装甲正義!織斑 一夏   作:nasigorenn

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ある意味天元突破した一夏です。


疲れた心に御奉仕を その4

 地獄と天国が混在する、実に気持ち良いマッサージを受けた俺は、昂ぶりを押さえつつ真耶さんの方に目を向ける。

一生懸命やってくれたこともあって顔が赤くなって呼吸が少し荒いのだが、上気した顔と潤んだ瞳、そして艶がかった吐息をはく姿はあまりにも艶やかで見ていて此方もドキドキしてしまう。

なんだろう、とても健気で可愛いのに凄く扇情的に見える。

そんな真耶さんは俺の顔を見ると、満面の笑みを俺に向けた。

 

「どうでした、ご主人様。私のマッサージ? 一生懸命やったんですけど………気持ち良かったですか?」

「えぇ、とっても。御蔭で凄く身体が軽くなりました」

「良かったです、ご満足いただけたようで」

 

俺に褒められたことを心底喜ぶ真耶さん。

その無邪気な笑顔に、俺の心は更に揺さぶられる。

あぁ………本当、反則なまでに可愛いなぁ……。

つくづくそう思ってしまう。

真耶さんは何というか、殆どの要素を持っていると言うべきだろうか……。

可愛くて健気で優しくていじらしい。それでいて、お茶目で少しエッチで甘えたがり。お姉さんっぽく振る舞いたいというときもあれば、まるで妹の様に甘えてくれる。可愛さと美しさと艶やかさ、その全てを兼ね揃えている。

まさに最高の女性だ。

そんな女性とこうして恋仲になって、そして将来を誓い合い、現在もこうして一緒に幸せにいられる。

そんな自分が幸運過ぎて仕方ない。

こんな幸せな時間を過ごせば、疲れなど忽ち吹き飛んでしまう。

だけど……出来ればもうちょっと、甘えたいと思ってしまう。

そう思ってしまう時点で、もう俺は真耶さんにベタ惚れで、真耶さんがいなければ生きていけないんだろうなぁ。

自分の現在の状態をそう考え、そして笑う。

それはきっと幸せだから、笑うことが出来るのだろうと。

その幸せを噛み締めつつ、感謝の代わりに真耶さんに俺は近づく。

 

「どうしたんですか、ご主人様?」

 

不思議得そうに首を傾げつつも、嬉しそうに笑う真耶さん。

その笑みはどこか母性を感じさせ、俺が何をするか分かっているようだ。

俺自身、隠す気も無いので素直に予想されているであろう行動を取らせてもらう。

そのままゆっくりと真耶さんの前に行くと、俺はそっと真耶さんを抱きしめる。

胸の中に伝わる真耶さんの柔らかい身体と温もりが伝わって来て、ドキドキとしつつも嬉しく思い。口元が緩んでしまう。

 

「もう、ご主人様ったら……えへへへへへ……」

 

抱きしめられた真耶さんはどこかくすぐったそうにしつつも幸せそうに笑みを浮かべ俺の身体を抱きしめ返す。

その可愛さにギュっと抱きしめたくなるが、いつもそれでは飽きられてしまうかもしれない(絶対に有り得ない)。

なので、少しばかり今回は変えてみることにした。

俺はそのまま右手を動かし、真耶さんの頭をそっと優しく撫で上げる。

壊れ物を扱うかのように繊細に、それでいて俺の気持ちが確かに伝わるようにしっかりと。

 

「さっきのマッサージ、本当に気持ち良かったですよ。だから、これは主人からのご褒美です。良く出来ました」

「はふぅ……気持ち良いです………」

 

少し驚いたようだが、撫でられていることが気持ち良いのか、気持ち良さそうに目を細める真耶さん。まるで小猫のようで、その愛くるしさから更に撫でてしまう。

だが、それだけでは足りなかったようで、真耶さんは潤んだ瞳で俺を見つめてきた。

 

「ご主人様、もっと……ご褒美下さい♡」

 

