すた☆だす   作:雲色の銀

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第5話「スマイルメイカー」

 陵桜学園に入学してから約一ヶ月。様々なことに慣れてきた。

 

 まずは「夢見荘」での生活。

 管理人の海崎さんは夜中にこっそりとギターを弾いている。

 普段なら煩いとキレるところだが、その音色が何処か悲しそうで、いつも演奏を途中で辞めてしまうので、気になってしまうのだ。

 はやと先輩に聞いても、

 

「俺も詳しく知らないけど、触れてやるな」

 

 の一点張りである。

 とにかく、夢見荘のルールとして海崎さんにギターの話は禁句らしい。

 

 そのはやと先輩は、俺より貧しい生活を送っていた。

 食事はパン屋に分けてもらったパンの耳とスーパーで安売りしていた食料、そして雑草。そう、雑草である。何でも、食用に出来る雑草を調べる為だけに図書室を利用したようだ。

 今では先輩専用の畑とも呼ぶべき収穫ポイントがあるらしい。

 

「いや、雑草て……」

「天麩羅にするとイケるぞ」

 

 こんなこともあり、塩粥と天麩羅は先輩の唯一の得意料理だそうだ。今までよく生きてられたな。

 他にもテレビも据え置きの電話もラジオもなく、電化製品で所有してるのは冷蔵庫と炊飯器、携帯電話のみ。

 冷暖房もなく、真夏と真冬は死ぬ思いで過ごしたという。何なんだアンタ。

 仕送りはないのかと聞くと、

 

「ない。今までも、これからも貰う気はない」

 

 とキッパリ言われてしまった。真剣な口調から、恐らくこれも訳があると思われる。

 今はまだ聞く時ではない。そう判断し、俺ははやと先輩への言及をやめた。

 すると、はやと先輩はおもむろにタッパーを取り出す。

 

「あ、残飯あったら分けてくれ」

「アンタにプライドはないんですか」

「金を要求しないのがプライドだ」

 

 何てちっぽけなプライドだ。何時か先輩が野垂れ死なないか心配になってきた。

 

 

 次に学校での生活。

 何時の間にか、つるむようになった後ろの席の女子、小早川ゆたか。

 コイツはどうやら体が病弱で、保健室へ行くことが度々あった。

 

「……大丈夫?」

「うん、ごめんね……」

 

 小早川の具合が悪くなると、大抵は保険委員である岩崎みなみが付き添う。ここまでなら俺に影響もないので、ここに書く必要はない。

 問題は、つるむようになったからか、俺がアイツ等の分までノートを取らねばならないということだ。

 かえでは授業中居眠りしてるし、さとるは不必要な情報まで取り付けやがる。つまり、俺のノートが一番見やすいんだそうだ。

 全く、不自由な学校生活だな。

 

「まぁまぁ、女の子の役に立てると思えば」

「黙れ」

 

 そう思うならテメーが起きて取りやがれ。

 

 そんな俺とかえでのやり取りを静かに見ている男、石動さとる。

 コイツは知識欲の塊のような男だ。興味深いことを見つけては本を読み、携帯で調べている。

 

「よぉさとる、今日は何調べてんだ?」

「柏餅のルーツ」

 

 中にはどうでもいいような知識も含まれているが。

 無口で独特の雰囲気を放っていることから周囲からは避けられがちだが、俺からすれば延々と喋っている奴より遥かにマシだ。

 

「……ああ、ひより。そういえば「BL」について調べていた時に「GL」という言葉も引っ掛かったのだが、あれは」

「ちょ!? 石動君、声が大きいって!」

 

 そして、いきなり現れてさとるの口を塞ぐ女。髪は黒で眼鏡を掛けている、何処にでもいそうな奴だ。

 名前は確か……田村(たむら)ひよりだっけ。

 田村はここ数日の間で小早川や岩崎と仲良くなり、その流れで俺達の馴れ合いの輪に入ってきた。

 そのためか、コイツは普通の感性を持っているらしく、イライラ気味の俺を避けている。いいことだ。

 

