装甲正義!織斑 一夏   作:nasigorenn

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まだまだダイエットですよ~。
そして今回の一夏の鼻は緩いですよ。


恋人のダイエット その3

 朝の鍛錬を鋼の精神力で何とか耐え、今日も学園が始まった。

あの鍛錬の後もかなり大変だった。何せ鍛錬で疲れた真耶さんは息を切らせてぐったりとし、汗だくになっていたのだから。

あの体操着の恰好だけでも凄くドキドキするのに、それが顔を上気させ潤んだ瞳で俺の事を見てくるのだ。その上汗を吸って体操着が体にくっつき、さらに体のラインを強調させていた。その体に貼り着いた体操着は汗を大量に吸って……正直透けていた。

真耶さんの大きな胸を支える薄ピンクのブラジャーが透けた体操着越しに見えてしまい、俺の心臓は破裂しそうになる。それを意識してしまい更に赤面してしまう。

すると真耶さんが心配して俺の顔を覗き込む。

 

「大丈夫ですか、旦那様? 何だか顔が真っ赤ですよ」

 

前屈みで俺の覗き込む真耶さんは少し苦しそうに息をしつつ、俺を心配する。

それはとても嬉しいのだが……そのせいで胸を思いっきり強調するような恰好になっていた。

俺の目の前で思いっきり揺れる二つの膨らみ。それも汗を吸ったせいで透ける体操着越しに見える大きな……胸。

 

「な、何でもっ!」

 

俺はそれを見ないよう急いで顔を逸らし答えようとしたが、その途端に鼻で何か破裂したような感触を感じた。

そしてそれを自覚した瞬間……ぶしゅっ、と鼻血が出てきた。

 

「だ、旦那様!?」

 

鼻血を噴き出してしまった俺に驚き、更に俺を心配する真耶さん。

 

『御堂、鼻腔に中破の損傷。現在流血中』

 

正宗から金打声で報告されるが……遅い。

 

『正宗……わざとではないのか、この仕打ちは』

『何を言う。我は所謂『空気を読んだ』だけである。我とて学ぶものよ! 寧ろこの程度で粗相する御堂が未熟なだけよ』

 

 聞いたところで返ってきたのはこの返事である。

最近正宗が変な方向に変わってきているような気が……。

何かよく色々と影響されてないだろうか?

まぁ、言っていることも最もな事なので反論できないのだが。

 

「だ、旦那様! 本当に大丈夫ですか! ど、どうしようどうしよう…」

 

俺の状態に混乱し、わたわたとする真耶さん。

そのたびに揺れる大きな胸がまさに視界の猛毒となり、俺はクラっときて地面にしゃがみ込みそうになる。

 

「だ、旦那様!?」

 

しゃがみ込みそうになる俺を見て、急いで俺を抱き留める真耶さん。

そして俺の頭は見事に抱きかかえられてしまい、大きな胸に埋められることに。

 

むにゅぅうううううう!!

 

そんな柔らかさと程良い弾力を備えた豊満な胸が顔を覆う。

結果………

 

更に噴き出しそうになる鼻血。

 

それを、本気で止めようと必死になる。流石に真耶さんを俺の血で汚すわけにはいかない。

そのため顔が更に真っ赤になってしまい心配された。

 その後、何とか鼻血を止めた俺は近くの段差で真耶さんに膝枕されることになった。

もう大丈夫と言ったのだが、目の前でいきなり鼻血を出して倒れかける人がそう言ったところで信用してもらえるわけがなく、半ば強引にされてしまった。

 

「本当にお体は大丈夫なんですか、旦那様。もし無茶をしているならちゃんと言って下さい。心配なんです、旦那様はいつも無茶ばかりしてますから」

 

 俺の頭を膝に載せ、心配そうに見つめる真耶さん。

これも心配してやってくれているのだから感謝が絶えないのだが、俺はそれでも素直に感謝しきれない。

 もう一度言おう。今の真耶さんの恰好は体操着でブルマだ!

