最近甘いのを書いてなかったから上手く書けてないかも。
もっと甘さを! ギブミー・シュガーぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!
二年生の春、夜桜を見て
あれから少し経ち、俺は高校二年生になった。
と言っても本当に経った時間は僅かで、あの戦い……四代目宮本武蔵との戦いから約三週間くらいしか経っていない。
俺はあの戦いで負った負傷が未だに癒えず、松葉杖と使って過ごしている。
そのため今は鍛錬も特にせず、真耶さんと一緒に過ごす時間が増えた。そのことが嬉しいらしく、真耶さんは笑顔で俺の世話をしてくれる。
少し不謹慎な気がしなくもないが、俺自身も真耶さんと一緒にいられることが幸せで仕方ない。
俺はある程度癒えた所で生徒会に復帰し、再び生徒会の仕事を始めた。
会長も更識さんも心配してもう少し休むように言うが、流石に会長の机に積まれた書類の山を見ればそうも聞いてられない。
俺の復帰に伴い千冬姉やマドカも心配してくれた。
そのことに素直に感謝しながら大丈夫だと話すと、二人ともホッとしてくれたようだ。
ただし、マドカは急に抱きつかないで欲しい。
今の体の状態では普通に歩くのもままならないので、抱きつかれるとバランスが取れずに倒れてしまう。それに………真耶さんがそれを見て焼き餅を焼いてしまい、マドカに負けじとぎゅっと俺に抱きついてくるのだ。
恋人にそうされるのは嬉しいが、恥ずかしいし柔らかい感触が体を包み込んで甘い香りを感じてしまい気が気でない。
そんな感じでクラスにも戻るわけだが、俺の状態を見て皆気になって仕方ない様子だった。
前に出された避難勧告で何かあったことは分かるだろうが、流石にあの戦いの事を言う気はない。
だから苦笑しながら誤魔化すことにした。
そしてそのまま三学期は過ぎ、春休みへ。
俺は満足に動くことが出来ない状態なので、自宅で療養することになった。
それに真耶さんが毎日泊まり込みで付き添ってくれた。
我が家の客間はすっかり真耶さんの部屋になっている。
毎日目が覚めると真耶さんの可愛らしい寝顔が目の前にある。それが嬉しくて仕方なく、まさに新婚さながらの生活に体はきついが心は舞い上がっていた。
真耶さんは本当に幸せそうで、毎日とろけるような笑顔と甘い声で俺をふやかせてはキスをいっぱいして俺の世話をしながら甘えてくる。
今思い出しても、本当に甘美な日々だった……
ご、ごほん! ま、まぁ、そんなわけで春休みを過ごした後は進級して二年生になった。
この一年で劇的に世界は変わった。
劔冑と武者の登場により、今までの世界の常識は覆された。
もう劔冑の有用性も示したのだし、俺が学園にいる意味があるのか? と思うのだが、まだもう少しいるよう命じられた。まぁ、それは俺も願ったり叶ったりなので嬉しいのだが、総理と天皇陛下に、
「「恋人と一緒に学園生活を送れたほうが嬉しいでしょ」」
と言われたことには若干戸惑ってしまったが。意外とあのお二人は茶目気があるので困ったものである。
少なくてもIS学園は卒業するまでいることになるそうだ。
素直にそれは嬉しい。
そして一学期の入学式に入り、俺は生徒会副会長として始業式を運営していく。
新たにIS学園に入って来た生徒達は皆俺と真耶さんを見て感激し黄色い声を上げていた。
そんな新入生達のこれからの成長を願いつつも、俺は笑顔で挨拶やらをしていく。
それで更に騒がしくなったのを千冬姉が咎めるなど、色々ありながらも式は何とか無事に終わった。
クラスも新しいクラスになり、今まで一緒だった人が別のクラスになったりなど、少し寂しいような気もする。布仏さんや他のクラスメイトの何人かは整備科のクラスにいってしまったのでいない。
新たなクラスはISの操縦者養成のクラスであり、俺もそのクラスになることに。
と言ってもそこまで見知っている人間は変わらない。
箒達もいるし、千冬姉は担任だし、マドカも同じクラスである。何より……真耶さんが副担任なのも変わらないので、殆ど一年の時と変わりはしない。
