装甲正義!織斑 一夏   作:nasigorenn

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今回は山田先生視点ですよ。


恋人のダイエット その1

 どうも、山田 真耶です。

一月も終わりが近い今日この頃の夜。寮の自屋で私はお風呂に入って火照った体を冷ましていました。

その身に纏うのは、愛しの旦那様から貰ったワイシャツとショーツのみ。旦那様の香りがするような気がして、何度袖を通してもドキドキしてしまいます。

 先日は勝手に決闘に賭けられたりして大変でしたけど、私は旦那様が勝つって絶対に信じていましたから。その割に動揺していなかったかですって? 旦那様を心配するのはそれとは別ですから。

あれ以来、旦那様はもっと私のことを見てくれるようになりました。

一緒にいるプライベートの時はいつも手を優しく繋いでくれるし、二人っきりの時は一杯耳元で愛していますと囁かれキスをしてくれます。もう、骨抜き状態ですよ~、えへへ。

今日もさっきまで一緒にいて、ぎゅっと抱きしめて一杯キスしてもらいましたし、本当に幸せです。(殆ど真耶が催促を促していて、一夏はそれを喜んで応じているだけであり、実際に一夏以上にキスをしてくるのは真耶である)

で、出来ればその先も望んでしまうのは、恋人として、女として間違ってはいないですよね。約束があるから仕方ないですけど……。

でも、その分一杯抱きしめてキスしてくれますし……たまに盛り上がって頭の中が真っ白になっちゃうくらい激しくて気持ち良いキスもしてくれますし……思い出したら体が火照ってきちゃいました。いけないいけない、そんなイヤらしいことばかり考えてたらはしたない女だと思われちゃう。

でも、旦那様にだったらいくらでも……だから駄目だって! 

もう、こんなことばかり考えちゃうのも旦那様がいけないんですからね。毎回毎回心配させては凄く格好良くて優しくて……好き過ぎてしかたなくなっちゃうんです。このままじゃ巷で有名なヤンデレさんになっちゃいますよ~。

今の私の目標は、旦那様が頭の中が真っ白になっちゃうくらい気持ち良いキスを旦那様に一杯して、もっと愛して貰うことです………ポ(実際は逆であり、一夏の頭の中は真耶のせいで毎回真っ白にされている)

 

「……旦那様……だぁいすき」

 

つい独り言でそう言ってしまいますが、そう言う度に胸の中が暖かくて満たされてきます。

だって大好きなんですもの。いくら言ったって飽きるなんてことは全然ありません。

 そして別に考えることもあります。

私の旦那様は世界で一番格好いいと、私は思います!

その旦那様に、私は釣り合ってないかもしれません。だからこそ、旦那様のお嫁さんとして恥ずかしくないよう、ふさわしいお嫁さんとして振る舞えるように自分を磨いています。

特にお料理は頑張らないといけません。旦那様は本物のプロですから。

最近では良く旦那様にも味見をしてもらっていますし、さらに邁進しようと頑張ってます。

作ったお料理を美味しいって喜んで食べてくれる旦那様は可愛くて……褒めてくれるのが嬉しくて。

だからもっと一杯喜んで貰いたいんですよ。そのため、お料理の研究に余念がないです。

だから……気づけなかったんですよね……とあることに。

 体がある程度冷めたところでベットに入ろうとしたんですが、視界にある物が映りました。

ピンクの大きなテディベア、『ベアット君』では無く……部屋の片隅に置かれているとある板。

それは女性なら、誰しもが必ず使い喜んだりへこんだりする物。

 

その名も……体重計。

 

最近は旦那様と一緒で幸せ過ぎるものですから、すっかり忘れていました。

そして一度目に入った以上、気にならないわけにはいかないです。

私はそれの前まで歩き、さっそく床に置きました。

何だかやけに緊張してしまい、固唾を飲み込んでしまいます。

多分大丈夫だと何度も自分に言い聞かせ、そして私は体重計に乗りました。

 

「~~~~~~~~~~~~~~~っ!?」

 

出た数値を見た瞬間、声にならない悲鳴が室内に木霊しました。

ああ、あきらかに………

 

増えてる!!

 

具体的な数字をいうのは憚られますが、前に測った時より増えてます!

咄嗟にお腹の部分のお肉なんかが気になり、摘まもうとすると少しだけ摘まめたような気が……

これは明らかにまずいです! 

も、もしこのまま太っちゃったら……旦那様に嫌われちゃいますよ。そんなことはないって旦那様は言ってくれると思いますけど、私はそんなの絶対に嫌です!

旦那様には常に私を見てもらいたいんですから、こんな見苦しい姿なんて見て欲しくないです。

恋する乙女は常に、愛する殿方の前では綺麗な姿でいたいんです!

だからこそ、このゆゆしき事態をどうにかしなければいけません。

 

「あ、明日からダイエットしないと」

 

今までそこまで意識したことが無いだけに、この事態は私にとってとても深刻なことになりました。

きっと以前から旦那様に抱えられるたびに『真耶さんは軽いですから、いくらでも平気ですよ』と言われていたからそこまで気にならなかったのかも……

これもよく考えたら、武者である旦那様の力なら普通に重い物だって軽く感じるはずなわけで……

抱きしめてもらえることが嬉しくて、そういうことを忘れてました。

いくら大好きで信頼しているとは言え、あまり素直に聞いてしまって良いものではありませんね。

 

「だ、旦那様に恥ずかしくない体を目指して、明日からダイエット開始です! 頑張るぞ~、えいえいお~」

 

 自分を鼓舞する意味合いも込めて、『ベアット君』に向かって手を上げる私。

端から見たら少し恥ずかしいですけど、構いません。

 

(見ていて下さい、旦那様。私は旦那様に恥ずかしくないよう、立派に痩せますよ!)

 

そう『ベアット君』に誓い、私はベットに着いて眠りました。

さぁ、明日から頑張りましょう! 


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