【ARIA】 その、いろいろなお話しは……(連作)   作:一陣の風

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明けまして、おめでとうございます(遅っ)
うがががが。 おごごごごご。 ぐぎゃあああああっ。
だ、第八話をお届けします。
もう、ホント。すいません。
それではしばらくの間、よろしくお付き合いください。


第八話

「明けの明星が輝く頃、一つの光りが宇宙に向かって飛んでいく。

 それが僕なんだよ。 ……さよならアンヌ!」

「待ってっ。 … 行かないで!」

「アマギ隊員がピンチなんだよ!」

 

シューマンのピアノ協奏曲イ短調の調べが、甘く、切なく、しかし力強く、流れていく。

 

 

 

   第八話『cometa di mattina』

 

 

「……ううう。えぐ、えぐ、うぐぐ」

「泣くな、泣いちゃダメだぁ」

「ぐあああっ。ウッディ。 お前には、あのセリフに込められた思いが分からないのかっ?」

「分かる。分かるとも、あかつきん! 

 でも……でも泣いちゃダメなのだ。 ぐすん……」

 

水の惑星AQUA。

かつて火星と呼ばれていたこの惑星は、大規模なテラ・フォーミングの結果、今では、水を満面とたたえる、青い海の星へと生まれ変わっていた。

 

そのAQUAの都市のひとつ、ここ、ネオ・ヴェネツィアにおいて『バーカリィ』といえば、

『チケーティ』といわれる、ワンコインの軽食をつまみながら、気楽にコーヒーや、

ワイン、ビールなどを楽しめる、スタンド式の軽食堂のことだ。

レストランやカフェのように気取らず、カウンターでの立ち飲みしながら、親しい仲間達と騒げる、いわば『下町の社交場』

 

そんな店の一つで、リバイバル放送中の古いTV番組を見ながら、二人の男がビール片手に泣いていた。

 

 

「マン・ホームの平和を守るため、仲間を助けるため、愛する恋人と別れを告げる……奴こそ、オトコだっっ」

「しかも宇宙人と告白されても、その愛を守ろうとするなんて……彼女も素晴らしいのだっ」

「うおおおおっ。 ウッディ!」

「ぐああああっ。 あかつきんんん!」

 

 -ガシっ!

 

と、ハグを交わす男、二人。

本人達は、感極まっての事なんであろうが、傍から見れば気持ち悪い事、この上も無い……

 

「いいお話ですねぇ」

 

やたらと盛り上がる二人を尻目に、その横に立つ、黒いマントを羽織った、小柄な少年が静かに言った。

 

「おおおおっ。 アルよ、お前もそう思ぶかあ!? って、噛んだぞぉぉっ」

「うぐぐぐっ。 アルもオトコなのだあ!」

「はい。セブンだけに、面白さも、ウルトラ級(Q)です」

 

-と、ほとんどマニアにしか分からない冗談を言いながら、アルと呼ばれた少年は、微笑んだ。

 

彼の名前は、アルバート・ピット。

通称、アル。

その黒いマントと、黒い丸眼鏡が特徴的だ。

彼は、ネオ・ヴェネツィアの地下深くにある中央ターミナルで、アクアの重力を1Gに保つ、

地重管理人「ノーム」と呼ばれる仕事をしていた。

 

ちなみに、先程から異様な盛り上がりをみせている、二人の男。

どちらも、アルの幼馴染である。

 

背中に大きく赤く「炎」の文字をあしらった白い半纏を着ている男。

あかつきん-と呼ばれている彼。

名を出雲・暁という。

地重管理人のアルとは正反対に、空に浮かぶ「浮き島」(正式名称・AFT-0078)で、アクアの気象管理、

火炎之番人「サラマンダー」と呼ばれる仕事をしている。

 

そしてもう一人。

その特徴的な顔立ちと、いかにも着崩したような奇抜な服装をした男は、風追配達人「シルフ」のウッディ。

本名を、綾小路・宇土・51世。

風追配達人「シルフ」とは、自動車の乗り入れが禁止されている、ネオ・ヴェネツィアで、エアバイクを使い、宅配の仕事をしている人達の事をいう。

 

地重管理人「ノーム」

火炎之番人「サラマンダー」

風追配達人「シルフ」

 

そして

「ウンディーネ」と呼ばれる、ゴンドラを使った観光案内を行う、水先案内人が、ここネオ・ヴェネツィアにおいて

地水火風の四大妖精と呼ばれる、代表的な職業だった。

 

 

「ううう。 よく分からないが、アルも大絶賛なのだ」

「よし。 アル。ウッディ。 素晴らしいこの話に乾杯だっ」

「おうっ。 なのだ! って、おや? ……アルは、ビールじゃないのか?」

「はい。 実はこの後、人と会う約束があるので、アルコールはちょっと……」

「んが? 誰となのだ?」

「それはぁ……」

「ははあ~ん」

言いよどむアルに、暁は、いたずらな笑みを浮かべた。

 