膝はすべすべの生足であり、しかも運動していたものだから少し湿っている。

なんというか……所謂フェロモンというのか……それが凄まじ過ぎる。

男の汗は汗臭いと一蹴できるが、運動し汗を掻いた真耶さんの香りは、まるで媚薬のようで、臭さを全く感じさせない。それどころか、余計にドキドキし過ぎてしまい、全く落ち着かないのだ。気を抜いた瞬間にまた鼻血が出そうな気がする。

 

「す、すみません、ご迷惑をかけてしまって……」

 

俺はドキドキしていることを悟られないよう声音を整えながら何とかそう答えるが、それでも全然この動悸は収まる気配を見せない。

 

「でも、どうしていきなりそんなことになっちゃったんですか?」

「い、いや~、何ででしょうね?」

 

不思議そうに俺を見つめながらそう聞いてくる真耶さんに、俺は何とか答えるのだが……

 

「旦那様……素直に話して下さいね。本当はなんでああなったか分かっていますよね」

 

と、笑っているのに目が全く笑っていない状態で見つめられてしまった。正直怖い。

 

「そ、そんなことは…」

「旦那様は誤魔化したり嘘をつこうとした時は、大体目が泳ぐんですよ。だから分かるんです。正直に話して下さい。出ないと……嫌いになっちゃいます」

 

そう拗ねた感じで言われてしまった。

そんな姿も可愛いのだが、拗ねられてしまうのはそれはそれで何だか問題になりそうだ。

俺は仕方なく白状することにした……嫌われたくないし。

 

「そ、その…言っても怒らないで下さいね」

「う~ん、それは聞いてから判断します」

 

伏線を張ってみたが、見事に躱されてしまった。

 

「じ、実は……真耶さんの…その…胸なんですが……体操着が透けてしまって……」

「え、胸? ……!?」

 

素直に言った後、真耶さんの視線は自分の胸に行き……俺が言ったことを理解した瞬間、ボンッと音が出たと思うくらい顔が真っ赤になった。

そして俺の方に顔を向ける。その顔は凄く恥ずかしいが、少しだけ嬉しい様な、複雑な顔をしていた。

 

「……旦那様のエッチ……」

「ぐふっ! ……すみません……」

 

 そんな顔を真っ赤にしながら見つめられて言われては、精神的にダメージがでかい。

しかし……

 

「で、でも…旦那様だったら別にいいですよ。だって……私の旦那様なんですから」

 

そんな恥ずかしいけど嬉しいといった顔で俺を見つめ、優しく俺の頭を抱きしめ……

 

「ちゅっ」

 

唇に軽いキスをする真耶さん。

凄く嬉しいし、感動もする。でもやっぱり……朝から刺激が強いことに変わりは無いわけで、俺は朝だと言うのに体力をかなり消費してしまった。

 

 

 そして学園も始まり、俺は教室で授業を受けて過ごしていく。

朝食の時、真耶さんはいつもよりあまり食べていなかった。そのことを心配したら、朝は結構運動したから食欲があまり湧かないからと言われた。

本当なら無理にでも食べた方が良いのだが、それを女性に言うのは酷かもしれないので言わなかった。無論、これが弾とかだったら容赦無く食べるよう言うのだが。

 そしてお昼になった時も真耶さんは朝と食べる量が変わらなかった。

急に始めたから体への反動がきついのかもしれない。

そう思い、俺はせめてお茶だけでもと進めたら、凄く喜ばれた。

何だか……少し怪しい気がしてきた。真耶さんは俺に何か隠しているような気がしてくる。

なので、少し注意してみようと思う。

 そして放課後になり、生徒会の仕事をささっと終わらせた俺は真耶さんに呼び出された……格技場に。

格技場についた俺を待っていたのは……

 

「こういうのも久々なんですけど、どうですか、旦那様?」

 

袴に胴着を着た真耶さんだった。

これもまた良く似合っていて、普段と違ってキリッとした印象を受ける。

しかし、やはりと言うべきかサイズが合っていない。胸も部分が窮屈そうになったいた。

まぁ、朝に体操着に比べればそこまで刺激的ではないので助かる。

 

「はい、よく似合ってますよ。可愛いです」

「そうですか~、良かった~えへへ…はっ、そうじゃなくて! そ、それ以外にも何かありませんか!」

 

 笑顔で喜んだ後に、真耶さんは慌てて俺に聞いてきた。そして少し真面目な感じの表情を作り、俺の答えを舞っている。

それが何を求めているのか……少し考え込んでしまったが、何とかわかった。きっと普段と違う姿の印象について求めているのだろう。確かに俺が答えようとしている返事は、いつもの真耶さんではまず言われないようなことだからだ。

 

「そうですね。とても良く似合っていて、『格好いい』ですよ」

「はい! ありがとうございます! やっぱり旦那様なら気付いてくれると思ってました!!」

 

正解したことで、真耶さんはとても喜んでくれた。

後で聞いた話だが、俺が来る前にこの服装を見た生徒から、

 

「マヤちゃん可愛い~」

「山田先生、背伸びしてるみたいで可愛いですよ」

 

