焼かれた後の荒廃した世界を生きている。そんな精神耐性が高い人間でさえ、巻き込まれると死んでしまうラオウの闘気をそのまま持ち込んだら、反則もいいところなので、『巻き込まれると死ぬ闘気』は、多少覇気を使えるものでも失神する強力な覇王色と変更します。
一応、理由も付けるつもりです。
・原作でケンシロウと最後の決闘して、天に還った後なので、ラオウの性格が多少穏やかになっています。……元の性格のままだと、どこででも戦争になりそうですし。^^;
・ムカつくあるキャラをフルボッコにする予定です。……むしろそれが目的。蹂躙に等しい事になりそうです。
・グロにご注意ください。
・北斗神拳究極奥義:無想転生は武装色の覇気を持った者なら『体を原形を留めない自然物に変えることが出来る』ロギアを捉えられるのだから、無想転生も捉えられるのではないか?
―――こんな考え方もできるのですが、無想転生は『実体を空に"消し去る"』文字通りの【無】ですから、ただ単に『悪魔の実』の力に頼った、原形を留めないだけ。
そんなロギアを捕らえる程度では捕らえることは出来ない。と考えています。
無茶苦茶な設定、文章の少なさ、突っ込みどころ、色々あると思います……。妄想に溢れておりますが、暇つぶしにでもどうぞ。
『―――我が生涯に一片の悔い無し!』
その言葉と共に微笑みを受かべ、天へ還った漢が居た。
・降臨する の巻
彼が感じたのは浮遊感。
そして次に感じたのは、落下している感覚。
(これが天か……覇業と平定のためとは言え、数多を殺めた俺は地獄に落ちている最中……だろうか)
そんなことを考えるのと同時に、行き先であろう地獄での戦いを楽しみにしながら、夢心地で落下を味わっている中、彼は海に落ちた。
「ぬう!?ここは……」
着水の衝撃で、夢うつつから完全に目を覚ました男が辺りを確認する暇もなく、次に見たものは巨大な大口。――餌の気配を察して出てきた、この世界で海王類と呼ばれる大型の海の猛獣。普通の人間ならば、彼らの胃袋を満たしておしまいである。
だが――
「ふ、ふははは、このラオウを食おうというか!――ジョイヤー!!」
獲物を口に入れ、咀嚼しようとして動かした上顎、下顎を足と片腕で抑えられた大型の海王類は『ラオウ』と名乗った男の拳、一撃で頭部を吹き飛ばされる。
その拳圧の余波で仲間に釣られて海面に顔を出し、囲んでいた海王類数体も吹き飛ばされ、助かったものは慌てて海中へ逃げ帰る。
辺りは死体と気絶した海王類のみとなった。
「ぐ……ぬぅ……。」
そんな巨大生物を倒した感慨に浸る暇なく、ラオウは落下の衝撃、あるいは海王類との戦闘で開いた傷が……自らを倒した末弟:ケンシロウに付けられた傷に目眩を覚え、そのまま昏倒する。
その光景を目にした者達がいた。
一部始終というわけではなく、見始めたのは海面に顔を出した一体の海王類の頭部が吹き飛び、ほぼ同時にその周りの数体がひっくり返ったところからだった……。
「なんだよい……あれ……。」
「とりあえず、食料は確保できたな……浮いている遭難者は、どうする?」
「『遭難者を無視した』と言って、オヤジに殴られたいのかよい?」
「……だな。」
この海域、カームベルトに食料当番で海王類を狩りに来ていた白ひげ海賊団:1番隊隊長マルコと2番隊隊長エースは、船乗りとしてのルールに従ったとは言え、予期せず大量の食料を確保できたと言え、『とんでもないものを拾う事になった』と内心愚痴っていた。
「…ぬ…むぅ、ここは……?」
ラオウはあたりを見回す。そして傷に治療がされている。揺れからここは船だろうと見当をつけることが出来た。
監視している者が気づいたのだろうか。男が入ってきた。
「よう、目が覚めたか。俺はエース。白ひげ海賊団の2番隊隊長やってる。あんたの名は?」
「俺の名はラオウ。……拳法家だ」野望を捨てた今、ただ己の持つものを以って名乗るラオウ。
「拳法家?修行でボロボロになってまでカームベルトで海王類を一人で相手にしてたのか?」
「……。」(ケンシロウとの戦いの末にこうなったが、それをいちいち言っても仕方が無い。
そして、むざむざと情報を与えることもない。)
そうラオウは考え、沈黙を選ぶ。
エースは世界で最も有名な海賊である【白ひげ】の名をだしても反応が薄いことに疑問を覚える。
「……なぁ、あんた、『世界最強の海賊』と呼ばれている【白ひげ】を知らないのか?」
「知らぬ。」
「あんだけ強くて、オヤジを知らない?