「がちゃぺんか?」

 

暁の質問に、アルは困ったように答える。

「がちゃぺんって……彼女にはちゃんと、藍華さんってお名前が……」

「うっせいっ。 あんなのはなぁ、がちゃぺんで充分だ!」

「暁くん……」

 

「だあれがぁ。がちゃぺんよ。 このポニ男!」

 

凛-とした声が、響き渡る。

「藍華さん?」

 

夕暮れせまるネオ・ヴェネツィア。

その紅い夕陽を背に受けて、腰に手を当て仁王立ちしている、勇ましげな姿がバーカリィの入り口に浮かび上がる。

なぜか肩には、ぴんっと背筋を伸ばした、青い目の黒猫が乗っかっていた。

 

元気いっぱいな、ショートな髪。

意思の強さを輝かせる、大きな瞳。

気が緩めば、炎を噴出しそうな唇。

 

彼女こそ、姫屋のプリマ・ウンディーネ「ローゼン・クイーン(薔薇の女王)」こと、藍華・S・グランチェスタだ。

このネオ・ヴェネツィアの水先案内店の老舗、姫屋の跡取りにして、若干、18歳でカンナーレジョ支店の支店長を任されている傑者。

ちなみに、彼女の肩に乗っている黒猫は、姫屋の社長猫で、ヒメ社長と言う。

 

「だいたい、アンタこそ、相変わらず何よ、そのポニーな髪は!」

「うっせぇ! 誰がポニーだ!」

「あんたよ。ポニ男」

「んだとぉ、がちゃぺん」

「あによぉ!」

「まあまあ、お二人とも……」

 

ぎりぎりぎり-と、火花を散らす二人に、アルが割って入る。

「お二人が仲良しなのは、分かりましたから」

 

 「『ちっがあーーーーーう!!』」

 

暁と藍華のツッコみが、やっぱり仲良く同時に炸裂した。

 

 

「藍華さん。どうしたんですか。約束の時間には、まだ少し早いですよ」

ようやく、にらめっこを止めた藍華に、アルが訊ねた。

 

「え? あ、うん。予定してた会議が明日に変わっちゃったから……べ、別にアルくんに会いたいからって、強引に抜け出してきたわけじゃないんだからねっ」

「藍華さん?」

 

「えへへ。 ホントは藍華ちゃんってば、会議を副支店長の人にお願いして、無理矢理抜け出してきたんですよぉ」

「灯里ぃぃい!?」

「藍華先輩、でっかい我が儘さんです。 副支店長の、あゆみさん。泣いてました」

「後輩ちゃんっ!?」

「ぷいぷぅぅぅ~い」

「いっ…アリア社長まで……」

藍華の後ろに、制服が違う二人のウンディーネと、一匹の猫が笑いながら立っていた。

 

「どうしたんですか、藍華さん。顔、赤いですよ」

 

「ぎゃあああああああっス!

なんでもない! なんでもないのよ。アルくん。

 灯里っ。後輩ちゃん。 バラすの禁止!」

 

藍華が真っ赤になって叫んだ。

 

そんな藍華の後ろに立つ、二人のウンディーネと一匹の猫。

 

ひとりは、ARIA・カンパニーの水無・灯里。

「アクアマリン(遥かなる蒼)」の通り名を持つ、プリマ・ウンディーネ。

つい最近、店の経営権をも譲渡された、新進気鋭のウンディーネ。

 

もう一人は、オレンジ・ぷらねっとのアリス・キャロル。

灯里や藍華と同じ、プリマ・ウンディーネ。

通り名は「オレンジ・プリンセス(黄昏の姫君)」

彼女は最近、ウンディーネ史上、初のペアからの「飛び級昇格」を果たし、わずか15歳でプリマ・ウンディーネとなった、今、話題の女の子だった。

 

ちなみに「通り名」とは、見習いの「ペア」、半人前の「シングル」とは違い、一人前の「プリマ」のみが名乗れる

特別な「第二の名前」のことだ。

 

「ぷいぷ~い」

そしてアリア社長。 

ARIA・カンパニーの社長であり、灯里の唯一の上司。

ここネオ・ヴェネツィアの水先案内店では、昔から航海の安全を守ると言われている、青い瞳の猫を社長とする習慣があった。

特にアリア社長のような火星猫は、小学生並の知能があり、喋れずとも人の言葉は十分に理解できた。

地球猫である、姫屋のヒメ社長を、こよなく愛している。

まあ、結果は、残念ながらまるで出ていないが……

 

 

「ありゃ。灯里ちゃんにアリスちゃん。それにアリア社長まで……お久しぶりなのだ」

「はい、ウッディさん。 今朝以来ですね。玉子ありがとうございました」

「いえいえ。どういたしまして。 なのだ」

「玉子?」

アリスが不審気に訊ねる。

 