可愛らしいおねだりに胸がキュンと高鳴ってしまう。

本音で言えば、今すぐにでも押し倒して力が入らなくなるくらい一杯キスしたい。

だが、そうしてしまったら、俺は只の性欲に負けた獣になってしまう。それは駄目だろう。

なら、ここはどうするべきか? 少し考えてから実行に移した。

俺は顔を動かすと、何かを期待している真耶さんの瞳を見つめながら近づけていく。そしてそのままその可愛らしい唇に軽く唇を合わせ、キスをした。

唇越しに伝わる真耶さんの唇の柔らかさに胸をときめかせ、その感触と真耶さんの甘い香りを堪能しながら唇を離した。

唇を離した後に見た真耶さんの顔は、赤くなりつつも嬉しそうに微笑んでいた。

だが、それでも駄目なのか、俺の身体に更にくっついてきた。

 

「ご主人様、もっと……もっと下さい。今のじゃ……少し足りませんから。もっとしてくれたら、私、もっと頑張りますから。ね、ご主人様」

 

更に甘えてきた真耶さんの甘い声に、脳がとろけそうになる。

きっと溶けきったら歯止めが効かなくなるんだろうなぁ。

そう思いながらもとろけつつある頭から指示を出し、ご要望の通りに再び啄むように真耶さんにキスをする。

そして離そうとするのだが、既に俺より先に真耶さんがとろけていたようだ。

 

「んぅ……もっと……ですぅ……ちゅ、んちゅ……ちゅちゅ……はぁ……ご主人様の唇、柔らかくて……美味しい……もっと……ん、ちゅ……」

「あ、あの、真、んにゃひゃん………」

 

離れようとする俺を逃すまいと真耶さんはもっと俺に抱きつき、唇に絶え間なくキスをする。

そのことに少し驚くも、どこか気持ちよさを感じている俺は抵抗すること無く為すがままにキスされることにした。

キスしてる時の真耶さんの瞳はレンズ越しでも分かるくらい、俺を求めていた。

そしてしばらく、さっきのマッサージのご褒美と称したキスのおねだりはしばらく続き、やっと落ち着き始めた真耶さんは満足そうに、それでいて実に恥ずかしそうに俺に微笑んでいた。

俺はそれまでされていたキスの唇の感触に少し溺れかけていたが、それでも幸せを噛み締めていた。

 

 

 

 

 そんな風にお互いにくっついてイチャいていたら、あっという間に時間が過ぎてしまい、気が付けばお昼前になってしまっていた。

その事に気が付いた俺は何か作ろうと思うが、それは当然今日一日俺専属のメイドである真耶さんに止められる。

 

「今日のお昼は私に任せて下さい! ご主人様の事を想って、身体にとっても良いご飯を作りますから」

 

やる気満々な様子で俺を見つめる真耶さんに、俺は笑顔で返す。

真耶さんの料理が美味しいことは、何よりも自分が知っていることだ。今更断る理由など存在しないし、きっとこれから先もそんな事は有り得ない。

俺は何よりも、真耶さんの作る料理が大好きだから。

 

「はい、よろしくお願いしますね」

「はい、お任せ下さい、ご主人様♡」

 

俺にそう言われたことが嬉しかったのか、真耶さんは実に上機嫌でキッチンへと向かい、昼食を作り始める。

俺は手伝わない代わりに真耶さんが昼食を作る後ろ姿を見ているわけだが、気が気では無くなっていた。

上機嫌に身体を揺らしながら調理をする真耶さん。

その度に身体が弾み、ご機嫌に謳う鼻歌が実に可愛らしい……のだが、その……身体が弾む度にふわりとめくれあがり、漆黒のアダルトチックなショーツとガーターベルトに包まれ形が良くキュッとしたお尻が見えてしまう。

それを見る度にドキドキしてしまうのは、最早男の性だ。

ワザとじゃないかと思うくらい見える下着。可愛らしく清純でありながら、実に艶やかな下着は真耶さんに更なる魅力を与える。所謂ギャップ差という物を感じさせ、俺の心を更に締め付ける。

