そして今までの一夏で一番一夏らしからぬ一夏です。
もしも織斑 一夏の劔冑が『相州五郎入道正宗』でなく、『同田貫正国』だったら………。
その場合のシャルロット・デュノアが来てラウラ・ボーデヴィッヒとタッグマッチ戦で戦う所までを簡略的に語るとしよう。
IS学園に入学して、早速派手に自己紹介をした織斑 一夏。
彼は面白いことが大好きな『婆娑羅者』であった。
そんな彼はIS学園に劔冑の性能を見せつけるために来たのだが、本人はあまりそんなことを意識しておらず、大いに学園生活を楽しんでいた。
彼は基本的、面白ければ何だって良いのだ。
そして早速イギリス代表候補生であるセシリア・オルコットがつっかかってきた。
「実力からすればこのわたくしがなるのが必然。それを物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります! わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!大体! 文化として後進的な国で暮らさなければ行けないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で―――」
「ふむ、そう言われるのはちと心外だなぁ。一応は先進国で御主の御国よりは進んでいるのだがな。それにサーカスだって、必死の鍛錬故の芸故馬鹿に出来るものでもない。同じ事をしろと言われて御主は出来るのか? あっはっはっは」
彼はそれを笑いながら聞き入れ、そして一週間後に戦うことになった。
そして試合当日になって彼は自身の劔冑、『同田貫正国』を呼び出し自慢の防御力を持ってしてセシリアを力技で倒した。
「ふむ、中々に面白かったぞ。なぁに、それにその高貴ながらも瑞々しい肢体を拝めたのも、眼福眼福」
ちなみに彼は恋愛感情をイマイチ理解しない割にはとても助平だった。
それを言われたセシリアは恥ずかしさで真っ赤になっていたが、頭をぽんぽんと撫でながら笑顔で言われて何も言えなくなってしまう。
そして次に幼馴染みである鳳 鈴音が来た時も……
「おう、久しいな。ふむ、ちゃんと食べておるのか? そんなちっちゃくては(主に胸)は駄目だ。IS操縦には体力を使うからなぁ(体のラインがきっちり出るので貧乳なのが丸わかり)」
と言って、鈴は幼馴染みがこの知らない二年間にとんでもない助平になっていたことに激怒して嘆いた。
「あんた、思ってることが丸わかりなのよ。特にその目がね!(うわぁ~ん、一夏が変わっちゃったよ~!)」
そして彼は鈴が来る度に、胸が大きくなる方法を教えては怒らせ、激怒する鈴から逃げることを大いに楽しんだ。
そのままクラス代表戦になり、鈴と戦うことに。
「がぁあああああああ! ここ最近、よくもからかってくれたわね! この恨み、ハラさせてもらうわ!」
「ふむ、そうか。一応親切からの応援だったんだがなぁ~。よし、ではこうしよう。その謝罪として其れがしが勝ったら、御主の胸を丹念に丁寧に執拗に精神誠意を込めて揉ませて貰おう。昔から胸は揉めば大きくなるというしなぁ」
「え? ………えぇえええええええええええええええええええええ!?」
と会話を交わして試合が始まった。
彼の槍と鈴の青竜刀が火花を散らしてぶつかる。
そこで現れるのは武術と武器の差であり、鈴は槍の間合いのせいで距離を詰められずにいた。
そして奥の手である衝撃砲を放つのだが……
「ほっほう~。いやはや、中々に驚いたなぁ。まさか見えない何かが飛んでくるとはなぁ」
吹っ飛んだところで全くダメージを受けていなかった。
寧ろいきなりの事態を面白がってもっと撃つよう言う始末。鈴はそのことに若干焦りつつも、心の奥底で少し期待していたりしていた。
(む、むかつくけど一夏に胸を揉んでもらえるっていうのは……………)