「うん。ウッディさんってば、実家で鶏を飼い始めたんだって。それで毎朝、生みたての玉子を、ARIA・カンパニーに届けてくれるの」

「……むすっ」

「ん? どうしたのアリスちゃん」

「なんでもありません。 それより、ムッくん。 お酒なんか飲んで、でっかい大丈夫なんですか?」

「大丈夫なのだ、アリスちゃん。 今日は、もう帰るだけなのだ」

 

「ちゃんとロープ・ウェイで帰ってくださいね。 

 お酒飲んでエア・バイクに乗るなんて、でっかい禁止です!」

「…アリスちゃん。何をそんなに怒っているのだ?」

「わ、私は何も怒ってなんていません」

「ふふ~ん。 なるほどぉ……」

「な、なんなんですか、藍華先輩。 なんでそんな薄笑いなんですかっ」

「つまりぃ……」

藍華は、ニタニタと笑いながら言った。

 

「後輩ちゃんは、自分も毎朝、玉子が欲しいっと……」

「………っ」

「お子ちゃまねぇ。ふふ」

「で、でっかい、うるさいです!!」

「ほへえ…? アリスちゃんのトコは、社員食堂があるから、玉子はいっぱいあるでしょ?」

そんな灯里の天然発言に、藍華はおろか、アリスまでもが、深い深い、ため息をついた。

 

「灯里…天然禁止!」

「ええ~?」

 

 

「んで…お前ら、こんなトコでなにしてんだ?」

「何してんだとは、ずいぶんね、ポニ男」

「ポニ男って言うな!」

「ふんっ 私は、アルくんに、お呼ばれしたの」

「わ、私達は藍華ちゃんの付き添いです」

再び、険悪になりかける暁と藍華の間に、灯里があわてて割って入る。

 

「付き添い?」

「はい。お仕事が終わって、たまたま一緒になった、私とアリスちゃんの所に、偶然、藍華ちゃんが通りかかって……」

「これから、チケーティの美味しいお店に行くからって…でっかい、付いてきました」

「お前ら二人とも、馬に蹴られるぞ?」

暁があきれたように言う。

 

「はひ? 馬に蹴られる…ですか?」

「ポニ男さん。でっかい意味分かりません」

「後輩ちゃんまで、ポニ男って言うなっ。 意味くらい自分で調べろ」

「むむむむ……」

 

「昔にマン・ホームの唄に、そう言うのがあるんですよ」

「唄?」

「正確には『都都逸(どどいつ)』って言うんですけど。

 『人の恋路を邪魔する者は、馬に蹴られて死んじまえ』って。

 これはマン・ホームの中世期前半。1860年代、日本州の江戸という街で流行った、七・七・七・五文字の言葉を使った、いわゆる、言葉遊びの一種で、意味は……」

突然、言いよどむアル。

 

「どうしたのアルくん」

「いえ…なんでもありません……暁くん!?」

「ぶしゃしゃしゃしゃ」

紅くなって睨むアルに、暁は、変な笑いで答えた。

 

「ええっと…なんでもなくってですねぇ……そうそう!

 馬に蹴られたといえば、ノストラダムス2世って人がいまして……」

「はい?」

「あの高名な預言者でもあり、医学者でもあったノストラダムスの弟子と称していた人なんですが……」

「いや、アルくんってば?」

 

「この人は自分の予言を成就させるために、自分で街に火をつけて燃やそうとしまして……」

「…………」

「それが見つかって、逃げようとして、その時、馬に蹴られて亡くなったってお話がありまして…」

 

「アルくん!」

 

 -ばんっ

 

と、藍華がカウンターを激しく叩いた。

 

「ぷいにゅっ!」

「にゃふうっ!」

アリア社長と、ヒメ社長が脅える。

 

けれど藍華は、そんなことにはお構いなしに、アルを指差しながら叫んだ。

 

「おやぢの雑学禁止!!」

「ええ~っ」

 

 

  ***

 

「で、今日はなんの用なの?」

すっかり『スネて』しまった藍華が、冷たく言う。

 

「あわわわわ…藍華ちゃん。藍華ちゃん。落ち着いて……」

「あによぉ。 灯里は、ポニ男と話してればいいでしょ」

「そんなぁ……」

「そ、そうだぞ、がちゃぺん。

なぜ俺様が、もみ子と話さなければならないんだ!」

「へっ。 ホントは話したいくせに」

 

「な、なななななななな、なにを言うかあっ。お、お、俺様はだなあ」

「アンタねえ……こないだもARIA・カンパニーに行って、日暮れまで灯里と話込んでたでしょう?」

「な、ななななななっ」

 

