たぶん甘過ぎなんで注意です。
ここ最近の鬱憤が甘さとなって出ていますよ。
「簪ちゃん! はい!」
「ええっと! はい、本音!」
「うい、カンちゃん。はい、先生~」
「は、はい! 旦那様」
プール掃除も無事に終え、現在は水を張って完璧に使用出来るようになった。
そこで会長の念願である遊びを現在皆で行い楽しんでいる。
今はプールに浸かって皆でビーチボールを使いトス回しをしていた。
会長は待ちに待っていたらしく弾けるような笑顔で楽しみ、更識さんも夢中になってボールをトスする。布仏さんはのんびりとしつつも、更識さんの誘導に従ってトスを上げていた。
そしてそのトスを受け止めるのは、会長と同じくらい弾ける笑顔でこの遊びを楽しむ真耶さんの姿があった。
その上げられたトスは俺に向かって飛んでくるのだが、俺はそれを打ち返せずに顔面で受け止めてしまった。
「きゃぁ! だ、大丈夫ですか、旦那様!!」
「ええ、大丈夫です……」
自分の上げたトスが顔面に当たると思わなかった真耶さんは慌てて俺に駆け寄る。
その顔は自分がやってしまったという罪悪感で涙目になっていた。
「ご、ごめんなさい! まさか旦那様が打ち返せないなんて思わなくて」
「いや、別に真耶さんの所為じゃないですよ」
「でもっ!」
必死に謝る真耶さんをなだめるためにも、俺は苦笑を浮かべつつ真耶さんの頭に手を乗せる。
「あ………」
そんな可愛らしい声が真耶さんから漏れた。
俺はそのまま優しく頭を撫でると、真耶さんは赤くなりつつも気持ちよさそうな顔になった。濡れている翡翠色の髪が手に吸い付くようで、俺自身撫でていて気持ち良く、ずっと撫でていたくなる。
「本当に真耶さんの所為じゃないんです。だからそんなに謝らないで下さい。俺がぼけっとしていたのが悪いんですから。これでも武者の端くれ、あの程度で怪我なんてしませんし、本来なら受け止められて当然なんですから」
「は、はふぅ~……は! す、すみませんでした。でも、旦那様に怪我がなくて良かったです」
「心配させてすみませんでした」
ようやく安心した真耶さん。
その頭をまだ撫でていたい俺はもう少し撫でると、真耶さんは気持ちよさにうっとりとしていた。
「あれ? でも、何でそれなら旦那様はさっきのトスを受け止められなかったんですか?」
可愛らしく首を傾げる真耶さんに微笑ましく思いながらも、俺は少しだけ苦笑を浮かべて素直に答えた。
「その……水面ではしゃいでいる真耶さんがあまりにも綺麗だったものですから、魅入ってしまって」
「え? それって、あの……」
その回答に顔を赤くする真耶さん。本当に可愛い人だ。
そう、俺がさっきトスを受け止められなかったのは答えた通り、真耶さんを魅入ってしまって目が離せなくなっていたからだ。
陽光で反射する水面、動き廻る度に上がるキラキラとした水の玉、そしてそれら全てが一層と真耶さんの美しさを際立たせる。
幻想的に見えていて、それでいて暖かく可愛らしい笑顔。
それが俺の目を惹き付けやまない。美しく、それでいて動く度に揺れる巨大な胸が現実味を持たせる。
その幻想的でありながらも思春期の男子には気が気でないその光景は、俺にとって魅入られてしまうものだった。
そのため、気づけずに顔面に受けてしまったわけというわけだ。
さすがに胸の事は言えない。言ったら凄く恥ずかしがるだろうから。
そんな真耶さんも可愛くて好きだけどね。
「そ、そうですか………」
真耶さんは頬を赤らめつつ照れていたが、嬉しそうに笑う。
そのまま互いに見つめ合い笑うと、胸が温かい気持ちで一杯になっていく。
そして抱きしめたくなってくるのだが……
「織斑君、嘘を言っちゃ駄目だ思うわよ」
「なっ、そんなことは!」
会長がジト目で睨みながらそんなことを言ってきた。
慌てて俺は否定するが、その声は少しひくついていた。
それを会長は聞き逃さなかったようで、更に俺達に詰め寄ってきた。
「嘘? どういうことですか、更識さん?」
可愛らしく小首を傾げる真耶さんに会長は耳元まで近づいて囁く。
そしてそれを聞いた真耶さんは………
「は、はぅ~~~~~~~~~……恥ずかしいです……」
顔をトマトのように真っ赤にさせて胸を隠すように抱きしめていた。