本人は実に楽しそうに調理をしていることから、決してワザとではないのだろう。

何と言うか、少しばかり危うい。真耶さんもそうだが、俺自身も……。

そんな風に理性で自分を抑えつつ料理を作る真耶さんの姿を見つめながら待つこと約30分。

見ていることに夢中で時間感覚が薄れていたが、それぐらい経ったと思う。

待望の昼食は完成し、真耶さんがテーブルへと運んでくれた。

 

「おぉ、これは………」

 

目の前に置かれた皿を彩っているのは、茶色と黄色が合わさったような色。

中に入っている具材はタマネギにジャガイモ、そして何かの肉。

鼻をくすぐるスパイシーな香りが食欲を誘うこれは、そう……。

 

「カレーですか」

「はい、そうです! ご主人様は和食が得意ですから、たまにはこういうのもいいかと思いまして」

 

カレーを俺に出して嬉しそうに笑う真耶さん。

確かにカレーとかはあんまり作らないから、珍しさを感じる。

でも、見ただけでわかる。そのカレーがとても美味しいことが。

だからこそ、直ぐにでも食べたいと腹が訴え、それを宥めるべく俺は食べようとするのだが、スプーンが置かれていない。

このパターンは………。

そう思い真耶さんの方を見ると、実に幸せそうな笑みでスプーンを俺に見せていた。

 

「うふふふふふ、メイドらしく食べさせてあげますね。ご主人様、はい、あ~~~~~~ん♡」

 

顔を真っ赤にしつつも奉仕できる喜びを感じて笑みを浮かべる真耶さんは、俺の口元にカレーを掬ったスプーンを差し出す。

俺はそれを気恥ずかしく感じながらも喜び、そして期待に応えて口を開いて差し出されたカレーを食べる。

 

「うん、美味しい。とても美味しいですよ、真耶さん!」

「そうですか、良かったです!」

 

口の中に広がるスパイシーな味が病みつきになりそうだ。

何よりも、真耶さんが俺のために作ってくれたことが嬉しくて、もっと美味しく感じられる。

そのまま掻き込みたい気分になるが、それは駄目らしい。

 

「次も行きますよ。はい、ご主人様、あ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん♡」

 

真耶さんが次の分も掬って俺に差し出してくれた。

どうやら全部これで食べなくてはならないようだ。メイドらしく、主の奉仕するということで。

でも、そうでなくても真耶さんは嬉しいらしい。

恥ずかしいけど、やっぱり嬉しいなぁ……。

 そう思いながらカレーを食べ続けていた訳だが………身体に異変が起き始めていた。

汗が出るのは辛いのだから仕方ない。そんな辛口では無いのだが。

だが、先程から妙に身体が熱くなってきて仕方ない。グラグラと煮え滾った湯の如く、身体が内から熱を発している。視界が妙に冴え渡り、呼吸が荒くなっている。何よりも、真耶さんを見る自分の目が可笑しいことに気が付く。

あどけなさが残る可愛らしい顔立ち、瑞々しくぷるんとした唇、今にもはち切れんばかりに服を押し上げている胸、下着が少し見え隠れするスカートと、真っ白な肌の足。

その全てに欲情を感じる自分がいた。

何故今に待って……それまで押さえていた物が溢れんばかりに表に出てきたのか?

俺は目が離せなくなりそうになりつつ、気を紛らわすためにも真耶さんに話題を振った。

 

「そう言えばこのカレー、何の肉を使ってるんですか? 豚でも鶏でも無いみたいですけど……」

 

すると真耶さんは顔をトマトのように真っ赤にして恥ずかしそうに答えた。

 

「そ、その………です……」

「え?」

「その………スッポンのお肉です……」

 

それを聞いて何となく理解する頭。確かにスッポンの肉は食べたことが無いから分からないわけだと。

だが、同時にあることにも気が付く。

スッポンと言えば、滋養強壮に良い食べ物である。確かに疲れた身体に元気を与えるにはうってつけだといえよう。だが、同時に精力増強の効果もあるのだ。

主に性的方面でもかなり持ち出されている。

もうおわかりだろう。つまりそんな物が入っていれば、男の身体がどうなるのかが。

だが、それでも可笑しい。俺は武者だ。柔な毒物ではあまり効果が無い。いくらスッポンでも、ここまで反応するものだろうか? それにスッポンだけなら、真耶さんがそんな事を考えて使ったとは思えない。さっきも言ったが、疲れた身体には確かに良いのだから。