そんなことを考えてしまい真っ赤になる鈴。
それを見てか、彼は助平丸出しの顔で槍を持って突っ込んで来た。
「では、その胸いただかせてもらおう!」
そのまま槍を突こうとしたところでアリーナのバリアが突如破壊され、上空から黒いISが侵入してきた。そのことで騒ぎになるが、それを彼等が知ることはない。
その侵入者に彼は話しかけるが、何も答えない。そして侵入者との戦闘になるのだが、途中で彼はそれが無人機だと気付く。
「せっかくの命を賭けた戦いに無人とは……そのような物では楽しめんわ! この婆娑羅を極めようとするものにそんな無粋なぞつまらぬわ!」
その事に彼は怒り、持っていた管のような物を槍に通した。
そこから彼の槍撃は変わり、その貫通力で無人ISを貫き破壊した。
そんなわけでこの事態はあまり楽しめなかったことで彼はがっかりしていたとか。
そして少し経ってからIS学園の一年一組にさらに転入生が二人くることになった。
「実は今日は何と、転校生が二人も来ます!」
「「「「ええええええええええええええええええええええええ!!」」」」
そんなふうにクラス中が騒ぎ、そして教室に二人の人物が入って来た。
一人は金髪をした生徒で、もう一人は銀髪をした生徒であった。
クラス中がその金髪の生徒を見て騒ぐのが止まった。
何故なら、その生徒は彼と同じ『男子用制服』を着ていたからである。
金髪の生徒はそのことに緊張しつつ自己紹介を始める。
「フランスから転入してきたシャルル・デュノアです。ここに僕と同じ男性の方がいると聞いてこのクラスに来ました。よろしくお願いします」
そう彼…シャルルが自己紹介をした途端、また教室は割れるかのような騒ぎとなった。
「二人目の男子、キターーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
「金髪の王子様みたい!」
「かわいい系! でも織斑君みたいな肉食系も捨てがたい!」
「儚げでイイ! はっ!! 一夏×シャルル、これで夏は決まりね」
何やら若干腐な方もいるようだが、これもまた面白味。
彼はそれを聞いて楽しんでいた。ちなみに彼は可愛ければどっちでもイケる両刀の気もあったりする。メインは女性だが。
そしてシャルルの挨拶が終わったところで今度は銀髪の少女の自己紹介へと移った。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ!」
「そ、それだけですか……」
「以上だ。それ以外何も無い」
「そ、そうですか…」
銀髪の少女…ラウラはは斬り捨てるようにそう言い、副担任を大いにヘコませた。
そしてそのまま彼の前まで来ると、激情を顕わにして彼に平手を嚙まそうとする。
「貴様が!!」
そのまま振るわれる平手。
しかし、それは彼に届く事は無かった。
「ほうほう、これはまた随分と熱烈な挨拶だなぁ」
彼は飛んでくる平手を片手で掴むと、そのままラウラを自分の懐にしまう様に引っ張り、足の上に座らせ抱きかかえる。足を使ってラウラの足を押さえ。左腕を使ってラウラの両腕を動かせないように拘束すると、残った右手を使って服の上からラウラの胸をまさぐる。
「ふむふむ。服の上からでも分かるほどの小さな乳だが、コレはコレで中々に乙な物だなぁ」
「き、貴様っ、 一体何を! ひゃ、やめ! んくぅ、ひゃん、んあっ」
そのまま彼はその感触を楽しみ、さらに制服の上のボタンを外してワイシャツ越しにさらにまさぐった。
「直が一番だが、これはこれで趣があるなぁ。おや、こんなところに御豆さんが」
「や、やめっ、んひゃぁ、あ、あんっ…んぁ、はぁはぁ……もう、だめぇ……あ、あたま、まっしろになっひゃう…んあぁ」
初めて味わう感覚にどうして良いか分からないラウラを良いことに、さらに弄くり回す彼。