「あ、藍華ちゃん。 あれは、暁さんが心配して、様子を見に来てくれて……」

「そ、そうだぞ。がちゃぺん。 

 オレ、俺様は、最愛のアリシアさんが去った後の、ARIA・カンパニーの様子が気になって……」

「ふんっ。 つまりそれって、灯里が気になったってことでしょ。 

 ホント、へたれなんだから……」

「なななななな……」

 

「藍華先輩、でっかい恐いです」

アリスがポツリと言う。

 

「そうゆう後輩ちゃんだって、こないだウッディさんと、デートしてたじゃない」

「で、デートぉ?」

「いったい、なんの話なのだ?」

アリスが叫び、ウッディが怪訝そうに訊ねる。

 

「後輩ちゃん、こないだウッディさんのエア・バイクの後ろに乗って、空飛んでたでしょ」

「あ、あ、あれは、お天気が良かったので、たまたま乗せてもらって……」

「そうそう。 お隣の島まで、お弁当持って、お空を、ひと泳ぎしてきたのだ」

「む、ムッくん……」

「それをデートって言うのよ」

「…………」

アリスは下を向いてしまった。耳が真っ赤だった。

 

「帰る……」

 

不意に藍華が言った。

 

「にゃん……?」

ヒメ社長が、何事? とでも言いたげに、小さく声をあげた。

 

「私、帰る」

「藍華ちゃん?」

「藍華先輩?」

「ごめん。灯里、後輩ちゃん。 また今度」

「あ、藍華さん。待ってください」

あわてて、アルが引き止める。

 

「あによぉ。 ぜんぜん、つまんない。私、帰る」

「藍華さん……」

アルのセリフに、ますます藍華の顔がくもる。

 

「それに藍華さん、藍華さんって……

 私は『さん』って呼ばれるのは……アルくんのバカ………」

「えっ?」

「なんでもな~い! 帰るったら、帰るぅぅっ」

「待ってください」

帰りかける藍華の手を、アルがつかんだ。

 

「あ、アルくん?」

「実は、ぜひとも見ていただきたい……いえ、ご招待したい所があって……」

手を握られ、立ち止まってしまった藍華に、アルが必死で言う。

 

「ご招待……したい所?」

「はい」

「ど、どこ?」

「僕の家です」

 

 -え、ええええええええええええええええっ!?

 

 あ、アルくんの家?

 ってことは、ご両親にお会いするの?

 紹介されるの?

 ご挨拶するの?

 公認?

 いや~ん、そんな、まだ心の準備が!

 はうおっ 

 お、お土産のひとつも買ってないし…

 あああ。私、制服のままだし…

 やっぱり、ちゃんとした格好で、お会いしなければ……っ

 

「実は僕、この近所にアパートを借りまして……」

「……へっ?」

 

ぐるぐるし始める藍華に、アルがなんでもないことのように言った。

 

「今日が引越で……暁くんと、ウィディくんは、手伝ってくれてたんです」

「引越し……」

「はい。地重管理人の寮もよかったんですが、やっぱり地下だと星が見れませんから……」

「そ、そうなの……」

「はい。それで誰よりも先に、藍華さんを、ご招待したくて……」

「…………」

 

「じゃあ、行きましょうか。 みなさん、ここの代金は、後で僕が払いますので、ゆっくりして行ってください」

「はあ~い。 ご馳走様なのだ」

「おーう。 まあ、ご馳走様。 ごゆっくり。 うっしっし……」

ビールを片手に掲げながら、返事をするウッディ。

意味ありげな笑みを浮かべながら、答える暁。

灯里とアリスは、まだ状況が飲み込めていないらしく、ただ手を振って二人を見送る。

アリア社長が、藍華と一緒に走り去っていくヒメ社長を、涙目で見送っていた。

 

 

  ***

 

アルに手を引かれながら、夜のネオ・ヴェネツィアを行く藍華。

なぜか心臓が高鳴る。

通り過ぎる人達に、自分の鼓動が聞こえないのが不思議だ。

後ろから付いてくるヒメ社長の足音が、うるさいくらいに響く。

 

 -えと、えと、えと………

 

 って、男の人の部屋にいくのよね? 

 って、アルくん一人よね?

 って、アルくんと私だけ?

 って、アルくんと二人きり?

 って、アルくんと……

 きゃあああうううう…っス

 

「ここです」

再び、ぐるぐるし始める藍華に、アルが示したのは小さな縦長のアパートだった。

 

「ちょっと階段が狭くて長いから、気をつけてくださいね」

アルは、そう言うと、相変わらず藍華の手を取って、ゆっくりと階段を上がり始める。

狭い階段だった。

人がすれ違うにも苦労しそうだ。

自然、アルと藍華の距離は、さらに縮まって、まるで藍華がアルに抱きつくような格好になってしまった。

 

「大丈夫ですか?」

「……う、うん」

結局、アルの腕を抱きかかえるように階段を登って行く、藍華。

 

長い階段だった。

途中で登り辛そうなヒメ社長を肩に乗せる。

やがて目の前に、なんの変哲も無い扉が現われた。

アルがポケットから鍵を取り出す。

 

