嬉しい限りです。これからも頑張ります。
正宗が空けた穴から早速アリーナに侵入した。
穴から出しだい正宗を装甲する。
『世に鬼あれば鬼を断つ 世に悪あれば悪を断つ ツルギの理ここに在り』
装甲しだいに小太刀に手をかけ、居合いをその場でラウラ・ボーデヴィッヒに向かって抜き放つ。
『吉野御流合戦礼法、飛蝙』
放たれた小太刀は矢のように飛んでいき、鈴とボーデヴィッヒの間を通り地面に刺さった。
いきなり飛んできた小太刀にボーデヴィッヒは驚きこちらを向く。
「もうそれぐらいにしてはどうだ。それ以上は模擬戦の域を出てしまうぞ」
「貴様か・・・この程度で壊れてしまうようなら第三世代などと名乗れない。邪魔をするな!」
「そういうわけにもいかない、すぐに二人を解放しろ。でなければ・・・」
「でなければなんだと?」
「叩き斬る!!」
「上等だ!!」
そう吠えるとボーデヴィッヒはワイヤーブレードを使ってセシリアと鈴をあさっての方向にぶん投げた。
「シャルル、悪いけどセシリアと鈴を救助してくれ。俺はこいつの相手をする」
「わかったよ! 一夏、気をつけてね」
俺はシャルルに救助をお願いし、自身はボーデヴィッヒを見据えながら斬馬刀を引き抜き構える。
「当方正宗、行き過ぎた者に少々折檻いたす。いざ、尋常に・・・参るっ!!」
僕はISを展開して一夏に言われた通りに二人のもとに飛ぶ。
「大丈夫、二人とも!」
「取りあえずは無事ですわ・・・」
「何とかね。でもISのほうはかなりイっちゃってるみたい」
二人のISはかなり壊れてた。たぶんダメージレベルCはいってるんじゃないかな。結構あぶなかったかもしれない、あと少しで強制解除と絶対防御によって気絶させられてたかも。
「ここにいたら危ないから、二人ともISを解除してここから離れよう」
「そうね」
「ここにいたらいつ流れ弾が飛んでくるかわかりませんから」
そう言って二人はISを解除して僕と一緒にその場を退避した。
一夏、どうか無事でいて・・・
斬馬刀を上段で構えボーデヴィッヒに突っ込む。
「はぁあああああぁあああああぁああああああ!!」
「ふん、馬鹿の一つ覚えか。AICの前に散るがいい!」
ボーデヴィッヒが手を翳すと振り抜いている最中の俺の腕が動かなくなり停止する。
(これがAICか。確かに腕が固定されたかのようにまったく動かない。しかし金縛りのように全体が動かなくなるわけではないようだ。停止させられたのは一部だけか・・・・・・なら問題は無い!)
俺は左手を刀から何とか離すと手を開き手首を使ってボーデヴィッヒに向ける。
「正宗、あいつの砲を封じる!」
『御意! 拝領いたす』
「つぅううううぅうううぅううううう・・・・・・」
「この私とシュヴァルェア・レーゲンの前では有象無象の一つでしかない・・・・・・消えろ」
レールガンの砲口が此方に向けられる。
「お前がな!!」
『正宗七機巧 無弦・十征矢!!』
左手から矢と化した指が飛びボーデヴィッヒのレールガンに突き刺さり、それがもとで誘爆を引き起こしレールガンが破壊された。
「何ぃ! 何故だ、AICはちゃんと作動していたはず・・・・・・」
驚愕に顔を凍りつかせるボーデヴィッヒ。
その瞬間に腕を固定していたAICが解除された。
俺は動くようになった腕を動かし斬馬刀をボーデヴィッヒの喉元に突きつける。
「慢心が過ぎたようだな。これで終わりだ」
「くぅっ!」
突きつけられた斬馬刀を気にしながら此方をにらみつけるボーデヴィッヒ。
「もうそのくらいにしておけ、二人とも」
いきなりの第三者の声に俺とボーデヴィッヒは目だけ動かしてそちらを見ると、そこには千冬姉が立っていた。
「別にこっちだってそこまで戦う気はない、二人とも無事のようだしな。だけど千冬姉、こいつにはしっかりと言っておいた方が良い。危うく死人が出るかもしれなかったぞ」
「織斑先生と呼べ、馬鹿者が。言われずともわかっている。ボーデヴィッヒ、このあとすぐに私の所へ来い」
「・・・・・・はい・・・」
俺はその場を千冬姉に任せ、装甲を解除して去っていった。
今はあの二人が心配だ。こんなところであの阿呆に関わってる暇など微塵もない。
俺と正宗は急ぎ足で保健室へと向かっていった。