真耶「ちょ、ちょっと待って下さい! こんな恰好恥ずかしいですよ」
一夏「ど、どうしたんですか真耶さん、その恰好!」
作者「クリスマス記念として、山田先生にはミニスカ巨乳サンタコスをさせてみた。どうだね、一夏君」
一夏「こ、これは・・・・・・」
真耶「あ、あまり見ないで、一夏君・・・恥ずかしいです・・・」
一夏「そんな衣装で恥じらいに顔を真っ赤にして胸を寄せる動作なんて・・・・・・ぶふぅ、ばた」(鼻血を出して倒れる音)
真耶「い、一夏君!?」
作者「と言うわけでクリスマスでした。とっとと結婚しろや、このリア充がぁああぁああぁあああああぁあああ!!」
光 「うるさいぞ、作者! テレビの邪魔だ、てりゃぁあ、天座失墜・小彗星ッ!!」
作者「デュクシッ!?」(叩き潰された声)
さすがにあれ以上真耶さんとくっついていると歯止めが効かなくなりそうになるので俺は少しした後に真耶さんから離れた。
真耶さんは物足りなかったのか、もっとして欲しいと言った視線を真っ赤になりながらも此方に向けてきたが、それに応じることは出来ない。
男の純情も少し分かって欲しい。初めてのことに加減が出来ないのだ。
そして俺達はしばらくリビングで楽しく会話を交わした。
内容は些細なことばかりだが、つまらないなんてことはない。
楽しそうに話す真耶さんを見ているだけでも心が和み癒やされる。
そのうちに今度は家の話になった。
俺がいない二年の間にこの家には度々来ていたらしい。
その時は千冬姉が世話になったらしいので俺は真耶さんにお礼を述べて頭を下げると、真耶さんは慌ててあわあわとしていた。
こう言っては酷いかもしれないが、こういう風に慌てている真耶さんも可愛い。
そう思ってしまえる俺はもう人としてどうだろうか?
駄目な人間かもしれないが、それでも俺は構わないと思っている。
だって真耶さんが好きだから。
もう素で言えるようになってしまったことに自分自身驚きが隠せない。
それだけ成長したということなんだろう。
そう思いながら真耶さんの話を聞いていると、真耶さんの顔が急に真っ赤になる。
「そ、それで・・・一夏君の部屋を見せてくれないかなぁ、て」
真耶さんは家に何度か来たことはあるが、俺の部屋に入ったことはないらしい。
「別に面白いようなものなんてありませんよ」
「そ、それでも見せて下さい。だって・・・気になるじゃないですか」
これはあれだろうか? 恋人のお部屋チェックというあれ。
まさかそんな絵空事のようなことが俺に起こるとは・・・・・・
他の恋人同士ならどうなのかは分からないが、別に気になるようなものなどないし問題もない。
そもそも、恋人に隠したいことなどあってはならないと俺は思っている。
それが余程の、それこそ恋人の生命にかかわるようなことでもないかぎりは。
なので部屋を見られるくらいはどうということはない。
言っては何だが、年頃の男子がもっているような十八才未満禁止の本なんて俺は持っていないのだ。
鍛錬と勉強でそれどこころではない。欲しいと思った事もなかった。
武者は常に己の武を高めることに執心しており、俺は色事にはそこまでの興味が湧かなかった。憧れくらいはもったものだが。
そう言った事に興味を持ち始めたのは、IS学園に行ってからだった。
なのでそう言った感情の制御にもまだ戸惑ってばかりだったりする。
「それじゃ行きましょうか」
「いいんですか!」
驚きつつも喜んでくれる真耶さんに頬を緩めつつ、俺達は自室へと向かった。
「ここが一夏君の部屋ですかぁ~。綺麗に片づけられてますね」
真耶さんは俺の部屋に入って言った感想がこれである。
あまり使わない上に私物が少ないのでそこまで散らかっていない。
掃除は帰ってきた初日にかなりしたのでそこまで汚くもなっていない。
よく言えば綺麗に片づけられている、悪く言えば味気のない部屋だ。
唯一主張しているものと言えば、鍛錬用の道具と木刀くらいなものだろう。
「さっき言った通り、何も面白いものはなにもないでしょう」
「そんなことないですよ。これが一夏君の部屋なんだ・・・・・・」
真耶さんは感嘆の声を上げながら部屋を見渡す。
なんだかこそばゆい感じがするな。
「そ、それじゃ・・・お邪魔します・・・」
そう言うと部屋にはいる真耶さん。さっそくベットの下などを気にしているらしく、顔がそっちの方向に固定されている。それを見てついつい笑ってしまう。
「え、何で笑ってるんですか!?」
「いやいや、真耶さんはわかりやすいなぁ、て思いまして。ベットの下とかに視線が集中してますよ」
「あ、あぅぅ・・・・・・」
俺に看破されると真耶さんは真っ赤になって可愛らしく唸る。
何でこんなに可愛い人に今まで気付かなかったのか不思議なくらいだ。