と言われたとか。

やはり教師としてはそこは気になる物らしい。

 

「それで…どうして俺をここに?」

「はい。その…朝と一緒なんですけど、一緒にやってくれませんか。私は接近戦はあまり得意ではないので」

 

と、お願いされてしまった。

真耶さんにお願いされて断るようなことは俺には絶対にないし、その心意気は感心できるので文句の一つもない。なので答えも決まっている。

 

「はい、喜んで」

「ありがとうございます!」

 

俺は笑顔でそう応じると、真耶さんはとても嬉しそうに笑った。その笑顔が何だか可愛くて目が離せなくなる。

そして俺も更衣室で胴着と袴を借り(前に会長と戦った時と一緒である)、さっそく格技場で相対する。

 

「では、よろしくお願いします」

「お願いします!」

 

 礼し、さっそく武者式組打術の構えを取ろうとするのだが、その礼でペコリと可愛らしくお辞儀をする真耶さんが可愛くて、ついつい笑ってしまう。

 

「では……始め!」

 

俺は始まりの合図を言うと、さっそく真耶さんが構える。構えからして柔道に見えるが、今回の訓練は会長の時と一緒の総合ルールだ。柔道だけではないはず……。

 

「行きます! えぇ~~~~~~~~い!!」

 

本人は気迫を込めて向かっているのだろうが、俺には可愛らしくて仕方ない。

笑顔のままそれに応じ構える。

真耶さんは俺に素早く? 間合いを詰めると、そこから正拳突きや中段蹴りなどの打撃や、小外刈りなどの柔道技を繰り出してくる。

本人は必死なのがよく分かるのだが、やはり武者の俺としては余裕で捌けるものばかりである。なので、一生懸命に頑張る真耶さんが見れて、これはこれで心が満たされる。

 

(一生懸命な真耶さんも可愛いなぁ~)

 

「やぁ、たぁ、えぇ~い!」

 

 そんな可愛らしいかけ声と共に、真耶さんは俺に組み掛かっていく。

それを余裕で躱し、時には軽く(本当に軽く、ソフトタッチ並の力)当て身を放ち戦う。

そして……真耶さんはついに俺の胴着に手をかけた。(あまりにも一方的過ぎると目が涙目になってきたため、わざとである)

 

「取りました! えぇ~~~~~~~~~い!」

 

 そのまま柔道の技をかけようとするのだが、これを俺は真耶さんと組み合うことで伏せぐ。すると拮抗? するわけで、お互いに引っ張り合うのだが……

ここでやはりというかアクシデント。

 

「やぁあ~~~~~~~!」

 

と気合いを一気に込めて引っ張る真耶さん。

それをさせまいと俺は反対側に引っ張るのだが、その瞬間……

 

ずるっと思いっきり胴着が脱げた……真耶さんのが。

 

それと同時に押し込められていた胸がぶるんっと飛び出す。

胴着の下には何も着ていなかったため、そこにあるのは朝に見た薄ピンク色のセクシーなブラジャーに包まれた巨大な二つの膨らみであった。

 

「え?」

 

自分を縛っていた圧迫感が突如無くなったことに不思議に感じる真耶さん。

俺は目の前に飛び出して来た胸に釘付けになってしまう。

固まること。ほんの数秒………

 

「キャァッ!?」

 

真耶さんは短く悲鳴を上げ、素早い動きで胸を手で隠す。

俺は急な事態に頭の中が混乱する。

 

(やはりサイズが合ってなかったか……白くて大きかったな……しかも朝は体操着越しで気付かなかったけど、凄い艶っぽい下着で……じゃなくて!)

 

そう考え始める頭を一喝すると急いで謝ろうとしたのだが、何故か真耶さんからそれ以降悲鳴が聞こえない。そのまま顔を真耶さんの顔の方に向けると……

 

「そ、その……旦那様のエッチ……」

 

朝と似たような、恥ずかしいけど嬉しくて、潤んだ瞳で見つめられながらそう言われてしまった。それがあまりにも可愛くて艶っぽくて……

俺は顔を赤面したまま固まってしまった。

 

『鼻腔内で現在出血中。出血多量により、熱量の消耗を確認。速く止めることを推奨する』

 

 そう報告するくらいなら、早く何も言わずに治癒しろ正宗!

内心でそう叫ばずにはいられなかった。

 この後、やはりと言うべきか俺は鼻血を出してしまい、また真耶さんに看病してもらうことに。

ま、まぁ、本人は凄く嬉しそうだから良いか……。

 そう思わなければ、気疲れでやっていけないと思った。


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