この行事はイベントが盛りだくさんなんで頑張って書いていこうと思います。
IS学園も学校である以上、長期休暇が当然ある。
夏休みとは、学生にとって大きな自由と開放感に満ちあふれた楽しみである。
そして恋する乙女には勝負の賭けどころという大事なイベントである。
箒達は夏休みになり早速一夏と遊びに行こうと各自出し抜こうと必死になりながら一夏の部屋へと向かう。しかし結局は皆考えていることが一緒なので皆一夏の部屋の前で合流してしまう。
みんなお互いに警戒しつつも一夏に合うために仕方なく手を結び、扉を開く。
「「「「「一夏、遊びにっ・・・・・・・・・・・・え?・・・えぇええええええぇええええええっ!?」」」」」
しかし扉の先に彼女達の想い人はいない。
「何で一夏がいないんだ!?」
「どこに行ったのよ、あいつ!?」
「夏休みが始まったばかりだというのにあんまりですわ!」
「せっかく一夏と遊びに行こうと思ったのに・・・・・・」
「一夏に色々と教わろうと思ったのにな・・・」
皆口々に不満を漏らすが、その不満は誰も聞いてくれない。
部屋の宿主は既に部屋から出て行ったようだ。
ではどこにいるのか・・・・・・
織斑 一夏は今、湊斗家にいる。
そのことを知るものは教職員だけだ。
夏休みに入り俺は早速湊斗家へと出向いた。
理由は・・・・・・前に言われた通り、相談に乗ってもらおうと思ったからだ。
夏休みに入るまで考えに考え抜いたが、まったく答えが出ない。
寧ろ酷くなってきた気さえしてくる。
湊斗家に着いてから早速軽い稽古を付けてもらったが、やはりと言うべきか師匠には問題を解決出来ていないことがばれてしまった。
もう隠しようもないので観念して相談することにした。
「師匠、済みませんが相談に乗って頂けませんか。出来れば村正さんもお願いします」
「それは別に良いが、何故村正も一緒なのだ?」
「出来れば女性の意見も聞きたいのです」
「一夏がそう言ってるんだから、別にいいじゃない御堂」
そして二人に俺は悩みを打ち明ける。
「実は・・・・・・少し前に女性から告白されまして・・・・・・」
「それはめでたいな」
「へぇ~そうなの。相手はあの眼鏡をかけた娘ね」
「な、何故それをっ!?」
村正さんにはさらに看破されていた。だからあのときニヤニヤ笑っていたのか!
「あなたの反応をを見れば分かるわよ。とくに御堂に目つぶしをしたのは決定的ね。そ・れ・に・あの娘の目はどう見たって恋する乙女の目じゃない、丸わかりよ」
「む、そうなのか?」
「これで気づけないのは御堂だけよ」
そこまで看破されていたのか・・・・・・恥ずかしくて仕方ない。
「それで、それでそのあとはどうしたのよ」
村正さんがやけにノリノリに聞いてくる、何だか妙に楽しんでいるようだ。女性はこういう話が好きだとは知っていたが、劔冑とはいえ村正さんも女性なんだな。とても合理的な性格の劔冑とは思えない。
「それが・・・・・・まだ答えてないんですよね・・・・・・」
「はぁっ!? どういうことよ!」
「はい・・・じつは三週間前に告白されたのですが・・・・・・それから未だに答えが出せていなく・・・・・・」
「さいってーっ!!」
「面目次第もありません」
言われなくても分かっていますよ、そんなことは。
今も自己嫌悪で潰れそうです。
「あなた自身まんざらでもないんでしょ。受けたらいいじゃない」
「そう簡単に言ってやるな、村正。一夏は真面目なのはお前も分かっているだろう」
「それはそうだけど」
師匠にそう言われるが、村正さんは引かない。
俺はポツリポツリと話す。
「それが、その・・・・・・告白は嬉しかったし、俺自身もあの人のことを意識し始めていますが・・・・・・」
「何よ、歯切れが悪いわね」
「そう言わないで下さいよ。俺自身初めてのことでどうしたらいいのか分からないんですから」
「む、一夏よ。お前は女性から告白を受けるのは初めてのことか? お前の容姿ならいくらでも来そうなものだと思っていたのだがな」
師匠は俺を見定めるようにしながら言う。
「そんなことはないですよ。俺みたいな無骨者を慕ってくれる女性なんてそうそういません(実際はかなりモテるのにまったく自覚がない)」
「む、そうなのか。世の美男子とはまったく凄いものだろうな。お前がそう言うのならそうなんだろう(此方も自覚がまったくない)」
「あ、あなた達ねぇぇぇぇぇ! はぁ・・・・・・」
村正さんが呆れ返ってため息をついた。
「あの人の真剣な告白に俺も真摯に答えたいんです。ただ今抱いてる感情が本当に思慕のそれなのか、思春期にありがちなものなのか、判断が付かないんですよ」
俺がそう今悩んでいる核心を話すと、師匠は少し考え始めた。
「・・・・・・ふむ」
「何考えてるの、御堂?」
「うむ、この問題は少しばかり手に余るやもしれん。なので他の人にも意見を聞いてみたらどうかと思ってな」
師匠はそう言うと携帯をかけ始めた。
「・・・・・・はい・・・・・・そうです。では・・・・・・」
師匠は電話を切ると此方に振り向く。
「一夏、まだ数日は此方にいるのだろう」
「はい、そうですが」
「では明後日に出かけるぞ。一緒に来い」
「どこへですか?」
俺がそう聞くと、師匠は真面目な顔で答えた。
「堀越公方様のお屋敷に、だ」
俺の相談はさらに大きくなっていく。
そのことに俺は不安が大きくなっていくのを感じた。