装甲正義!織斑 一夏   作:nasigorenn

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山田先生のAGP(アーマーガールズプロジェクト)、予約しました。
早く山田先生に会いたいですね~。


一月二日 その3

 隣の部屋から聞こえてくる声と音に、俺と真耶さんは気まずくなってしまった。

時折大きな声が聞こえては、ビクッとしてしまう。それが知っている人ならば、尚更のことである。

 

「も、もぉ~~~~っ!! 何やってるの、お母さん!~~~~~っ!!」

 

真耶さんが壁に向かって恥ずかしそうに言っているが、その顔は凄く気になっているみたいだ。

時折、

 

「あんな声でお母さんが…………」

 

 と呟いていた。正直心臓に悪い。

その声に当てられたのか、真耶さんが潤んだ瞳で此方を上目使いに見てきた。

 

「旦那様…………」

 

 とても艶っぽい顔にクラクラときた。

顔が真っ赤なのに、何かに一生懸命な感じ俺を見つめるその瞳。その瞳に吸い込まれそうな気がする。

ベットの中で真耶さんが俺を抱きしめてきた。

とても柔らかい感触に包まれ、胸がドキドキと高鳴る。ピンクの可愛らしいパジャマがはだけ、大きな胸が俺の胸に押しつけられ、むにゅりと押しつぶされていた。その感触が更に心臓の脈動を高め、間近に感じる真耶さんの甘い香りに精神が昂ぶっていく。

 

「旦那様ぁ…」

 

 甘えるようなその声に、心がとろけそうになった。

そのまま流されてしまいたくなる。きっとそれでも、幸せになれるのだろう。

だが……そう言うわけにもいかない! 俺は武者なのだ。誓った約束は絶対に破らない!

何よりもそのことを大切にしたい。

真耶さんが一番大事だからこそ、大切にしたいのだ。

据え膳喰わぬは男の恥と言うが、本当に大切ならば食べる時間はちゃんとすべきだ。

俺はそのことを意識しながら真耶さんに答える。

 

「すみません、真耶さん。真耶さんが望んでいることはわかりますが、それでも俺は出来ません。誓った約束をちゃんと守りたいんです」

 

 そう答えると、分かってはいるがそれでも懸命な感じに真耶さんが抱きつく力を込める。

 

「それは分かってますけど……それでも……私ってそんなに魅力ないですか……」

 

そう言いながら上目使いで俺を見つめる真耶さん。

その瞳には不安が籠もっていた。

 

「そんなことは絶対にないです! 大切なんですよ、真耶さんのことが。だからこそ、前に誓った約束を守りたいんです」

 

 俺は真耶さんを抱きしめ返し、耳元で納得させるように本心を囁き打ち明ける。

 

「本音を言えば、今すぐにでも真耶さんを押し倒したいですよ。皆が俺のことを大人っぽいと言いますが、それでもまだ十六の若輩です。恥ずかしながらに思春期の男なんですよ。毎回その大きな胸が体に押しつけられる度にドキドキして触りたいって思うし、キスをする度にその唇を貪りたいって思ってしまいます。抱きしめる度に真耶さんのことを独り占めしたい、真耶さんのすべてが欲しい、真耶さんを俺の物にしたい……そう思ってしまうんです。そう思うと、今度は真耶さんをすべて俺に染め上げたくなってしまうんです。それはとても衝動的で……怖い。自分の中に眠るそういった欲望が真耶さんに酷いことをしてしまうんじゃないかって…そう思うんですよ。だからこそ、ちゃんと約束を守りたいんです。ちゃんとそういった欲望に流されずに、真耶さんを受け止められるように」

 

 真耶さんはそれを聞いて………泣き出した。

声を出さずに、静かに涙を零し始めた。

それを見て、慌ててしまう俺。

 

「ど、どうしたんですか、真耶さん!? やはり俺の約束は重かったですか!!」

 

 先程言ったが、据え膳喰わぬは男の恥は女性が誘ってこそ成り立つ。

当然女性はそれを了承した上でやっているのだから、それを受けないのはそれはそれで器量が狭いのだろう。はっきり言ってヘタレと罵ってもいい。そう言われても仕方ない。

それが真耶さんを傷付けてしまったのなら、俺は謝るしかない。

 

「ちがいます……私…こんなに大切にされてるんだって…こんなに愛されてるんだって思って。それが嬉しいんですよ」

 

 泣きながら真耶さんはそう言い、俺の胸に顔を埋める。

それが嬉しくて、俺は真耶さんをさらに抱きしめた。

 

「それにですね………実は今だってかなり我慢してるんですよ。気を抜くと、今にも押し倒してしまいたい衝動に駆られるんですから」

「まぁ! 旦那様ったら」

 

 そう言うと、真耶さんが笑顔で答えてくれた。

そのまま抱き合っていると、やはり隣の部屋から声が聞こえてくる。それは聞いているだけでかなり恥ずかしくなるものだが、先程と違って精神が昂揚しても心が乱れない。

 

「でもちゃんと意識してくれて嬉しいですよ」

「当たり前ですよ。こんなに可愛くて綺麗で、艶っぽい恋人を意識するなと言う方が無理な話です」

「そうですか! 旦那様にそう言ってもらえると嬉しいです。そうですか~、旦那様はそんな風に思ってたんですね~」

 

 さっきまでと違って、実に幸せそうになる真耶さん。

俺もその幸せそうな顔が見れて嬉しくなる。

すると真耶さんが俺の胸に乗っかってきた。その大きな胸が思いっきり押しつけられ、内心ドキリとする。

 

「旦那様……お願いがあるんですが…いいですか?」

 