 -ああ…合鍵作んなきゃ……

 

「藍華さん?」

「うきゃっ、な、なに? なに? なにっ?」

 

埒もない考えに走っていたせいで、アルの声が聞こえてなかった。

 

 -やだ。私ってばなにを……

 

藍華は、あわてて戻ってきた。

 

「さあ、どうぞ。まだちょっと散らかってますが……」

「あ、はいはい。 お、お邪魔します……」

 

小さく、質素な部屋だった。

ヒメ社長が肩から飛び降り、走りこんで行く。

大き目のワンルームに、小さなキッチンと、お風呂やトイレが付いている。

家具もそれほど多くなく、部屋の真ん中に、小さなテーブル。

壁際には、それだけは異常に多い本棚と書籍の数々。

 

窓際に置かれたベットには、ヒメ社長がすでに、ここは私のモノだ!

-と宣言するかのように、寝っ転がっている。

 

引っ越してきたばかりとゆうのに、そこはすでに、アルの穏やかで暖かな性格が滲みでているかのような、

ゆったりとして落ち着いた、不思議な空間だった。

 

 -住めなくもない

 

 お寝坊なアルくんを、フライパンを鳴らしながら起こす私

 小さなテーブルを挟んで、朝食を取るアルくんと私

 ヒメ社長と一緒に、アルくんをお見送りする私

 掃除や洗濯をしながら、アルくんの帰りを待つ私

 仕事から帰ってきたアルくんの服を受け取りながら訊ねる私

 

 食事にする?

 お風呂にする?

 それとも…………

 

「ぎゃあああああっス! 恥ずかしい想像・禁止!禁止ぃ! 自分!!」

 

「藍華さん?」

三たび、ぐるぐるし始める藍華に、アルが不思議そうに声をかける。

 

「なんでもない、なんでもない。なんでもないのよ。アルくん」

「はあ…あ、それで、ぜひとも見ていただきたいものが……」

「はいはい。もうなんでも見る。見ますですよ。なんですか。なんでしょうか。アルくん!」

「ええと……」

 

藍華の勢いに押されるように、アルは部屋の片隅を指差した。

「あちらです」

 

 

 ***

 

「そういえばアルの奴。移籍の話、断ったんだって?」

 

暁がウッディに訊ねた。

 

「そうなのだ。アル、きっぱり断ったそうなのだ」

「移籍? なんのことですか?」

灯里が、レモネードをすすりながら聞く。

 

「ああ、実は地重管理部から、天文研究部への移籍の話があったらしいんだが、アルの奴、断っちまいやがって……」

「ええ、どうしてですか? 確か天文研究部って、エリートさん達が集まる所だって聞いたことありますけど」

「あいつは、出世には興味はないってことだな」

暁が、まるで自分のことのように、得意げに言う。

 

「でもアルさんは、大学で天文学の講義も受けてるんでしょ?」

「確かに講義は受けてるらしいんだが、それと研究部門への移籍とは違うんだと」

「どうゆう事ですか」

 

「アルは、星や月には興味はあるけど、それとこれとは違うということなのだ」

「……ムッくん。でっかい意味不明です」

「つまり、アルは、宇宙の声よりも、地重管理人として、まだまだ、このアクアの声を聞いていたいそうなのだ」

ウッディも、なぜか誇らしげに言う。

 

「……アルさんらしいです」

「はひ。ホントですねぇ」

「よし。アルに乾杯っ」

「おうっ。なのだ」

「むすっ ……結局、飲みたいだけなんですね」

「アリスちゃん……」

灯里が困ったような笑みを浮かべた。

 

 

 ***

 

藍華は困ったような笑みを浮かべていた。

「これは……」

「はい。僕の天文台にようこそ」

アルが、アルターナに立ちながら、満面の笑顔で言った。

 

「アルターナ」とは本来、物干し場を意味する。

土地の狭いネオ・ヴェネツィアでは、こういった屋根の上にベランダのような小さなスペースを作って、建物の有効利用が図られていた。

 

アルが指し示した方。

そこにはこの「アルターナ」へと続く、小さな階段があった。

やっぱり、アルに手を引かれて、外に出た藍華の前に「アルバートの天文台」とかかれた看板がぶら下がっていた。

 

「アルくん…の天文台……」

確かにそこには、少し大きめな望遠鏡が置いてあった。

 

 -でも……

 

 はっきり言って、みすぼらしい。

 

「これ見えるの?」

藍華が自信なさ気に、望遠鏡を指差した。

 

「ええ。見た目は小さいですけど、倍率は結構高いんですよ…ほら、のぞいて見てください」

アルに勧められるまま、藍華は望遠鏡をのぞきこんだ。

「うわあ……」

そこには予想以上に鮮明な星空が、映し出されていた。

 

