装甲正義!織斑 一夏   作:nasigorenn

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帰るところまでがやるべきことです

見事にデュノア社社長に説教をかまして離脱した俺達は、茶々丸さんと打ち合わせしてあった合流場所に向かっていた。

帰りもまたチャ-ターしてもらった飛行機で帰る予定になっている。

それにしても・・・・・・

 

「かなり疲れたな・・・」

『そうか?』

「ああ、普段しなれないことばっかりしたからな~」

 

慣れないことばかりだと、人間はやはり疲れが溜まる。

しかも今回は嘗められないように師匠の口調などを少し真似てみたわけだが、とてもじゃないか使いきれない俺はやっぱり普通のしゃべり方のほうがいい。

 

『御堂は礼節を大事にするが、言葉使いも修練すべきである』

「それは・・・・・・まぁ、考えておく。確かに劔冑の仕手なら、こういう言葉使いも必要になってくると思うしな」

 

劔冑を纏う武者達の口調は基本、古い言い回しが多いい。今後も劔冑を使う以上、ほかの武者達に会うことも絶対にある。そこでちゃんとしゃべれなければいい恥さらしになってしまう。弟子の恥は師匠の恥、俺はいくらでも恥をかいてもいいが、師匠に恥を与えてしまうようなことは絶対にしたくない。

 

俺らは飛行場の近くの林に着陸して装甲を解除した。さすがにこのまま飛行場に行けば騒ぎにしかならない。こちらは一応は内緒で来ているのだから、騒がれたくはないのだ。

そのあと徒歩で飛行場に向かう。正宗は飛行場の外で別れてチャーターした飛行機の貨物室に乗り込みに行った。

俺はというと、飛行場で座りながら茶々丸さんを待っていた。

暇つぶしながらに新聞などを読んでみるが、さっぱり分からない。写真やら何やらで何となくだが読めるかもしれない程度。しかしそこで興味深い記事を見つけた。

足りない頭で何とか要約すると、

 

『デュノア社に隕石落下っ!? 研究室は壊滅状態、社長は恐怖と絶望のあまり白髪に・・・・・・』

 

という見出しでデュノア社のことが載っていた。

俺が行ったときにはこんなことには無かった。ならその後か・・・・・・つまり・・・

茶々丸さん辺りが何かしらしたということだろう。何というか・・・いくら酷い人間だからと言っても・・・ご愁傷様としかいいようがないな。

あの人は何をしたんやら・・・・・・

 

『御堂よ』

 

そんなことを考えていたら正宗に金打声で話しかけられた。

 

「どうした、正宗」

『いや、何、土産でも買っていかないのかと思うただけだ』

「せっかく来たのだから買いたいのはやまやまだがなぁ・・・金を換金する暇がなかったから買い物が出来ないんだよ」

『その新聞はどうしたのだ? 金子はないのだろう』

「そこの椅子に転がってた」

『読み終えたらちゃんと分別ゴミに捨てよ』

「わかってるって」

 

俺は言われた通りにゴミを捨てにいき、席に戻ると茶々丸さんが来ていた。

 

「よっす、いっち~、ただいま。もどったよ~」

「お帰りなさい、茶々丸さん」

「つっかれたよ~、いっちー、肩揉んで~」

「はいはい、わかりましたよ。そう言えば茶々丸さん、商談のほうはどうでした? また派手にやらかしたようですね」

「ん~、商談はバッチシやね~。ただやっぱり馬鹿ってのは多くていけないな~まったく。あては早くおにいさんの所に帰りたいよ~」

「そうですか・・・俺も早く学校に戻りたいですよ。そろそろ千冬姉がしびれを切らせる頃ですから」

 

そんな会話をしてながら俺達は飛行機に乗り込み、日本に帰った。 

 

 

 


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