 顔を真っ赤にしながらも、俺を熱の籠もった瞳で見つめる。

その顔が艶っぽくも可愛くて、俺はその視線を受け止め見つめ返す。

 

「何ですか、真耶さん」

「その……出来ない分、私に一杯キスして下さい。お母さん達に負けないくらい、一杯私を抱きしめて下さい。一線が越えられないのが残念ですけど、その分私を愛して下さい。私が壊れてしまうくらいに」

 

 恥じらいながらもそう言う真耶さんは、凄く可愛く艶っぽい。

それが魅力的過ぎて、我慢が効かなくなってくる。

 

「はい、真耶さん。大好きですよ」

 

そう真耶さんに言い、俺はその美味しそうな唇を貪るようにキスをする。

 

「んぅ…ちゅ……ふぅ…ん…んん……ちゃぷ…」

 

真耶さんは俺の唇を受け入れると、幸せそうに目を細めながら舌を出してきた。その舌を絡め取り、真耶さんの口内に自分の舌を侵入させ、お互いに舐め合う。すると真耶さんの甘い唾液が俺の口の中に送り込まれてきた。その味に酔いしれそうになりながらも、此方も負けじと唾液を送り歯茎や舌を舐めていく。

お互いに感じてきて呼吸が荒くなっていくが、苦しくない。

さらに真耶さんが欲しくてより深くキスをすると、真耶さんもそれに応じてくれる。

 

「ちゅっ……んふ…んあぁ……ふぅ……うふふふ…気持ちいいですね、旦那様」

「そうですね…頭がとろけそうです」

「もっと気持ち良くなりましょうね……ちゅ…んん……」

 

キスが深まっていき、身体中が火照っていく。熱くて仕方ないが、不快感はまったくない。

そのうち真耶さんが俺の手を取り、自分の胸に押しつけてきた。

 

「!?」

 

 むにゅりと手が沈んでいく感触に驚く俺。

真耶さんはそんなことお構いなしに更に押しつける。下着は着けていないため……感触があまりにも生々しかった。

 

「触って下さい……旦那様……」

「いや、それは、その…」

「別に一線を越える訳じゃないんですから…いいじゃないですか……それに……私だって我慢出来ないんですからね…」

 

 そう言いながら俺に微笑む真耶さんの笑顔は、妖艶だった。

そう言われ……理性が一気に吹き飛びかける。最後の壁以外が一気に破壊された気がした。

 

「真耶さん!! んぅ…ふぅ…んん……ちゅ…ちゅぱ……んふぅ……」

「ちゅ…んちゅ…旦那様……旦那様……んん…ちゅ…ふぅ……あぁ…あん……」

 

 まるで獣が肉を貪るかのように、お互いを貪っていく俺と真耶さん。

隣の部屋から聞こえる声がさらにそれを掻き立て、激化していく。

触っている胸の感触が気持ち良く、ついつい感触を楽しんでしまう。何だか硬いものがあったような気もしたが、あまりに激しいキスをしているため気にしている余裕がなかった。

とても苦しく、熱く……それでいてとろけそうなほどに幸せだった。

 そしてそれは………

隣の部屋から声が聞こえなくなるまで続いた。

俺と抱き合っている真耶さんは、幸せそうな顔で気絶していたが。

 

 

 

 翌朝目が覚め、俺は泊まらせていただいたお礼に朝食を作ることにした。

 

「すみません、勝手にこんなこと言い出してしまって」

「いいんですよ。旦那様が恩を大切にする人だってわかってますから」

 

 真耶さんは申し訳なさそうに言う俺に笑顔で答えてくれた。

それが嬉しい。何だか昨日からより真耶さんが好きで仕方ない。我慢出来るか不安になるくらいである。

そして朝食を作り終えたところで耶彦さんと真奈さんがリビングにやってきた。

 

「わぁ~、良い匂い」

 

真奈さんは嬉しそうにそう言う。

その顔は……妙につやつやとしていた。

 

「わ…悪いねぇ…一夏君…」

 

耶彦さんは顔がげっそりとして疲れ切っていた。

まぁ……昨日あれだけ激しければ当然かもしれない。

俺は耶彦さんを労うために、朝食を差し出した。

 

「これは精力増強と体力回復に効く料理です。どうぞ」

「す、すまないねぇ…」

 

耶彦さんは俺の気遣いに本当に有り難いと礼を言う。

相当疲れているのだろう。

逆に真奈さんはかなり活き活きしていた。

 

「昨日は真耶ちゃんたちも『凄かったね~』」

「「「ッ……………………!?」」

 

そう言われ真耶さんの顔がポストよりも真っ赤になった。

俺もあまりの恥ずかしさに真っ赤になる。

 

「な、なんの事でしょうか……」

 

苦し紛れにそう言うと、真奈さんはうふふふ、と笑っていた。

そのまま真耶さんの方に行き耳元で何かを囁くと、真耶さんの顔がボンッっと爆発した。

 

「はぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~………」

 

 そのまま凄い勢いでリビングから出て行ってしまった。

きっと昨日の事を言われたのだろう。

今度は俺の方に真奈さんが来た。

 

「一夏君」

「はい…」

「昨日は激しかったね~」

「ぐふっ!? 貴方が言いますか!!」

「何のことかな~」

 

 突っ込まれダメージを受ける俺。

真奈さんに突っ込みを入れると、上手くはぐらかされてしまった。

昨日一番大きな声を出していた貴方が言うことですか!?

 こうして真耶さんのご実家への挨拶は…何とも言えない感じに終わった。

昨日のことを思い出す度に真っ赤になってしまうが……幸せだった。

それに……昨日の真耶さんは綺麗で可愛くって……エロかったなぁ~。

 

 そんな事を思い返しながら、俺は山田家を後にした。


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