……なんだ……まぁ、オヤジが話を聞きたがってるから早く来てくれ」
(……強引な奴だ)
そう思いながら渋々ついていくラオウ。
ラオウはわけがわからないことばかりで、戸惑っていた。世紀末のすべてが滅んだ荒野から、いつの間にかこの船に拾われていたのだから……。
情報収集のために意志に関係なく強制的に口を割らせる秘孔『新一(しんいち)』や『解唖門天聴(かいあもんてんちょう)』等を目の前の男に使い、色々と聞き出そうかと思ったが、船という敵陣のどまんなかで騒ぎを起こすわけにも行かないと判断した。
何より"気"の練りに違和感がある故に、戦闘は極力避けるに越したことはない。
だがしかし、そんな中でも『世界最強』と言う男がどれほどのものかと想像するだけで高ぶっていた。
(覇気だ……オヤジに匹敵するほどの……)
一方、エースは会話をしている中で、ラオウの高まる覇気を感じていた。
海に浮いていたことから能力者ではない。それを差し引いても、おそらくは四皇、海軍大将に匹敵する――それ以上の強さを持っているのがうかがえた。
実際、海王類を殺した攻撃は『悪魔の実』の能力者以上と結論づけるしか無かった。
だが、白ひげの名を聞いた時の反応が薄いことが些か気になっていた。
尤も『世界最強』と聞いてから、後ろを歩く男――ラオウの覇気は高まるばかり。思わず攻撃してしまいそうになる衝動を抑えつつ甲板に出る。その覇気で失神するものもいる一味を横目に通り過ぎ、船長に紹介する。
「オヤジ、こいつが例の男だ」
「グララララ、そいつか?海王類なぎ倒したってのは?」
エースがラオウの方へ振り返ると、いつの間にかラオウからの覇気を感じ取れなくなっていた。
白ひげ海賊団の猛者を前にしているのに、世界最強の異名を持つ白ひげの覇気による威嚇を受けているにかかわらずだ。緊張も気負いもない。
「……我が名はラオウ。拳法家だ」
周りから威圧を受けながら淡々と答えるラオウは、落胆を覚えていた。
ラオウが身につけた北斗神拳は死を司る拳法。同時に生を追い求めた拳法でもある。
ラオウの実弟トキは北斗神拳を医術に転用している。また、ラオウ自身。瀕死の重傷の者を回復させたり、余命数ヶ月の命の者に"闘気"を与えると共に秘孔を突き、命を長らえさせたこともある。
故に目の前の『世界最強』の称号を冠する男は絶頂期を過ぎ、かつ病魔に侵されていると見切っていた。
(天よ……このラオウに何を望む……)
恐怖を以って秩序を為す平和ではなく、心の平安こそが真の平定、真の覇業とラオウは知った。
そのために弟に討たれる事を望み、最期の最後に望んだ『この世で最強になる』という願いを持って最強となった弟と戦った。―――そして北斗神拳伝承者:ケンシロウはラオウの願いに伝承者として見事に応え、その勇姿を認めたラオウは天へ還った。
その果てに得たこの不思議な体験。さりとて暴力の覇業成就というかつての野望の実現に意味を見出せず、目の前の『世界最強』という男と死合うことにも意味がないのであれば……。
仰ぎ見た天は一体なにを己に求めているのか。と、ラオウ怒りを覚えずにはいられなかった。
外伝においてとは言え、寸止めの拳圧で人の腹に穴を開け、余波で地上十数階のビルに大穴開ける拳王様ですから、海王類に穴開ける位やってのけるはず。原作に於いて、ケンシロウは鋼鉄+コンクリートを使ったシェルターを一撃で穴を開けてますし……。
……パワーバランスどうしよう。とりあえず、チートの無想転生は今のところは使用不能なので、これを抜いたラオウの強さは――
①.3大将とまとめて戦って蹴散らせる。
②.大将とタイマンならば互角。
③.大将と互角!?いくらなんでも、ロギアだぜ。さすがに苦戦くらいするだろ。
……どれがいいでしょう?あと、これより弱いというのは無いです。結局、北斗究極奥義・無想転生を使えるようになれば無双の予定なのですが。
2012/12/24 元二話と統合