「後で説明するから、公衆の面前で口にしないで欲しいかな。聞いてる方が恥ずかしいから」

「そうか? ひよりは物知りだな」

 

 だが、田村はさとるとは上手く付き合えてる様子だ。最も、さとるが田村の知識を吸収したいだけに見えるけどな。

 田村は世間一般でいう「オタク」って奴で、マンガも描いているらしい。そのサブカル的なワードがさとるの標的に定まってしまったのだ。ご愁傷様。

 

 

 さて、ここまで色んな奴を紹介してきたが、正直コイツ等との付き合いは障害とも思えないぐらい些細なことだ。

 何故なら、もっと巨大で喧しい壁が俺の前に立ちはだかっているから。それが……。

 

「お2人さんは仲いいよなー」

 

 コイツだ。

 

 霧谷かえで。奴のウザさは半端じゃない。何でこんな奴がよりにもよって俺の前の席なんだか……。

 さとるや小早川達とつるむことになったのも、全てはコイツが原因だ。余計なことしか喋らない口、ヘラヘラと神経を逆撫でする笑顔。

 

「つばめー、また不愉快オーラ出てるぞー」

「黙れ」

 

 誰の所為だと思っている。

 「スマイルメイカー」を自称する奴は、とにかく人を笑顔にすることを行動目標にしていた。特に、笑わない俺や岩崎を対象に。

 寒いギャグは勿論、謎行動や明るすぎる人柄から、すぐにクラスの中心人物になることには成功していた。

 だが、自己紹介時の宣言通り、俺と岩崎が笑うまでかえでは黙らないだろう。

 

「つばめちゃんったら、本当に無愛想だね~……ぶへっ!?」

 

 俺の嫌いな呼び方をしたかえでを容赦なく殴りつける。

 

「一発殴られたいか?」

「殴った後から言うな!」

 

 こんなやり取りの所為で、今では漫才コンビ扱いだ。全く、迷惑極まりない。

 

 

☆★☆

 

 

 陵桜学園に入学してから、全部じゃないけど俺は順調に過ごしていた。

 俺の言葉で、クラスの半分が笑うようになり、明るい雰囲気になってきた。うんうん、いいことだ!

 これで当面の俺の目標といえば、無愛想な親友に、無口な女の子を笑わせることだ。

 

「お~、いてて」

 

 トイレからの帰り、つばめに殴られたところを擦る。アイツ、最近俺に容赦がなくなってきたからな~。

 ま、つばめの心を開かせるにはまだ時間が掛かりそうだってことで。

 

「お」

 

 強情な親友をどうやって笑わせるかを考えていると、もう1人の目標を見かけた。

 岩崎みなみ。ツリ目にクールな雰囲気から近寄りがたい印象を与える、男子のような外見の女子。

 

「よっ、岩崎」

「あ……」

 

 気さくに声を掛けると、イマイチな反応をする岩崎。

 何だ? ひょっとして、避けられてる?

 

「小早川の様子は?」

「……少し休んでから、戻るって」

 

 彼女と仲のいい女子、小早川ゆたかは体が弱いらしくて、保険委員である岩崎が付き添って保健室に行くことが多い。今もその戻りみたいだ。

 ま、普段から小早川と一緒にいるし、保険委員というより保護者だな。

 でも、そんな小早川の存在が、俺に岩崎のプラス方面のイメージを与えたのだ。

 

 それは学校初日、初めて教室で岩崎を見かけた時だ。

 無表情ながらも小早川の具合を心配していた。それだけで、岩崎は悪い奴ではないことが分かった。

 ん? 単純すぎるって?  人間、些細な行動だけでも性格が分かるモンさ。

 

 だが、自己紹介時の男子の評判は悪かった。

 あれほど可愛いのに性格が暗い、無表情で気味が悪い、こんな反応ばっかりだ。こりゃ、勿体ない。

 だから笑わせたくなった。笑えば、周囲の印象もきっと変わるだろう。

 つばめだってそうだ。アイツも笑えばきっと化けるぞ。

 

「さっきもつばめの奴が殴ってから「殴るぞ」なんて言い出してさ~」

 

 廊下を歩きながら、一方的に俺が話す。岩崎は聞いてはいるが、自分からは話そうとせず、笑いもしない。

 何でそう、俺の周囲は強情な奴が多いんだ。

 

「……霧谷さんは」

 

 ポツリ、岩崎が漸く呟く。

 

「……どうして、私に話し掛けるの?」

 

 いつもの無表情で、そう言い放つ。

 これは、遠回しに話し掛けるなって言ってるのか?