そのせいで教室では何やら妖しい雰囲気になっていた。中には生唾を飲み込む生徒も出始めた。
「何をしている、貴様」
そんな雰囲気をぶち壊すかのように、打撃音が教室に轟いた。
その音は彼の頭が出席簿で叩かれて鳴った音であり、それによって皆正気を取り戻した。
「……………っっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!?!?」
「おやおや、これは織斑先生。痛いではありませんか」
彼は叩かれた頭をさすりながら千冬に普通に言う。
その叩かれた衝撃でラウラを弄る手に力が籠もってしまい、それでラウラが声にならない声を上げて床に倒れ込んでしまうが、それは打撃音で気付く者はいなかった。
「貴様は何をしている」
若干マジで怒る千冬に彼は笑顔でこう答えた。
「なぁに、ちょっとしたスキンシップを」
「何がスキンシップだ、馬鹿者め! 犯罪だぞ!」
「如何に犯罪だと分かっていても、面白いが故に止めぬが婆娑羅者よ!」
まったく反省しない彼に千冬はもう一発出席簿で殴ってから反省文と罰を与えたが、それでも彼はまったく己の行為を恥じてはいなかった。
如何にそれが悪事であろうと、楽しむためなら平然とやる。それが彼の婆娑羅道である。
それを見ていたシャルルはこの先行きがあまりに不安で仕方なかった。
(ぼ、僕はこんな人から情報を盗まなくちゃいけないの……やっていける気が全くしないよ~)
そんな不安を余所に、時間は流れていく。
そしてその日の一時間目からIS操縦の授業が二組と合同で入っており、早速アリーナに移動することになった。
彼はいつもと同じように普通に向かおうとするが、途中で千冬に呼び止められる。
「待て織斑、デュノアの面倒を見てやれ! 同じ男子だろう。デュノアを更衣室に案内してやれ。お前は使わないが、デュノアは使うからな」
「わかりました」
そう千冬に頼まれ、彼はシャルルの方へ行く。するとシャルルも彼に気付き彼の方に歩いてきた。
「君が織斑君だよね? よろしく、僕は…」
「ここらでちゃんと挨拶したいのはやまやまだが、この後の移動でごたつきそうなのでなぁ。それは移動し終えてから聞こうか」
「う、うん」
そのままシャルルの手を引いた彼はその感触にニヤリと笑みを浮かべながらを窓際に連れて行く。
「廊下へ出るとちと五月蠅そうでなぁ。こっちから出るとしようか」
「え?」
その言葉に首を傾げるシャルルを尻目に、彼は自分の劔冑を呼び出す。
「来い、同田貫」
彼が窓から外に向かってそう言うと、どこからか炎を噴射しながら回転してくる円盤が此方に向かって飛んで来た。
そしてそれは彼の前で空中停止する。
それは鋼で出来た亀であった。
「これが織斑君の劔冑なの?」
その異形に驚きを隠せないシャルルに、彼は笑いながら紹介する。
「これが其れがしの劔冑、『同田貫正国』だ。さてさっそく行くとするかな」
「え……きゃあ!」
彼はシャルルにそう言うと、シャルルをお姫様抱っこで抱きかかえて同田貫の甲羅の上に乗る。
少しがくんと揺れたが、問題無く浮遊している。そのまま同田貫は前後の足から炎を噴出させたままアリーナへと向かって飛んで行く。
その事にシャルルは驚き高さから怖がるが、彼に暴れないよういわれて大人しく彼にしがみつくことに。その際、彼が左手でシャルルのお尻を撫で回していたことにシャルルは高さに怖がっていて気付くことは無かった。その時の彼の顔は凄まじいほどに下衆な顔をしていたとか。
そしてアリーナに着いたところでシャルルを更衣室に案内し、着替え終わるのを待ってから共にアリーナへと入っていた。
皆が揃った所で千冬が来て授業を始める。
「本日から格闘、および射撃を含む実戦訓練を開始する」
