装甲正義!織斑 一夏   作:nasigorenn

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甘くて、甘くて、死にそうです・・・・・・


デート その2

早速駅前のショッピングモール『レゾナンス』に俺達は来た。

デートと言っても何か目的があってきたわけではないので基本、ウィンドウショッピングなどが主体となる。

しかしと真耶さんと一緒なら、俺はどこでも嬉しい。

腕を絡ませて歩く俺達は周りから視線を集めていた。

カップルと女性からは尊敬と羨望の眼差しを、男からは憎しみと悲しみと恨みの視線が俺に突き刺さってくる。

さすがにこの視線の嵐には引け気味になりそうになるが、真耶さんが嬉しそうなのだから俺は気にしない。

世間からはバカップルなどと持てはやされそうだが、それでも構わない。

だってこんなに幸せなのだから。

 

「それじゃどこに行きましょうか?」

「そうですね~」

 

そう聞くと顎に指を添えてむ~、と考え出す真耶さん。

その姿が愛らしくて頬が緩んでしまう、可愛い。

そして少し考えてから何かを決めたらしく、俺に笑顔を向ける。

 

「それじゃあ、眼鏡屋さんに行ってもいいですか」

「眼鏡屋ですか?」

「はい、今使ってる眼鏡のフレームにガタついてきたんで新調しようと思ってたんですよ。そ、それに・・・・・・」

 

そう言いよどむと顔を真っ赤にして真耶さんは俺を見つめると、

 

「一夏君が眼鏡がない方がいいって言うなら、コンタクトに変えてみようかなって」

 

と頑張った感じに言った。必死な感じに言ってくる真耶さんが可愛くて仕方ない。

 

「俺は真耶さんが良いって思う方がいいと思いますよ。そ、その、眼鏡があっても無くても真耶さんは可愛いですし、俺が真耶さんが好きだってことは変わらないですし・・・・・・」

 

本音とはいえ言って恥ずかしくなってくる。頬が熱くなってきた。

 

「い、一夏君・・・・・・」

 

真耶さんは顔を真っ赤にしながら俺を熱の籠もった熱い眼差しで見つめてきた。

俺もつられてしまい見つめてしまう。

 

「「あ・・・・・・」」

 

あと五秒経ったらキスしてまう感じになってしまいそうになるが、さすがに往来でそれは不味いだろう。時と場所は考えなければ、ただの害悪にしかならない。

俺は勿体ない感じはしたが我慢して真耶さんの視線を外す。

さすがに真耶さんもここが往来なのを思い出したのか俺から急いで視線を外した。

 

「わ、わかりました! それでは早速眼鏡屋に行きましょうか」

「は、はい!」

 

組んだ腕を引いて眼鏡屋に行くことになった。

 

 

 

早速『レゾナンス』内にある眼鏡屋に入ると真耶さんは店員を呼んで自分の眼鏡を預けレンズを外してもらう。

その後は新しいフレームを二人で見て廻ることになった。

眼鏡のフレームは赤色や緑色などのカラフルな物や、太いフレームや細いフレームなど、多種多様なものが取りそろえてあり、一つ一つ真耶さんがかける度に俺は真剣に感想を言う。感想を言う度に真耶さんは喜んでくれるのでこちらも嬉しくなってくる。

探す際には俺も試しにかけてみては、と言われてかけてみたが、やはりクラクラしたりした。

しかし真耶さんは、

 

「眼鏡をかけた一夏君も格好いい・・・・・・」

 

と顔を上気させポーっとしながら感想を洩らしていた。

凄く気恥ずかしかったが、似合ってると言われて喜ばない人はいない。恋人なら尚更だ。

俺は隙を見計らって似合っていると言われたフレームの眼鏡を伊達眼鏡にしてもらって購入した。当然真耶さんには内緒だ。

そして真耶さんとフレームを探した結果、真耶さんが選んだのは細身のフレームで色は藍色だった。

それは真耶さんに凄く似合っていて、知的な雰囲気を出しつつも可愛らしかった。

真耶さんは特に色は絶対に藍色がいいと言っていた。

何でそこまで色にこだわりを持つのかと聞いたら、真耶さんは赤面しながら恥ずかしそうに答えてくれた。

 

