装甲正義!織斑 一夏   作:nasigorenn

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デート その3

パフェを何とか食べ終わって俺と真耶さんは顔を真っ赤にしながら店を出た。

さすがに恥ずかしすぎて死にそうな気分になる。

真耶さんを見ると俺以上に真っ赤になってた。

お互いに目が合うと、恥ずかしさからさらに真っ赤になってしまった。

 

「は、恥ずかしかったですよ、あぅぅぅぅぅぅぅぅぅ~」

 

恥ずかしさから頬を押さえている真耶さんは、それはそれで可愛い。

自分も恥ずかしかったが、こういう真耶さんが見られるのなら、こういうのも悪くはない気がしてくる。

 

「ま、真耶さん、気にせずに行きましょう!」

「そ、そうですね!」

 

気を取り直して俺達はデートを再開した。

 

 

 

しばらく他の店などによって気がつけば三時くらいになっていた。

俺達は小休止で海が近い公園のベンチに座っていた。

 

「結構歩きましたね~」

「そうですね~」

 

ベンチでのんびりとする俺と真耶さん。

こういう風にのんびりするのも良い感じだなぁ。

朝から色々とあったものだから、こういう風にのんびりするのも良い物だ。

真耶さんが一緒だと新鮮な感じがする。

こうして二人でのんびりしていると、まるで老後に二人で縁側に座っている光景を思い浮かべてしまう。

二人でこんな風に過ごせたのなら、幸せなんだろうなぁ。

そう思うと頬が緩んでしまう。

夏真っ盛りな日差しが降り注ぎ暑い中、ここは海から吹く風が気持ちいい。

なので座っててもそこまで不快じゃない。

蝉の鳴き声がそれなりに響くが、全く気にならなかった。

ふとした拍子に真耶さんが俺の肩に頭を乗せた。

柔らかく暖かな重みが肩にのしかかる。

 

「え、ま、真耶さん!?」

 

咄嗟のことに驚いて真耶さんを見てみると、

 

「すぅ・・・すぅ・・・」

 

可愛らしい寝息を立てて眠っていた。

どうやら疲れたらしく、眠ってしまったようだ。

ここは夏の暑さの割には寝るのにちょうど良さそうだから仕方ないと言えば仕方ないか。

しかしそれにしても・・・・・・

 

やっぱり可愛いなぁ、真耶さんは。

 

あどけない寝顔をしている真耶さんはとても年上には見えない。

この人は本当に俺をドキドキさせてくれる。

世界が二人だけになったような感じがしてついつい大胆になってしまう。

俺は携帯を懐から出すと、真耶さんの寝顔を写真で撮る。

携帯からシャッター音が鳴って、画面には真耶さんの可愛い寝顔が映った。

しかしまだ起きないものだから、ついついいたずら心が芽生えてしまう。

指で真耶さんの頬を突っついてみる。

マシュマロみたいに柔らかくて気持ちいい。

2,3回突っついてみると、

 

「ぅぅ~ん、んぅ・・・」

 

と可愛らしく声を上げる。

本当に可愛い人だ、この人は。

前の仕返しのように手で髪を透いたり頭を優しく撫でたりすると、柔らかくもすべすべとした感触が手から伝わってくる。

前に真耶さんが言っていたことはこういうことかぁ。

好きな人の寝顔は見ていて飽きない、何時間でも眺められそうだ。

俺は幸せ一杯な感じで肩の重みを感じながら真耶さんの寝顔を眺めた。

 

 

 

「ん、んぅ~・・・・・・はっ!?」

 

日が暮れ始めたころになって真耶さんは目を覚ました。

 

「えっ!? えっ、何で私!」

 

真耶さんは自分が置かれている状態を理解して慌てていた。

俺はというと、少し笑っていたりした。

今真耶さんは俺に膝枕されていた。

あのままじゃ良くないと思って起きないようにゆっくりと膝に頭を移動させたのだ。

あのときの真耶さんの気持ちがわかった気がした。たしかに好きな人にこういう風にするのはいいな。

 

「な、なんで私一夏君に膝枕を!」

「可愛い寝顔でしたよ、真耶さん」

「え・・・な、な、な、な、・・・」

 

慌てて起きると真耶さんはぱくぱくと口をしながら顔を真っ赤にした。

 

「お疲れみたいでしたから、起こさないでいたんですよ」

「そ、そうだったんですか~、起こしてくれても良かったのに。せっかくのデートなのにもう夕方・・・」

「いえいえ、良い物を見せてもらったんで俺は嬉しいですよ。臨海学校のときに真耶さんが言っていた気持ちがよく分かりましたよ」

 

そう言うと真耶さんは真っ赤になって恥ずかしそうにした。

 

「そ、そんなこと覚えてるなんて・・・・・・」

「だって好きな人のことですから」

「はぅぅ~」

 

恥じらう真耶さんを見て俺は心底楽しい。

そしてしばらく思い出話に花を咲かせていると、そろそろ帰る時間が迫ってきた。

 

「そろそろ暗くなりますね。帰りましょうか」

「そうですね。あ、その前に」

 

そう真耶さんは言うと俺に携帯を出して来た。

 

「一夏君のアドレスと番号を教えてくれませんか。まだ持ってないんですよ」

「そう言えばそうですね。わかりました」

 

俺は携帯を取り出し、赤外線通信で真耶さんと番号を交換した。

 

「これで毎日メール出来ますね」

 

えへへ、と喜ぶ真耶さんを見て俺も嬉しくなる。

せっかくのデートの最後なのだから、思い出に残るようにしたい。

そう考えて俺は真耶さんを抱きしめた。

 

「い、一夏君!?」

「せっかくのデートなんですからこれくらいはいいかなぁ~て思いまして。それによくよく考えたら今までされっぱなしだったんですから。今度は俺からさせてもらいます」

 

そう真耶さんに言って腕に力を込めると真耶さんも応じて俺を抱きしめてくれた。

そして真耶さんと見つめ合う。

 

「真耶さん・・・・・・」

「んぅ・・・・・・」

 

俺がどうするのかが分かって真耶さんは目をつぶる。

俺は真耶さんに顔を近づけ、その可愛いい唇にキスをする。

 

「・・・・・・・・・」

「んぅ・・・・・・」

 

そしてどれくらい経ったかわ分からないが、お互いに口を離すと真っ赤になっていた。

 

「やっぱり自分からいくと勇気がいりますね」

「やっと私の苦労が分かってくれました」

 

そう真耶さんに言うと、真耶さんは笑顔で答えてくれた。

 

「それじゃあ帰りましょうか」

「そうですね、行きましょうか」

 

そうして俺達は公園から駅に向かって歩き始めた。

 

「真耶さん」

「何ですか、一夏君?」

「大好きですよ」

 

そう言うと真耶さんは顔が真っ赤になる。

 

「私もですよ、一夏君。大好きです!」

 

真耶さんは真っ赤になりつつも嬉しそうに答えて、また俺と腕を組んでくれた。

そうして俺達は初デートから帰った。

今日撮った写真は真耶さんのアドレスとともに待ち受けにさせてもらった。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
返事がない、只の砂糖漬けの死体のようだ・・・・・・

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