俺はベットの下に手を入れると力を込めてベットを持ち上げ、下を見えるようにする。
ベットの下は何もない。
「ちゃんと何もないですよ。当然本棚や机の中も気になるようなものはありません」
「そ、そうですか・・・・・・よかったぁ・・・・・・」
真耶さんはほっとした様子で胸をなで下ろした。
やはり恋人のそう言う物は気になってしまうものなんだろう。
「俺は真耶さんだけしか見てませんから」
安心させようと笑顔でそう言うと、真耶さんはボン、と音がするくらい真っ赤になってしまった。
「い、一夏くん・・・・・・」
でも嫌そうではないらしく、嬉しそうだった。
その後も俺の部屋を物色、もとい探索していく真耶さん。その様子はおっかなびっくりに捜し物をしている子供のようで微笑ましいものだ。これが弾だったら間違いなく武者式組打術をたたき込んでいることだろう。人の違いがここまででるとは思わなかった。
「あっ、あわわわわ!?」
真耶さんが興味津々に木刀を持って軽く振ってみるが、重心がとれておらず、バランスを崩してふらついていた。
その様子が面白くてつい笑ってしまった後、俺は真耶さんの後ろに回って両手で抱きしめるようにして木刀を真耶さんの手ごと優しく握る。
「こうやって振るんですよ」
俺はその状態から軽く素振りをする。
少々歪ながら悪くない素振りだ。
真耶さんを見ると耳まで真っ赤になっていた。
「あ、ありがとうございます・・・ぁぅぅ~」
真耶さんは何とか返事を返すと後三回ほど素振りを一緒にした。
その後も色々と部屋を探索していると、真耶さんはアルバムを見てみたいと言い出した。
俺の写真は小学校前のものは一切無いのでおかしなものだ。
そんなものを見て楽しいとも思えないが、真耶さんの上目遣いに俺は負けた。
ベットの上にある棚にアルバムがしまってあることを伝えると、真耶さんは何とか手を伸ばしてアルバムを取ろうとする。
その様子も可愛くて頬が緩んでしまう。
「あっ!?」
しかしアルバムに集中しすぎて足下が留守になっていたらしい。
足を滑らせて倒れ込みそうになる。
「危ない!?」
俺は慌てて真耶さんの体に手を回すとベットの方に倒れるように動かす。
咄嗟だったために自分も一緒に倒れ込んでしまった。
「だ、大丈夫でした・・・・・・か・・・」
気がつけば目の前に真耶さんの顔。
俺の体の下に真耶さんの体があった。
これは・・・所謂・・・押し倒してしまった体勢。
真耶さんは目が合うと一瞬にして沸騰したかのように真っ赤になった。
俺も同じになっていた。
目の前には真っ赤になった真耶さん。とてもふくよかな胸が呼吸で上下していて、スカートから伸びた真っ白な足が艶めかしく、少しスカートがまくれてしまっていた。
少しだけ見える下着の色は薄ピンクだった。
目を見ると少し潤んでいて熱っぽい瞳になっている。
体全体が熱くて仕方なく、喉が渇く。呼吸が無自覚に荒くなり、胸の鼓動がバクバクと鳴りっぱなしだ。
なにより、真耶さんから目が離せなくなる。
「・・・・・・い、一夏君が・・・望むなら、わ、私は・・・」
真耶さんは熱っぽい視線を向けながら俺にそう言う。
その言葉がまるで甘く心に響き、さらに拍車を掛ける。
あと一言言われたら、俺は自分を抑えられる自信がないだろう。
このままそうしたい欲望に駆られる。
しかし、そうしては・・・・・・
男として最悪である。
だからこそ、俺はこの誘惑を断ち切る。
「すみません、真耶さん。今はまだそう言うことはできません。本当はしたいですけど、俺が責任を持てるようになるまで待ってくれませんか。そのときは・・・・・・謹んでお受けしますから」
出来るだけ傷付けないように優しく笑顔を浮かべながら俺は真耶さんに言う。
「い、一夏君・・・・・・分かりました、待ってます。でもこれぐらいはいいですよね」
真耶さんは少し残念そうにしつつも納得してくれた。
そして目をつむりキスをせがむ。
「はい、わかりました」
俺はこの体勢に心臓が破裂しそうなほど高鳴りつつも、顔を近づけキスをする。
「「んぅ・・・・・・」」
胸の中が暖かい気持ちで一杯になっていく。
唇を離すと真っ赤になりながらも微笑んでいる真耶さんが目に映った。
「えへへ、やっぱり何回やっても恥ずかしいですね」
「そうですね。何回やってもドキドキしっぱなしです」
そうしてお互いに笑い合う。
そして離れようとしたところで部屋の扉が大きな音を立てて開けられた。
『御堂、そこまでだ! 教育的指導っ!!』
部屋に入ってきたのは正宗だった。
どうやらさっきの場面を見られてたらしい。
恥ずかしくて仕方なく、真耶さんは可哀想になるくらい真っ赤になっていた。
その後、俺と真耶さんは正宗に古い貞操観念をもとに、正座でお説教された。
初めての寸劇、クリスマス限定ですね。