「だって・・・・・・藍色は一夏君の色ですから」

 

そう、藍色といえば正宗の色であり、ひいては俺の色ということらしい。

俺を象徴する色が真耶さんと常に一緒というのは・・・・・・気恥ずかしいが、嬉しいような・・・そんな気持ちにさせられる。

そのフレームにレンズを交換してもらうと早速真耶さんのはその眼鏡をかけて俺に微笑む。

選んだ理由もあって、俺の胸は高鳴りっぱなしだった。

 

 

 

その後眼鏡屋を出た俺達は服屋に行ったり小物を見に行ったり、あっちこっちに行った。

服屋では真耶さんの色々な姿が見れて楽しかったし、可愛らしい小物を見るときは普段以上に幼く見えて可愛かった。ぬいぐるみを抱いて喜んでいる姿は年より余程若く見え、可愛らし過ぎて内心鼻血を噴きそうになった。

既に幸せ一杯でお腹一杯な感じなのにまだまだいくらでも入るというのだから、本当に不思議だ。

 

 

 

そうこうしてる内にお昼時になり、食事に行くことにした。

 

「どこに行きましょうか。たしかこの辺は・・・・・・」

 

俺はこの近辺にある料理店を思い浮かべる。

確かフレンチとイタリアンで良い腕の店があったな。しかし予約しないと入れなかったような・・・・・・

そう考えてると真耶さんは行きたいところがあるらしく俺に提案した。

 

「あ、そう言えば私、行ってみたいところがあるんですよ。そこに行ってみませんか?」

「そうなんですか。ならそこに行きましょうか」

 

真耶さんの行ってみたい店かぁ・・・・・・どんな店なんだろう、楽しみだな。

そう考えていた俺が連れてこられたのは、良くあるファミレスだった。

俺が少し驚くと、真耶さんは俺に笑顔で言う。なんだかいたずらっ子な笑みだ。

 

「前から思ってましたけど、一夏君って年相応じゃないところが多いじゃないですか。だから年相応なところに行ってみようと思いまして」

 

そう言うと俺をめ、と叱るように話し始めた。

 

「それに一夏君、さっきどこに行こうか悩んだときにちゃんとしたお店を考えてましたよね。高めのお値段のところの。それで一夏君が全額払うとか言いそうでしたから」

「うっ・・・・・・」

 

見破られてた。

俺個人の考えだが、女性と食事に行くときは自分が全額払うと決めている。

女性に自分の分の金を払わせるような心の狭い輩にはなりたくないのだ。

 

「だから一夏君には普通の高校生らしいところに行って学んでもらおうと思ったんですよ。そ・れ・に・高いと私は落ち着けないですよ。気楽なところも良い物ですよ」

 

そう笑顔で言われては俺は何も言えない。それに何より・・・・・・

真耶さんと一緒なら俺はどこでも嬉しいのだから。

ファミレスに入り窓側の席に座ってさっそく料理を注文する。

俺は外ということもあって量は減らし、カルボナーラを頼んだ。

真耶さんはペスカトーレを頼み、お互いパスタである。

ファミレスなどは行き慣れないので少し緊張していたが、真耶さんが優しく微笑んでくれたので緊張がほぐされた。

少しして料理が運ばれてきた。

 

「うわぁ、美味しそうですね」

「そうですね」

 

運ばれてきた料理を見て真耶さんは感動していた。

俺はどちらかと言えば、料理よりも真耶さんのその笑顔のほうが可愛くて目が離せなかった。

出来れば、自分の料理でそう言わせたいなぁ~。

そんなちょっとした嫉妬も感じたが。

食べてみると以外と悪くなく、結構イケた。

真耶さんも美味しいと行って食べていると、急に俺の方を顔を赤らめながら見つめてきた。

 