 

「俺が、そうしたいから」

 

 けど、俺は物怖じせずに言い返す。

 

「俺は岩崎と仲良くしたいし、何より岩崎の笑顔が見たい」

 

 俺の活動理由なんて、いつもそんなもんだ。

 相手の笑顔が見たい。その他に理由がいるか?

 

「…………」

 

 納得が出来ないという視線を送る岩崎。

 

「細かいことはいいじゃねぇか。それに、岩崎は笑ったら絶対可愛いと思うけどな」

 

 納得してもらうつもりもないしな。なんて考えてると、ピタリと岩崎の足が止まる。

 よく見ると、顔がちょっと赤い。

 

「ん、岩崎?」

「……な、何でもない」

 

 岩崎は俺から顔を背けて素っ気なく話す。が、明らかに動揺している。

 ……はは~ん。さては、可愛いって言われたから照れてるな。

 

「絶っっっ対可愛いって! だから笑え! さぁ笑え!」

「……っ!」

 

 ちょっと弄ったら、岩崎は恥ずかしさのあまりか逃げるように立ち去ってしまった。

 うーん、上手くはいかないモンだな。

 

 

「いてっ!?」

 

 その時、岩崎は誰かにぶつかってしまった。普通の人間なら、謝れば済む。

 だが、岩崎がぶつかったのは運が悪いことに、見るからに柄の悪い、というかコテコテの不良3人組だった。進学校なのに何であんなのがいるんだ?

 

「ご、ごめんなさい……」

「は? ぶつかっておいてごめんじゃ済まねぇだろ?」

 

 予想通り過ぎる台詞を吐いて岩崎に絡む不良達。

 まさかこんなマンガみたいな風景を目にするとは思わなかったなぁ。

 

「よく見りゃ可愛いじゃねぇか」

「なら、謝罪の印として俺達と」

「はいストーップ」

 

 そろそろ飽きてきた、というか岩崎が怯え始めたので、間に割って入る。

 

「あ? 何だお前」

 

 向こうとしては晴れ舞台を邪魔された訳で、機嫌悪そうに俺を睨む。

 

「まぁまぁ、ここは岩崎も謝ってるし、穏便に済ませようぜ? 皆笑顔でハッピーってな」

 

 喧嘩をするつもりもないし、俺はこんな連中でも迫力不足な睨み顔よりは笑顔が見たい訳で。

 が、不良達に効果はないみたいだ。スマイルメイカーとして自信なくしちまうなー……。

 

「俺達に楯突いたこと、後悔させてやる!」

 

 いかにもな台詞を吐いて、不良Aが俺に殴り掛かってきた。

 

「ったく、こっちは平和的に解決したいってのに」

 

 俺はやれやれ、といった様子で不良の拳を片手で受け止める。うん、弱い。

 

「へ?」

 

 パンチを受け止められ、不良Aは間抜けな声を出す。不良B、Cも唖然としている。

 

「霧谷、君……?」

 

 信じられない様子の岩崎をシーッ、と人差し指を立てて静かにさせる。ここから先はあまり知られたくないしな。

 

「さて、ここからは提案じゃなくて警告だ。笑顔で教室に帰れ」

 

 俺は笑顔を崩さず、不良達を見る。流石にこのプレッシャーが分からない連中じゃなかったようで、引きつった笑顔のままその場を去っていった。

 

「ふぃー。岩崎、怪我はない?」

 

 小さな嵐が過ぎ、俺は気の抜けるような溜め息を吐く。

 岩崎は小さく頷いた。ま、アイツ等程度に捕まれるくらいじゃ怪我なんかしないか。

 

「でも、今の……」

「あぁ、あれ? どうせ高校デビューって奴さ。本物の不良じゃないよ」

 

 ドラマか漫画に影響でもされたんだろう。進学校の中で不良の俺達カッケーってか?