「あれ?」

藍華が不審気な声をあげる。

「どうしました?」

「アルくん…あれってもしかして……」

 

煌く夜空の中、ひとつだけ小さな尾を引きながら、揺らめいている星があった。

 

「はい。 あれが藍華さんに見せたかったモノ。

 NAAT-ms06s・アイカ彗星です」

 

 

 ***

 

「はひ? アルくんってば、彗星を見つけたんですか?」

「ああ。 そんでその彗星に『アイカ』って名前をつけたんだそうだぜ」

「アイカ彗星……自分で見つけた彗星に、藍華ちゃんの名前を付けるなんて……アルさん、とっても素敵ングですぅ」

「でも……なのだ」

「でも?」

感動に浸っている灯里を横目に、ウッディが深刻そうに言い放った。

 

「ひとつ間違えれば……スピード、三割増しなのだ」

 

「……はひ?」

「……やっぱり、でっかい意味不明です…」

「っしゃあああぁ……」

アリア社長が足元で、なぜか頭を抱え、呻いていた。

 

 

 ***

 

「あ、アルくん……あ、ありがとう」

藍華が下を向きながら、小声で言う。

照れくさくて、アルの顔をまともに見れなかった。

 

「せっかく見つけた彗星に、私なんかの名前使ってくれて……」

 

「僕はずっと藍華さんが彗星のようだと思っていました……」

「え?」

「やさしくて、強気で、けれどちょっと泣き虫さんで、でも笑顔がとてもかわいらしくて……」

「アルくん……」

 

「そしていつも元気一杯に、ものすごい勢いで前に突き進んでいく……

 そう、まるであの彗星のように」

「…………」

「僕は不安だったんです」

「え?」

アルは小さく鼻を掻きながら、続けた。

 

「藍華さんは、あの姫屋のグランチェスタ家の一人娘。いずれ姫屋の跡を継ぐ人。

 そして僕は、いち地重管理人にしか過ぎません。 

 言ってしまえば、身分が違います。

 だからいずれ、あの彗星のように、藍華さんも、離れて行ってしまうのではないかと……」

 

 -そんなっ

 

 そんなことない!!

 藍華は、ぶんぶんーとかぶりを振った。

 声も出せない程、強く、激しく。

 

「ありがとう。でも僕は弱虫ですから……」

 

 

 ***

 

「アルは弱虫なんかじゃない…あいつは、アルはホントに強いよ」

「強い……アルくんがですか?」

「ああ」

暁がビールのお代わりを頼みながら言った。

 

「アルは、本当に強い。

 アルは、本当は俺様達より年上なのに、昔からいつも俺様達と同じ目線でモノを見てくれる。

 アル-って呼び捨てにしても、いつも微笑んで答えてくれる。俺様にゃあ、マネできねえ」

「暁さん……」

 

「昔、こんなことがあった」

 暁が思い出すように、少し上を向いて話始める。

 

「ガキの頃、アクアの平和を守ることが使命だと思っていた俺様は、ある日。

 勢いあまって、すんげえ恐い、おやぢン家の植木鉢を割っちまってな……」

「うわあ……」

灯里とアリスの顔が引きつる。

 

「けど、謝ったのはアルだった」

「ほへ?」

「アルくんが? ど、どうして……」

「理由はいまでも分からねえ。 あいつが何も言わなかったからな……」

「…………」

 

「後から聞いた話じゃ、アルの奴。そのおやぢの家の周りを、一週間も毎日掃除させられてたらしい。

 不覚にも、俺様もウッディも、そのことに全然、気付かなかった。 

 でもある日、偶然、そのおやぢの家から出てくるアルを見つけた俺様達が問いただすと、アルの奴はただ一言、笑いながら 『もう、終わりました』 って……」

「…………」

「その日から俺様とウッディは、アルの生涯の友達になった」

「けど、アルはアルなのだ。それでも何も変わらないのだ」

 

 本当はその日。

暁もウッディも、アルを抱きしめながら、二人で号泣し、謝ったものだが……

アルは、そんな二人の涙と鼻水で、ぐちゃぐちゃになりながらも、嫌がるそぶりも見せず、ただ静かに微笑みながら、二人の肩を、やさしく抱いてくれたのだ。

 

「アルくん、スゴいですね……」

「スゴいといえばな……もうひとつ」

「ほへ?」

 

「考えてもみろ。あいつは浮き島っていう、いわば自分の巣から、一人で地重管理人って闇の中へ降りていったんだ。 

 浮き島で暮らす俺や、ウッディには、とてもそんな真似は、できねえ」

「まったくそうなのだ」

「ムッくん?」

 

ウッディが海老のマリネのチケーティを食べながら言う。

 

「アルは、浮き島にいる火炎之番人の、あかつきんより、空を泳ぐ風追配達人の私より、さらに高い所を見ているのだ。

 それはとうてい私達には、考えられることではないのだ」

 

