装甲正義!織斑 一夏   作:nasigorenn

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今回は一夏が攻めに入っています。


疲れた心に御奉仕を その3

 何とも気恥ずかしい耳かきを何とか終え、真耶さんは次の行動へと移り始めた。

 

「つ、次は……ご主人様にマッサージの御奉仕をしようと思います。きっとお疲れで身体が凝っていると思いますから」

 

赤くなった顔で恥じらいつつ俺を見つめる真耶さん。

彼女の健気な思いが伝わってきて、何やら胸が温かい気持ちで一杯になる。

だが、やはりと言うべきか、恰好の所為で少々イヤらしい気持ちを抱いてしまうのはどうしようもない。

それを自分の中でいなしながら俺は彼女に微笑む。

 

「では、よろしくお願いします」

 

そう言うなりベットに腰掛ける。

俺なりに彼女がしやすいようにしようと心がけたつもりだ。

せっかくの厚意を性欲で台無しにしてはならない。彼女は俺のために、俺の身体を気遣ってやってくれるのだから、感謝するのは当然。なら彼女の心遣いにむくいるためにも、俺が進んで協力しないとね。

ま、まぁ、俺も真耶さんにマッサージして貰いたいし………いや、本音で言えばこういうのに憧れていたんだ。

その……最愛の妻になら、無防備な身体を晒しても良いし、まさに『夫婦』ってかんじだから。

言っていて恥ずかしいけど仕方ないだろう………大好きなんだからさ。

そんなことを考えていたことが分かったのか、真耶さんは満面の笑みを俺に向けてくれた。

 

「はい! 私、頑張ります!」

 

両手を胸の前に持ってきてグッと可愛らしいガッツポーズをする真耶さん。

うわぁ……滅茶苦茶に可愛い……。

 

「キャッ、旦那様!?」

 

あまりの可愛らしさに我慢出来ず、即座に抱きしめてしまった。

胸の中で戸惑いつつも嬉しそうに笑う真耶さん。

やばいなぁ……こうして抱きしめるだけで幸せが一杯で癒されてしまう。

だからこそ、俺は胸の中で幸せそうにしている真耶さんにその気持ちを伝えてしまう。いや、伝えないというのは有り得ないだろう、こんなに嬉しいのだから。

 

「すみません、どうも今日の真耶さんは可愛すぎて我慢が出来ないみたいです」

「それはつまり、メイド服だから可愛いってことですか? メイド服じゃないと可愛くないって事ですか?」

 

この人はメイドと言っておきながら今日はいつもより小悪魔的だ。

俺を困らせて楽しんでいる。だが、そんな所も又、可愛いもの。

俺は苦笑しつつも胸の内にいる愛しい小悪魔に答える。

 

「そんなわけないじゃないですか。メイド服姿の真耶さんも可愛くて素敵ですけど、真耶さんはどんな姿でも可愛くて素敵で、俺をいつも魅了して止まないんですから。あまり意地悪なことを言わないで下さい。これは俺を困らせた罰です」

 

そう耳元で囁くと、そのまま真っ白い首筋にそっと唇を触れさせ、少し強めにキスをする。

 

「んあっ……だ、旦那様……んくぅ……」

 

首筋にキスをされている感触に真耶さんは顔を上気させ、身悶えて俺の背中に手を回すと、俺を求めるかのようにギュッと抱きしめ背中に手を這わせる。

それを嬉しく感じながら思い思いに首筋にキスをして、そしてゆっくりと唇を離す。

先程まで真っ白だった首筋には、くっきりと真っ赤なキスマークが刻まれていた。

真耶さんは恍惚とした表情で力なく手を動かし、先程キスされた首筋に触れる。

手で触れても分かる物ではないが、多分感覚的に理解しているのだろう。自分の首筋に真っ赤なキスマークが出来上がっていることに。

 

「だんなひゃま……これぇ……」

 

少し呂律が回っていないことが、さらに妖しい魅力を引き立てる。

そのせいか、少しばかりイジワルをしたくなってしまった。

 

「これは俺だけのメイドの印です。どっちが主でどっちが従かをはっきりとさせるための……ね」

 

それを聞いて真耶さんは悦ぶ。

やっぱり可愛いなぁ………。

俺は内心でそう思いながら少しばかり悪い笑みを浮かべて更に問う。

 

「真耶さんは俺の何ですか?」

「そ、それは…………恋人で婚約者で……奥さんです……」

「確かにそうです。真耶さんは俺の世界で一番大切な人ですよ。でも、今日は違うじゃないですか。『今日の真耶さんは何ですか?』」

 

少し語気を強めにして言うと真耶さんは身震いしつつ、ゆっくりと陶酔したような表情で俺を見つめて答えてくれた。

 

「きょ、今日の私は………ご主人様の…牝奴れ……」

「ちょっと待った! 確かにイジワルしようとは思いましたけど、そこまできついことを言わせようだなんて思っていませんから!」

 

流石にこれは駄目だ。

と言うか、一体何処でそんな言葉を覚えてきたのやら。

俺はそれが心配になり、慌てて真耶さんに問いかける。

 

「一体どうしてそんな言葉が……」

「そ、その……足利さんが『男の子はこう言えば悦ぶんだよ』って言っていましたので。で、でも、私なら望んで貰えばいつでも旦那様に………」

 

後半の部分は無意識にカットする。

俺はまだ未成年、それは結婚してからだから。

ま、まぁ…………結婚した後はどうなってるか分からないけど……。

ともかく、今は駄目!!