それは普通の反応なのに、腕から溢れ出す胸がより卑猥に見えてしまう。
「どうかしたの、お姉ちゃん?」
「おりむー、どうしたの~?」
何かあったと思ったらしく、更識さんと布仏さんの此方へと来た。
そして三人は今の真耶さんを見て、
「「「うわぁ……」」」
と顔を真っ赤にして固唾を飲んでしまっていた。
同性である3人でさえ、今の真耶さんの様子は魅入ってしまうくらい艶っぽい。
そして真耶さんは潤んだ瞳で俺を見つめてきた。
「そ、その、旦那様…………本当なんですか……」
「そ、その……」
少し真剣な表情で真耶さんは俺を見つめるが、その表情からは否定されたくないという思いを感じた。寧ろそうだと言って貰いたいと感じるのは俺の気のせい……ではないだろうな。
交際してもう結構経つ。真耶さんの考えていることも大体目を見れば分かってくるのだ。
「は、はい……実はそれもあったりします。勿論、さっき言ったことも本当のことですよ」
観念して打ち明ける。
すると真耶さんは、顔を今まで以上に真っ赤にして俺を見ると…………
「は、恥ずかしいですけど……寧ろ……嬉しいです……」
凄く恥じらいながらも喜んでいた。
「他の男の人だったら絶対に嫌ですけど、旦那様だったらもっと見て欲しいです。それだけ意識してもらえてるってことですからね。旦那様にはいつでも私でドキドキしてほしいですから」
「あの、その、え~と………」
潤んだ瞳で俺を見つめながらも微笑む真耶さん。
その艶っぽくも優しい笑みに俺はときめいてしまう。
そんな風に赤面してしまう俺に、真耶さんはぎゅっと俺を抱きしめてきた。
柔らかい身体が濡れたことで、吸い付くような官能的な感触が身体を包む。その感触に俺の心臓が早鐘を打つ。
そして真耶さんは俺の顔を上目使いで見つめる。
「旦那様……可愛いです。えへへへへ」
幸せそうな、本当に心の底から喜んでいる笑みを浮かべる。
(か、可愛い……!)
それがあまりにも可愛いものだから、俺はそのまま抱きしめ返してしまう。
それに少し驚くも、真耶さんは応じて抱きしめ返してくれた。
胸で潰れる真耶さんの大きな胸。
その胸越しに真耶さんの鼓動を感じた。
ドクンッ、ドクンッと俺に負けないくらい早鐘を打っている。
それが愛おしくてたまらない。
そしてお互いに知らせ合うこともなく同時に顔を近づけた。
「旦那様………」
「真耶さん……」
お互いの瞳に吸い込まれるかのように引き寄せられ、そして……
「「ちゅっ…」」
唇を合わせた。
さっきから何度もやっているが、それでもやはり気持ち良い。
そして少しした後に顔を離すと、真耶さんはトロンとした表情になっていた。
「やっぱり……気持ちいいです……」
その顔がまた可愛いから、更にキスしたくなる衝動に駆られる。
でも、それは二人だけの時だけだ。今は………
「そ、そろそろいいかな~、織斑君………」
会長が顔を真っ赤にして此方を見ないように逸らし、更識さん達も此方を見ないようにしながら頷いていた。
「す、すみません! は、恥ずかしいぃ~……」
その様子を見て今更ながらにもの凄く恥ずかしがる真耶さん。
そして俺から離れると、真っ赤になった顔を冷やすように頬まで見ずに浸かる。
会長達はそれを見て俺の方を振り向くが、まだ顔は赤みが残っていた。
「織斑君、毎回言ってるけど本当にラブラブよね。見てて胸がむかむかするくらい」
「う、うん……」
「おりむーと先生はラブラブだぁ~」
そして嫌みのように言われた。
これについては謝るしかない。
「そ、その……すみませんでした」
「わかればいいのよ、わかれば」
そして軽く咳払いをして、改めて会長は俺達に向き合った。
「それにしても、何で織斑君はそんなに山田先生が好きなの? せっかくここには美少女が三人も他にいるんだから、目移りしてもいいじゃない」
会長はそう言いながら腕を胸の前で交差させて大きさを強調させる。
会長は掛け値無しの美少女だろう。スタイルも同年代の少女達からはずば抜けている。
その大きな胸はスクール水着越しでもその大きさを主張し、見事な谷間を作り上げていた。
そして今度は布仏さんの後ろに回り込むと、手を前に回して布仏さんの胸を揉み始めた。
「んっ……会長、くすぐったい~」