「あいつは弱虫でも、へたれでもねぇ」

「うむ。アルは私達の中で、一番強いのだ」

「暁さん、ウッディさん……」

 

「お二人とも、でっかい、いい人です……」

アリスが、灯里の気持ちをも代弁してくれた。

 

「ぷいにゅ」

アリア社長が、深く頷いた。

 

 

 ***

 

「僕は弱虫なんです」

アルが繰り返す。

 

「だからあの彗星に藍華さんの名前をつけたんです」

「……どうゆうこと?」

「それは……あの彗星は、もう少しでアクアを飛び去って行きます。また見られるのは何年も後のことです。

 ですから、たとえ、何年…何十年たっても、あの彗星に名前をつけることで、あの彗星を見ることで、僕が藍華さんのことを思い出せるようにって……」

アルは口を閉ざす。

 

その沈黙に耐えかねたのように、藍華の心が叫び声をあげる。

 

 -違う違う違う

 

 私が、アルくんから離れる?

 そんなこと そんなこと……

 私は絶対っ

 

「アルくん、私っ」

「でも間違いでした」

「えっ?」

けれどアルは、藍華が何かを言う前に、再び言葉を紡いだ。

 

「あの彗星を見てて気が付いたんです。あの彗星は何年、何十年たっても、必ずもう一度、ここに帰ってきます。

 必ず帰ってくる。 それなら僕が信じて待っていればいいんだって。 

 僕ができることは、藍華さんをずっと信じて、ずっと見守っていてあげることなんだって……」

「アルくん……」

藍華の双眸から、じわりと光るものが湧き上がってくる。

 

 

 ***

 

「そういえば、もみ子もマンホームからアクアに一人で来たんだよな。 偉いな」

「暁さん…いえ、そんなことないです。私は、ただウンディーネになりたい一心で……」

「それでも……だ。 逆に思う。

火炎之番人になるために、俺様はマン・ホームに一人で行けるだろうかってな……」

「暁さん……ありがとうございます」

 

 -灯里先輩とポニ男さん、でっかい、いいムードです。

 

アリスは少しドキドキしながら、二人の会話を盗み聞きしていた。

 

灯里が満面の笑顔で言う。

 

「それならこれから私のこと、ちゃんと灯里って呼んでください」

「な、な、いや、お前は、もみ子で充分だ! もみ子だ。もみ子!」

「ええ~え」

 

 -でっかい、へたれです。

 

アリスはため息をついた。

 

「あははは。あかつきんらしいのだ」

ウッディも、ビールで顔を真っ赤にしながら、陽気な笑い声を上げる。

 

 -ムッくんも、せっかく私がいるのに、さっきから飲んでばかり……

 

「おや、アリスちゃん。ぜんぜん、食が進んでいないのだ。 

ほら、このマグロのカカオ風味は、ここの名物なのだ。

 さあ、食べ給え」

 

 -こっちはこっちで……

  でっかい鈍感野郎ですっ

 

アリスは、いまいましげに手の中のオレンジ・ジュースを、ストローで一気に吸い上げた。

 

 

 ***

 

「私もね…ちょっと不安だった……」

藍華がそっとアルの肩に頭をのせる。

 

「藍華さん?」

「どうしてアルくんは、私にこんなにしてくれるのか。 

 どうして、こんなに優しいのかって……」

「…………」

 

「アルくんは誰にでも優しいし……

 でも私は特別なのかなって……ねぇアルくん」

「はい」

「どんな理由があるの? 私聞きたい。

 アルくんが…その……わ、私に引かれる理由………

 やっぱり、引かれ合う力……なの?」

 

「引かれ合う力の正体なんて、分かっていないんです」

アルが星空を見上げながら言う。

 

「引かれ合う力……引力というものは、ある物体の質量があれば発生するものなんですが、

 ではなぜ、質量があれば引力が発生するかは、実は誰にも分かっていないんです」

「ええ? じゃ、じゃあ、分からないままアルくんは……」

 

-引かれ合う力だって

 燃え尽きずに届くこともあるんだって

 影響を受けるのは 月だけじゃないんだって

 

 そう言ってくれたのに……

 そう教えてくれたのに……

 

 今までのことは、いったい………

 

藍華の頭が、再び、ぐるぐる回りだしそうになる。

 

けれどその前に。

アルが藍華の頭に、そっと手を置き抱き寄せた。

 

「ア、アル……くん?」

「だから、理由なんかいらないんです」

 

アルは藍華の髪を、やさしくなでながら言う。

 

 

「人が人に惹かれる理由……そんなものは分からなくてもいいんです。

 ただ心が『この人なんだ』って感じれば、それが一番の理由なんです。 

 ……ね、藍華」

 

 

 瞬間。

藍華は顔が火照るのを自覚する。

まるで体中の血液が、顔に集まってしまったようだ。

 

-アルくんが……

 アルくんが、私を呼び捨てにした!