そして茶々丸さん、何また変なことを吹き込んでるんですか!

あの人はもう…………後で獅子吼様と童心様に絞って貰おう。童心様相手なら茶々丸さんが勝てる見込みは無いから。

俺は少しだけ悪い笑みを崩すと、改めて真耶さんの顔を見つめる。

 

「今日の真耶さんは俺のメイドでしょう。なら、主を弄るような事をしないでほしい。メイドは主の奉仕するものだからね。従順でお願いします、メイドさん」

「は、はい、すみませんでした。生意気な事をしてしまってごめんなさい」

 

俺が言わせたかったことを理解したようで、その前に言った自分の発言を思い出して恥ずかしさに顔を真っ赤にする真耶さん。

 

「私ったら、何てはしたないことを………恥ずかしいです………」

 

うん、何だかもっと虐めたくなる表情をしている。

可愛すぎで色々と不味いことになりそうだ。押し倒したくなってくる。

だが、それをしたら最後、本当に歯止めが効かなくなるだろう。だからこそ、俺は自分にブレーキをかけるためにも真耶さんに囁いた。

 

「その……そういうことは結婚してからで。そのかわり、結婚したら……滅茶苦茶にしてあげますから。俺無しじゃいられないくらいに……ね」

「っ~~~~~~~~~~~~~~!?」

 

耳元で囁かれた真耶さんは声にならない声で身悶えていた。

少しばかりイジワルが過ぎたのかも知れない。でも……結婚したら本当にそうしするかもしれない。それまで我慢してきた分が一気に噴出するだろうから……。

俺は自分で少し妄想してしまい、慌てて首を振る。

そして軽く咳払いをして、改めて真っ赤になって俺を見つめる真耶さんに話しかける。

 

「と、取りあえず、マッサージをお願いします」

「は、はい!」

 

それまで恥ずかしがっていた真耶さんは慌てて俺から離れると、俺の後ろに急いで回り込んだ。

二人ともこの気恥ずかしくて妖しい雰囲気をどうにかしたかった。

 

「それでは、まず肩揉みからいきますね」

 

俺の背中から可愛らしい声でそういうと、真耶さんは俺の肩に手を乗せ始めた。

その柔らかく小さい手の感触が微笑ましい。

そしてさっそく真耶さんは力を込めて揉み始めた。

 

「んしょ……ん……くぅ……よいしょ……」

 

程良い力加減で一生懸命に肩を揉む真耶さん。

その声はなんだか艶めいていて、どうにも俺をドキドキとさせる。

本人は一生懸命なだけだが、どうにもなぁ。

結構気持ち良く、肩が解れていきリラックスし始める。

一生懸命に俺に尽くしてくれる真耶さんが愛おしくて、俺は嬉しい。

そして肩を揉み終えた頃にはこりもすっかりと解れた。

真耶さんは背中から抱きつくようにして俺の顔を見つめてきた。その時のあどけない笑顔がまた可愛くてドキドキしてしまう。

 

「どうでした、肩揉み? 一生懸命頑張ったんですけど……」

「えぇ、とても気持ち良かったです。御蔭ですっかりこりも取れて、肩が羽毛のように軽いです」

「そ、そうですか、よかったぁ……えへへへへ」

 

褒められて嬉しそうに微笑む真耶さん。

その可愛らしさに俺の胸は再びキュンとしてしまう。

一体どれだけ人を魅了するんだ、この人は。

真耶さんは褒められたことを喜び、さらに頑張ろうと色々とマッサージをしようと動く。

 

「今度は背中の筋肉をマッサージしますから、横になって下さいね」

「あ、わかりました」

 

俺は言われた通り俯せになると、真耶さんは遠慮がちに腰辺りを跨がった。

見えはしないが、衣擦れの音がしたことで大体の場所は分かる。

 

「では、いきますね!」

 

元気良くそう言うと、俺の腰に凄く柔らかな感触の物が乗っかってきた。

 

「っ!?」

 

その感触に驚く俺に気付かず、真耶さんは俺の背中に手を当ててマッサージを始める。

 

「うんしょ、うんしょ……」

 

一生懸命頑張ってマッサージをしていることが手から伝わる。それは実に嬉しいのだが、俺の胸の内は暖かな気持ちだけでは済まなかった。

力を入れるために動く身体。そのため、腰あたりが良く動く。

つまり……真耶さんのお尻が俺の腰の上で何度も弾んでいた。

柔らかく、それでいて程良い弾力のあるお尻の感触は思春期の男子には刺激が強すぎる。

そのまま何度も弾むお尻の感触に俺の精神はガリガリと削られ、その時間は肉体はリラックスするが、心は疲弊しきっていった。

 

「どうでした、ご主人様?」

 

少し上気した艶やかな顔で聞いて来た真耶さんに対し、俺は笑顔でこう答えた。

 

「えぇ、とても気持ち良かったですよ。又やって貰いたいくらいです」

「そうですか、やりました! またやってあげますからね」

 

彼女の幸せな笑顔が見られれば、それだけでも嬉しい物だ。

それに……俺もあの感触は気持ち良かったしね……。

 こうして真耶さんメイドのマッサージは終わった。

身体はとてもリラックスしたけど、精神が昂ぶってしまい大変だった。

 

 

 

 

 

 


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