会長の手によって形を大きく変える布仏さんの胸。
普段の服装からは考えられない大きな胸が会長によって弄り回されていた。
「こんな見た目とのギャップ差がある娘だっているのに。む、私よりも柔らかいわね。うりうりうりうり」
「キャッ、キャッ、キャッ…」
そして一頻り楽しむと、今度は更識さんの方へと向かい更識さんをぎゅっと抱きしめた。
「ひゃぁっ!? お姉ちゃん!!」
「こんな世界一可愛い娘もいるのに、何で?」
更識さんは抱きつかれ顔を真っ赤にしていた。
確かに小動物的で可愛らしい。
会長の問いに俺は平然と当たり前のように答える。
「いや、何でって言われても。俺が真耶さんを大好きだからじゃないですか」
「うわぁ、即答なの」
「織斑君、凄い…」
「おりむ~格好いい~」
俺の返答に会長は少し引いていた。
そこまで変な事を言っただろうか? いや、会長や更識さん、布仏さんが可愛い女の子というのは認めるが、どう見ても真耶さんのようにドキドキはしないのだ。
その分、真耶さんには常にドキドキしてしまうのだが。
だって可愛いし美しい艶っぽいし……好きすぎて仕方ない。
ずっと一緒にいたいって思う。
だからだろうか。周りの女の子は異性ではあるが、俺にとって『女』を感じさせるのは真耶さんだけだ。
きっとそれが本当に大切な人とだという事だと思うから。
「俺にとって一番大切な、特別な人は真耶さんだけです。だからそれ以外の人がどんなに美しかろうと、目に入りませんよ」
「旦那様………」
真耶さんは俺の返答を聞いて感動して泣きそうになっていた。
その様子も可愛らしくて、俺は真耶さんを見つめて肩を抱きながら言った。
「だから真耶さん。俺はあなたしか見えないから、いつもドキドキしてるんですよ。今だって心臓がドキドキして仕方ないんですから」
その言葉を聞いた真耶さんは感極まって俺にまた抱きついてきた。
そして潤んだ瞳で俺を見つめる。
その表情はとても嬉しそうで、幸せを感じている笑顔だった。
「はい、私もずっと大好きです。私はいつだって旦那様に恋してドキドキしていますから。だぁ~い好きです、旦那様」
「はい、俺も。愛してます、真耶さん」
そのまま二人で抱き合いながら幸せを感じていると、会長が呆れ返っていた。
「はぁ、もう本当に熱々ね……見ててもう胸焼けしちゃうわ」
「で、でも……羨ましいかも」
「熱々~」
そう言われても、幸せな俺達には褒め言葉にしか聞こえないのであった。
その後も真耶さんや会長達と一緒に遊び回り、こうしてプール掃除は終わった。
全ての後片付けも終えて、各自退散となり皆帰って行く。
そして俺も真耶さんと一緒に自室へと戻った。
「旦那様、今日は楽しかったですね」
「そうですね」
ベットでお互いに寄り添うように座り込む。
プールで冷えた身体に真耶さんの温もりが心地良い。
真耶さんは疲れたのか、少しウトウトしていた。それもまた可愛い。
「真耶さん、眠いですか?」
「そ、そんな…こと…ないです…よ……」
眠気を堪えようとしているが、それでも負けてしまって声が小さくなっていく。
その様子にクスリッと笑い俺は小さく優しい声で話しかける。
「眠っても大丈夫ですよ。俺が……ずっと見ていますから」
「は、はい……旦那様…」
その声を聞いて完全に寝入る真耶さん。
俺は優しく真耶さんを寝かすと、横に添い寝する。
無垢で可愛らしい寝顔はずっと見ていたい。そのまま髪を梳くように優しく撫でると、くすぐったそうにしていた。それがまた可愛い。
その寝顔はとても安らかで、見ていると心の底から癒される。
そのまま手を繋いでいると、真耶さんが幸せそうに笑い始めた。
「えへへへ……旦那しゃま……しゅき~………」
「俺も……大好きです、真耶さん」
可愛らしく愛おしい寝言に俺は聞こえないだろうけど小さく答える。
そしてそれを少しでも伝えるようにおでこにキスをした。
すると真耶さんは幸せそうに可愛らしく寝息を立て始める。
それを聞いて俺も眠くなってきた。
眠りにつく前に最後まで見ていたのは、一番愛している真耶さんの寝顔だ。
こうして俺達のプール掃除は終わった。
真耶さんのスクール水着姿は確かに刺激的だったけど、やっぱり可愛かったなぁ。