 でも、これで少しは大人しくなるだろ。

 

「いや、そうじゃなくて……霧谷君、普段と違ったから」

 

 ……まぁ、気にはなるだろうな。

 何故クラス1の道化、笑顔の申し子、スマイルメイカー霧谷かえでが高校デビューとはいえ不良のパンチを受け止めれたのか。

 

「知りたい?」

 

 珍しく俺に興味を持った岩崎はまた小さく頷く。はっはっは、そうかそうか。

 

 

「教えてあげないよっ! じゃんっ!」

「教えろよ」

 

 

 唐突に後ろから知らない人間の声を掛けられ、俺はギョッと後ろを振り向いた。

 あー、ビックリした。まさか初対面の奴にツッコミを入れられるとは。

 

「お前か、つばめが言ってた騒々しい奴ってのは」

 

 ソイツは悪怯れもせず、腕を組んで俺を見ていた。

 容姿は空色の髪に緑の目の男子。どうやら、つばめの知り合いらしい。

 

「あ、アンタ誰?」

 

 岩崎もこの男のことを知らないみたいだ。

 

「俺は白風はやと。3年だ。つばめとは同じアパートに住んでる」

 

 3年、つまり先輩か。この先輩が何故1年の階にいるのかはさておき。

 

「何時からいたんですか?」

「お前が不良相手に割って入った時。いいから話せよ」

 

 白風先輩は面倒臭そうに俺に迫った。いや、だから初対面なのに容赦なさ過ぎでしょ。

 渋々、俺は岩崎と何故か白風先輩にも俺の過去を話すことになった。

 

「昔々、ある中学生がいました」

 

 昔話を語るように俺は喋る。

 

 

 

 その中学生はつまらない理由で荒れ、不良グループの仲間入りをしました。

 万引きやサボりは当然、喧嘩も数えきれないぐらいしました。隣町の学校の不良にも喧嘩を売り、立ちはだかる人間を全て殴り倒していきました。

 力を得れば仲間は増え、周囲から舐められなくなる。ソイツは喧嘩に勝つことで力を得たと勘違いをし、次々と不毛な争いを続けていきました。

 やがて、力を付けた中学生には、仲間は誰もいませんでした。繰り返される乱闘の日々に疲れ果て、離れていったのです。

 家に帰っても、両親は怯えた目でソイツを見ます。つまらない力の所為で、ソイツは独りになっていました。

 

 ある日、街を歩く中学生の目にとある光景が入りました。

 それは、ピエロが風船を子供に渡す姿。

 様々なパフォーマンスで道行く人を喜ばせる姿。例え失敗しても、それすら笑いに変えるピエロが、ソイツには英雄にすら見えた。

 畏怖の目を向けられるより、笑顔を向けられた方が気持ちいいに決まっているじゃないか。

 

 笑顔を奪う者より、笑顔を作る者の方がずっといい。

 以来、その不良は足を洗い、人の笑顔を作る道化を目指すようになっていった。

 

 

 

「これがスマイルメイカーの真実さ。どう? 意外だった?」

 

 話し終えると、岩崎は黙り込んでいた。相変わらずの無表情だけど、まるで聞いてはいけないことを聞いてしまったかのように視線が泳いでいた。

 そして、半ば強引に話を聞いていた白風先輩は。

 

 

「ふーん」

 

 

 人の過去の汚点をたった一言で済ませやがった!?