そんなあまり変わった感じのしない新たなクラスで、この二年生の学園生活が始まる。
そして…………
「わぁ、綺麗………」
耳に心地よい甘い感嘆の声が俺の隣から聞こえてきた。
俺の隣、そこには上を見上げながら感激している真耶さんが寄り添っている。
真耶さんの視線にあるのは、見事な桜であった。
空を覆わんとばかり枝を伸ばす桜は満開であり、まさに空一面が桜色。
その更に上に少し見える月がより桜を際立たせる。
今、俺と真耶さんはIS学園の敷地内にある桜並木に来ていた。
時間は夜であり、本来なら学生が出歩いてよい時間では無いがそこは大目に見て貰いたい。
実は……二人で夜桜を見に来たのだ。
IS学園には見事な桜並木があり、丁度今が満開で見どきだ。
明るい時間には生徒達が花見をしにくる場所で結構広い。
昼間は騒がしいのだが、今は皆寮にいるので辺りは静まりかえっている。
まさに貸し切り状態であり、二人っきりで桜をを見つめる。
真耶さんは桜に心奪われているようだが、俺はそんな見惚れている真耶さんの顔から目が離せなくなっていた。
(………綺麗だ………)
月明かりに照らされている真耶さんはいつもよりも神秘的で大人びていて美しく見える。
その顔を見て、俺は先程からドキドキが止まらない。
この幻想的な風景にあてられたのか、いつもより素直に言葉が出てきそうだった。
「旦那様、綺麗ですね、桜」
真耶さんは頬を赤らめながら少し興奮した様子で俺に聞いてくる。
その顔に俺は胸を高鳴らせながら答えた。
「ええ、綺麗です…………でも、俺はそれを見つめる真耶さんの方が綺麗に見えますよ」
「っ!? あぅ~…旦那様ったら~」
真耶さんはそれを聞いて顔を朱に染める。
夜だというのにはっきりと紅くなっていることが分かって、俺にはそれが可愛くて仕方ない。
「わ、私は桜のことを聞いたんですよ~! で、でも、そう言ってもらえるのは嬉しいです……」
恥じらいながらも本音が漏れちゃうあたり嬉しいんだろう。現に顔が幸せの笑みが浮かんで仕方ないようだ。
それが可愛くて、もっと体を預けるようにして真耶さんを抱きしめる。
あの戦いで未だに回復しきらないので歩く時は松葉杖が欠かせない。しかし、真耶さんと一緒の時は真耶さんが支えてくれるのだ。申し訳無い気持ちで一杯になるが、真耶さんは寧ろ嬉しいらしい。
「だって、これで旦那様のことをいつも支えることができますから」
と言って恥ずかしそうにする真耶さんは悶絶するくらい可愛かった。
そのまま抱きしめたのは言うまでもないだろう。
俺に抱きしめられた真耶さんは顔を赤らめながらも嬉しそうに笑い抱きしめ返してくれた。
「旦那様、大丈夫ですか。疲れました?」
「そうですね。少し疲れた見たいです」
そう言うと、真耶さんに手を引かれながら近くのベンチへと腰を下ろすことに。
真耶さんが先に座り、その隣に座ろうとしたところで止められてしまった。
「旦那様はこっちです」
少し恥じらった顔で言うと、俺をベンチに寝かせ頭を自分の膝の上に乗せた。
所謂膝枕である。
俺は柔らかいすべすべとした感触の太股に心臓がドキドキして仕方ない。
ちなみに真耶さんの服装は上がセーターで下が短いスカートである。魅力的な太股がかなり見えていて、俺はそれにクラクラしてしまう。
しかも真耶さんの香りがして、それが余計に落ち着かなくさせる。
そんな俺を見て、真耶さんが慈愛に満ちた顔で俺を見つめる。
「ふふふ、こうして旦那様に膝まくらをするのは久々な気がしますね。私の膝、どうですか?」
「そ、その……気持ちいいです。柔らかくてすべすべしてて…ずっとしてもらいたいくらい」
「そうですか……うふふふ」
俺の心情を分かってか、真耶さんは嬉しそうに微笑む。
最近、殆ど俺の考えていることが筒抜けになっている気がする。以心伝心で嬉しいが、少し恥ずかしくもあったりする。
何というか、こそばゆい。