そう説明し話していく千冬を余所に、セシリアは一夏に先程のことを聞こうとし、鈴がその話に齧り付く。そのことをセシリアの口から聞いた鈴は激怒して彼を殴ろうとしたが、それを千冬が見逃すわけが無く、出席簿の一撃を持ってして鎮圧させられた。
その罰なのか、セシリアと鈴は千冬に皆の前に出るよう呼び出される。
「今日は専用機持ちに戦闘を実演してもらう。凰、オルコット! 前に出ろ」
そう言われ渋々前に出る二人。
しかし、千冬が出席簿をちらつかせると顔を青くしながら空元気ならぬ空覇気を見せる。
「それで相手は? 鈴さんとですか?」
「私は誰だろうと構わないわよ」
「慌てるな馬鹿ども、対戦相手は……」
そう千冬が説明しようとすると、上空から降下音が聞こえてきた。
「きゃぁあああああああ、ど、どいてください~~~~~っ!!」
そんな声がアリーナの上空から聞こえ、皆上を見ると副担任である山田 真耶がISを装着した状態で落下してきた。
そのことに気付き皆巻き込まれないよう逃げるが、運が悪いと言うべきか彼は見事に巻き込まれてしまった。
実の所を言うと、彼の能力なら避けるのはたやすい。だが、真耶の爆乳を見てニヤニヤとしていたため、敢えて避けずに受けたのだ。
己がしたいことには全力……それもまた婆娑羅の道なのだ。
砂煙を上げて真耶は彼を巻き込んで盛大に着地する。
その結果………
彼は真耶に押し倒されているような恰好になっていた。
そして彼の右手には、手から溢れんばかりの巨大な何かが乗っかっていた。
「あ、あの…織斑君……そ、その手を、ひゃん…い、嫌では無いのですが、こういうのはもうちょっと経ってからで…このまま行けば織斑先生はお義姉さんということに。それはそれで大変魅力的な」
そう言われて彼は改めて右手を見ると、右手は真耶の爆乳に埋もれていた。
「ほぉ~、これはこれは。何とも見事な大玉スイカ。しかし手ざわりは餅のようにもっちりしていて何とも言えぬ至福」
そして彼は両手で目の前にある爆乳を揉み始めた。
「お、織斑君、止めっ、んひゃぁ、先生、駄目なの…む、胸弱くて…んぁ、あ、あぁ、、んくぅ、んぁ」
顔を真っ赤にして声を上げる真耶に気をよくして更に揉みしだき彼。その顔はやはり下衆かった。
「ううむ、この辺ではまず味わえない珍味。実によく味わっておきたいものだ」
「んぁ~、や、やめへ…こりこりしないで、んぁ! あぁ、あふ、あぁ~ん」
彼はそのまま満足いくまで爆乳を揉みまくり、ついに……
「んぁあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
真耶から絶叫が上がり、その場でくたぁと倒れてしまう。それと一緒にISが解除された。
「ふむ、実によい揉み心地であった」
彼は立ち上がると、とても満足した笑顔をしていた。
そんな彼には次の瞬間、そのまま吹っ飛ばされた。
「「こんんのっ、変態めぇええええええええええええええええええええ!!」」
その行いを今まで見ていた鈴とセシリアが激怒し、衝撃砲とレーザーを彼に向かってぶっ放したのだった。
そして吹っ飛ばされた彼の前に黒い影が立ち塞がる。
「貴様……どうしてくれるんだ。これでは授業が出来ないではないか……」
眉間に青筋を立てている千冬が彼の前に立っていた。
彼はそれを見て……
「目の前に乳があるというのなら、それを揉むのは当たり前のこと! 怒られるからといって引っ込む我が婆娑羅道ではないわ!!」
「………死ね……」
覇気の籠もった声で堂々と叫ぶ彼に、千冬は無慈悲な一撃を持って黙らせることに。
出席簿を振り落とした際、千冬の頬に返り血が付いたが、千冬はそれを気にすることは無かった。
そんな光景を見たシャルルは……
(もうこんなところから帰りたいよ、お母さん………)
顔を真っ青にしながらそう思い後悔に悩まされていた。