 

「いや、ふーんって!? 俺話すの嫌だったんですけど!?」

 

 納得出来ず、先輩に詰め寄る俺。何なんだ、この人は。

 すると、白風先輩は気怠そうに俺を見る。

 

「だって、自分の中で解決してんだろ? じゃあ別に言うことないじゃん」

 

 いや、確かにそうだけど……。

 この人には遠慮とかデリカシーってのがないんだろうか。

 

「お前は過去と向き合えてる。過ちも、これからすることも見えてる。それだけでお前はスゲーよ」

「え? は、はぁ……」

 

 白風先輩はやる気のなさそうに、しかし嘘のない視線を向けていた。

 いきなり素直に誉められて、俺は態度に困る。

 

「けど、お前は気ィ張りすぎだ。笑顔って必死に強要するモンじゃねぇよ。もう少し気楽にやってもいいんじゃねぇの?」

 

 白風先輩の言葉に俺はハッとする。

 あのピエロは単純に面白かった。滑稽で、暖かみがあって、見る人が自然と笑顔を零す。そんな感じだった。

 けど、俺は周りに笑顔を求めすぎていたのかもしれない。

 

「馬鹿やったり、ウザいだけじゃ笑顔は作れない。人を笑わせるのは難しいんだぜ?」

 

 先輩の言葉は俺に突き刺さる。今さっき会ったばかりなのに、どうしてここまで見透かされるのか。

 

「あと、つばめを笑わせるのは骨が折れるぞ。まぁ、頑張んな」

 

 白風先輩は言いたいことだけ言うと、その場を立ち去っていった。

 

「……何つーか、すごい先輩だったな」

「……うん」

 

 嵐のように去っていった白風先輩。恐らく、俺のことはつばめから聞いていたんだろう。

 それでよくまぁ、あそこまで言えたモンだ。

 

「……わりぃな、岩崎」

「え?」

「無理矢理にでも笑わそうとして」

 

 俺はポロッと岩崎に謝った。何となく、謝らなきゃいけない気がしたから。

 

「俺は岩崎は良い奴なんだって、小早川のやりとりを見ててずっと思ってた。で、他の奴の評価が気に食わなかった。だから、ソイツ等の考えを変える為に笑わせたかったんだ」

 

 俺は岩崎の納得がいくように、思っていたことをぶちまけた。

 

「つばめだってそうだ。笑えば、印象が変わる。それに、お前等の変わらない表情を見てると、無償に笑顔が見たくなったんだ。どんな顔して笑うんだろうってな」

 

 ベラベラと俺が喋る横で、岩崎は俯いたまま聞いていた。

 果たして、どう思っているんだろうか? 迷惑? 大きなお世話?

 

「……ごめんなさい」

 

 予想と違い、岩崎は俺に謝ってきた。

 理由が分からず、俺はポカンとする。

 

「こういう性格だから、笑顔って難しくて……」

「……あぁ」

 

 岩崎の言葉で、俺は漸く理解した。

 笑顔は意識してするものじゃないんだ。ふと湧いた感情が、顔に出ているだけなんだ。

 もしかしたら、岩崎は何処かで笑っていたのかもしれない。俺が気付かないだけで。それで必死に笑わそうとしていたなら、岩崎を上辺だけで評価した奴と変わらない。

 

「岩崎。俺はまだ諦めない」

 

 ふと、岩崎は顔を上げる。

 俺はスマイルメイカーとして、満面の笑みで再び宣言した。

 

「俺はお前を、皆が認める笑顔にしてやる!」

 

 例え今は小さな笑みだろうと、それを押さえられないぐらい大きくしてやる。

 小早川や田村と並んでも謙遜ないぐらいの笑顔を作れるようにしてやる。

 

「だからさ、これからも仲良くしてくれるか?」

 

 俺の頼みに、岩崎は小さく頷いてくれた。

 皆の笑顔を引き出せる、真のスマイルメイカーに俺はなる!

 




どうも、雲色の銀です。

第5話、ご覧頂きありがとうございました。

今回は自称スマイルメイカー、霧谷かえでの話でした!

かえでの過去があっさりと終わった感がありますが、これははやとの言う通り既に自己解決してるからです。かえでは悩むよりも行動を起こすキャラですし。

今後も時に周囲を引っ張り、時に場を掻き乱す活躍を見せてくれるでしょう。
……どう見てもつばめより主人公向きです。本当に(ry

次回は知識欲が豊富な、石動さとるが主役の話です。

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