だからこそ、他にも聞いてみることにした。

 

「ちなみに……カレーのスパイスは何を……」

 

そう聞いた途端、真耶さんの顔が沸騰したように真っ赤になった。

 

「その……シナモン、カルダモン、クローブ、ショウガ、白コショウ…………です。その……この組み合わせだと、男性が元気になるって書かれていたので……」

 

その意味がどういう意味なのか分かった途端、俺の男は我慢が出来なくなったようで、反応してしまったようだ。

急いで静めようとしても頭が上手く働かず、真耶さんの肢体を魅入ってしまう。その視線を感じてか、少し嬉しそうに、それでいて恥ずかしがりつつも妖しく真耶さんは微笑む。

 

「その………旦那様宛に今日宅急便が送られてきていて、それで旦那様の代わりに受け取ったんです。中を見たらこれが………」

 

真耶さんは恥ずかしがりつつもスカートのポケットから紙を取り出し俺に差し出す。その際に見えた下着に更に男が反応し、痛みすら感じ始めていた。

それを堪えつつ、渡された紙に目を通す。

 

『織斑殿へ。最近はより夏真っ盛り故、体調も崩れやすかろう。これを食べて精を付けなされ。此度それがしが自ら取ってきたスッポンでのう。鮮度は抜群の特上品じゃ。何やら最近色々と忙しい様子なので送らせて貰う。

尚、それとこの香辛料でカレーを作ると良かろう。夏にカレーもまた乙な物。しかもそのスパイスは古代エジプトから強壮剤として用いられてきた物。スッポンと合わさればその効果は覿面よ。夏に一つ、大きな花火を上げるよろしかろうて

 

                             遊佐童心より』

 

 

それを見た途端、別の意味で頭がカッときた。

何あの人は送ってきたんだ! 明らかにワザとじゃないか、これ!

しかも俺宛に送ってはいるが、その対象は俺じゃない。俺だったのなら、こんなものを分かった上使うはずが無い。つまり、これは俺に近しい俺以外の人宛。

つまり……真耶さん宛だ。

そして真耶さんはそれを…………。

 

「ま、真耶さん……」

「その……すみません、わかってました……」

 

やっぱり思った通り、分かった上で使ったようだ。

確かに身体に良い。元気も出る。

だが、それ以上に元気が別の部分に集まりすぎている。

我慢が出来そうに無いくらい滾ったそれは、今にも爆発しそうだ。

そんな俺を見て、真耶さんは申し訳なさそうに、でも少しだけ何かを期待した瞳で見つめてきた。

 

「その……確かに元気になって貰いたくて……でも、その……少し期待したくて、つい………」

 

少し泣きそうな、でもいじらしい表情に、もう我慢の限界が来てしまった。

最後の一線だけは越えないと決め、そして………。

 

「もう、真耶さぁあああああんッ!! 赦しませんよぉおおぉおおおおおおおお!!」

「キャーーーーーーーーーーーーーーーー、旦那様、ごめんなさ~~~~~~い♡」

 

漲る衝動をあらんばかりに真耶さんにぶつけた。

自分に決めたキスだけと言うルールを守って。

その燃えたぎる欲情を押さえることもせず、貪るように真耶さんの唇に吸い付いた。

 そして正気に戻ったとき…………真耶さんは顔をベタベタにして恍惚とした表情で気を失っており、時折痙攣を起こしていた。

そして本人のために伝えないことにするが……下着から液体が溢れていた。

それが勿論おねしょなどで無いことは、見て分かる。

そんな真耶さんを見て、俺があまりの罪悪感に膝を突いたのは言うまでも無い。

 

 

 いくら望まれたからといって……やり過ぎた。

 

 

 


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