「どうしたんですか、真耶さん?」

「あ、あの、一夏君のも美味しそうだから少しもらってもいいかな」

「ええ、いいですよ」

 

小皿に取り分けようと手を出したところで止められた。

 

「だ、だから、私の分も少しあげるね。は、はい」

 

真耶さんはフォークで一口分巻いたパスタを俺の口元に差し出す。

こ、これって、もしかして・・・・・・はい、あーん、というものかっ!?

見ると真耶さんは恥ずかしさから真っ赤になっていた。

ここまで頑張っているのに応じないなんて奴はいない。しかも恋人がやってくれるのだ。

食べなくても幸せで一杯になる。しかし食べればもっと幸せになるんだろうな。

 

「あ、あーん」

 

俺もかなり赤面しつつも差し出されたパスタを口に入れた。

うん、美味しいはずなのにドキドキしすぎて味が分からん。

はい、あーんが成功すると真耶さんはかなり真っ赤になりつつ喜んだ。

そのあとは俺に向かって含みのある視線を送る。

これはきっと・・・・・・

意図が分かり俺も恥ずかしいが、それに応じる。恋人にそれをするのもそれはそれでドキドキする。

周りから視線が集まってるのを背で感じるが、それでも俺は動く。

 

「は、はい、あーん」

 

一口分巻いたカルボナーラを真耶さんの口元へと持って行く。

 

「あ、あーん」

 

真耶さんはぱくんと食べた。

まるで小鳥に餌を与えているような、そんな印象を感じ可愛くて頬が緩む。

 

「お、おいしいです」

 

沸騰寸前のヤカンみたいに真っ赤になりながら真耶さんは感想を言う。

 

は、恥ずかしい~~~~~、でも嬉しい。ああ、本当に幸せで仕方ない。

こんな綺麗で可愛い人が俺の恋人なのだと、今でも信じられなくなってくるくらい幸せだ。

はい、あーんの後も残りを食べるが、味なんて全く分からないくらいドキドキしっぱなしだった。

食後のお茶でも頼もうとしたところで定員が何かを持ってきた。

 

「あ、あのこれは・・・」

「こんなもの頼んではいないのですが」

 

持ってきたものは『大きなパフェ』だった。

確かこの店も今売り出しているスィーッでジャンボサイズの代物だ。当然ながら頼んでなどいない。

俺と真耶さんは定員にそう言うと、

 

「これは当店からのサービスとさせて頂きます。お客様のような実に素晴らしい『カップル』にお祝いを、とこの店の店長からです」

 

と言われた。

ま、まさかこの店の人にさっきのを見られてたとは・・・・・・

真耶さんは恥ずかしさのあまり下を向いてしまった。

しかも気付けば店を入る前より断然お客が多くなっている。しかもカップルばかりで、俺達に注目が集まっていた。

ま、まさか・・・・・・窓際から見られてた!?

詰まるところ俺等は客寄せのためにパフェを出されたようだ。

恥ずかしすぎる!!

しかし出されていらないとは言えないわけで・・・・・・

 

俺は真耶さんとそのパフェを二人で食べることになった。

当然『仲良く』『はい、あーん』を周りの期待を込めた視線で見つめられながらするはめに・・・・・・

もう開き直るしかなかった。

内心で俺は叫ぶしかなかった。

 

(こ、これが俺の彼女だ、どうだ!! 俺達、幸せですよぉおおおおおおお!!」

 

もう恥ずかしすぎて逃げ出したくなった。

 

 

 

 

 




たまに感想の中に空気を読めてないようなことを言う人がたまにいますよね。
皆さんそういうのはどう思いますか?
自分は突っ込んじゃいけないと思うのですが・・・・・・

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