そのまま真耶さんは上機嫌に俺の頭を優しく撫でる。それが気持ち良くて、少眠くなってしまうそうになる。
俺はそのまま上を見て、真耶さんはそんな俺をを見つめていた。
少しの間互いに見つめ合う。
その間に会話は一つもなかったが、まったく息苦しくない。恋人同士の甘い雰囲気だけがそこにはあった。
そして少ししたら互いに笑い合う。
「こうして二人で夜桜を見れるとは思いませんでした」
「そうですね。去年は確か入学した直後で慌てていた頃ですからね。あの時は国自体が大騒ぎでしたからね」
「そう思うと凄く勿体ない感じがしますね。旦那様とこんな綺麗な風景を一緒に見る機会が減ってしまいましたから」
少し悲しい感じにそう言う真耶さんに、俺は励ますように優しく言う。
「だけど、その分これからはずっと見れますよ。それこそ、一生。だって……俺は真耶さんとずっと一緒にいるんですから」
「っ………!? はい!」
それを聞いた真耶さんは感激のあまりに瞳を潤ませる。
それが可愛くて俺は笑顔になってしまう。
そのまま二人で他愛の無い話をしていく。
新しいクラスはどうなのか、マドカが甘えてきて大変だとか、相変わらず師匠は大変だとか、様々なことを話す。
それを共に聞いては笑顔になり、楽しそうに答える。
そんな普通のことでも幸せを感じてしまう。
真耶さんはある程度話し終えると、俺を見つめながら甘えるように聞いてきた。
「旦那様……キス、していいですか」
俺はそのお願いを断ることは絶対に無い。
何よりも、こんなに綺麗で可愛い恋人に俺は凄くドキドキしてすぐにでもキスしたかった。
だから笑顔で答える。
「はい」
その返事を受けて真耶さんは目を瞑りながら俺に顔を近づけていく。
それを見つめながら、俺もその可愛らしい唇に自分の唇を重ね合わせた。
「「ちゅ」」
その柔らかく甘い感触に酔ってしまう。
すると真耶さんが舌を少しだけ出して俺の唇をつつく。それが何の催促か俺は知っている。
その証拠に真耶さんの顔はリンゴのように真っ赤になっていた。
それが愛おしくて、俺はそれに応じる。
俺も舌を出し、真耶さんの唇から舌を侵入させる。それと同時に真耶さんが俺の口の中に舌を入れ口の中を優しく舐め回していく。
「「「んちゅ……ふぅ……んん……ちゅぱ……」」
互いに求め合うように深いキスをしていく。
それが気持ち良くて、もっともっとキスしたくなる。
それはもう麻薬のように依存してしまいたくなるくらい心地よい。
真耶さんは顔を赤くしてとろけさせながら俺を求める。
それがまたさらに愛おしくて、俺ももっと真耶さんを求める。
その深いキスは互いに息切れを起こすまで続いた。
「ふぁ……やっぱり旦那様とのキスは気持ちいいです……」
唇を離したら、真耶さんは恍惚な表情を浮かべていた。
扇情的で艶っぽく、俺は胸はドキドキがさらに高まって収まることを知らない。
「俺もです。真耶さんがあまりにも可愛いものですから、ずっとしていたくなりますよ」
「もう…旦那様ったら……ちゅ…」
そんな俺を見て、さらに嬉しそうにキスをする真耶さん。
それが嬉しくて俺もそれに応じてまた二人でキスしあう。
嬉しくて胸の中が温かいもので満たされていく。
まさしく幸せであった。
俺は今、この場で真耶さんと二人で一緒にいられることに幸せを心底感じていた。
すると真耶さんが上目使いで俺を見つめてきた。
「旦那様……もっとキス…してもいいですか」
「ええ、勿論」
そう答えると、真耶さんは俺の頭を抱きしめ、もっと深いキスをいっぱいする。
そして互いの頭が真っ白になりそうになりながら唇を離すと、脳がとろけるような声で俺の耳元で囁いた。
「旦那様……だぁいすきです」
その麻薬のような甘い声に俺は笑顔で答える。
「はい、俺も大好きです。愛してます、真耶さん」
「旦那様! 私だって愛してます、私だけの旦那様」
そして再び唇が重なり合う。
こうして二人でしばらくベンチでくっつきながら夜桜を見ていた。
これが二年生になり、初めて真耶さんと一緒に行った花見であった。