 藍華って呼んでくれた!

 藍華さん…じゃなくて、藍華って! 藍華って!!

 

 私は…私は……

 

藍華は両手で頬を押さえると、両目を固く閉じた。

けれど、そんなことでは怒涛のごとく流れてくる涙を止めることはできない。

けれど、そんな涙を、優しい笑みを浮かべたアルが、そっと指先でぬぐってくれた。

 

 

 

  ***

 

「あの二人……今頃仲良くやってるかな」

暁が、いぢわるそうに、けれど必要以上に弟の世話をやく、心配性な兄のような表情で言った。

 

「はひっ。絶対大丈夫ですよ」

そんな暁とは対照的に、灯里が、どんな心配でも吹き飛ばしてしまうような満面の笑顔で言った。

 

「ううん? その自信はどこからくるんだ、もみ子よ」

「もみ子じゃありませんよう。

 

 ……だって、藍華ちゃんもアルさんも、お互いが、お互いを思いあって、見つめあって。

 まるで、あの夜空に輝くお星様達のように、瞬きあって、照らしあって、一番に輝きあっているんですから!」

 

 

「もみ子よぉ……さん、はい!」

 

 

 「『 恥ずかしいセリフ禁止ぃぃ!! 』」

 

 

暁やウッディ、アリスのみならず、店の中にいた他の客や店員までもが、いっせいに叫び声をあげた。

 

「ええ~!?」

 

情けない声を上げる灯里。

再び、笑い声が上がる。

 

「灯里先輩、でっかい恥ずかしいです……」

 

つぶやくアリスに、ウッディが言った。

「あはは。 あれが灯里ちゃんの素敵なところなのだ」

「ムッくん? ……むすっ」

「そして、そんな風にスネるアリスちゃんは、もっと素敵なのだ……アリスちゃん」

「は、はい?」

「また今度、私と一緒に、空を泳いで欲しいのだ」

「え。 えと…ムッくん……あの…それって………」

「もちろん、お弁当もって、二人っきりで。 なのだ」

「ムッくん……」

アリスは頬を染めながら、しかし元気いっぱいに答えた。

 

 「はいっ。 でっかい、はい! です!!」

 

明るく楽しげな声が、バーカリィを吹き抜けていく。

 

 

 

「ねえ、アルくん」

「なんです藍華」

「あの彗星…アイカ彗星って、次はいつ帰ってくるの?」

「え、ええと……60年後…かな」

「ってそれじゃ私、78歳よぉ!?」

「僕は、82歳ですねぇ」

 

「あのねぇ……まっ。いっか。

 お楽しみは、とっといた方が楽しいわ……」

「はい。 その時もまた、ここで、こうして二人で、お迎えしたいものですね」

「……うん」

「その時が、お天気なら、オテンキでしたかぁ? なんてね」

「……………」

 

「いえ……その。

 こ、これは『お天気』と『お元気』をかけた、マン・ホームに伝わる高等古典で……」

「アルくん……」

「は。はい?」

「おやぢギャグ・禁止!!」

「ええ~!?」

 

 

 無限に輝く大宇宙。

その中で、アイカ彗星がひときわ大きく、尾を引き、光り輝いていた。

その光りに照らされた二人の影は、まるで最初から一つだったかのように、いつまでも離れることなく、その輝きを見上げていた。

 

ヒメ社長が祝福するかのように、その影に向かって、小さな鳴き声をあげた。

 

 

 

 

                                    

   - cometa di mattina(明け乃彗星) - la fine-

 

 




冒頭のセリフは
ウルトラセブン 第49話「史上最大の侵略・後編」(監督/満田かずほ 脚本/金城哲夫 特技監督/高野宏一 音楽/冬木透)
より引用しました。


 後書きのような、なにかー

うがががが。 おごごごごご。 ぐぎゃあああああっ。
嗚呼、恥ずかしい(鹿馬)

 cometa di mattina(明け乃彗星)
本編タイトル。「乃」になっているのは、もう皆様お分かりのように「あの方」へのオマージュ(臣下礼)です。

 アル&藍華
本編主人公。ARIA内で唯一、明確なバカップル。 末永くお幸せに。

 灯里&暁
明確ではないけてど、誰もがそう思う二人。だからこそ、それを覆した「彼の作品」は素晴らしい!

 アリス&ウッディー
……正直どうなんだろ(大鹿馬)

 ノストラダムス二世
東宝映画「ノストラダムスの大予言」(完全版)はもう二度と、日本では見られない(涙)

 アイカ彗星
NTTAにはちゃんと意味があるのです!
それに三倍じゃないからね!(弩阿呆)


相変わらず、恥ずかしいお話しを書き続けています。
できましたら、みな様には本年度もお見捨てなく、変わらぬ御贔屓をいただければ幸いです。

 それではいずれ、春永にー


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